2007年04月12日

アジアでのJの立ち位置を考える(10):Jの立ち位置

昨日のACL(アジア・チャンピオンズ・リーグ)では浦和川崎Fとも
勝利で何より。初のグループリーグ突破も見えてきた感があるが、
まだまだ油断は禁物であろう。

このシリーズ、飛び飛びで書いておりますが、これまでの話は、
通して読んで頂いた方には、支離滅裂な感じを与えてしまうかもしれない。

ただ、本来書きたかったことでもある 「アジアの中でのJリーグの立ち位置」。
それは 「アジアの中では、良い意味で異常=突出して整備されている」 という事は、
骨身に浸みて判っている訳ではないと思う。
(Jリーグは整備されている、という事で「ゲームに強い」とは異なる)

アジア他国では、クラブに、ユース組織まで整備する事を半ば義務化している
国はない。
ましてや、U-22の試合(マレーシア)やACLの試合(インドネシア)や、
U-20選手権(インド)、そしてアジアカップ予選(イエメン・インド)で
観られたように、芝の整備されたグランドを国際試合で準備できない。

そういったサポート体制なしに見える状態は、
1980年代の日本のプロ化前の状態に近いし、経営管理まで透明化して
財政破綻をなくそうとしている国は、韓国ですら???だし、
オイルマネーの中東の国々でも、ずさんな管理状態。
#でなければ、コロコロ監督を代えられる事自体が疑問。

そういった国々が集まるアジアだからこそ、
ACLも限定された国(15カ国)で行わざるを得ない状況である。
そういう状況を考えた上で、経済状態が良くなくサッカーにまで
お金が回りにくい国々に、日本と同じ要求をするのは、土台ムリがある。

だから、日本の感覚で「カップ戦王者がACLに出てくるのはおかしい」など
という理屈は、ACLの前身がカップ戦と統合されたからという理由だけでなく
「アジアの状況を全く鑑みていない」発言となってしまう気がする。

日本国内では通用するかもしれないが、アジアに出て発言すると、
必ず反論が返って来るのではないかと思う。

先進国に追いつけとばかり、発展した戦後の日本。
その姿・意見を、他の国々に押し付けても、状況や倫理観の違いもあって、
道理が通らない時がある。

つまり、アジアの中の日本というスタンスが、自分達で見えておらず、
サッカー以外の事を(サッカーですら)何も知らず、
立ち位置はあやふやで、明確になっていない。
#グダグダの人が、それを書くのもどうかと思うが・・・

このような「一種の無視状態」があると、そりゃしんどい。
決して「合わせる必要性はない」が、相手の状況が判っていないと、
勝つのは難しい、という認識でもある。
オシムが「勝つのは難しい」というのとは、別の次元での意味だが。

アジアカップを3連覇したいのならば、他の国をもっと知る必要がないか?
という点に、もっと思い至らねばならないのではなかろうか。
それなしでの掛け声だけでは、正直、足元をすくわれてもおかしくない。

そして、周辺環境が整備されていない分、他国は、頂点に集中特化する。
ACLでのトップのクラブチーム同士の対戦や、国の代表戦にかける、
アジアの国々の思いは、おそらく日本以上に「ハングリー」なものがある。

日本でたいしたこと無いと思われる優勝賞金(50万ドル)ですら
非常に高価なものになる国もある。

グループリーグ予選さえ通過できない 4年間の敗因検証 は、以前書いた。

その時のコメントでも頂いたが、韓国や中国の国々に負けている事から考えて
「国を代表して戦えていない」 事、そして、日本は
「アジアでの立ち位置を知らなさ過ぎる事」に尽きる気がする。

世界に通用するサッカー? 日本らしいサッカー? という謳い文句は、
他の国々の特長を知った上でなければ、出てこない筈。

そして、そうした特性を活かしたサッカーで臨むとしても、
サッカーの本質=ベースとして必要な、体力・精神力・戦略・ゲームプランの
明確化・意思統一 といったものに対して、意識が希薄な多くの日本人。

だからこそ、そういう発想に染まらない、名将の必要性も挙げられる。
そして、試合の状況に応じて臨機応変に立ち向かえ、危機的状況での
打開策が迅速に出来る、試合を支配できるような名将が。
その名将の意識が、韓国を率いたヒディングさながらの意識が求められる。

オフト (地元開催の利と選手自体の能力、交代の的確さによる)
トルシエ(世界の流れに沿った、アジアでは突出したシステムと選手能力による)
ジーコ (選手の能力と強運に助けられたことによる)
が、アジアカップを制したのは、上に書いたような事だと個人的に思うが、
いずれも「アジアを良く知った戦いをしたか」というと、そうでもない。

過去ACLに挑戦したクラブのフロント・監督は、残念ながら、
他の要因に足を引っ張られたかもしれないけれども、
アジアを良く知ったチームではありえなかった。

また、上に挙げた、3人の監督のような運を持ち、
アジアで突出した実力を持って、試合を支配できる程でもなかった。
必ず強者が勝つ訳でもない、サッカー。
自分達で勝手に「勝つ確率を下げてきた」という点には
思い至らねばならないのであろう。

ACLを戦う上での「アジアでのJの立ち位置」について書いたつもりだが、
おそらく発散しているだろう。最後にまとめるが、

1)アジアを良く知った、国を代表して戦う意識の強い、邪道な試合ですら
  平然と出来る選手・コーチ・監督のいる「組織」としてのクラブか、
2)後の稿で書く「本当の意味で世界に通用する、アジアで突出したクラブ」

の2つのうちのどちらかでなければ、ACLにも勝てないだろうし、
「アジアでのJの立ち位置」も見えないのではないだろうか。

#また当たり前の事ですね。でも、その当たり前が発言に反映されてない
#事があるのも事実ですので・・・


◆アジアでのJの立ち位置を考える:
    (1)アジア軽視(2)無知の知(3)アジア動向(東ゾーン)
    (4)ACLグループリーグ(5)過去敗因検証(6)Jの特性 / (Ex1)補足1
    (7)アジア動向(西ゾーン)(8)ビッグクラブ化の是非(9)アジアで戦うとは
    (10)Jの立ち位置(11)世界へのステップ(12)CWCへの期待

posted by uj_lovesoccer |06:52 | テーマ設定した記事2007 | コメント(2) | トラックバック(0)
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Re:アジアでのJの立ち位置を考える(10):Jの立ち位置

アジアを知らずに闘ってる、まぁ知ろうともしてないかも(笑)は当たってますね。日本は恵まれてるとも思います。
でも、実際にそれでクラブ&選手はやってきてるし(やらされてると感じたクラブもあるかも)ハッキリ言って優勝してアジアNo.1=クラブW杯出場という名誉以外はJクラブにとって美味しい大会とは言えません。もちろん経験は財産となりますが。
大会内容が変更できず、他国と温度差があるなら
せめてJFAが代表チームをバックアップすべきです。裏でナビスコやってる場合じゃないですよ。
相手チームの分析にもクラブへ手を貸してみたら?こんなにサッカー追いかけてても相手チームのことほとんど知らないし・・・。
放送権も安くしてどっかに中継してもらったら?大体ニュースでほとんどやらないし・・・。
何ならストレートに融資したればいいんです。やってたらごめんなさい!・・・。
15人のペルー代表に金払うよりよっぽど有意義な使い方だと思います。

posted by DGS | 2007-04-12 10:05

Re:アジアでのJの立ち位置を考える(10):Jの立ち位置

DGS さん、コメント有難うございます。
健全な意見だと思います。

この次の話は「ならば、アジアから抜けるか?」と用意しようとしてますが(笑)、
色々考えると屁理屈ですが「アジア隣国が強くならないと日本も強くなれない」
気がしてます。

J発足当初は、先ず世界に近づき アジアで突出と同時に地域密着が大目的でしたが、
それが成熟しつつあるなら、隣国との関係に目を向けて、地域全体が強くなる方法を
「日本だけの目」でなく考えないと、アジア隣国の理解は得にくいと思います。
そういった仕事の視点はJFAだけでなく、ACLにリーグ代表を送り込む
社団法人のJリーグからも、もっと出ていい筈。

もちろん出ているかもしれませんが、パブリック理解が進んでない現状です。
そろそろそういうビジョンを公開して、予算投資のバランス是正を全体で
考える時期でしょう。隣国協力していて公開されていないなら「愚かな大衆」
と思われているままなので、もしそうなら、その体質にも疑問があります。
 
隣国との関係を考える上では、偏らない外交手腕が問われる所ですが
「強くなるには」という目は、自分だけに向くのではなく、アジアの隣国、
可能ならば世界に向けられないと、逆に足を引っ張られるだけで
「自分の国の事しか考えていない」という批判に耐えられなくなります。
そして、結局は、自国の強化の限界を露呈してしまうものだと思っています。

そういった面での、欧州の観点・やり方をもっと学んでも、と思う次第です。
サポーター視点の話でなく、マスコミやJリーグの運営側へ要望する視点ですが。

posted by UJ | 2007-04-12 10:47

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