2008年05月22日

ツーロンとロナウド。

フランス南部に位置するツーロンにやってきています。
マルセイユやニースといった南部の都市に比べると、移民が多い田舎街といった風情ですが、ゆったりと流れる時間や暖かい人間味に溢れる街です。

昨日、イタリア代表を取材したときに気がついたのですが、コーチはパルマやチェルシーで活躍したジャンフランコ・ゾラでした。頭頂部が少し薄くなってはいましたが、肥ったりせず昔のままの姿に思わず興奮です。

イタリア代表の10番はセバスティアン・ジョビンコというエンポリ所属の選手なのですが、ゾラを彷彿とさせる選手でした。164cmという小柄な体格だけでなく、重心を低くしたドリブルや閃きを感じるパス、この日も直接叩き込んだフリーキックなど、試合を決定付けることの出来るイタリアの10番っぽい選手です。この日も不調のチームにあって2得点を挙げ、試合を決める活躍でした。

夜にはスタッドマヨール近くにあるスポーツバーでチャンピオンズリーグ決勝を観戦しました。フランスのアネルカやマルセイユの英雄ドログバがいたことから、お店にはチェルシーファンが多かったようです。

同席していたライターさんのお話が印象的でした。5年前、ワールドユースを目指す日本代表の取材で、同じくツーロンを訪れていたライターさんは、ある選手と初めて遭遇したそうです。ポルトガル代表に名を連ねていたクリスティアーノ・ロナウドです。2ヵ月後にはマンチェスターに移籍することになるロナウド少年は、その後、駆け足でキャリアを上り詰め、昨晩、ビッグイヤーにくちづけをするまでになりました。

バロンドール最短距離にいる彼がわずか5年前に大いなる希望と野心を携えて訪れたこの街で、彼が頂点を極める瞬間を観れた奇妙な幸運に感謝したいと思います。

20080522-00.JPG

※写真はツーロンのスポーツバーでの一コマ。
撮影:たかすつとむ


posted by たかすつとむ |17:21 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年05月01日

柔道家・井上康生。

先日、日本武道館へ行ってきました。
注目は大逆転での五輪出場が期待された井上康生選手でした。

準々決勝まで勝ち上がった井上選手は、最初の難関となる高井選手に敗れ、北京への道を閉ざされる結果となりました。必殺の内股を見事に空かされての敗戦は、競技者、井上康生の終焉を実感させる瞬間でした。

隣で撮影していた先輩カメラマン氏は、五輪や世界選手権で何度も井上選手を取り続けてきた方でした。普段は声を荒げるようなことはありません。そんな先輩が押さえ込まれた瞬間、いきなり絶叫しました。

「あ~! 負けたッ! 康生終わったぁーッ!」。

確かに競技者としての井上康生は終わったのかも知れません。
内股を放ったのは、残り時間10秒か20秒という時間帯でした。判定まで持ち込めば、勝つ可能性も残されていたと思います。しかし、そんな土壇場で、分身とも言える内股を放った勇気には賞賛を贈らせて頂きたい気持ちです。常に一本を取ってきた得意技です。この日も仕掛けるだけで、歓声が上がるほどでした。頂点を極めたときも、挫折に打ちひしがれたときも、常に共に歩んできた内股です。内股ですべてを掴み、その内股で敗れたわけですから、見事な散り方だったと思います。

いわゆる「柔道」と「JUDO」の間で揺れる日本柔道界ですが、井上選手は紛れもなく柔道家として、現役最後の畳に別れを告げたのではないでしょうか。試合後、どよめきが止まらない日本武道館にて、いつもよりも長く、畳に頭を下げる姿が印象的でした。

今後は柔の道でのご活躍を期待したいと思います。
井上康生さん、長い間、お疲れ様でした。

20080501-00.JPG

※写真は日本武道館での一コマ。
撮影:たかすつとむ


posted by たかすつとむ |14:09 | コメント(0) | トラックバック(1)
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2008年04月20日

金メダリストの苦悩。

今週は辰巳国際プールに毎日通っています。
優勝をしても派遣標準記録に達しなければ、五輪への道が閉ざされる4年に1度の厳しい大会です。毎日がサバイバルですが、昨日はハイライトとも呼ぶべき一日でした。

既に100mで五輪を決めている北島選手の200m平泳ぎ決勝、反対に400mで五輪の逃した柴田選手の800m自由形決勝と、アテネ大会の金メダリストが登場したのですから注目度が高かったのも頷けます。チケットは完売で報道陣も大会を通じて最も多かった様子でした。

僕がもっとも注目していたのは柴田亜衣選手です。
怪我の影響で心身のバランスを崩したのか、本来の安定した力強い泳ぎはなく400mでの出場権を逃し、800mでの出場に賭けることになった柴田選手。アテネ五輪以後、常に安定した強さを見せていた彼女だけに、今までに見たこともない不安な表情が気になりました。

注目の決勝。果たしてトップでのゴールインした柴田選手。
電光掲示板を確認した彼女に派手なガッツポーズはありませんでした。そこにあったのは安堵の表情です。撮影している僕でさえホッとした気持ちになったくらいですから、本人であれば大変なプレッシャーだったことでしょう。自身の五輪への思いや思うように上がらないパフォーマンスへの苛立ち。彼女を支え続けてきた関係者、ご家族、そして活躍を願う我々ファンの期待などなど、金メダリストにかかる重圧を垣間見た瞬間でした。

苦しみ抜いた末に掴んだ北京への切符です。
本大会では今まで以上に強い彼女の泳ぎが見れそうです。

柴田選手、五輪出場おめでとうございます!

20080420-00.JPG

※写真は辰巳国際水泳場での一コマ。
撮影:たかすつとむ


posted by たかすつとむ |14:35 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年04月02日

あの夏を忘れない。

昨日はゲルゼンキルヘンでチャンピオンズリーグを初取材しました。

ゲルゼンキルヘンもそうですが、宿泊したドルトムントでも妙な感覚に襲われました。ドルトムント駅に降り立った瞬間に感じたのは懐かしさ。またそれはゲルセンキルヘンでも同じです。よく考えると、この二つの街は2年前の夏、W杯のときに何度か訪れていたのです。それまで心の引き出しに入っていた記憶が、溢れるように蘇ってきました。

ゲルゼンキルへン。W杯取材で最初に訪れた街。エクアドル対ポーランド。開幕の裏カードでした。このとき出会ったある少年の瞳を思い出しました。

ドルトムント。忘れもしない街。日本代表がW杯から姿を消した夜。試合終了後、スタジアムで目の当たりにした光景は、今でも瞼に焼きついています。

想い出の引き出しがひとつ開くと、あの夏の出来事や撮った写真がフラッシュバックのように脳裏を過ぎりました。写真を撮るようになって6年になります。これまでに切ったシャッターはどれくらいでしょう。10万回? 50万回? 残念ながら記憶にさえない写真も多々あります。何も考えずにシャッターを切った、そんなときは記憶に残らないものです。でもあの夏に撮った写真は、間違いなく記憶に残っている写真の方が多い。フリーランスになって迎えた最初の夏。W杯へ行くために写真を撮り始めました。僕の原点とも言える夏です。そういえば、このブログを始めるキッカケもW杯でした。またドイツへやって来れて本当に良かったと思います。

あの夏を忘れることはできません。

20080402-00.JPG

※写真はヴェルティンスアレナでの一コマ。
撮影:たかすつとむ


posted by たかすつとむ |18:24 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年03月30日

ダービーと「シンジー! オーノー!!」。

痺れました。ダービー初体験です。
ボーフム対ドルトムント。同じヴェストファーレン州の隣町同士の戦い。およそ3万人収容のスタジアムには、立錐の余地もないほどの観客が詰めかけ、試合前から異様な盛り上がりをみせていました。告白するならば、常に冷静でいなければならない取材者である僕自身も、この異様な雰囲気に呑まれてしまいました。

そんな雰囲気に後押しされたのか、ホームのボーフムはアドレナリン全開でドルトムントゴールに襲いかかり、あっという間に2点の強奪に成功。得点を重ねる度に会場のボルテージはレッドゾーンに跳ね上がります。選手たちの気合も半端ではありません。それこそ薬でもやっているのか、と疑いたくなるほどのテンションです。その後は落ち着きを取り戻したドルトムントにペースを握られ、苦しい展開を余儀なくされますが、立ち上がりの10分は異常と言っても過言ではないと思います。彼らにとってのダービーの重さを肌で感じることができました。

さて注目の小野選手は、味方の負傷により前半途中から登場。しかし、ドルトムントの猛攻を凌ぐボーフムが選択したのは、中盤を無視した試合展開でした。いい形でボールを受けることは難しく、不本意な内容だったと思います。が、この日ばかりは仕方なかったのかも知れません。なぜならば、この日は一年で一番大切な日。隣町との意地と誇りを賭したお祭りだったのですから。まだチームに合流して間もない彼がメインキャストになるには、もう少し時間が必要だったのかも知れません。スタンドから尊敬と期待を込めて「シンジー! オーノー!!」と真っ先に叫ばれる日が来ることを祈っています。

20080330-00.JPG

※写真はレヴィアパワー・シュタディオンでの一コマ。
撮影:たかすつとむ


posted by たかすつとむ |18:10 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年03月27日

ユニフォーム哀歌。

ただ今、ウィーンの空港です。
あと1時間ほどでデュッセルドルフに移動、陸路でボーフム入りの予定です。
昨晩はオーストリア対オランダの一戦を取材です。

カメラマン的には試合内容もさることながら、選手たちが身にまとうユニフォームの色も非常に気になる点でした。代表のユニフォームは、W杯とユーロがある年の2~3月辺りに新ユニフォームをお披露目するのが、近年の通例となっています。普通に考えれば、アウェイのオランダはセカンドとなるのですが、個人的にはファーストのオレンジを着るのではないかと、淡い期待をしていました。理由は簡単です。2月の親善試合をザグレブで戦ったオランダは、当然アウェイのユニフォームでした。今回の試合を逃すと、次に親善試合が行われるのは本大会直前の5月末となります。当然、オレンジを売りたいと考えるメーカーが、アウェイでもファーストを着せてくるのではないかと踏んだのですが・・・。せめて昔のように上が白で下がオレンジとかなら良いのですが、水色です。2006年モデルのセカンドも微妙でしたが、オランダを連想しにくいユニフォームでした。見慣れればカッコいいんですけれど。

2月のスペイン対フランスはそういう意味で特殊なパターンでした。スペインが黄色、フランスが赤と両チームともにセカンドです。11月の予選で一足早くファーストのお披露目を済ましていた関係でしょう。よく考えてみれば両チームともにA社です。そう考えると、オーストリアはP社。オランダはN社。敵に塩をおくる真似をするわけがないということでしょう、というカメラマン的なぼやきでした。

20080327-00.JPG

※写真はウィーンのホテルからの一コマ。
撮影:たかすつとむ


posted by たかすつとむ |21:18 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年03月26日

エルンスト・ハッペルシュタディオン。

桜が咲き始め春めいてきた東京から、まだ冬のウィーンにやってきました。
今晩、ユーロ2008決勝の会場でもあるエルンスト・ハッペルシュタディオンにてオーストリア対オランダの国際親善試合が行われます。

さて昨日のウィーンは朝こそ晴れたものの、お昼くらいから大荒れの天気となりました。突然吹雪になったかと思うとピタリと止み、太陽が顔を出すのですが、山側からはすでに雪雲の第二波がやってきて~~~エンドレス、みたいな感じです。せっかく地上170メートルの展望塔に登っても景色を楽しめたのは短い時間だけでした。今朝も晴れていますが、今晩の試合でどうなるかは予測不能です。

そんな大荒れのウィーンの街を散策してみました。
お目当ては前述のエルンスト・ハッペルシュタディオンです。カッコ良く撮ろうと意気込んだものの、はっきり言って微妙なスタジアムでした。見るからに古ぼけて掴み処のない外観や、薄いエメラルドグリーンの塗装は・・・。近年の決勝の会場、例えば、W杯2002の横浜国際やユーロ2004のルス、W杯2006のオリンピアシュタディオンなどに比べると余計にそう感じてしまいました。もっともスタジアムは外観よりも、観やすさやアクセスがより重要だとは思いますが、やはり決勝の会場にはせめてカッコ良くあって欲しいものです。

明日はドイツのボーフムへ移動します。週末にかけて小野選手、来週はゲルゼンキルセンでチャンピオンズリーグ、その週末は長谷部選手、本田選手を取材して回る予定です。

写真をアップロードしようと思ったのですが、
うまくいかないので今回は写真なしにて失礼します。

posted by たかすつとむ |18:32 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年03月02日

現場に出る喜び。

先週の木曜日から札幌に来ています。
宮様スキー大会というスキー種目の総合大会を取材するためです。
今回取材した種目はジャンプ、クロスカントリー、ノルディック複合です。
いずれも初めての撮影でとても楽しむことが出来ました。

「シャー、ズシャ、ゴーーーー、バン!!」
初めて観たスキージャンプは迫力満点です。

「シャ、シャ、ズシャ、ぜぃ、ぜぃ!!」
初めて観たクロスカントリーでは選手の息遣いが生々しく感じました。

スキーやロードレースなど自然の中で行われる競技の面白いところ、というか好きなところは撮影者のアイデアやロケーションによって撮れる写真がまったく変わってくることです。また今回で言えばクロカンですが、距離を走る種目では選手と同じように撮影ポジションまで歩かなくてはいけません。運動不足のカメラマン的には苦しいミッションですが、息を弾ませながら撮影ポジションまで行くことで、選手の気持ちも少しだけ理解できるのも嬉しい要素のひとつです。

10月のフィギュア以来、今シーズン最後にして初めてのウインタースポーツ取材は忘れかけていた現場の迫力や生々しさ、現場に出る喜びを再認識させてくれました。

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※写真は大倉山ジャンプ場での一コマ。
撮影:たかすつとむ


posted by たかすつとむ |16:35 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年01月02日

それぞれの天皇杯。

元旦の風物詩とも言える天皇杯決勝を取材してきました。

8月に鹿島を取材したときにチームのまとまりや力強さを感じてから、台風の目になるのではないかと思っていましたが、見事に2冠達成です。おめでとうございます。天皇杯制覇によって、J1優勝をより輝かせることができたと思います。来季に向けて、新しい展開が期待できてリーグ全体にとっても良いニュースと言えるのではないでしょうか。

対する広島は来期の厳しい戦いに弾みをつけるためにも絶対に欲しいタイトルだったと思います。残念ながら攻撃にアクセントをつけられる柏木の欠場が響いたのか、屈強で組織化された鹿島DFを最後まで崩すことが出来ませんでした。試合後、鹿島選手を拍手で祝した広島サポーターの方々には新年早々良いものを見せて頂きました。個人的には好感の持てるチームなので、1年でのJ1復帰に期待したいです。

いちカメラマンにとっての天皇杯決勝(高校サッカーも含め)は、昼間にサッカーが撮影できるので取材を欠かすことができません。最近はテレビの関係でナイトゲームが多く、ディゲームは貴重なのです。撮影者にとって光と影は重要な表現手法のひとつです。特に空気が澄み切った真冬は、高温多湿の日本において光線がもっともキレイな時期です。そして日が短いこの時期、日が傾きかけたときの重厚でオレンジがかった光は、僕がもっとも好きな光線のひとつです。

ということで、新年あけましておめでとうございます。
今年はユーロやオリンピックなどビッグイベントが満載のスポーツ年ですね。
僕はおそらく取材できませんが、いちファンとして楽しみにしています。
それでは、本年も宜しくお願いします。

20080102-00.JPG
※写真は国立競技場での一コマ。
撮影:たかすつとむ


posted by たかすつとむ |09:56 | コメント(3) | トラックバック(1)
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2007年12月29日

個展を終えて。

先日、一週間に渡る初めての報道写真展が終了しました。
新聞社や通信社が主催するような報道写真展とは趣きが違ったので、
色々な面で心配でしたが無事に幕を下ろすことが出来ました。

僕自身、閉塞感を感じていた中での開催でしたので、多くの方からのご意見やご感想を聞いている内に、モヤモヤしていたものが少し晴れてきました。

山登りに例えるなら、ガムシャラに上っているうちに方角を失い、深い霧に包まれていたけれど、霧が晴れて新しい世界が見えてきた感じでしょうか。

もっと高い山々が見えたことは言うまでもありません。

ということで今日からまた気持ちを新たに撮影に臨みたいと思います。

期間中、会場に足を運んで下さった皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。誠に有難うございました。もう一度、個展が開けるよう頑張ります。

ちなみに来年1月28日には福岡でも開催されます。お近くの方は是非。
またいくつかお問い合わせを頂きましたが、フォトブックもまだまだ販売しています。お気軽にお申し付け下さいませ。詳細はこちらから。

では皆様、良いお年をお迎え下さい。
また来年も宜しくお願い致します。

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写真はスリーカンテラーバスタジアムでの一コマ。
撮影:たかすつとむ


posted by たかすつとむ |14:03 | コメント(0) | トラックバック(0)
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