2007年02月04日

フィジカルの罠5:動きの不条理さ

前回は少し手抜きをしたので、今回は紹介する本についてもう少し
詳しく入り込み、「罠」に迫りたいと思います。


(紹介する本)サッカー選手なら知っておきたい「からだ」のこと
(著者)   中村泰介、河端隆志、小田伸午 共著
(出版社)  大修館書店

ご存知のように、サッカーの90分のゲーム中で、オフ・ザ・ボールの時間は
圧倒的に多い事は事実であり、ポゼッションが50%であると、1人の選手が
ボールにさわる時間というのは、たったの2~3分です。

ボールに触る前、後のプレーや、ボールを持っている周囲でのサポートのプレーが
重要になってくるという事は、上の事実からも判ると思います。

この本にも書いてますが、これらの時間でのプレーとして求められるのは、

◆ 速く走ること     (素質ではなく、トレーニングで速くできる)
◆ 走る方向を変える動作 (アジリティ:加速/減速の繰り返し)
◆ キック後 別のポジションに早く移る動作 (蹴り足に体重を乗せてスムースに)
◆ ボールをもらう動き出しの動作 (2~5mの距離を素早く動く動作)
                 (~30mの長い距離の加速走動作)
◆ ボディ・コンタクト  (ヘディング、競り合い、1対1) 
◆ 動きを維持するスタミナ

などであり、これらを支える頭での判断、フィールドの状況を見渡した上での
味方チームへのコーチング、相手チームのウィークポイントの発見や、
時間・状況と共にスタミナ・動きの低下が必然的に(約80%)ゲーム後半には
落ちていく事を踏まえた、ゲームの流れの把握など、
フィジカル面と異なる点ながら、フィジカルと共に衰えてはいけない事柄も。
(最後の方は、全くの個人的な主観ですが・・・)

こういった動作を行う上での体力測定として、クーパー走(12分間走) と
いうのをご存知の方もおられると思います。(有酸素運動の能力テスト)

サッカー選手の場合、12分間で3,200mというのが一つの目安だそうです。
中盤は、これ以上が必要であったり、FWは、スピードを要求されるポジション
として別の要素も必要と思われます。

そして、約300種類の人間の骨格筋のうち、聞いた事がおありだと思いますが
◆ 速筋(白筋) : 短時間に大きな力を発揮する瞬発系筋肉
◆ 遅筋(赤筋) : 長時間での力を発揮する持久系筋肉
そして、トレーニングによりこれらの特性が変化する「中間筋」とが存在する
事も確かめられており、サッカー選手では、腓腹筋の筋繊維の割合として、
中間筋がより多いことが望ましいようです。

・・・まぁ、こういった目に見えるものはベースとして、いろんな本でも紹介
されているのでしょうから、あくまで「必要条件」として書き記します。
(疎かにしてはいけないですが)


スピーディーな展開と言われるJリーグですが、
そのテンポは常に一定で 変化がつけられなかったり、
速さに技術が追いついていないかのように見える事があろうかと思います。

最初は私は「技術がないから」かと思っていたのですが、その考え方は
ややずれていた(思い違いの部分もあった)ようです。この本を読むまでは。
前の記事で紹介した、

■ 蹴り足に体重を乗せること (蹴った後の動きがスムースになる)

以外にも、今出来ていない動きとして

■ トラップは止めることではなく、自分が行きたい方向にボールを転がすこと
■ 膝を一瞬抜く感覚が必要で、抜く事で得られる重力が次の動作にパワーを
  生み出すこと
■ 早くターンする時には、軸足でなく他の足の反動の使い方が重要であること
■ 相手に動作を予測させないために、2軸動作が有効であること
■ 踵で踏む意識や、股関節の動きの意識が、素早い動きと同時に疲労が少ないこと

などなどが、指摘されています。こういった、
身体の使い方・意識・感じ方が違っている 現状があるため、

「頭は急いでいるが、身体がスピーディーに動かない動作をしている」
「このために、予想以上にスタミナロスをしている」
 (98年のフランスW杯出場時など、以前は根性で無理やり動かしていたが、
  それは長続きしない動きなのではないか?)

と、以前書いた、もも裏・インナーマッスルが使えていないのと同様の
「動きの不条理さ」を感じるようになりました。

こういった「動きの不条理さ」をそのままにしてのトレーニングは、
やはり「罠」にはまっているといえないでしょうか。

こう書くと、メンタル他の要素を軽視していないかと誤解を招くかもしれません。
が、間違っている部分は間違っている部分としての指摘であって、
メンタル等はまた別の問題として、考えるべきことであろうと思っています。


◆フィジカルの罠:
    正しい知識とは?(前振り)1:フィジコは代表に必要か? 
    2:日本人の姿勢と高レベルの1対13:体格差の問題を真正面から受け止める
    4:からだで響きあう「何か」を求めて5:動きの不条理さ
    6:卵が先か鶏が先か7:若年世代にフィジカルは不要?
    8:コメッティ理論の謎?9:足が速くなるのは何故?
    10:サムライトレーニング

posted by uj_lovesoccer |23:32 | サカテク(フィジカル) | コメント(2) | トラックバック(0)
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Re:フィジカルの罠5:動きの不条理さ

UJ様、はじめまして。

貴サイトをリンクさせて頂いたうえで、是非相互リンクさせて頂きたく書込み致しました。(弊サイト「サッカー」カテゴリーにてご確認できるかと思います)
弊サイトは技術(戦術、理論、トレーニング)に関連するサイトのみを集約していこうと思っております。貴サイトは技術、戦術に結びつくロジカルな掲載事項が多く非常に面白く、参考になるため登録させて頂きました。

末筆ながら、この場所でのリンク依頼が不適切でありましたら削除お願いします。
また、弊サイトにリンクさせて頂いたことに不都合がございましたら弊サイト問い合わせフォームよりご連絡頂ければと思います。

何卒、よろしくお願い致します。

posted by サカテクサーチ | 2007-02-05 16:38

Re:フィジカルの罠5:動きの不条理さ

サカテクサーチ(の管理人?)さん、はじめまして。コメントどうも有難うございます。

この度リンク頂き、相互リンクに関してお話を頂きました事、先ずは御礼申し上げます。貴サイト問い合わせ内で回答しようとしたのですが、文字制限?か、NGこいてしまいましたので、こちらで失礼します。

貴ブログを拝見させて頂きましての率直な感想として、リンクして頂けるほど、弊サイトは技術(戦術、理論、トレーニング)に関連することばかりを掲載しておりません。カテゴリ分けも不明確ですので、貴サイトへリンク頂くには問題のある、ヨタ記事も多かろうと存じます。

元々、小生のブログは、非常に緩いスタンスで気まぐれに書き綴るケースが多い為、リンクして頂くにはやや気後れ致します。フィジカルに関する一連の記事に関しても、本の紹介と小生の主観を書き綴ったもので、言葉は悪いですが、ここでの記載はパクリ(元ネタのあるオリジナリティのないもの)です。

このように考える次第でございますので、上記をお読み頂いて「リンクは考え直そう」と思われるのでしたら、それでも結構です。ご意見ございましたら、お手数ながらメールで頂けましたらと思います。

良いという事でしたら、提案としては、「サカテク」か「トレーニング」等のカテゴリを新設し、今回の一連の「フィジカル」に関する記事と、今後そういった記事をそのカテゴリ内に入れます。
カテゴリ新設後にはお知らせしますので、貴サイトへからのリンクはそちらのURLへして頂ければと存じます。(このままで良いのであれば、その旨もお知らせ頂ければと思います)

貴サイトの内容を興味深く思いましたので、上記とは全く無関係に、大変勝手ながらリンクには入れさせて頂きましたのでご容赦願います。

posted by UJ | 2007-02-06 06:18

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