2006年12月26日
アジアでのJの立ち位置を考える(6):Jの特性
前回の記事 で、過去4年間のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)での戦い をざっと書き、敗因検証なんて「表向き」の理由を並べ立てました。 表向き? と不思議に思われる方は、純粋にサッカーがお好きなのでしょう。 偏屈な私は、もっと色々な理由を(特にアウェーでは)考えてしまいます。 それはまた別の機会に紹介するとして、ここでは「フットボールの真実」として Soccer Click で 評論家の大住良之さんが、ウェブリブログで 「Jリーグはレベルアップしているか」 (上) (下) を書かれておられる 内容を抜き出しで ご紹介 して、タイトルに沿った「Jの特性」を (勝つ確率を下げる、望ましくないものを中心に)書いてみたいと思います。
<以下、水色 が 抜き出し文です> ※ もし純粋にピッチのなかで行われるサッカーという競技を愛している人が見たら、 Jリーグは世界でもトップクラスに面白いと言うに違いありません。 この言葉の(裏の)意味が本当に判る人は、それこそ、サッカーを肌で感じている人 ではないかと思います。これに近い感想を別の雑誌で外国の方が書いておられる のを読んだ事があります(何か忘れちゃいました・・・)。 ■すべての試合を勝ちにいくサッカー Jリーグの大きな特徴は、大半のチームが「勝とう」としている点にあります。 同じように見えて、「負けまい」という姿勢で試合に臨むのと、「勝とう」と するのでは大きく違います。 たとえば、今季のJ1では、下位3チーム・・・ (中略) この3チームは、少なくともアウェーでは守備を固め、0-0の引き分けに もち込もうとするのが当然の考え方ではないかと思います。 ところがJリーグのクラブは、この状況でもすべての試合を勝とうとするのです。 勝つために、彼らは「良いサッカー」をしようとします。リスクを冒して 攻め込もうとするのです。(中略) そしてそれは、中位のチームも、そしてまた優勝争いの真っ只中にあるチームも 同じです。ホームでもアウェーでも、多くのチームが、自分たちの攻撃面の長所を 前面に押し出したサッカーで勝とうとするのです。 これが意味する指摘とは何だろうか? 大住さんは、このようなサッカーを 決して否定はしていない。むしろ、その意欲を評価している文章も後にある。 しかし、前回の記事で日本のクラブチームが敗れた(韓国・中国の)チームは 必ずしもそうではない。良いサッカーが常に勝つわけではないというのが真実だ。 勝つために、時にはゲームを壊す必要に迫られるかもしれない。2005年のACLで、 横浜FMと対戦した、山東ルーネンは 勝っている試合での終盤での時間稼ぎなどを やった。平然とそれをやってのける「強さ・したたかさ」があった。 美しいサッカーを信奉する方々からすれば「それは邪道だ」「認めない」という 意見だろう。ただ、それでACLを勝てるような強いチームであれば良いが、 それを許さない状況もある筈だ。 その時に、平然と(ルールの範囲内で)「邪道」が出来るチームが勝つ。 「ACLで勝つ」をテーマに掲げるのであれば、それ位の大人のサッカーが必要。 それが、世界に通用するサッカーなのか? という問いはともかくとして。 大住さんは、この後の記事で「浦和だけが異質なサッカーをする」として、 それが出来るという事を書かれている。 また、前回記事でのコメント で頂いたように、「アウェーの戦いが厳しくない」 というのも、Jの特性であろう。 これから極端な話を少し書くが、皆さんが例えば、韓国に行ってアウェーゲームを 戦うとしよう。何に気をつけるべきだろうか? これも、誰かによれば 「解答は自らの中にある」 のであろうが(笑)、 ここでの私の解答は 「一挙手一投足全て」 である。 つまり、行く前の準備から、現地についてのホテルまでの移動手段は大丈夫か、 ホテル内での行動に制限はないか、食事は大丈夫か、夜きちんと眠れる環境か、 練習場が確保されているかどうか、グランド・ボールは確保されているか、 (試合当日のグランド状態はどうか、)明日の気候はどうか。 前日練習はいつ何時間できるのか、外部から見られて良い練習にすべきだろうか、 帰ってから当日までの支障はないか、試合当日の移動は問題ないか、 相手選手はどういった選手で・・・という試合前の相手分析と対策方法、 ゲームプランはどうか、当日の審判はどこの国の人か、先行したらどう戦うか、 先制された時にはどうするか、理想を言えば何点差つけたいか等々・・・・ 神経質か! と思うだろう。 ただし、平和ボケした日本人が思うほど、アウェーの現実は甘くない。 神経質になりたくないなら、タフになって、何が起きても動じない、 図太い神経と頑丈な身体を普段から持っておくべきだ。 そして、チームメイトにその不安を感じたならば、そのチームメイトを 早くから「洗脳」しておき、場合によっては戸惑わないよう面倒を見るべきだ。 選手はいうに及ばす、スタッフ・関係者は現地世話人を手配し、万事に 心配りをして、不測の事態に備えるべきだ。もちろん事前準備も抜かりなく。 それが、アウェーの戦い方ではないだろうか? 頭 おかしい? つまり、Jの特性=平和ボケした日本人の特性 そのものなのだと思う。 では、アジアで勝つという発想になった時点で、日本のサッカーを変化する 必要があるのか? 答えは、急に無理なら止めるべきだと思う。 過去の勝ち方を見ても、日本は戦い方を変えてない場合が多い。 人間、そうそう普通は変えられない。しかし、変えない戦いをするのならば、 「変えずに勝てる」根拠を、徹底的に見つけ出す努力が必要だ。 それが、現実に対応するという、真の意味ではないかと思うのだが。 (Ex1 に続く)
◆アジアでのJの立ち位置を考える:
(1)アジア軽視 / (2)無知の知 / (3)アジア動向(東ゾーン)
(4)ACLグループリーグ / (5)過去敗因検証 / (6)Jの特性 / (Ex1)補足1
(7)アジア動向(西ゾーン) / (8)ビッグクラブ化の是非 / (9)アジアで戦うとは
(10)Jの立ち位置 / (11)世界へのステップ / (12)CWCへの期待
posted by uj_lovesoccer |04:40 |
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Re:アジアでのJの立ち位置を考える(6):Jの特性
最終節C大阪-川崎戦を思い出しました。
引き分けでも残留できたのに、なぜ勝ちに行ってしまうのかなあ。
相手は(前節終了の時点で)3位のチームなのになあ、と。
posted by に | 2006-12-26 13:01
Re:アジアでのJの立ち位置を考える(6):Jの特性
Jのチームを見ていて思うのは、いい子ちゃん過ぎる、素直過ぎるということですね。
自分たちがいい流れの時には素晴らしいのに、
相手に流れがある時に我慢しきれない。
選手が試合の流れを呼び戻すことが出来ない・・・と感じます。
そして、一度歯車が狂い出すともう修正が効かない。
この前の天皇杯の浦和-磐田、鹿島-清水もそんな感じでした。
浦和の現実的なサッカーが今季のJを制しましたけど、
もっと攻撃的にやろうと思えば出来るんですよね、このチーム。
でもやらない。
出来るのにやらない。
そこにそこはかとなく強さを感じるわけです。
posted by フェイ | 2006-12-26 13:22
Re:アジアでのJの立ち位置を考える(6):Jの特性
に さん、フェイさん、コメントどうも有難うございます。
に さん:
本当に、C大阪は(というか関西勢?)、戦い方が下手ですね。勝つサッカーだけでなく、負けないサッカーも出来る大人のチームにならないといけないのに。守備陣のリーダーがいない事が降格の原因なのでしょうか? 基本からしっかりやり直せる監督を選んで欲しかったのですが、都並監督にそれを期待するのは。。。
フェイさん:
悪いなりのサッカーって出来ないのは、やはり日本人の特性なのでしょうか? 確かに天皇杯の静岡の両チーム、戦い方次第では国立に進んでてもおかしくなかったのに。
それに比べて、おっしゃるように浦和は強さを感じます。これがACLで発揮されるのかという点で非常に興味があります。内弁慶で終わって欲しくないチームですし、ポテンシャルは十二分に持ってますので、オジェック体制になっても継続路線でやって欲しいと思います。
posted by UJ | 2006-12-26 19:55
Re:アジアでのJの立ち位置を考える(6):Jの特性
Jリーグの創設時に引分けを無くしてVゴールにしていたのも「日本人はドローに馴染まない」という根拠のあやふやな発想からだったと思いますが、試合の中で駆け引きをしない(出来ない)思考法の遠因にも思えます。
ただ仮に多くの日本のサッカーファンが、その戦い方、リーグを是、とするならば致し方ないですね。スペインの様に予選では強くとも本大会では多々敗れ去るように日本も壁に当たり続けるのでしょう。
posted by 一翁 | 2006-12-26 22:17
Re:アジアでのJの立ち位置を考える(6):Jの特性
一翁さん、コメントどうも有難うございます。
へんな所で真面目すぎるんでしょうか、駆け引きが出来ない思考は。「これがいい」と決めたら一辺倒な所は、他国から見たらカモネギに見える部分もあろうと思います。で、結局、懲りない所が良くも悪くも国民性なのでしょう。有能な何人かが先頭に立って引っ張れば、何とかなるかもしれないのですが。。。
posted by UJ | 2006-12-26 23:25
Re:アジアでのJの立ち位置を考える(6):Jの特性
>自分たちがいい流れの時には素晴らしいのに、
相手に流れがある時に我慢しきれない。
ヒディンクの話で、「日本のクラブは、90分
戦えない」なんて談話ありましたよね。
鹿島の世界一監督も、リーグ最終戦の際、
かなり辛らつな言葉を残してる。J’Sゴールで
見る事出来ますが。
とにかく最後の10分が持ち応えられない。
逆転負けが異常に多いんですよね。Jクラブは。
浦和と川崎には、期待しますが、じゃ浦和や
川崎が勝つために、他の16クラブも、国内リーグで彼らの足を引っ張るような試合をし、相互に
鍛えていかないといけない、そう思います。
posted by little | 2007-01-03 20:15
Re:アジアでのJの立ち位置を考える(6):Jの特性
littleさん、コメントどうも有難うございます。
以前コメント頂いたフェイさんもおっしゃるように、逆転負け・我慢しきれない原因とは、確かに過去のACLでもJの戦いでも頻繁に見られるので、それを改善するにはどうしたらいいのか?というツッコミは、若干記事では甘い気がしてますので、ご指摘の点は非常に面白い提案だと思います。精神論・スタミナ不足や、単なる慣れの問題か等、別国リーグ・代表等を調べてみて、何か傾向や改善の方向性が出れば紹介したいと思います。
実は以前から少し気になっているのは、オシムが率いたジェフ千葉でもその傾向がありますし、オシムの自伝を読むと結構オシムが率いたチームでは終盤の逆転負けが多い気がしています。単に印象に残るために書かれているだけかもしれませんが、「考えて走るサッカー」には意外とそんな弱点があるのか?とかも考えてみれればと思っています。
posted by UJ | 2007-01-04 02:38
Re:アジアでのJの立ち位置を考える(6):Jの特性
>精神論・スタミナ不足や、単なる慣れの問題か等、
磐田vs水原三星に関しては、時間が経つに
つれ、磐田の怪我人が増えてる事がわかりますね。村井の脱臼とか、大井&成岡。
怪我してると、動きも落ちるし、戦闘力落ちる
いきますよね。しかも3人怪我人出た所に、
サンドロにドーンと決められましたし。
06年(@蔚山)も、東京Vの左SBの青葉が途中交代し、さっぱりボール拾えなくなりました。
蔚山現代は、李天秀が右に流れる、チームは
ボールを李天秀経由させる、こういうチームなんで、そこを狙う、ボール奪取点にする、ってのは
当然の考え方なんですが、この試合、青葉が
スペースボールをインターセプトしたり、きいて
たんですね。 そんな選手が途中で接触プレー
に持ち込まれて、負傷退場してしまう。
非常に惜しいんですよね。
ちなみに、僕個人は、スコア関係なく、一番
ACL善戦したのは、東京ヴェルディじゃないかと
思っています。相手がこう来るから、こう対処する、この構想がはっきりとわかりました。
問題は、彼らは、それを90分続けられなかった、絶望的にPA内に入れなかった、そこですが。
posted by little | 2007-01-05 20:07
Re:アジアでのJの立ち位置を考える(6):Jの特性
little さん、コメントどうも有難うございます。確かな分析で感心しました。
05年の水原三星vs磐田(水原)の第4節では、ホームで敗れた磐田が前半はゲームをコントロールできていたのですが、前半終了間際に両チーム退場者を出し、激しい試合展開になって、磐田が怪我人が出ても選手交代枠を使い切ってしまってて、交代できなかった事もあって、自分達のサッカーが出来ずに負けたように感じます。そういう意味では、前のコメントでご指摘があった「戦い」に敗れたのでしょう。途中交代で出たサンドロが良い仕事をしたと思います(今、サンドロは全南でしたよね? 市原にいた時には問題を起こしてしまったりしましたが、ことサッカーになれば能力は高い選手だと思います)。
06年の蔚山vs東京Vは、個人的にはきちんと試合を見れていないのですが、A3でのG大阪のようにルーズな守備をせず、李天秀にマークをつけて対応していたのは、東京Vらしいと思いました。ただ、東京VはJ2に降格して、能力の高い選手をシーズン前に放出せざるを得ず、選手層が厚くなかった点が、強豪の蔚山を相手にするには、やや力不足だったのではないかと思っています。攻撃でも守備でも。
posted by UJ | 2007-01-05 22:11


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