2009年10月15日

氷上の「闘い」。

昨晩は1℃まで冷え込み、東京では考えられないくらいに寒いパリにやってきました。

フィギュアスケートグランプリシリーズ初戦。トロフィーエリックボンバールを取材するためです。日本人選手のエントリーは織田信成、中野友加里、そして浅田真央。注目は何と言っても初戦でいきなり実現した浅田真央とキムヨナの直接対決。メディア的な言い方をするならば「バンクーバーを占う重要な一戦」となります。

五輪の前年はどんな競技でも緊迫した雰囲気が楽しめるけれど、氷上で美しい演技を魅せてくれるフィギュアスケートも例外ではありません。記憶に残っているのは4年前の代表選考を兼ねた全日本選手権、最終組。荒川、村主、安藤、中野、恩田、そして浅田真央。当時、世界で最も厳しい代表選考だと言われていました。

話が前後するけれど、全日本選手権の一週間前に同じリンクでグランプリファイナルが行われ、浅田真央が「軽やか」に優勝を飾りました。

「ゴーー、ズシャ、ダン!」

競技中はいつも音楽がかかっているので気づかなかったけれど、エッジが氷を削る音。華やかなフィギュアスケートには似つかわしくない音だと思いました。セレモニーが終わり、記者会見が行われていたとき、ほんの一時間前まで熱気に包まれ、数え切れないほどの視線を集めたリンクだったけれど、そのときは観客もおらず、スタッフが数人と数台のテレビカメラが回っているだけのひっそりと静まり返ったリンクに一人の選手がいました。荒川静香でした。この年、グランプリファイナル出場を逃していた彼女の執念を見た瞬間です。

話を全日本選手権、フリープログラムの最終組に戻します。
一人目はその荒川でした。鬼気迫る演技だったと思う。鳥肌が立った。会場はスタンディングオベイションに包まれました。続く二人目は浅田。GPファイナルの流れをそのままに軽やかな演技を見せる。得点が出た。荒川を上回る。さっきよりも会場のボルテージが上がった気がしました。そんな感じで演技が続くほどにテンションは上がり、選手の気迫が会場に移り、会場の雰囲気が選手を後押しする。フィギュアスケートの見方が変わった瞬間でもあります。

あれから4年。また五輪シーズンがやってきました。
「軽やか」だった浅田真央は大人になり、中野も織田も、今大会には出場しない選手たちも、五輪にはそれぞれ期するものがあることでしょう。自身の野望のため、家族のため、スタッフのため、応援してくれるファンのため。色々なものが絡み合った闘いが始まります。

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※写真はベルシーアリーナでの一コマ。
撮影:たかすつとむ


posted by tpower |19:16 | サッカー以外のスポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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