2008年11月01日

スポーツイベントにおけるドレスコード

今回は少し変なタイトルですが、スポーツイベントに関わる人たちの服装についてフォーカスしてみたいと思います。特に、国際大会やプロスポーツ興行では、監督やチームスタッフがスーツスタイルで采配を振るう姿がよく見られますが、テレビ中継などからは見えないまでも、運営の中心的な役割を担うスタッフたちも、スーツを着用している姿は当たり前のようになっています。サッカーでは、欧州の強豪クラブの多くの監督が、アメリカのプロスポーツでも、NBAやNHLは、ヘッドコーチのスタイルと言えばスーツです。スポーツと言えば、ジャージやポロシャツなどのスポーティーなスタイルを思い浮かべがちですが、試合の場を仕事の場として、または戦いの場として、そこに挑む決意というか、真剣勝負へのコンセントレーションを高めていくための、一種の自己催眠的な効果が、スーツという正装スタイルにはあるのかもしれません。

今季のJ1の開幕当初、名古屋のストイコビッチ監督が、ちょっとした連絡ミスからホテルにスーツを残したまま、ジャージ姿で試合に臨み、京都に敗れてしまったことがありました。ストイコビッチ監督は、次戦からはキチンとスーツに身を包み采配を振るったようですが、勝敗はともかく、いつもスーツでいた監督がジャージでいる姿は、選手たちに緊張感を薄れさせる効果があったのでしょうか?。単なる感覚的なことだと思いますが、テレビ中継を見ていてもスーツ姿で毅然と姿を見せている監督がいるベンチには、少しだけ威圧感を感じるような気がします。サッカーにもドレスコードなんていう概念はないでしょうが、チームのリーダーたる監督が、正装姿で試合場に立つ姿は、チームの士気だけでなく、スタジアムにいるサポーターたちにも、真剣勝負に挑む真剣さを伝える力があるのかもしれないと、よくテレビを見ていても感じます。

スポーツイベントの現場で、それが親善試合か公式大会を問わず、国際試合の際には、私は意識してスーツ姿で現場に臨むようにしています。前日までの会場の設営や準備の時点では、どうみても汚らしい格好をしていますが、本番の日は、キチンとスーツを着用するのです。別に格好をつけている分けではありません。真剣勝負に挑むチームや選手に対する礼儀として、また来場する観客に対する礼儀として、そして選手たちと同様に、ここは真剣勝負の舞台なんだ、ということをスタッフ全員に自覚させるための効果と、会場全体の雰囲気に緊張感を持たせる効果を少しでも引き出すために、意識してスーツを着用します。NBA公式戦の運営現場には、1992年に始めて臨みましたが、この時のNBAのスタッフの誰もがスーツ姿で、コートサイドはもちろんのこと、会場のいたるところで威圧感を醸し出していました。「ここは単なるバスケットボールの試合の場ではない。NBAの公式戦を行う闘いの舞台なんだ」、という意思表示がヒシヒシと感じられました。ヘッドコーチやチームスタッフはもちろんですが、運営に携わる、所謂黒子的な人たちまで、なぜスーツを着ているのか、少しは疑問に思いましたが、試合本場の日に、満員の観客の中で、要所要所に配置されたスーツ姿のスタッフたちの動きを見ているうちに、カッコいい!、という感情が込み上げて来たことを覚えています。もちろん、コートを整備したり、会場を走り回ったり、客席の案内をしている末端のスタッフたちはお揃いのスタッフウェアを着用していますが、彼らを指揮する責任者は、キチンとスーツ姿で目を光らしています。キーとなるポジションに、スーツ姿のスタッフがいることで、観客からの見え方や、運営全体に対する安心感も違ってくるようにも感じました。それが、スポーツイベントの現場で、正装を意識するキッカケです。

地方に行くと、競技団体の人たちはお揃いのスタッフウェアやジャンパーを着用して運営現場で働く姿を当たり前のように見かけます。学生の大会や国内の予選大会などでは、あまり気になるものではありません。ただし、トップリーグやましてやプロリーグ、プロチームの試合の現場では、案の定、緊張感が高まりませんね。テレビ中継を見ているだけでも、「この試合はどんな価値を持った試合なんだろう」、という目で、スタッフたちのスタイルひとつを見ただけでも、「いつもの試合の何にも変わってない」、と緊張感が薄れてしまうことがあります。バスケットボールで言うならば、コートの周りの人たちのスタイルが一番目につきますが、彼らがポロシャツやジャージ姿でいたら、それだけでも興行価値は幾らか低下している気がします。非日常的な空間を作り出すのがスポーツエンタテイメントだ、とよく評論されますが、スタッフたちのそんな姿を見て、誰も何にも感じてくれやしません。少なくとも、bjリーグの試合では、少し意識しているのか、その辺の見え方は非常に改善されているように感じています。

サッカー日本代表の岡田監督は、コーチ時代からジャージ姿が定番でした。ところが、最近では、キチンとスーツ姿で采配を振るっています。何かカッコいいです。監督がこうした変化をすることは、チームに対する見方も変わりますし、チームの姿勢が清楚に見えてきます。不思議なものです。これは、新しい日本協会会長となった犬飼会長からの提案だったと聞きましたが、日本代表の人気が云々言われ始めた中で、ちょっとした変化ですが、テレビ中継を見ているだけでも、何か違いがあることは感じました。外見ばかり云々、と言われそうですが、自分自身をプレゼンテーションする、チームをプレゼンテーションする、また、ゲームをプレゼンテーションする、そしてイベント全体をプレゼンテーションする。試合会場の装飾やゲームの演出と同様に、会場の運営を司るスタッフたちのスタイルひとつにも、イベントの興行価値はあるのだとおもいます。バレーボール男子の植田監督のスーツ姿はカッコいいですよね。女子の柳本監督のジャージ姿も見慣れてはきましたが、一度スーツを着てみて欲しいです。

posted by umekichihouse |05:19 | イベントオペレーション | コメント(0) | トラックバック(0)
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