2007年02月28日

I have a dream

今日もまた、僕は白旗山にきた。
でも昨日とは少し違う気持ちを胸に。
昨夜からずっとワクワクして、地下鉄に乗り込んだ。

いろんな国のいろんな人間が、ただクロカンを見るために白旗山に集う。
ある者は、赤道の向こうから-。
ある者は、地球の裏側から-。
さまざまな理由があるけれど、
ひとつの目的-。
今日のクロスカントリー男子15kmフリーを見るために、
一同に白旗山に集合する。

それぞれの想いを胸に。いざ白旗山競技場!!
世界はほんとに狭くなった。 もちろん地球が小さくなって、狭くなる訳なんてないんだけど、 世界はワールドワイドで、グローバルな時代なんだ。
観客はそれぞれの想いを胸に。
観衆はただコースを見守る。
今日会った海の向こうからのゲストは 日本人にとっては文字通り、水平線の彼方から来たのだ。 彼女は二日前から札幌入りして、今日のこのレースのために、 頬にユニオンフラッグと南十字星の国旗をペイントして、 体にはその大きな国旗を纏わせて、 その場の誰よりも(当然日本人よりも)懸命に声援を送ってた。 オーストラリアからはるばるやってきた彼女は、 「私は彼を応援しにきたの!!」 って顔じゅうに笑顔を広げた。 とても寒そうだけど、生き生きとしてた。 凍えるその手を温めながら、彼のラップを見守って、 同国の選手が通ったら、少しテンションを挙げて、 そして、彼がきたら、きっと彼女があの場でできるすべてのことをして。 「look at him!」って叫んだ彼女が何故かうらやましくて、僕は忘れられない。 昨日のノルウェーの応援団とは一味違う、パーソナルな応援だけど。 彼女の一生懸命なハートにこっちまで心動かされて、 僕は気がついたら、太平洋の彼方、名前も知らなかった選手を応援してた。 (写真がなくてごめんなさい。彼の応援に夢中な彼女に 「写真とらせてください」とお邪魔をする度胸が僕にはなかったので。) 理由は違えど、それぞれの想いを胸に-。
スタンドから見守るノルウェー応援団。
今日、一番僕の心に残ったこと。 それはベストを尽くした人間の晴れ晴れとした顔だった。 熱帯の国エチオピアからたった一人で札幌に乗り込んできたロベール・テクレマリアム選手。 結果だけを見れば、117人中108番目だったけど、 試合後のインタビューはどんな選手よりも堂々としていた。 (日本の選手の方がずいぶんと順位は上だったけど。) 彼の夢は母国でスキーを普及すること。 そのためにエチオピアスキー連盟を設立して、自らが会長になって。 (諸々の都合により写真を載せられないのがとても残念なので、 彼を紹介しているサイトを貼っておきます。こんな選手です。 クラブメット http://www.clubmed.co.jp/ph_dd/840_news.php?cid=40777) 夢のある人間は強い。 それは夢に向って邁進することができるからだと思う。 彼らのゴールはたった一度の勝利でもなく、名声を得ることでもない。 自分の持つ夢が達成できること、それだけに突き進む。 もちろん、たった1度の試合にベストを尽くす。 でも彼らにとって必ずしも結果がすべてじゃない。 80位か100位かっていうことよりも、母国でスキーが普及すること。 そのための方法の一つが、レースでベストを尽くすことなのだろう。 本当に晴れ晴れとしている。 今日は雪が横向きに降って、選手はみんな苦い顔をしてレースを振り返るのに。 正直インタビューって言ったって、言葉の壁を勇気で乗り越えようとしてるくらいだから、 言ってることの3割くらいしか理解できなかった。 でも-。 彼の瞳が語ってた。 一点も曇ることなく夢を見据えながら、 きっと記者たちの質問には今日のレースを振り返っていたのだろうけど、 その瞳は明日のエチオピアを見ている。 僕にはそんな気がしたんだ。


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posted by 加藤 隆介 |21:18 | FIS ノルディックスキー世界選手権編 | コメント(0) | トラックバック(0)
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