2008年11月19日

男子バスケットボール日本代表に立ちはだかる東アジア・サブゾーン予選という壁

昨年夏に徳島市で行われた北京五輪への出場権を掛けた男子バスケットボールアジア選手権での惨敗から1年と4ヶ月。その間、ナショナルチームとしての男子バスケットボールのトップチーム、所謂フル代表は、一切の活動を停止しています。代表を招集して参加すべき大会がないこともありましたが、強化という点においても、その活動は全く行われていないのが現状です。しかし、日本バスケットボールリーグが開催されている期間中ということもありますが、代表を招集して参加すべき大会は、実はありました。10月9日-13日間、クウェートで行われた「FIBA ASIAスタンコビッチカップ」です。前FIBA事務総長であり、現在の名誉事務総長のMr. Borislav Stankovićにその大会の名は由来しています。1980年代からFIBAとNBAの協調を行い、マクドナルド選手権を創設するなど、国際バスケットボール連盟、FIBAに多大な功績を残してきたスタンコビッチ氏の栄誉を称える意味で創設された大会なのです。ただし、“スタンコビッチカップ”とは、正確には、“スタンコビッチ・コンチネンタル・チャンピオンズカップ”と2つの大会があります。ここで言及している“スタンコビッチカップ”は、FIBA ASIAの主催で行われる大会で、後者は、世界5つのゾーンの大陸チャンピオンなどが参加して行われるFIBA主催の世界大会です。ちなみに、FIBAスタンコビッチカップは、毎年、中国で開催されているようです。また、大会名称も、当初は前述のようなタイトルでしたが、現在は、「FIBA Borislav Stankovic Cup」となっているため、「FIBA ASIA Stankovic Cup」と間違えやすいのです。

さて、10月に行われた「第2回FIBA ASIAスタンコビッチカップ」ですが、この大会は、来年、中国で行われるアジア選手権への出場権を巡って、大きな意味を持つものだったのです。アジア選手権大会は、FIBA ASIAが統括するアジア地区5つのゾーンから、全16の国または地域の代表チームが参加して行われます。この大会での優勝国は、自動的にアジア選手権への出場権が与えられ、2位から5位の4ヶ国には、その国が所属するゾーンの出場枠が追加されます。つまり、スタンコビッチカップで上位5位以内に入ることは、アジア選手権予選として行われるサブゾーン予選での戦いを楽にする、ということなのです。例えば、日本が所属する東アジアゾーンの例を見ると、5つのゾーンに与えられている味う選手権への出場枠は、それぞれ2つですので、東アジアゾーンも2つは持っています。それに加えて、スタンコビッチカップで上位5位以内に入れば、その数分だけ出場枠は増やされますが、韓国もチャイニーズタイペイも出場していないため、ひとつも追加されません。よって、来年6月に予定されている東アジアサブゾーン予選では、2つの出場枠を巡り、韓国、チャイニーズタイペイと戦い、2位以内に入らないとアジア選手権の本戦に出場すらできない、ということになります。幸いなことに、アジア選手権本戦の開催国が中国であるため、中国は開催国としての出場権を確保していることで、2枠というところでは影響しません。ちなみに、アジア選手権への出場枠は、以下の通りです。

◇開催国: 中国
◇スタンコビッチカップ優勝国: ヨルダン
◇東アジアゾーン: 2
◇東南アジアゾーン: 2
◇中央アジアゾーン: 2+2=4
◇西アジアゾーン: 2
◇湾岸ゾーン: 2+2=4    計16

前回、徳島で行われたアジア選手権の際には、上記の出場条件とは異なり、そのまた前回のアジア選手権での優勝国、そして上位5カ国に、サブゾーン予選からの出場枠追加の割り当てが行われました。これは、2006年に開催予定であったスタンコビッチカップが、開催国シリアの国内情勢不安定の理由から中止されたためです。ちなみに、第1回、タイペイで行われたスタンコビッチカップには、日本チームも出場しており、5位に入っています。また、この大会では、韓国が2位、チャイニーズタイペイが3位になっており、日本を含めて3つの追加枠を確保できたため、既存の出場枠の2つを加えると5となり、サブゾーン予選を開催する必要がなくなったのです。つまり、こうした複雑な経緯が、今回のスタンコビッチカップへの出場の意味合いを薄めた、とも言えるのかもしれません。

今回の第2回スタンコビッチカップは、出場したのは僅かに5カ国。つまり、出場すれば同時にサブゾーンの追加枠は確保できる状態だったのです。開催時期については、第1回開催の際にも論議された経緯があるようです。それを証明するかのように、韓国は、リーグ、学生、軍隊の混成チームだったようですし、フィリピンなどもリーグで活躍するプロ選手は一切参加しなかったということでした。ちなみに、優勝したヨルダン以下の順位は、2位クウェート、3位カザフスタン、4位インド、そして5位カタールです。

生まれ変わった気持ちで新たな船出を求めれる男子バスケットボール日本代表ですが、リーグが終わる来年の4月からたった2ヶ月で、早くも試練の場が待ち受けることになりました。負ければ終わりですが、韓国はもちろん、チャイニーズタイペイにも、昨年の徳島では敗退しています。決して余裕などはありません。ヘッドコーチすら決まっていない現状で、超高速スピードでのチーム構築を、ぜひお願いしたい気持ちで一杯です。

posted by umekichihouse |10:02 | バスケットボール | コメント(0) | トラックバック(0)
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