2009年06月20日

W杯予選という旅。

メルボルンへ行っていました。
今月はソウル経由でタシケントに行き、興奮もないままW杯出場の瞬間に立会い、一時帰国して横浜。そのあとメルボルンにて、3年前のカイザースラウテルンでのリプレーを観ているような試合に立ち会いました。3年前と違ったことは、失望しなかった自分がいたことくらいでしょうか。オシムさんが仰っていた「過度の期待をするから失望する」という言葉が蘇りました。

さて、昨年2月、小雪のチラつく埼玉スタジアムから始まった南アフリカ大会予選。3月のバーレーンには行けなかったのですが、それ以外は全試合を取材することができました。およそ1年半弱に渡る間、色々な国を訪れ、まるで長い旅に出ていたような感覚です。

僕の人生史上、もっとも暑かった灼熱のオマーン、マスカット。
呼吸をすれば肺が温まり、水を飲んだ瞬間、体中の毛穴から汗が流れ落ちる経験は貴重です。また海岸線には無数の砦が残されており、湾岸諸国の歴史が垣間見れる瞬間でした。

笑顔の国と称されるタイ、バンコク。
会場のラジャマンガラスタジアム前に軒を並べた屋台の川魚の丸焼き。恐る恐る口にしましたが、香草と一緒に食べたときの絶妙な味わいに先人たちの叡智を感じました。

この4年間でサッカーファンには一気に馴染み深くなったバーレーン、マナマ。
僕自身、何度か足を運んだ国だけあって新鮮さには欠けましたが、まさかのラマダン(断食月)。昼食を捜し求めて街をブラつき、ひっそりと営業していたカレー屋さんには感謝と感動を覚えました。

オイルマネーの流入によりバブル全盛を極めているカタール、ドーハ。
スポーツ立国を標榜としている同国の贅沢すぎるスポーツコンプレックスの数々に圧倒されました。現地に行くまでは他の中東諸国との違いは知る由もありませんでしたが、これも現地に行ったからこそ知りえたことです。

初めて訪れた中央アジアの拠点、ウズベキスタン、タシケント。
みんな笑顔で僕らを迎えてくれました。シルクロードの交差点としても知られる国の懐の深さに感謝です。現地で食べた「プロフ」というピラフの味はこれまで食べたことのない味でとても印象的でした。

そして、今回の旅の最後に訪れた晩秋のオーストラリア、メルボルン。
消化試合になったこともあり期待していませんでしたが、意外にも7万人弱の観客がつめかけ思いがけず興奮です。街中を颯爽と走り抜けるランナーや延々と放送されるクリケット、オージーフットボールに同国のスポーツ文化を垣間見ました。

いちフリーカメラマンの僕でさえ上記のような素晴らしい経験が出来ました。取材をしているときは気づきませんでしたが、日本が戦っているときは、同じように全世界で何十試合も死闘が繰り広げられているわけです。たったひとつのボールの行方に歓喜して、落胆して、翻弄されながら、それに携わる人が何百、何千、何万という人が僕と同じように旅をします。世界中で小さな民族移動が繰り返されていると考えると「ワールドカップ予選って本当に凄いな」って思いました。

「サッカーはピッチの中だけでは語れない」

そんな言葉をこれまで幾度となく聞きましたが、その意味が少しだけ分かった長い旅でした。

以下に今回の旅の一コマをご紹介します。
ご意見ご感想などありましたら是非。


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※マスカットのビーチでの一コマ。

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※ラジャマンガラスタジアム前での一コマ。

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※マナマ市内での一コマ。

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※アルサッドクラブスタジアム前での一コマ。

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※タシケント市内のレストランでの一コマ。

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※メルボルン市内での一コマ。

撮影:たかすつとむ


最後に宣伝になってしまいますが、今予選で撮り貯めた写真が掲載されている雑誌「RONSPO」が今月15日に発売となりました。全国の書店やコンビニでお見かけの際は是非ご一読下さい。

http://www.sports-times.jp/ronspo/


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2009年04月14日

欧州サッカークライマックス。

先週の金曜日からスペインに来ています。
土曜日にバルセロナを、日曜日にはレアルマドリーを取材しました。

先週水曜日にCLでバイエルンを木っ端微塵に吹き飛ばしたバルセロナの試合を楽しみにしていたのですが、この日は皆さんお休みモードといった感じでした。それでも2点を取れてしまう攻撃力はさすがですね。観ていて感じたのはチームの一体感でした。このチーム力こそが、今のバルセロナの強さの秘訣なんだと痛感しました。

一方、レアルマドリードです。後半戦に入ってからCL以外では負けなしと、必死にバルセロナを追いかけています。が、試合を観てみると「猛追」という感じではありません。勝ち点差6を辛うじて保っている感じです。昨日の試合も勝つには勝ったけれど、バルセロナほどチーム状態は良くないと感じました。まだホームでのクラシコを残しているだけに、それまでに勝ち点3まで詰めたいところですね。

さて、このあとは水曜日にポルト対マンU@ポルト、土曜日にユーヴェ対インテル@トリノ、日曜日にACミラン対トリノ@ミラノと、クライマックスを迎えようとしている欧州サッカーを駆け足で取材する予定です。

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※カンプノウでの一コマ。
撮影:たかすつとむ


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2009年04月06日

ソウルにて日本代表を想う。

先週はソウルで行なわれた韓国対北朝鮮、いわゆる南北戦の取材でした。

羽田空港から2時間弱のフライト。家からホテルまでdoor to doorでも6時間とちょっと。九州や北海道よりも近く感じてしまうくらいです。
今回は初めて韓国代表のホームゲーム取材ということで、いつも取材している日本代表のホームゲームでは感じられなかったことがあり、とても有意義な取材だったと思います。

まず真っ先に感じたのはスタジアムの雰囲気でした。
ゴール裏に陣取るレッドデビルスが先頭を切って応援しているのは、日本と変わらないのですが、その数は思いのほか少なかったようです。途切れ途切れ、休み休みの応援という感じです。途中までは02年のような熱狂はもう去ってしまったのかと思うほどでした。しかし、試合が進むにつれてサポーターや観客のボルテージはうなぎのぼりでした。一番の変化をみせたのはメインスタンドやバックスタンドに陣取る観客たちの反応でした。ちょっと前までは静かに観戦していたはずなのに、気がついたら「テーハミングッ!」の大合唱&ウェーブの嵐。日本だと比較的大人しいイメージのメインとバックスタンドなのですが、一度火がついた韓国の方々はアツさは、日本人にはないものだと感じずにはいられませんでした。

次はやはりピッチ内でのプレーです。
兎に角、ミドルシュートが多いのです。枠に飛んでも飛ばなくてもPA内外問わずコースが空けばミドルシュートでした。中には「それはないでしょ」と感じるものや、「もっと落ちついて回せば良いのになぁ」と思うこともありましたが、良くも悪くもシュートで終るスタイルは、対戦相手に対して十分な恐怖となるのではないでしょうか。そしてそんな押せ押せのスタイルが観客の熱狂を呼び覚まし、スタジアムの雰囲気を一変させたように感じました。

奇しくも4日前の埼玉と同じく、ちょっとだけ運に恵まれたフリーキックが勝敗を分けた形でしたが、ソウルW杯競技場での試合後感は、埼玉でのそれよりもスッキリとしたものでした。

確かにW杯予選は負けないこと、内容よりも結果が問われることは間違いないと思います。しかし、かなり穿った見方をしますが、最近はそれが免罪符のように使われている気がします。「絶対に負けられない戦い」があるのと同時に、ワールドカップ本大会では「絶対に勝たなければならない戦い」があるのも事実です。今予選の日本は組み分けだけでなく、対戦順にも恵まれた(考え方によれば恵まれなかった)関係もあり、負けてはならない戦い方だけしていれば良かったと思います。例えば、初戦にアウェイでオーストラリアと戦って、もし敗れていれば、2戦目以降には勝たなければならない試合ができたはずです。しかし、肝心の試合は最終戦。結果論ですが、十中八九消化試合になることでしょう。

果たしてこのままで日本代表は本大会で勝つことができるのか。

勝たなければならない状況をテストできるのも予選という真剣勝負の場だけだと思います。そして、日本代表が本番までにできる真剣勝負の場は今のところタシケントでの一試合しかありません。個人的な見解ですが、この試合ではリスクを背負ってでも、ウズベキスタンを完膚なきまでに叩き潰して欲しいと思っています。言葉が過ぎるかもしれませんが、仮にリスクを負った上での敗戦であれば、我々は受け入れねばならないとさえ思っています。そうすれば、4日後のカタール戦が生きた試合になり真剣勝負の場が増えることになります。それは本大会に向けて決してマイナスではないのではないでしょうか。

と、そんなことを感じたソウルでの一試合でありました。

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※写真はソウルW杯競技場での一コマ。
撮影:たかすつとむ


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2009年02月02日

スポーツのミライ。

随分と更新が滞ってしまいました。

先日、解散が報じられたプリンスラビッツとオークスの取材に行ってきました。競技こそ違いますが、日本のスポーツ界にとって大きな衝撃を与えたことは確かだと思います。

経済の影響を受けやすいのが日本のスポーツです。チームの解散も珍しいことではありません。しかし、当事者以外に危機感があるかと言えば答えは「ノー」だと思います。オークスの選手たちにしても、他のアメフトチームが解散したときには、まさかトップクラスの活躍をしている自分たちが同じ憂き目にあうことを本気で心配したことはなかったそうです。プリンスラビッツにしても、皮肉なことに撤退が決まってから、報道陣も観客を大幅に増えたようでした。

ここまで考えるに至って、経済不況や地球温暖化の危機に晒されている現代社会と根本的な問題は同じように思いました。政治の混迷や環境破壊の根本は危機感の欠如と無関心によって招かれたものです。その構図はスポーツにも当てはまるのではないでしょうか。

だからこそプロスポーツを含めて、スポーツ界に携わる人間一人ひとり、選手、スタッフ、マスコミ、ファンの意識や活動が問われるのだと思います。ひとつの道しるべになるのはJリーグが提唱した「地域密着」だと思います。地方では過疎が進み、大都市では郷土愛が薄れ、様々な歪みが表出して久しいニッポン社会。先日、インタビューに同席させて頂いた某サッカークラブの社長が仰った言葉が印象的でした。もともと官僚として活躍されていた同氏は「現代の坂本竜馬」の必要性を感じて、保障された将来を捨て、現在のクラブへ赴いたそうです。

誰もが坂本竜馬だと、それはそれで問題な気もしますが、みんなが危機感を持ち、関心を持ち続けること、特効薬ではありませんが、誰もができることから始める。それだけでもスポーツのミライは変わってくるのではないでしょうか。そしてスポーツが社会を変える触媒になれば、こんなに幸せなことはないと思います。

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※写真はトゥーロンでの一コマ。
撮影:たかすつとむ


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2008年11月19日

ドーハの驚きと追憶。

日本を経って2週間と少し。最後の目的地はカタール、ドーハです。

僕がこれまでに訪ねた中東の国はイラン、エジプト、オマーン、バーレーンなので、カタールで5カ国目となります。ここカタールはアラブ系の国です。※イランはペルシャ系。アラブや中東と聞くと危険なイメージを抱く方が多いかと思いますが、アラブの人々には友好的な方が多いです。中には胡散臭い奴もいますが・・・。なので、治安も基本的には悪くはありません。驚いたのはカタールの人々が非常に理性的だったことです。アラブの人々は「インシャラー」の精神が影響しているのか良くも悪くも忙しなく適当な部分があります。行く先々で混乱に遭遇する度に中東に来たことを実感するほどです。しかし、たった一日ですが、あれこれ動き回った結果、今日は一度の混乱もなくなく非常に快適に過ごすことができました。

またオイルマネーの流入によって、目覚しい発展を遂げているドーハの街の至るところが建設ラッシュの只中にあり、工事現場の横には21世紀を思わせる完成予想図が飾られ、実際に高層ビルは僕が行った中ではダントツに多かったと思います。市内にはメガショッピングモールが点在していて、そのスケールは想像以上でした。驚いたのはモール内に人口の川を流して、そこで遊覧を楽しんだり、小さいながらもアイスリンクがあり、スケートを楽しむことができたりすることです。

最も驚かされたのはカタールのスポーツ環境でした。タクシーで市内を回っただけでも大きなスタジアムがいくつもあり、確認しただけでも4箇所はあったと思います。数年前に現役引退間近の大物選手を何人も獲得して、話題を提供したカタールリーグですが、当初は70年代のメジャーリーグサッカー的印象でした。しかし、カタールは国家プロジェクトの一環として、ワールドカップ出場を目指しているそうで、その本気度は街に点在するスタジアムの多さが物語っているように感じました。今日、前日練習が行われたアルサッドスタジアムも近代的なサッカー専用スタジアムで、中東っぽさは皆無な上、まるでサンシーロを思わせる佇まいでした。近年のカタールサッカー事情は来週発売予定のナンバー誌で紹介されるそうです。取材にあたったカメラマン氏から色々なお話を伺い「カタール侮りがたし」の印象を受けました。

今日は朝からカルチャーショックを受けまくり、何回「へぇ~」と思ったことでしょうか。きっとこれまで訪れたどの国よりも多かった気がします。

最後になりますが、ドーハと言えば15年前の「あの試合」を思い起こさずにはいられません。きっと当時の映像はいつ見ても肌に粟立つものがあると思います。あの試合がなければ、僕はきっと今日ドーハにやってくることもなかったようにさえ思います。前日練習の合間には、至るところで当時の思い出話に花が咲いていました。実際に取材した人もいれば、テレビで観ていた人、あとで映像を見た人もいると思います。当時、中学生だった僕はテレビで観戦していたことをハッキリと覚えています。そして、先輩方のお話を聞いているうちに、胸に込み上げてくるモノがありました。きっとそれは今夏、タイのバンコクで感じたアレなのだと思います。そして今、僕が最も欲しているもの、求めているものでもあります。

程好い熱と共に明日の試合を待ちたいと思います。

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※写真はドーハ市内での一コマ。
撮影:たかすつとむ

余談ですが、画像右端にある頂上が三角形で青く光っている建物が15年前、この国で一番高い建物だったそうです。


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2008年11月15日

浅田真央のステップ。

一昨日から9日間滞在したグラスゴーを離れパリに来ています。
トロフィーエリックボンバール。浅田真央の初戦を取材しています。

昨晩のショートプログラムでは「強気で行けなかった」と本人が話したように精彩を欠いた演技にだったように思います。囲み取材では、会話は聞き取れませんでしたが、悔しさの表れなのか大きな瞳が潤んで見えました。

先ほど公開練習が終わりました。今日は落ち込んだ様子もなく集中しているように見えました。ちょっと前までは「真央ちゃん」と呼べる可愛らしさがありましたが、久しぶりに観た彼女はすっかり大人の女性になり、表情はまさにアスリートのそれになっていたように思います。

終盤の速く、力強い、そして、長い手足を荒々しくも繊細に駆使したステップ。鬼気迫るものがあるというか、練習を観ているだけで思わず鳥肌が立ってしまいました。フリープログラム最大の見せ場です。今夜は最高の演技と最高の笑顔を観てみたいなと思います。

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写真はベルシースケート場での一コマ。
撮影:たかすつとむ


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2008年11月06日

セルティックパークにて。

先日からグラスゴーにやってきています。

初めてのUK入国となりました。今、世界で最もアツいと言われているイングランドのプレミアリーグは、世界で最も撮影規制が厳しいリーグとしても有名な上に、£の高騰などもあり、これまでいちカメラマンとしてはなかなか訪れる機会に恵まれませんでした。イギリス人のサポーターには各地で遭遇したことがあったのですが、フットボールを産み落とした国のスタジアムに強い興味があったのも事実です。

セルティック対マンチェスターユナイテッド。
舞台は満員に膨れ上がったセルティックパークです。中村選手は残念ながら出場しませんでしたが、スタジアムの雰囲気を堪能することができました。また選手と選手がぶつかるときの激しさはかなりのものだったように思います。「ドスッ」とか「ゴツッ」とか、およそサッカーぽくない音が度々聞こえてきました・・・。それにしてもサポーターが醸し出す雰囲気は素晴らしかったです。いかにマンチェスターユナイテッドと言えども簡単には勝てない、その理由の一端はあの雰囲気にもあると言えるのではないでしょうか。

サッカーにおいて、最も重要なのはピッチ上で行われている試合の勝敗だったり、内容だというのは当たり前なのですが、観戦の醍醐味はスタジアムの雰囲気にあると常々思っています。今、世界中のサッカーがテレビで視聴できるようになったようですが、雰囲気を上手く伝えているとは言いがたい気がします。例えば、お好みで実況や解説を廃して、ピッチ上の音、選手の怒鳴り声や激しくぶつかり合う音やサポーターの歌声やざわめきなどなど、スタジアムの雰囲気を構成する要素をより強調するというのは如何でしょう。最近ではサラウンドシステムやホームシアターセットもだいぶ手の届くお値段になっていることですし、迫力の音響設備を整えて、大型ワイド画面でサッカーテレビ観戦。サッカー観戦の魅力をより伝えるにあたり、そんなことを思いつつの初UK取材でした。

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※写真はセルティックパークでの一コマ。
撮影:たかすつとむ


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2008年09月17日

ボールパークへいこう。

3連休は仙台に行っていました。

楽天イーグルスのホームスタジアムKスタを初体験です。野球関係のカメラマンさんが「雰囲気いいよ」と口を揃えていたので、楽しみにしていたのですが・・・。

非常に良かったです。

収容人数は2万人くらいのこじんまりとしたスタジアムです。
通常すり鉢状の野球場が多いと思いますが、改築時に所々に立体的なデザインが施し、内外野に設けられたボックスシートや外野の芝生席など様々なニーズに応えられるようになっていました。この他にも様々なお店が軒を連ねる魅力的な売店類、スタジアム周辺をウエスタンテーマパーク風に仕立てたコンセプト、試合前のフィールドでのキャッチボールや子供による鶯娘など観戦者参加型のイベント作りなどなど、挙げればキリがないほどに試合はもちろん、それ以外でも楽しめるような工夫が随所に凝らされていると感じました。まさにボールパークと呼ぶに相応しい球場でした。

球団設立時にメジャー球団を入念に視察して、チャレンジを続けてきた結果とのことでした。そこには熱狂的なチーム愛や野球熱、仕事帰りのサラリーマンがビール片手に野次を飛ばしに来るといった、ボクの中での古い球場観を見事に打ち破り、次は家族や友達と来てみたいなと思わせてくれる要素が詰まっていました。球団再編の結果として産み落とされた楽天イーグルスが、球界に与え続けるインパクトを体験することができました。

こういった試みは既に他の球場やスポーツにも取り入れられつつあると思いますが、もっと広く強く根を張るようになって欲しいと思います。その先に日本流のスポーツ文化の一端があるのではないかと感じています。

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※写真はKスタでの一コマ。
撮影:たかすつとむ

明日18日発売のNumber誌にて、先日撮影したビリャレアル、バイエルンミュンヘン、W杯最終予選の写真が掲載される予定です。書店などでお見かけの際は是非ご一読下さいませ。


posted by tpower |11:30 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年09月06日

想い出の地、バーレーンにて。

10日間滞在したミュンヘンを離れ、フランクフルト経由でバーレーンのマナマにやってきました。

空港に降り立った瞬間、ムワッと熱気に包まれ、ほんの6時間前までいたドイツとのギャップを味わう結果になりました。そして、ちょうど今は断食月。ラマダンです。太陽の出ている時間帯は人前で飲食をすることができません。ホテルで確認しても、お昼時にやっているレストランはないとのことでした。比較的イスラムの戒律が緩いとされるここバーレーンでも、こればかりはどうしようもないようですね。

さてバーレーンですが、個人的に非常に想い出のある国です。まだ僕がカメラマンとして駆け出す前、そのきっかけをくれたのが中東の小国バーレーンでした。

今から3年前の2005年2月9日。日本中の注目が埼玉スタジアムに集められていたそのとき、僕はマナマにいました。W杯アジア最終予選、バーレーン対イラン。ジーコジャパンの最大のライバルと目されたイラン、そして当時はまだ未知の存在だったバーレーンを取材するためでした。

このときは当時イラン代表監督だったイヴァン・ブランコビッチ氏と、同じく当時バーレーン代表監督だったスレコ・ユルチッチ監督のインタビューにも成功して、非常に有意義な時間を過ごすことができました。自信家タイプで自らの理論を雄弁に語るブランコビッチ、揺ぎ無い自信を内に秘めながら静かに説き伏せるように語る策士家タイプのユルチッチ。両名ともに旧ユーゴの出身(ブランコはクロアチア出身で98年W杯はコーチとして日本と対戦経験あり。ユルチッチは正確に思い出せません。すみません・・・)でしたが非常に対照的でした。

アウェイではありましたが、超強力な海外組を勢ぞろいさせたイランが勝ち点3を奪うというのが戦前の下馬評でしたが、ユルチッチの策略に嵌り、自慢の海外組(カリミ、ハシェミアン、マハダビキア、ザンディ、レザエィ)を見事に分断されてしまったイランは良い所なく痛恨のドローを喫してしまいました。試合後の会見では、溢れんばかりの余裕は跡形もなく消え去り終始俯いたままのブランコ。その隣でニヤリと不敵な笑みを浮かべていたユルチッチ。その瞳が強く印象に残っています。今、思えばどことなくオシム氏と印象が重なる方でした。その後、協会幹部との折り合いが悪くなり解任されてしまったユルチッチでしたが、もし日本の前に立ちはだかったのが、ドイツ人監督のシドカではなく彼だったら・・・。ジーコジャパンの運命もまた違ったものになっていたような気がします。

2004年の年末のことでした。カメラマンとして微妙な立場だった僕が誓ったことがあります。それは最終予選を全試合カバーするというものでした。このときは色々な方の助けを受け目標を達成することができました。あれから約4年。再び最終予選で中東を、それも想い出の地、マナマにやって来た奇妙な巡り合わせに感謝したいと思います。

明日、ここバーレーンにて南アフリカを目指す最後の戦いが始まります。

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写真はコーランが鳴り響くマナマ市内での一コマ。
撮影:たかすつとむ


posted by たかすつとむ |00:25 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年09月03日

オリ、オリ、オリ、カーン。

昨晩はオリバー・カーン選手の引退試合を取材しました。

試合前にはモウリーニョ監督やフィーゴ選手、シュバインシュタイガー選手ら錚々たる面子からのメッセージが寄せられ、代表でライバルだったレーマン選手からのメッセージもありました。このときばかりはバイエルンファンからブーイングが飛び、思わず笑みがこぼれてしまいました。この他にもバイエルンはもちろん、対戦したドイツ代表もフルメンバーした。中でもトーニ選手やファン・ボメル選手など自国の代表に呼ばれているはずの選手まで残って試合に参加するなど、終始、微笑ましく、また感動的な雰囲気の中で見送られる形となりました。彼の人柄や人気、かの国でのサッカー選手に対する愛情の深さを垣間見た気がします。

カーン選手といえば、ファインセーブをしても失点を喫しても吼える。味方には激を飛ばし、相手には掴みかかるという雄々しい姿が印象的ですが、同じくらい悲しいシーンも印象に残っています。1999年チャンピオンズリーグ決勝、ベッカム選手を一躍スター選手に伸し上げた試合、悪夢のような連続失点を喫したときの呆然とした姿、2002年W杯決勝、自らのミスもありブラジルに敗れ、ゴールポストに寄りかかって動けなくなっている姿など、今でも鮮明に焼きついています。サッカーに真摯で誰よりも勝利を願っていた男。代表では以外にも遅咲きで苦労の人だったと思います。そんな愛でるべき二つの顔を持っていたからこそ、ドイツのみならず世界中で愛されたのでしょう。そんなスーパースターの引退の場にいれた幸運に感謝したいと思います。

試合後、この日何度目になるのでしょう。数え切れないほど歌われた69,000人の大合唱が、いつまでもアレナに響き渡っていました。

「オリ、オリ、オリ、カーン♪」

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※写真はアリアンツ・アレナでの一コマ。
撮影:たかすつとむ


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