2008年11月12日
「欧州の現状、そして日本バスケットボールの行く末」その8 ~プロ化の必然性
ユーロリーグを検証してくると、そこには育成や強化という視点だけではなく、やはり、興行という本来のプロチームとしての本分があることは間違いありません。興行価値が高いからこそ、ヨーロッパ各国の326クラブは凌ぎを削ってユーロリーグを目指すわけで、そこでのステイタスは、更にファンを呼び込み、収入を増やしていくというビジネス構図を具体化していきます。つまり、“プロ”という現実的な必然性がそこにあります。興行価値が高まれば優秀な選手が集結し、更に競争力が高まり、またまた興行価値を押し上げていく。この構図は、ひとりの選手のプロ化云々を取り上げている日本との次元の差を示すものです。経営という視点からは始まって、育成や強化というところに結び付けていくためにも、プロチームは必要な存在になっていのだと考えます。 企業チームに支えられてきた日本のスポーツ界のトップの現状は、少しづつ変わりつつありますが、まだそれはごく一部に過ぎません。企業の中のスポーツチームから、企業が運営する、またはスポンサーとして支援するスポーツチームとなる。つまりはプロチームが、独自の経営手腕を持ち、独自の収益力を持ってスポーツを支えていく環境が整うことが、もちろん、究極の目標ではあります。しかし、経営という視点で、Jリーグでさえまだまだ全体的には数多くの課題を抱えています。15年、しかしまだ15年ということなのかもしれません。bjリーグが生まれ、私個人的な意見としては、その存在は日本のバスケットボールの在り方に一石を投じたことは間違いないと考えています。bjリーグの在り方や内容のすべてに賛同しているわけではありませんが、少なくとも、プロリーグ、プロチームを作る必要性については共感しています。もちろん、リーグ、そしてチームの経営という点では改善の余地はまだまだあることも、ファンですら理解しているのだと思います。そして、リーグ全体が拡大し続けている姿に期待するのではなく、如何に持続し、個々のチームの中身が大きくなることに、bjリーグの将来を見たいと考えています。つまり、地に足をつけた堅実性に期待しているのです。 Jリーグも、J1が18チーム、J2を22チームに拡大して、計40チームにする構想を目指していると聞きます。しかし、単なるリーグの規模の拡大をリーグ経営の目指す方向のひとつとして掲げていくのは、15年経過した今の時点ではどうなのか、という疑念は拭い切れません。もちろん、プロスポーツの経営も競争社会ですから、いつかは淘汰が始まります。経営を続けられなくなり倒産する球団が出てくることも必然となるかもしれません。40チームに対する分配金を拠出する義務を負っているリーグの収益力にも限界は来るでしょう。特に、J2の中で年間予算が5億円以下の球団は、リーグの分配金が大きなウェイトを占めている、という事実もあります。一方で、bjリーグは、明らかではありませんが、リーグからの分配金がどの程度のものなのでしょうか?。適性と推測される球団運営の規模であるライン(個人的には3~3.5億円規模と推測しています)まで届いている球団は、ほとんどないのではないでしょうか?。聞くところでは、適正規模の半分程度という球団もある、らしいのです。淘汰されるべき、という意見の関係者もいれば、いまは淘汰されるタイミングではない、という人もいます。私は、先に述べたように、安定した持続体制を築く時期だと考えています。飛行機で例えるなら、テイクオフに向けてのランディングを開始したばかりなのが現状のbjリーグであり、テイクオフまでにはまだまだチーム個々の経営という視点での努力が必要であるように思います。もちろん、既に安定に向かっている球団もあるでしょう。しかし、リーグは、特定の一部のチームだけで成り立つものではなく、リーグ全体の中での競争が激しいからこそ、ビジネスとしての力を増してくるものだと思うのです。当然その競争とは、経営的に淘汰されることを示すのではありません。ファンや観客の期待に沿ったスポーツ競技としての魅力を指すものです。 JBLに今年加盟したリンク栃木ブレックスを見ていると、戦績は苦戦していますが、球団経営という点では、田臥選手獲得の影響もあってか、まずまずのスタートを切ったと思います。(監督更迭問題は別として・・・)アメリカで言われるフランチャズビルダーとしての責任を見事に果たしている、と言えるでしょう。もちろん、勝負の世界ですから、勝つことがビジネスを大きくする根源にもなりますし、リーグ全体の興行価値をより引き上げるものにもなるでしょう。ある意味では、田臥選手の存在が、ホームで戦う他の7チームの観客動員にも影響している姿を見ていると、リーグとしてのフランチャイズビルダー的な役割も担っているようにも見えてきます。それが良いことなのかどうかは、ファンの判断に委ねるしかありませんが、経営的には一考の余地があることは間違いありません。田臥選手個人の存在が、リーグとしてのブランドを体現するものではないからです。それを勘違いすると、先はない、と危惧するのは私だけでしょうか?。リンク栃木のプロチームとしての経営は順調だとしても、リーグとしての軸足は、まだまだ曖昧なものだ、ということです。そして、3つ目のプロチームの登場を、いまは期待するばかりです。 ヨーロッパの現状を検証する話とは少しずれましたが、ヨーロッパの実情を垣間見ると、ますます日本の現状の課題の一つ一つが浮き彫りになるように思えます。リーグやチーム、クラブの視点だけでなく、試合会場となる施設の問題にもそれは及びます。NBAの日本でのビジネスにかつて関わった経緯から言っても、NBAは間違いなく世界No.1のリーグです。そして、NBAは、ヨーロッパにもフランチャイズを広げるべく構想を持っていると聞きます。スポーツのマーケット単位がますます広域化していく時代の中で、アジアの“ファーイースト”の中の“島国ニッポン”は、どのような方向に“アクション”していくのか、期待を込めて見続けたいと思います。
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posted by umekichihouse |06:05 |
バスケットボール |
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