2008年11月11日

「欧州の現状、そして日本バスケットボールの行く末」その7 ~広域リーグの可能性

ヨーロッパ・バスケットボール・リーグ連合、ULEBが主催するユーロリーグへの出場を争う欧州各国の全27リーグには、合計で326クラブがそのトップリーグに所属しています。各国のリーグ毎に、所謂2部リーグがあるリーグもありますので、すべてを数えると更にその数は多くなるのは間違いありません。各リーグ毎の加盟クラブ数はマチマチですが、10クラブ前後という規模が平均で、ドイツのブンデスリーガは18クラブ、スペインのACBが17クラブ、イタリアのセリエAが16クラブなど、強豪と言われるリーグほど、加盟クラブ数は多いのが実情のようです。326クラブは、たった24クラブの出場枠のユーロリーグを目指して凌ぎを削っているわけで、そのまた下にはユーロカップやユーロチャレンジという登竜門があるということを踏まえると、ヨーロッパのバスケットボールの戦いの舞台は、本当に過酷なものであることが覗えます。そして、各国単位のリーグは、一番末端の、言い方は悪いと思いますが、ユーロリーグの予選という位置付けになります。一国単位の立場から見ると途方に暮れる規模です。

国際バスケットボール連盟、FIBAは、いよいよ来年から、クラブによる世界選手権、FIBA WORLD CLUB CHAMPIONSHIPを創設しようとしています。開催期日は、現段階で、10月14日からの5日間。場所は未決定のようですが、開催費用を賄える都市の選考が現在行われているようです。ユーロカップ、そして欧州各国リーグの開幕直前というスケジュールの中で、単なるプレシーズンの意味合いではなく、真剣勝負の舞台としての大会の意義が出していけるのか、非常に楽しみではあります。更に、来年からNBAのチャンピオンチームの参加は可能なのかどうか、また、各大陸からの出場枠はどうなるのか。サッカーのFIFAクラブワールドカップは、昨年は浦和レッズがアジアチャンピオンとして出場し、大きな注目を浴びつつあります。昨年からは開催国リーグ枠が設けられ、Jリーグからの出場も可能にはなりましたが、やはり、アジアのトップとしての出場にこそ意義があります。このサッカーの例を踏まえると、バスケットボールの場合、まだまだクラブ単位での注目度は低く、世界的な認知を得るのもまだ先の話になるでしょうが、やがては「世界No.1クラブ決定戦」としての大会の位置付けを、バスケットボールも得られるようになるのでしょう。

こうした背景から考えると、日本のバスケットボールの置かれている現状は、リーグという視点から見て、チームの数という点ではトップリーグだけでもJBLで8チーム、bjも来季からは13チームになり、数の面からだけでは20という数を超えるものになり、数的には遜色ありません。ただし、日本のバスケットボールが、世界的なレベルの向上というところで後れを取りつつあるひとつの要因として、日本国内のリーグの上のタイトルを目指していく競争意欲というか、世界と戦うためにリーグがある、という意識というものが、現在のプレイヤーの中にあるのかどうかは疑問です。これは、プレイヤー一人ひとりという問題だけではなく、リーグとしてのJBLや、その上部組織である日本バスケットボール協会の考え方にも原因があるのかもしれません。ひとつの実例として挙げられるのは、FIBAアジアが主催するアジアクラブ選手権であるFIBA ASIA CHAMPIONS CUPに日本からはほとんど参加歴がない、ということです。JBLとbjリーグの連携云々という話題は別にして、JBLに限れば、日本のリーグで勝ち、アジアへ挑み、世界のクラブと雌雄を決する、という海の向こうに目標を設定してチームを作っている気配はまるで感じられません。3月末にリーグが終わればそれですべてシーズンは終わり、というのが実情でしょう。もちろん、ナショナルチームの活動がありますから、その辺の影響を踏まえることも必要だとは思います。しかし、リーグすべてがナショナルチームに関与するわけではない。その辺から考えると、FIBAが新たに創設するクラブ世界選手権への出場を目指したアジアへの挑戦は、少なくとも来季から開始していかないと、ますます世界の動きに遅れを取っていくような気がしてなりません。まずは“アクション”を起こすべきと考えます。ちなみに、今年のアジアクラブ選手権は、カタール、レバノン、イランなどの中東諸国のリーグチャンピオンを中心に、10チームが参加して、5月上旬にクウェートで開催されました。優勝はイランのチーム。現在、代表レベルでのイランの台頭は目覚しく、その強さを支えているのは、こうしたクラブの力なのかもしれません。もちろん、中東からは、現在多くの選手がヨーロッパのリーグへ参加するケースが多くなっていると聞きます。国内リーグの実力の程は分かりませんが、アジア選手権での成績を見る限り、確実に力を付けていることは間違いありません。

世界、そしてアジアが新たな動きを始めている中で、“島国”ニッポンは、どの方向を見据えて“アクション”を起こしていくべきなのか。JBLの2つのプロチームの中で、今年9月、レラカムイ北海道が、アジアバスケットボールリーグ(ABA)に参戦しました。参加したのは、中国、韓国、香港からの各チームを加えた4チームでした。結果は、レラカムイは決勝で敗れましたが2位という成績でした。ABAは1992年に発足していますが、当時はアジア全域でのリーグ開催を目論んでいたように記憶していましたが、現状は短期間の交流試合的な意味合いは隠せません。しかし、このABAの存在云々は別にしても、アジア地域、少なくても東アジア地域での広域リーグは、今後、代表レベルでもヨーロッパ勢に立ち向かっていく力を付けていくためにも、必要な時期に来ているように思います。単なる交流ではなく、タイトルをかけた戦いの場として・・・。そして、すべては、FIBAが世界タイトルを創設するタイミングでの世界の動きに対する同調の仕方で変わってくるのだと思います。

ユーロリーグとの交流について、以前bjリーグは発表していましたが、その後の動きにも興味は沸きますね。

posted by umekichihouse |06:27 | バスケットボール | コメント(0) | トラックバック(0)
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