2009年01月26日
「スポーツイベントにおける会場設営と仮設制作」その3 ~時間との戦い
スポーツイベント、特に国際競技連盟が主催する公式大会では、競技日程以外に事前の公式練習などの公式スケジュールも設定されるため、競技会場の設営は、大会本番の1週間前から行われるケースもあります。競技の種類によって、設置が決められている競技器具や設備などの設置や調整にかなりの時間を要したりする場合もあり、一概には言えませんが、ボールゲームの場合などは、下記のような流れが一般的ではないかと思います。 ◇設営第1日目: 墨出し、試合コートの設置、競技用具の設置、試合コート周辺のテーブル配置など 各運営諸室への備品や什器の運び込み、または運び出しなど 仮設スタンド席の設置、可動席・移動席の設定など ◇設営第2日目: 看板等の装飾制作物の設置、各種台座などの仮設制作物の設置 電気工事(幹線工事~配電ケーブルの配置など) 通信回線工事(幹線工事及び必要機器の設置~通信ケーブルの配置など) 運営用各種電機・電子機器の設置 ※通電後、各種機器および通信回線などのテスト 各諸室用備品およびリース品の配置 ◇設営第3日目: 会場内外に各種サイン、案内看板、案内表示などを設置 テレビ中継用機材、設備などの設営 アクセス規制用プラスチックフェンス、ボードなどの設置 競技環境の最終インスペクション 各種テクニカルリハーサル リハーサルゲーム(本番シュミレーションテスト) ゲームエンタテイメントなどのリハーサル ◇公式練習第1日目: 試合コートにおける公式練習 ※競技関連業務は稼動、会場運営業務は観客対応の準備 ※場合により、メディア受入開始 ◇公式練習第2日目: 試合コートにおける公式練習 ※大会前日に行う各種テクニカルミィーティング ※場合により、開会式、または公式レセプションの実施 つまり、設営に3日間要する設定ですが、実質は2日間で仮設用電源位置に至るすべての場所で通電し、通信回線が使用可能な状態になっていることが必要となります。大会運営用に設置される各種機器は、通電して初めて使用可能となり、しかも使用テストが開始されます。また、インターネット回線も含めて、すべての通信回線に関しても同様です。逆に、テーブルの一台一台が、計画通りの位置に設置されていないと、そこへ設置されるはずの電源タップや通信回線の分配器が取り付けられませんし、その工事が終わらなければ、視覚的に装飾を施すためのカバーや看板の設置もできません。看板設置後に配線のやり直しなどがあると、作業効率が悪くなってしまうからです。ましてや、仮設スタンドなどの大きな仮設物のやり直しなどは、とんでもない時間のロスを招きます。 作業のほとんどすべてを人の手によって行うものですから、ひとつひとつの作業は、同時並行で進むことはもちろんのこと、設営スタッフの役割と作業の手順を事前に綿密に計画しておかないと、延べ人数にして膨大な人件費をロスしかねません。人員を削減するのではなく、適切なシフトと配置で、効率を考える、ということです。また、会場に運び込む機材や備品の納入スケジュールも綿密に計画しなければなりません。事前に、納入側に対して、厳重に通達しておく必要がある場合もあります。そのためには、会場で使用可能な搬入口の使用に関する事前の取り決めも必要です。最も効率的なのは、搬入口単位で時系列によって搬入スケジュールを組み立てておくことです。精密機器が納入された後に、バスケットのゴール等の大型の機材が搬入された場合、精密機器を傷つけたりする場合も想定できるからです。 更に、時間的には設営の半分以下、時には1/3以下の時間で作業を終えてしまう撤去と搬出の作業ですが、これは、設営時以上に作業が一時に集中するため、撤去の手順や順番、大型機材などの一時的な止め置き場所、そして搬出口毎の運用方法を、事前に段取りと時系列での計画を、設営時以上に綿密に想定しておく必要があります。電気ケーブルの撤去中にテーブルの運び出しを行っていて、ケーブルに引っかかり大怪我をしたケースなどもあります。早く作業を終えたい、というのは誰しもが考えることですが、複数の作業が混在して同時並行で進んでいることを意識しておかないと、効率的でないこと以上に、危険が伴うのです。特に、撤去や搬出は、深夜の時間帯に行われるケースが多いため、会場の周辺環境によっては、騒音対策のため、搬出時間に制限を設けている施設もあります。 効率を求める上でも時間との勝負ですが、時間を上手く操る計画性も、イベント運営の技術だと思います。
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posted by umekichihouse |05:27 |
イベントオペレーション |
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