2006年06月27日

再びカイザースラウテルンにて。

「本当のW杯」が始まって3日。
カイザースラウテルンを再び訪れた。
イタリア対オーストラリア。

イタリアの青とオジーの黄が入り混じる光景は、
2週間前のあの暑い一日を思い起こさせてくれた。

6月12日。
日本対オーストラリアがあった暑い一日のことを。

日本では次期代表監督の話題が注目されて、
早くもこの2週間のことが風化し始めているのだろう。
いや、風化させたいと言った方が正しいか。

しかし、今日のカイザースラウテルンには至るところに
日本代表の記憶が残されていた。

例えば、驚くほど多かった日本人の数である。
きっと決勝トーナメント進出を信じた人々が、
チケットを押さえていたためだろう。

現地にいるとこの2週間は長かったようで短く、
遠い昔のように感じるときもあるけれど、
不意につい先日の出来事であったことを認識させられ、
言いようのない寂寥感に包まれてしまう。

それだけ代表に期待していた自分を再認識して、
驚きを隠せない今日この頃。

※写真はカイザースラウテルンでの一コマ。
撮影・たかすつとむ
20060627-01.JPG


posted by たかすつとむ |10:17 | コメント(0) | トラックバック(1)
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2006年06月24日

終宴。

日本のW杯が終わった。
期待をして、悪夢をみて、憤りを感じ、絶望した。
オーストラリア戦からクロアチア戦まであらゆる感情を味わった。

わずかな望みに身を委ねて訪れたヴェストファーレン。
果たしてブラジルは強かった。
とても同じスポーツで競っているとは思えないほどに。

試合後、ピッチに横たわって起き上がれなかった中田英寿を思う。
きっと誰よりも勝利を望んだであろう男の姿に心を揺さぶられた。

フランクフルトのアパートに戻ったのは、朝の5時くらいだっただろうか。
帰りのICEでは床に腰を下ろしたのだが、深い眠りに落ちていたようで、
DB職員の弾むような声で目を覚ました。

「ハロー。ミスター。フランクフルト。ハロー!」

明日から本当のW杯が幕をあげる。
その舞台に日本がいない現実だけが哀しい。

※写真はドルトムント駅前広場での一コマ。
撮影・たかすつとむ
20060624-02.jpg


posted by たかすつとむ |07:26 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年06月21日

消化試合だったけれども。

W杯もいよいよグループリーグが終盤に差し掛かってきた。
2節を終えた時点で勝敗の決したグループも多いけれど、決勝トーナメントに向けたかけ引きが面白みを増してきたのではないだろうか。

さて、今日はポーランド対コスタリカという本日一番の消化試合を取材した。
20分ほど歩いてスタジアムまで行ったのだが、街中やサポーターの雰囲気はこれまでにないほど和やかだった。両チームともに敗退が決定している訳だから、当然といえば当然なのだけれども。

ちょっと心温まる瞬間は試合開始直前に起こった。
スタジアムは隣国ポーランドのサポーターと地元ドイツ人が大半を占めて、コスタリカ人は少数派だった。そんな中で試合前の国歌斉唱である。

初めにコスタリカの国歌が流れると、スタジアム全体から拍手が送られたのである。前述したようにほぼポーランドのホームゲームのような試合であるにも関わらずだ。

国際試合の取材歴が浅い僕が知らないだけかも知れないが、
こういったシーンに巡りあったのは初めてである。
某ナショナルチームの試合では、一部の心ない観客から必ずと言っていいほど冷やかし程度のブーイングが起こるのとは、大きな隔たりを感じた。

もちろん、両チームにとって消化試合だったという側面も多分にあるとは思うのだけれども、来て良かったな、と思えたのである。

ポーランドのサポーターについて少々。
これまで2戦2敗と良いところのないポーランドは、今日の試合でも精彩を欠き、先制点を献上してしまう。そんな不甲斐ない代表チームに対して、彼らは頭を抱え、イライラを募らせ、遠慮なくブーイングを飛ばす。もちろん、良いプレーに対しては惜しみない拍手が送られる。何とも羨ましい限りだ。

こういうディテールに歴史を感じる今日この頃である。

※写真はハノーファーのスタジアムでの一コマ。
写真・たかすつとむ
20060621-00.jpg


posted by たかすつとむ |08:04 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年06月20日

愛でるべき人々。

今大会、何かとお騒がせなトーゴ代表の取材をすべくドルトムントに足を運んだ。

1月に取材したアフリカネーションズカップでは、アデバヨールとナイジェリア人監督ケシの確執により、良い所なく敗れ去った彼ら。果たして生き残りを賭けたスイス戦を前にボーナスをめぐる騒動が報道された。

前回大会でもカメルーンが同じような状況で話題になったし、そういえばネイションズカップでもDRコンゴが同じ問題でストライキを起こしそうになっていた。この辺の話題はアフリカらしさと言えるだろう。

さて、そんな騒動もお構いなしに無邪気なのがトーゴサポーターであった。
ひとりが小鼓のような楽器でサンバのような独特なリズムを刻めば、そばにいるトーゴ人らしき人が歌とダンスで応じる。最初はひとり、ふたりなのだが、通りがかりの同胞がひとり、またひとりと徐々に増えていく。気が付くと7、8人のグループとなり、ドイツ人はもちろん、対戦国のスイス人までが笑顔で眺めている。

彼らに誘わられるように観客入り口まで付いてく。
そこでも彼らは延々と宴をやめる気配はない。試合まであと30分もない。
一体、いつまで彼らは歌い踊り続けるのだろうか?
やがてスタジアムから大きな歓声と共に国歌が漏れ聞こえてくると、彼らは踊りを止め、スタジアムに背を向けてファンフェスタの会場に向かっていった。
なんと彼らはチケットを持っていないようだった・・・。

無邪気で陽気な彼ら。
きっと敗退が決まっている最終節でも彼らは歌い、踊るのだろう。
なんとも愛でるべき人々であった。

※写真はドルトムント中央駅での一コマ。
撮影・たかすつとむ
20060620-00.jpg


posted by たかすつとむ |03:44 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年06月17日

彼らは歌う。

彼らは歌う。
オレンジ色をした大男たち。彼らはビール片手に歌う。

「ア~レ~、アレ~!」

陽気な歌声がシュトゥットガルトの街に響き渡る。
ドイツ人の堅苦しさはなく、イングランド人の威圧感もない。
彼らの歌声は沈んだ気持ちを浮かび上がらせてくれる。

4年前、僕を楽しませてくれた緑色したギネスな奴らの代わりに、
今度はオレンジ色した彼らが僕を楽しませてくれた。

出来ることならオレンジと緑の共演を見てみたかったけれど、
それは4年後のお楽しみにとっておくのも悪くない。

彼らは歌う。
オレンジ色をした大男たち。彼らはビール片手に歌う。

「ア~レ~、アレ~!!」

※写真はシュトゥットガルトのファンフェスタでの一コマ。
撮影・たかすつとむ
20060617-00.jpg


posted by たかすつとむ |07:45 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2006年06月14日

一夜明けて。

昨晩は恥ずかしながら呑まずにはいられなかった。
必要最低限の電送だけ済ませるとビールを一杯。二杯。三杯…。
自分でも驚くほど切ない気持ちにさせられた。

ジーコジャパン発足以来、悲しい気持ちにさせられたのは二度目である。
一回目は昨年のアジア最終予選。テヘランで行われたイラン戦だった。
試合終了後、スタジアムを出るとイラン人とすれ違う毎に「2-1、2-1!」と捲くし立てられた。ただの親善試合であれば、笑って返すことも出来たけれども、このときばかりは相手にする気にはなれなかった。

普段は口悪く罵るだけのカメラマン氏が呟いた一言が印象的だった。

「これで次(バーレーン戦)は絶対に負けられなくなったな…」

記者会見に臨んだジーコ監督の潤んだ瞳が印象的だったのを覚えている。
昨日の記者会見の映像は見ていないので、
何とも言えないけれど、きっと同じような瞳をしていたことだろう。

一夜明けても気持ちは沈んだままである。
本来の予定ではベルリンまで足を伸ばして、ブラジル対クロアチアを取材するつもりだったのだが、とてもベルリンまでたどり着く自信がなかったので、フランクフルトの試合に変更。韓国の逆転勝利をパブリックビューイング会場近くにあるカフェで見届けるとアパートに戻った。

明日からは気持ちを切り替えて取材に臨みたいと思う。

※写真は本日唯一のカットでフランクフルトのPV会場での一コマ。
撮影・たかすつとむ
20060614-02.jpg


posted by たかすつとむ |09:01 | コメント(0) | トラックバック(1)
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2006年06月12日

ある少年の瞳

早いもので開幕から3日。
明日はいよいよ日本代表が登場するW杯ドイツ大会。
ピッチの上では一部の除いて概ね予想通りの試合が続いているのではないだろうか。
と、言ってもまだ一試合もまともに観てないので偉そうなことは言えないけれど・・・。

さて僕は開幕の日、ドイツの試合が行われたミュンヘンではなく、裏カード、ポーランドとエクアドルが激突したゲルゼンキルセンにいた。

「ポルスカ! ポルスカ!!」
「エク、アドル! エク、アドル!!」

至るところでこんな掛け声に出会い、W杯の開幕を実感する傍ら少し切ない気持ちになる出来事にも遭遇した。

それはある少年の瞳である。

この少年、おそらくエクアドル人。
というのも本人はエクアドルのユニフォームを身に纏っているものの、首にはポーランドのマフラー。一緒に来ていた母親らしき女性は南米系のようだった。おそらく在独エクアドル人で母国も応援したけれど、隣国のポーランドにも思い入れがあったのだろう。
本来であれば、お祭り気分で幸せ一杯のはずが、何故かこの少年は力のない瞳をしていた。理由はすぐに分かった。

僕がその少年を最初に見たのはスタジアム周辺だった。
少年の手をひいた母親がダフ屋と思しき男性と何やら密談をしている。
数分、話し込んだあと交渉は決裂した模様、母子はその場を離れていった。またしばらくして別の男性と密談。やはり交渉は決裂してしまったようである。
そうこうしている内にスタジアムからは大きな歓声が漏れ伝わってきた。試合開始である。


ねばった母親ではあるが、初日ということでダフ屋も結構な値段を吹っかけたのだろう。
結局、チケットは手に入らず、踵を返して駅のホームへ向かう。
少年はスタジアムの方を見つめたまま、なかなか応じようとはしない。
母親の何度目かの呼びかけにやっと応じた少年の足取りが重かったのは言うまでもない。そんな光景を見て思う事がひとつ。

「この大会は誰のためのものなのか」

サッカーというスポーツを今後も生業にしていきたい身分で言えた義理ではないが、あえて素直に感じたことを述べさせてもらう。

商業化と普及活動を推し進め、世界中に広まった感のあるサッカーではあるが、それは一体誰のためだったか。

選手? サポーター? スポンサー? それとも未来ある子供たちのため?

きっとこれらすべての人たちのため、だと思いたい。
それにチケットが買えなくて試合を見れない人間はこの世に腐るほどいる。
開催国で雰囲気を味わえるだけでも充分と言えるかも知れない。
しかし、実際にそういう少年の寂しげな瞳を目の当たりにすると、何とも言えない切ない気持ちにさせられたのである。

開幕して3日。
きっと期間中、至るところで同じような光景を目にすることだろう。
願わくば、1人でも多くの子供が平等にW杯を観戦できますように。

※写真は試合開始直後、帰路に着くトラムの中での一コマ。
撮影・たかすつとむ
20060612-01.jpg


posted by たかすつとむ |08:27 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2006年06月09日

4年に一度。

只今、ドイツ現地時間で朝の7時30分。いよいよ開幕まで10時間余り。
朝晩は冷え込むものの日中となれば30度近くまで上がる気温。カラッとした空気。15時からの試合は選手にとってタイトなものになるかと思うがいい気候である。昨日あたりから徐々に中南米、アフリカなど遠方からのサポーターを見かけるようになり、徐々に気分が高揚してくるのを感じずにはいられない。

先日、韓国でレッドデビルスの初代会長を務めた人物とお会いした。
印象深かったエピソードをひとつ。

「私にとってW杯は4年に一度自分の成長を確認するための場でもある」

なるほど。レッドデビルスの会長を勤められたくらいだから、無類のサッカー好きであることに変わりはない。しかし、ただサッカーを楽しむだけでは勿体ないということなのだろう。

僕が一番最初に名前を覚えたサッカー選手はマラドーナだった。
86年メキシコ大会。僕はW杯の存在を知らなかった。
90年イタリア大会。同級生が騒いでいた影響もあって決勝をテレビで見た。
94年アメリカ大会。ロベルト・バッジオに痺れた。
98年フランス大会。日本代表に声援を送った。日本で。
02年日韓共催大会。韓国まで試合観戦に行った。写真も少し撮った。

そして、06年ドイツ大会。

果たして僕は無事に成長できているのだろうか。
少なくとも4年前に比べると、いち観客として接していたことを考えれば、カメラマンとして独立し、機材も比べ物にならないくらい良くなった。写真の腕前も多少は・・・ねぇ。 

きっとそんなこと以外にも人間として成長を確かめられる、
そんな大会になることを祈りつつ、今宵、開幕を迎える。

※写真はケルンの大聖堂横の広場での一コマ。
撮影・たかすつとむ

ケルンにて


posted by たかすつとむ |14:24 | コメント(0) | トラックバック(2)
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2006年06月06日

ドイツへ

W杯ドイツ大会を3日後に控えた今、僕はタイのバンコクで稚拙な文章を書いている。
タイ航空TG0920便で明朝の6時にはフランクフルトに到着予定だ。

何故、今バンコクにいるのかと言えば、あるアスリートの追跡取材を敢行するためである。セパタクロー日本代表にして、本場タイのプロリーグに挑戦中の彼が現地でどんな生活をしているのか、どうしても見てみたかった。写真に収めたかったからである。

詳しくは現地で取材をご一緒した岩本勝暁さんの「ウェルカム☆スポーツプレス」にお任せするとして、僕が個人的に共感したことをひとつ。

セパタクローの置かれている状況は決して良いとは言えない。本場、タイのプロリーグでさえも一部のトップ選手以外は何かしらの仕事をしなければ食べていけない状況なのだから、日本国内ならなおさらである。でも彼らはセパタクローを諦めることをしない。何故か。

「やりたいことをやりたい」「自分を高めたい」

突き詰めるとそういうことなのだ。どんなに過酷な生活を強いられても、将来のことを考えて眠れない夜を迎えても、彼らは今日もコートに立つ。

翻って僕。カッコよく「フリーランス・フォトグラファー」などと言っているが、写真歴は4年弱。彼らに共感したというのもおこがましい程度ではあるけれど、そういう生き方をしていきたい。そうでなければ、今後、彼らの目を見て話をすることが出来ない。次に会ったときに、その純粋でまっすぐな瞳を見て話を聞いて、また自分の活力に変えていければ、と思う。

そんな彼らの情熱に感化されて、いよいよドイツへ向かうわけだが、一体どんな出来事が僕を迎えてくれるのか、今から楽しみになってきた今日この頃。

※写真はタイのロッブリーという田舎町にある寺院に設けられたタクローコートでの一コマ。
撮影・たかすつとむ
ロッブリーの寺院にて


posted by たかすつとむ |14:37 | コメント(4) | トラックバック(1)
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