2007年02月18日

フィジカルの罠9:足が速くなるのは何故?

前回、コメッティ理論 について書いてみましたが、
ほんの少ししか触れていないので、
本来ならもっと詳しく書いていくべきでしょう。

でも、書き始めるとこれだけで20以上の記事が書けそう(笑)。

それだけ「異端」かつ「日本人にない考え」や「学問的な話」が
詰め込まれていて、説明が下手な自分としては
噛み砕いて説明できる自信が、「今の所」は ありません。

言える事は、コメッティさんという方の理論を、
トルシエ監督は取り入れて各選手のデータを詳細に取り続けた事。

それが集積された後に、アジアカップや自国開催というアドバンテージの
あったW杯で、常時のフィジコを置かずに
(自国の気候に慣れているという面はありますが)
選手のフィジカル管理を、それなりに的確に行ったという事。

そして、コメッティさんの理論は、走る事よりも
15秒程度の瞬間に、爆発的に筋力を有効に使う事を重視し、
それが間欠的に続くサッカーのゲーム特性に合うよう、
医学的・科学的に合理化した(と思われる)トレーニングを、
具体的な数値で設定しているという事。

なんか、また「長い」「難しい」話で、書いてる本人もやや辟易。(爆)
・・・だから、他のブログとかでも、殆ど書いてないんかな?

今回は、予告通り、日本からの提唱(本当かな?)と思われる、
走り方に関しての「理論」 を紹介した本を出してみます。


(紹介する本) 突然、足が速くなる
          「ナンバ走り」を体得するためのトレーニング
(発行)   株式会社MCプレス

陸上選手に重点を置いている本なので、スポーツナビのセレクトブログに
書かれておられる、金哲彦さん のインタビューも掲載されています。
#そういや、今日は東京マラソンが初開催されたそうですね。

金さんは(遠山のではない^^;)
「走り方を学べば、確実に足は速くなる」から諦める事はない、と語られてます。

考えてみれば、陸上部でもない限り、誰かから走り方を
教えられるという事は殆どなく、本能のままにやっているだけ。
だから 「教えられてない事を教えられれば、足が速くなる」 というのは、
だましでも何でもなく、確かにそうだと思います。

#「罠」の空振り・・・

でも、紹介した本は「突然」足が速くなる! と書いてる。これが「罠」?
過大広告? 運動神経がないんですけど、という方でもそうなの?
普段観ていない他人が、「突然」と思うのならまだしも、
自分自身でも「突然」速くなると感じるんだろうか? と思ってしまいます。

#どうやら、身体の使い方が上手い下手で、違うようですね・・・
#そして、頭の固い、柔らかいで「罠」かどうかが決まりそうです・・・

だから、子供に足が速くなって欲しい人にとっては、良い本ですね。
小学校や、クラブのジュニアユースに、こういった考え方を理解して
教える方が必要なのではないかと思います。

この本から得られる興味深い事を、以下に列挙してみます。

◇  運動神経とは、身体の使い方を無意識に知っているか否か
◇  骨盤を前傾させて走る(意味を理解するのが難しいけど)
◇  アフリカ人は、生活習慣からか、元々骨盤が前傾している?

そして、
◇  筋力がない状態で、恐る恐る 走ろうとすると、前もも走りになりやすい。
   インナーマッスルを使わないようになる。
 (以前書いた記事 (←リンク) をご参照下さればと思います)

◇  走ることと古武術とは、本質が同じである(小さな動作で大きな力を出す)

という事も書かれています。体幹の中心の筋肉を使って、頭の位置に気をつけて
という、以前書いた、高岡さんのおっしゃる理論とも合致しています。

インナーマッスルである腸腰筋や、身体中心に近い背中の筋肉を使う重要性も
同じように指摘されています。元々の発想が、同じ所から来ているからでしょう。


そして、「ナンバ走り」 。 ← ウィキペディアにリンク
陸上の末續 慎吾選手が取り入れている事でも、ご存知の方が多いでしょう。

語源は、歌舞伎の動作 六方(ろっぽう)にみられる「ナンバ」という、
同じ側の手と足を動かして歩く動作 のことだそうです。

肩と腰のラインを並行に保ち、できる限り身体をねじらない飛脚の走り。
(これは、金さんでなく、桐朋学園の矢野龍彦さん が説明している)

体得するのに必要なのは、運動神経ではなく 「カラダとの対話能力」 だとか。
頭が固くて応用能力がないと、体得が難しいって書いてあります。

骨から動かす事を練習して、胸郭・骨盤をつぶす(四角形→平行四辺形のイメージ)
動きを、最初は大きく動作させて体得してから、
それから徐々に小さく、ムダない動作にしていく事を書かれています。

その効用として、それまでバスケで無名だった桐朋高校がインターハイに
出場したという実績を書かれていますが、ムダなく動く動作は、
スタミナロスを最低限に食い止める事が出来る、という利点があるのでしょう。
(もちろんスタミナだけでなく、バスケの技術が必要だったとは思いますが)

そして何より、矢野さんは「ナンバ走りを考える事での探究心」の重要さを説き、
フィジカルとメンタルとの融合を考えておられるようです。

個人的には、そういった考えは健全で、外野があれこれ考えて指示するより
「自ら考える」という意味で良い事だと思います。
ただ、そうなると時間がかかり、良いコーチとの対話が継続的に続かなければ
ロスする事も多いでしょう。

個人スポーツながら、対話も重要となるという点でも面白いものだと思います。
ましてや、チームスポーツであるサッカーなら、なおのこと、
コミュニケーションと自己探求のバランスが重要視されるのは、
言うまでもない事だろうと思います。

ナンバ走りを体得する事で、自然と「もも前走り」が矯正されていく
可能性はあるのだろうと思います。ただ、それには

「人間の頭」を柔らかくしなければ。そして、
最初に出来なくても、粘り強く取り組まなければ。

そういった教訓を、この本に教えてもらったように思います。

(これ以外にも、体幹主導理論や面白い話が多く書かれているので、
 頭が柔らかく、身体を動かす事に興味がある方にはお勧めかもしれません)


書いてみて、サムライの言葉がありませんが、実は「サムライ・トレーニング」
に関して書かれている本もあるので、次回はそれを紹介しようと思ってます。
(今回と結構、似た話になってしまうかもしれませんが)
(そして、相変わらず「長い」・・・)


◆フィジカルの罠:
    正しい知識とは?(前振り)1:フィジコは代表に必要か? 
    2:日本人の姿勢と高レベルの1対13:体格差の問題を真正面から受け止める
    4:からだで響きあう「何か」を求めて5:動きの不条理さ
    6:卵が先か鶏が先か7:若年世代にフィジカルは不要?
    8:コメッティ理論の謎?9:足が速くなるのは何故?
    10:サムライトレーニング

posted by uj_lovesoccer |17:20 | サカテク(フィジカル) | コメント(3) | トラックバック(1)
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NHKのミラクルボディー 第1回「アサファ・パウエル 史上最速の男」をみて感想を交えながら。大腰筋と腱、脊髄反射が私にとっては気になりましたね。この場合の腱は足を伸ばすために使ってるんでしょう。大腰筋は足を前に送るためにあるのでしょう。筋肉は縮....

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Re:フィジカルの罠9:足が速くなるのは何故?

Jリーグのチームでナンバや古武術などを取り入れている所はあるのでしょうか?

posted by t | 2007-02-18 18:49

Re:フィジカルの罠9:足が速くなるのは何故?

桐朋バスケ部の話はテレビでも何度かとりあげられました。その時は「忍者走り」と言ってましたが。

ユースくらいの年齢でのトレーニングに是非取り入れて欲しいですね。

posted by ak | 2007-02-18 18:58

Re:フィジカルの罠9:足が速くなるのは何故?

コメント頂き、どうも有難うございます。

t さん:
チームとして取り入れている所は、指導できるコーチがいないせいか、いないように思います(正直知らないのですが、個人レベルでは いるようです)。ただ難しくて、表向きやっているかどうかや、効果が出たかどうかは判りにくいのだと思います。

ak さん:
忍者走り、体力消耗に役立つので、ご指摘のようにカラダと対話するのに柔軟な、若いうちから取り入れてみても良いと思います。問題は、やはりトレーニングできるコーチの存在ではないでしょうか。ユースレベルだと他にも覚えないといけない事もたくさんあるでしょうし。

posted by UJ | 2007-02-19 05:53

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