2007年05月12日

アンチドーピングへの私見 [4]:今後も続く「いたちごっこ」

金曜のすぽるとで ドーピング特集 やってましたね・・・。
そしてこのニュースも。

サッカーの話ではないですが、少し書いていきます。

自転車ロードレースのイヴァン・バッソが、イタリア五輪委員会の聴聞会で
否定していたドーピングを認めたと。ドーピング使用で有罪判決となった場合、
最大で2年間の全レース出場が禁止となる可能性がある。

バッソの弁護士が「(彼は)薬物使用の事実を良心から取り除きたがっていた」と
コメント。7日に認めたと報じられ、8日記者会見し「一瞬の気の迷いから
ドーピングをしようとしたことはあるが、禁止薬物を摂取したり
血液ドーピングをしたことはない」と弁明した 筈なのに・・・

※ 関連:オペラシオン・プエルト(ウィキペディア)
 (上の件のドーピング摘発をしたスペイン警察でのコードネームのこと)

ただ、この問題はサッカー界にも影響を及ぼす恐れがある。

このドーピングに関わっていたスペインのフエンテス医師は、
サッカー選手にも関係していた、と フランス‘ル・モンド’は報じた。

ル・モンド’では、バルセロナとレアル・マドリー、バレンシア、ベティスが
フエンテス医師を頼っていたと報道している。フエンテス医師によれば、
「顧客」は自転車選手だけではなく、陸上選手、テニス選手、サッカー選手、
バスケットボール選手、ボクサーもいるという。

ただ、フエンテス医師は公衆衛生に関する犯罪は否定し、
顧客に医学的問題を抱えた選手は「いなかった」としている。

施した処方箋は、複数のドーピングであり、筋肉増強剤や成長ホルモンや
エリスロポエチン(EPO。血液中の赤血球を増やすホルモン)。

危険なのはプロなど高いレベルのスポーツ選手の健康のみで、それは
過密日程など、プロスポーツが利益を生む一方で生じた「負の産物」だとしている。

1998年に、ツール・ド・フランスでドーピング問題となったEPO。
EPOは、赤血球の生成を促進する事で赤血球が増加し、血液の酸素運搬能力が
向上して持久力を上げる事が可能だが、血液が濃くなり過ぎる事で
人体に重篤な障害を引き起こす可能性があり、
ヘマトクリット(血液中に占める血球の容積率)の許容値を規定する事で
規制しようとの動きが活発になった。 (by フレッシュアイ ウィキペディア)

1954年のワールドカップで優勝した西ドイツや、
1966年のワールドカップでイングランド大会で旋風を巻き起こした北朝鮮や、
ヨーロッパの有力クラブチームが、組織ぐるみで血液ドーピング(EPO)を
行っていたとも言われている。

1992-93シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(当時)決勝で、
ACミランを1-0で敗って優勝したマルセイユ。
後にリーグ・アン等での八百長試合が発覚し、タイトルを剥奪されたが、
マルセイユがこの決勝戦前に 「注射」をしたという話もある。

これが、2004年にアーセナルのアーセン・ベンゲル監督が 
「所属している外国人選手の中に、以前所属していたクラブでドーピングを
 していた可能性のある選手が居る」と発言した事に相当するのかもしれない。

サッカーだけでなく、他の多くの競技でも指摘される事が多いし、
人間だけでなく競走馬でも行なわれるドーピング。
何が彼らを駆り立てるのか。何故 選手自らが、身体を「別の意味で」張って
命を削り取られなければならないのか。

遺伝子ドーピングでも、こんな話がある。
(筋力回復の遺伝子治療、ドーピングに悪用される懸念 by WiredNews今後、より広範囲で複雑になり見分けにくい方法が取られるのだろうが、
それを摘発する側の技術が追いついていけるのか?

そういった疑念があるから、残念ながら 「疑わしきは罰せられる」 し、
ひょっとすると、無実の罪に苦しむ選手も出てくるかもしれないという気もしている。

だから、先の記事のコメントでも頂いたが 「李下に冠を正さず」、
疑われるようなことはしないほうがいい、という事にならざるを得ない。

ただ、一般人ならともかく、ビジネスや賭け対象となるプロスポーツ、
「ハメられる」場合はどうなるのか、考えただけで恐ろしいものがある。

最初に挙げた、イヴァン・バッソの自転車競技の話でも、
フエンテス医師の逮捕に伴って、ツール・ド・フランスの主催者は、
関係していたとされる選手の出場を拒否。
バッソの他に、ヤン・ウルリッヒら優勝候補が出場出来なくなった。

それが正しい捜査だったのか、それとも ウィキペディアにある、
オペラシオン・プエルト に書いているように、捜査態勢のずさんさ、
そうした情報を鵜呑みにした競技団体の場当たり的な姿勢によって、

ヤン・ウルリッヒやフランシスコ・マンセボーらのように、
(クロかシロか判らないのに)現役引退に追い込まれるような事になるのか。

UCI(国際自転車競技連合)がスペインから受け取った書類は、
スペインの捜査官が改竄したものだった事が後になってから判明したし
検体の検査や取り扱いに、選手側の権利の代表者は全く関与出来ない為、
どこかで検体に薬物を追加されたり、あるいは検査結果を改竄されたとしても、
選手側には全く対抗手段が存在していない。

それでいて、選手は疑惑をかけられただけでチームを解雇されたり
レース出場を差し止められたりするなど、選手としてのキャリアに
直接影響する損害を被っており、しかもこうした損害は全く補償されない。

こうした、一方的なやり方で選手のキャリアを踏みにじるやり方に対して
ファンからも疑問の声が上がっており、ツール・ド・フランスの話でいうと
「他国の有力選手を出場させない為の陰謀」という憶測も絶えない。
 (これらの意見は、オペラシオン・プエルト からのパクリです)

今後も続く「いたちごっこ」と、ドーピング発覚に伴う様々な疑惑。
我那覇選手の件は、ツール・ド・フランスの話から比べれば 複雑ではない。が、

それがエスカレートすれば、プロスポーツのあり方に警鐘を鳴らすかの
ような問題も生みかねない。(というと、心配し過ぎだって言われるが)

本来のスポーツの楽しみ自体が、これらによって犯される事に対しては
怒りを禁じえないのである。

(参考)
◇ やっちゃいけないドーピング(毎日新聞社)


◆アンチドーピングへの私見:
 予告:アンチドーピングについて他 
  [1] :疑わしきは罰せられる [2]:フェアプレー精神
  [3]:ドーピングの歴史(紹介) [4]:今後も続く「いたちごっこ」
  [5]:ばっさりと。 [6]:我那覇問題の着地点とJリーグ/医師の今後の関係は?

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posted by uj_lovesoccer |21:18 | テーマ設定した記事2007 | コメント(2) | トラックバック(0)
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Re:アンチドーピングへの私見 [4]:今後も続く「いたちごっこ」

コメント投稿者ID :

最近、水泳のイアン・ソープがドーピングで問題になっている。
シドーニオリンピックでは、開催国のヒーローなので、当時は、お目こぼしを受けた。その後、五輪の名声をビジネス的に使用しだして、少しやりすぎた。

水泳では、中国の女子がひどかったが、北京五輪を控えて、中国が自粛しだしてから目立たなくなった。
かって、アジア大会で、筋肉隆隆の女子スイマーに日本の千葉すずが泣かされたものです。

ドーピングを国家レベルで行っていたのは、社会主義圏。
しかし、米国も、ベトナム戦争時、興奮剤の開発を進めて、兵士に供与した疑いがある。(映画「天国への階段」は、その犠牲者を描いていた)

グローバル企業は、新薬の開発、実験に血眼で、あろうことか、低開発国の貧困層を実験材料にしている(映画「ナイロビの蜂」で、そのようなインモラルを暗示…)

選手のドーピング使用は、
国威発揚、戦争、商業主義等のもとで、新薬が開発され出まわる限り、際限がないように思われる。
最後は、個人が「良心と富と名声」のバランスの上で、ほどほどのところで折り合いをつけてくれることを期待するしかない。

しかし、個人の欲望には限界があるのだろうか?
或るベンチャー企業の金持ちの談話である。
株で100億円儲けた。そこで、どうなるか?
更に、200億を。200億に増えたら、400臆にしたくなる。欲望は止めど無く膨らむらしい。
決して、100億円を手にして、事業を辞めて悠々自適で人生を送ろうという気持ちにならないそうである。
そして、最後は投機で失敗して、無一文になった。
「強欲」に対する、天の制裁が降りたのである。

スポーツ競技を見て楽しむ者の立場から言わせてもらうと、
本来は選手同士がフェアーな条件の下で競走してこそ、楽しめるし、感激するものである。
しかし、現実として、そのような理想的な状況を期待することが無理になっているようです。

UJさんが、いろいろとリサーチされて報告されています。
私見ですが、裁判になったケースは氷山の一角だと思っています。

私は、ずーっと前から、スポーツ、特に陸上や水泳の観戦では醒めた態度でいる。
陸上競技を経験したものとして、選手の体型、動き、記録からして、「勘」で、この選手は使っているな、使っていないなというのが分かる(正確には、分かような気がする)
そこで、最近は、競技の勝者よりも「美しい者」を愛でる気持ちでいる。

先週の5月5日、長い競技場で国際陸上GPを観戦した。
お目当ては、池田久美子さんの7メートルジャンプを見たかったからである。
記録は生まれかったが、池田さんやハンマー投げの室伏由佳さんは、輝くような美しさがあった。
単に美形から生まれるものではなくて、苦しい練習から生まれた自信によって、体の内面からオーラ―が出ているような…。

男子400メートルのジェレミー・ワリナーは、今話題のホープ。世界記録保持者マイケル・ジョンソン(疑惑が囁かれていた…)の後継者とされているが、同じコーチに師事していると聞いて、イヤな気持ちになった…
しかし、長身で、無駄な筋肉のないが、やせすぎの体型。日本選手のほうが、はるかにたくましい。
しかし、走り出して、200メートル過ぎからもスピードが落ちず、端正なストライド走法で、最後の100メートルもフォームが乱れなかった。
この種目では、もう白人選手が世界のトップにはなれないと思ったが…
お蔭で、天分と努力により生まれた美しいランナーの走法を堪能できました。

posted by potato | 2007-05-13 16:37

Re:アンチドーピングへの私見 [4]:今後も続く「いたちごっこ」

コメント投稿者ID :

potato さんのコメントは、本当に面白いですね^^ 
お話あったようなシロかクロか、と言われれば「限りなくクロに近いグレー?」の方々については、致し方ない場合もあるでしょうし、いたちごっこは どこまで続くのか果てしない事のようにも思いますが、シロをクロと言われる場合が今後出てこないのか、それが一番心配でなりません。

下世話な話になるかもしれませんが「やっている、やってないが判る」のは、芸能人の整形手術みたいなものですかね?(記録は生まれなくても)苦しい練習から生まれた自信によって、体の内面から出る輝くような美しさが、本来あるべきものなのでしょうけども、それを見る目も養わなければならないなぁと思っています。
(池田久美子さんや室伏由佳さんはTVでしか観たことないので、実際に見てみたいなぁ・・・)

posted by UJ | 2007-05-13 20:24

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