2009年01月05日

世界的経済不況の波が日本のスポーツ界にも襲いかかる

あけましておめでとうございます。

12月5日以降、1ヶ月振りにブログを更新させていただきます。仕事や私用でドタバタの12月で、何か気が緩んでしまい、ブログを更新できずにおりました。年も改まり、また新たな気持ちでブログを再開しようと思います。

ブログ休眠中の1ヶ月は、アメリカの経済危機に端を発した世界的な経済不況の嵐が吹き抜け、日本でも海外輸出に依存する自動車産業などが、過去に例のないリストラ策を次々と断行していました。スポーツも例外ではなく、特に、12月5日に発表されたホンダのF1からの撤退は、驚くと言うよりは、今後何処まで不況の影響が広がっていくのか、不安な気持ちばかりが広がっていきました。事実、モータースポーツでは、スバルの富士重工業とスズキも、WRC、世界ラリー選手権から撤退することが相次いで発表され、12月19日には、アイスホッケーの名門である西武が、そしてオンワードもアメリカンフットボールからの撤退を発表しました。

かつて、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、バブル崩壊の余波を受けた企業スポーツの撤退話が数多く聞かれました。この時点で、企業がスポーツチームの運営から撤退した数は、ある研究所の調査によると、300を超えていたらしいです。中には、企業の支援に頼らず、市民や地域の支援により、クラブチームとして活動を存続している有力チームもあります。しかし、スポーツだけに集中できる環境を維持していくには、親会社からの支援の力は大きく、廃部後は、他の仕事で生活を維持しながら競技活動を続けている選手も数多くいます。4~5年前の丁度アテネオリンピック開催の頃からは、スポーツ活動を廃止する企業も減り、毎年二桁の数の企業がスポーツから撤退していた頃と比べれば、片手で数えられる程度の数の撤退数になっています。ホンダショックで揺れたF1界も、トヨタのF1参入、そして富士スピードウェイでの日本グランプリ復活など、日本が誇る自動車メーカーの両雄対決が実現して、モータースポーツファンのみならず、モータースポーツ全盛期に負けず劣らぬ人気を回復したかに見えていました。

F1を筆頭に、モータースポーツは、単なる企業の宣伝や広報目的だけではなく、最新の技術開発や技術者の養成の場としても大きな意義をもっていると聞きます。確かに、F1マシンに凝縮された数々の最新技術は、あらゆるハイテク産業の技を結集して日々進化していましたし、マシンそのものも、走るショーケースと言っても過言ではありません。特にホンダは、F1と言えばホンダという社名を連想させるほどに、独自のポジショニングを得ていました。同様に、WRCで名を轟かせていたスバルも、4輪駆動車の代名詞としての確固たる地位を得ていました。供に、支えていたのは世界に誇る技術力であり、まさに、モノ作り大国ニッポンを象徴するブランドを創り上げていたのです。つまり、単なる宣伝目的ではない、企業としての開発投資的な一役を担っていたのが自動車メーカーにとってのモータースポーツ活動であり、それを撤退に導くほどに、今回の経済不況の威力は凄まじかったということです。

トヨタは、相当以前から今年3月からの広告宣伝費の抑制を発表していました。その規模は、全体の3割ということでした。日本の広告宣伝費のトップであり、1,000億円を超える規模の金額の3割とは、広告界や広告収入に依存するメディア界にもたらす影響がどれほどのものかを表すに十分すぎる規模です。そのトヨタは、年末の定例会見の席で、通期での赤字決算を早々と発表していました。3割どころか、この先どれほどのリストラ策が登場してくるのか、まさに戦々恐々です。
非正規雇用者のリストラの話題で、12月中は暗いニュースばかりが目立ちました。しかし、本当の怖さはこれからです。各企業の決算期である年度末に向けて、収益の下方修正のみならず、長期的な回復の兆しが見えないという判断が下されれば、今度は正規社員のリストラが断行されるでしょう。その時に怖いのは、正社員のリストラまで及ぶ企業の危機に際して、スポーツ活動をそのまま継続することに対する悪評が飛び交うことです。過去にも、そうした事例は数多く聞かれました。年間数億円という活動費が捻出できないわけではありません。一般の社員からも、株主からも、企業としての経営努力の一端として、スポーツ活動さえも削減の対象とするような空気が生まれるようです。そして、100年に一度の規模とも言われる世界的経済不況の嵐は、先のホンダなどの事例のみならず、既に大きな影響をもたらしつつあります。ロンドン五輪での施設建設費の調達不足、プロチームのオーナー会社の株式下落による経営難、新規スタジアム建設の凍結、などなど・・・。

年末にお会いしたある広告代理店の方がこんなことを言っていました。「テレビ広告費が前年比で8割台がこれほど続くのは前代未聞だ。どんなに不況と言われても、テレビがこれほど影響を受けたことはない」。経済産業省の統計調査では、リーマンショックが世界を揺るがした昨年9月までは、悪い悪いといわれながらも、テレビ広告費は昨年比で9割前後で推移していました。新聞や雑誌の広告費が8割台であったのと比べれば、新聞の3倍以上の金額規模であるテレビ広告費の落ち込みは、広告界、メディア界には死活問題です。当然、私が身を置くスポーツビジネスにも多大な影響があります。スポンサー、チームの親会社、そしてメディアと・・・。丁度1年前のフジサンケイビジネスアイ紙に掲載されていたあるシンクタンクの研究員のコメントでは、「企業によるスポーツへの支援は、企業の社会的責任(CSR)の側面もある。企業スポーツの新たな価値を再考してみてはどうだろうか」、とありました。しかし、現在の状況で、そんな悠長なことを言う人はいないでしょう。今年は不安の幕開けです。

posted by umekichihouse |05:44 | 日頃のあれこれ | コメント(0) | トラックバック(1)
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2009-01-05 12:08 | 続きを読む
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