たかすつとむのフォトブログ

長谷部の言葉。

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一年ぶりに欧州サッカーを取材している。

こっちで取材をするようになって、こんなに期間が空いたのは初めてだったから、最初に訪れたシュツットガルトでは、試合前に「なんでニヤニヤしてるの?」と現地在住のカメラマン氏に突っ込まれるくらい雰囲気を楽しんでいたんだと思う。「やっぱり現場はこうでなくっちゃね」と。もっとも端から見たら相当に気味悪かったんだろうけど。

僕が初めて欧州サッカーを取材したのは、2007年夏のバルセロナだった(正確には2006年春なんだけど、それはまた今度)。それ以来、年に数回は欧州を巡る機会を与えてもらっていた。バルセロナ、マドリッド、ミラノ、ミュンヘン、パリ、リスボンなどなど。稀にビジャレアルなんて小さな街もあったけれど、僕にとっての欧州サッカーとは、誰もが知っている大都市とビッグクラブのことだった。もちろん、機会があればグラスゴーに中村俊輔を、ボーフムに小野伸二を、フェンロに本田圭佑を、ヴォルスブルグに長谷部誠を撮りに行ったけれど、あくまでメインはロナウジーニョやメッシ、クリスティアーノ・ロナウドと言った世界を牽引している選手たちだった。そんな取材スタイルが南アフリカのワールドカップを境に大きく変わることになる。まず最初にスケジュール確認すべきは日本人選手たちの動向であり、それを基本にして旅の予定を組むようになったのだ。

今回、訪れた街。
シュツットガルト(岡崎/酒井)、アウグスブルグ(細貝/香川)、ゲルゼンキルヒエン(内田)、ミラノ(長友)、マドリッド(本田)、アーネム(ハーフナー/安田)、ドルトムント(香川)、デュイスブルグ(乾)、フュルト(香川)。

きっとこの仕事をしていなかったら、行くこともないだろうなぁと思う小さな街もチラホラだけど、すべての試合で日本人を撮影する可能性があったことになる。

何故、これほどまでに日本人が海を越えることができたのか。一つはワールドカップでの活躍と、そこで見せつけられた世界との距離感を選手が肌で感じたからだと思う。しかし、それだけではない。なぜなら今回取材した選手の中には南アフリカでメンバーに選ばれていなかったものもいるからだ。その答えを探っているとき、ある選手の言葉が思い出された。

2009年にヴォルスブルグで長谷部誠を撮影をさせてもらったことがある。中央駅近くの河原でポートレイト撮影を済ませ、カフェで話を聞いたとき、彼の言葉で印象に残っているエピソードがあった。彼がブンデスリーガ挑戦を決めた当時は、日本代表で結果を残すことが海外への近道という雰囲気があった。浦和レッズのレギュラーではあったけれど、まだ日本代表に定着しておらず、有望な若手選手の一人、それが当時の長谷部誠への評価だったと思う。そんな彼がドイツで結果を残すことで「あいつが出来るなら俺だって」と他の選手達が思うことで、海外へ飛び出すキッカケになれたら、というようなことを言っていた。移籍して最初のシーズンでマイスターシャーレを掲げた自信が言わせた言葉だと思うし、自信が人を大きく変えたのを目の当たりにした瞬間だった。長谷部や本田、香川らの活躍もあって、最近では代表はおろか、Jリーグを経ずに直接海を渡る選手さえいる。代表定着に関しては、まずは海外で結果を残してからという数年前では考えられない雰囲気すら漂っている。一度、破られた壁は壁ではなくなるとは使い古された言い回しだけれど、その壁を破った一人に未来の代表キャプテンがいたと思うと、彼のキャプテン就任は偶然ではなく必然だったように感じる。

そんなことを思いつつ、今日はこれからメンヘングラードバッハ、金曜日にはヴォルスブルグへ行き、そこでサッカー取材は終了。週末はスピードスケートの距離別世界選手権(ヘレンフェーン)、来週は卓球団体世界選手権(ドルトムント)、フィギュアスケート世界選手権(ニース)と回る予定です。

tpower-308164.jpg
※写真はSGLアレーナでの一コマ。
撮影:たかすつとむ




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長谷部の言葉。

木村さん

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                高須力

高須さんへ

≪「写真が好きな写真家」でした。≫
28年これまで生きてきて、自分の人生こういわれる物にすると決意しました。
いまは会社員としてまったくカメラとは縁のない職種です。
大学卒業後は、夢見ることなく安定した会社に入りました。
しかし、自分の人生真剣勝負!あきらめきれません。
大学時代、サッカー部の試合撮影を依頼されて撮影協力をしていました。そこで大学サッカー協会のHPトップに自分の写真が掲載された時、これまで感じたことがない感情が湧きあがりました。

高須力さんの写真が好きです。憧れています。アシスタントでもなんでもやりぬきます。一度お話できる機会頂けたら幸いです。

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東京都出身。出版社にて編集者を経験した後、フォトエージェンシーに勤務の傍ら、スポーツカメラマンとして活動開始。エージェンシーを退社、フリーランスとなる。ライフワークとしてセパタクローを追いかけ、サッカーを中心に数多くのスポーツを取材中。日本スポーツプレス協会(AJPS)、国際スポーツプレス協会(AIPS)会員。
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(11月24日現在)

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