2009年08月07日
[2009/07/30]【高校野球】初優勝の福野/「奇跡を起こそう」
【全国高校野球富山大会決勝:福野5-4高岡商】 福野打線、すき逃さず大逆転「奇跡を起こそう」。3点差を追う最終回の円陣で、福野の中山訓良監督は言ったという。対戦相手は2年連続17度目の甲子園出場がかかる強豪で、ここまでの試合展開でも圧倒されていた。“追いつき逆転できたならば、それはミラクル”と誰もが思った土壇場からの逆転劇だった。 高岡商の先発・鍋田浩成(2年)の鋭いスライダーにタイミングが合わず、8回まで2安打14三振に抑え込まれていた。だが優勝が目前となった9回に生じた投球のすきを福野打線は逃さなかった。
終盤に入って鍋田の制球にはばらつきが出始めていた。8回までに127球を投げ、打っても2安打1打点1得点と活躍しており、直前の8回裏にも中越え二塁打を放ったばかりだった。疲れからか、はっきりとボールと分かる投球が増えていた。先頭打者の上田航平(2年)がカウント0-2から中前打、続く4番・谷敷裕介(3年)が四球で出塁して好機を作った。1死一、二塁で打席に立った金田和樹(3年)はカウント2-2に追い込まれ、スライダーに狙いを絞った。これまで全員が手こずっていた鍋田の勝負球だが、「思い切って振ろう。直球が来て三振したらごめんなさい」と腹をくくった。狙い通りのスライダーは低めの厳しいコースだったが、しっかり振り抜いた打球は左中間を深々と破って2点を返した。 代打の鶴見竜也(3年)がはやる気持ちを抑えて四球を選び再び1死一、二塁とし、松本天(2年)に打席が巡ってきた。五回にチームで初めて鍋田の変化球を安打しており、「直球でも、スライダーでもイメージはできていた。打席では、以前コーチにアドバイスされていた通りに、自分がヒーローになってやるとだけ考えていた」と振り返る。カウント1-2からの高めの直球を強打すると、ライナー性の打球が前進守備の右中間を抜けていった。殊勲の三塁打で4、5点目が入り、大逆転は成し遂げられた。
日替わりヒーロー、ノーシードから頂点 福野は、春の大会では初戦で敗れており、ノーシード。今大会は1回戦で3年前の優勝校・福岡に4-2で逆転勝ちして発進した。準々決勝で桜井、準決勝で氷見とシード校を破り、一戦ごとに力をつけて頂点に立った。2年生のエース上田航平が右スリークオーターから140㌔近い速球とスライダーを低めに集めて原動力となったが、コールド勝ちは1試合もなく、6試合中5試合が逆転勝ちだった。 高山真一捕手(3年)は「正直、びっくりしている。全員野球をして、日替わりにヒーローが生まれた」と話す。決勝で逆転打を放った松本天内野手(2年)は、「桜井戦、雨で4時間待って勝った時には泣いてしまった。氷見戦ではアルペン球場でできる幸せを感じた」と話す。戦いながら経験を積み成長した。「練習通りに、一人ひとりが自分のプレーをして役割を果たせたことが優勝の要因」と盛田尚暉投手(3年)。決勝で先発した盛田は丁寧な投球で「3回まで2失点以内」との中山訓良監督の要求に応えた。「継投で4点以内に抑える」というプラン通りに試合を展開することができた。 キャプテンの常本達也二塁手(3年)が、けがで肩に不安がありながらも先発出場して立ち上がりの守りを引き締めるのもチームのパターン。この日も1回、先頭打者のヒット性の打球を横っ飛びで好捕してアウトにした。3年生でただ1人ベンチ入りを外れた永井健太郎選手もボールボーイをしながら仲間に声を掛けた。 中山監督は「昨年末から2人の若いコーチがボランティアで練習を手伝ってくれるようになった。年齢の近いコーチが選手たちに関わってくれることで、練習への取り組み方や意識が変わった」と躍進の理由を挙げる。部員は28人で、練習時間は放課後の約2時間半。「いろいろやるべきことはあるが、すべてできるわけではないので守りを中心に練習してきた」と言う。決勝は無失策で、大会6試合通算3失策で乗り切った。「優勝できるとは思っていなかったが、できると信じてやってきた」と話した。 「全国に福野の名を知らしめたい。福野を甲子園の常連校にしたい」。常本キャプテンの言葉には、仲間と日々重ねてきた練習への自負がこもっている。
posted by tsctimes |12:08 |
高校野球 |
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「奇跡を起こそう」。3点差を追う最終回の円陣で、福野の中山訓良監督は言ったという。対戦相手は2年連続17度目の甲子園出場がかかる強豪で、ここまでの試合展開でも圧倒されていた。“追いつき逆転できたならば、それはミラクル”と誰もが思った土壇場からの逆転劇だった。
高岡商の先発・鍋田浩成(2年)の鋭いスライダーにタイミングが合わず、8回まで2安打14三振に抑え込まれていた。だが優勝が目前となった9回に生じた投球のすきを福野打線は逃さなかった。
先頭打者の上田航平(2年)がカウント0-2から中前打、続く4番・谷敷裕介(3年)が四球で出塁して好機を作った。1死一、二塁で打席に立った金田和樹(3年)はカウント2-2に追い込まれ、スライダーに狙いを絞った。これまで全員が手こずっていた鍋田の勝負球だが、「思い切って振ろう。直球が来て三振したらごめんなさい」と腹をくくった。狙い通りのスライダーは低めの厳しいコースだったが、しっかり振り抜いた打球は左中間を深々と破って2点を返した。
代打の鶴見竜也(3年)がはやる気持ちを抑えて四球を選び再び1死一、二塁とし、松本天(2年)に打席が巡ってきた。五回にチームで初めて鍋田の変化球を安打しており、「直球でも、スライダーでもイメージはできていた。打席では、以前コーチにアドバイスされていた通りに、自分がヒーローになってやるとだけ考えていた」と振り返る。カウント1-2からの高めの直球を強打すると、ライナー性の打球が前進守備の右中間を抜けていった。殊勲の三塁打で4、5点目が入り、大逆転は成し遂げられた。
「練習通りに、一人ひとりが自分のプレーをして役割を果たせたことが優勝の要因」と盛田尚暉投手(3年)。決勝で先発した盛田は丁寧な投球で「3回まで2失点以内」との中山訓良監督の要求に応えた。「継投で4点以内に抑える」というプラン通りに試合を展開することができた。
キャプテンの常本達也二塁手(3年)が、けがで肩に不安がありながらも先発出場して立ち上がりの守りを引き締めるのもチームのパターン。この日も1回、先頭打者のヒット性の打球を横っ飛びで好捕してアウトにした。3年生でただ1人ベンチ入りを外れた永井健太郎選手もボールボーイをしながら仲間に声を掛けた。
中山監督は「昨年末から2人の若いコーチがボランティアで練習を手伝ってくれるようになった。年齢の近いコーチが選手たちに関わってくれることで、練習への取り組み方や意識が変わった」と躍進の理由を挙げる。部員は28人で、練習時間は放課後の約2時間半。「いろいろやるべきことはあるが、すべてできるわけではないので守りを中心に練習してきた」と言う。決勝は無失策で、大会6試合通算3失策で乗り切った。「優勝できるとは思っていなかったが、できると信じてやってきた」と話した。
「全国に福野の名を知らしめたい。福野を甲子園の常連校にしたい」。常本キャプテンの言葉には、仲間と日々重ねてきた練習への自負がこもっている。

