2011年01月15日
MLB.comのNews欄をチェックしていてちょっと気をひかれる記事を見つけました。
それは、野球関係の著書が多い経済学者(かな?)のアンドリュー・ジンバリストが新しい本を出版したというものです。
このNews欄は、当然のことながらこの季節はトレードやFA選手の動向などのストーブ・リーグ情報が中心なので、新刊の紹介はひと際異質な感がありました。
タイトルは”Circling the bases”。中身は、ジンバリスト氏の他の著作同様にビジネスとしてのMLBに関するもので、リーマン・ショック以降の不況への対応、サラリーキャップ導入の是非、等々のようです。また、先の野球殿堂入り投票でも物議を醸した、ステロイド時代のスーパースター達の超人的な記録の評価に対する氏の考えも紹介されているようなので興味をそそられます。
MLB.comでは「MLBの球団総収入に対するサラリー・シェアは、大きなマイナーリーグ組織を抱えることや、日本人選手へのポスティング費がサラリー総額に含まれていないことを考慮すると、フットボールやホッケーに比較しても低いとは言えない」などのMLB機構に都合が良い部分が紹介されていましたが、氏の著作ですからMLBの太鼓持ち的な本では無いことは間違いないでしょう。
すでに、日本からでも「アマゾン」などの書籍通販サイトで注文できるようで価格も2392円とまあ手が届く範囲なので早速注文したいと思います。
しかし、問題は氏の著書なので内容はかなり難解であることが予想される点です。
邦訳が出版された「60億円を投資できるMLBのからくり」など、日本語でありながら何度も読み直さないと頭の悪い私にはしっかり理解できませんでした。
まっ、半分は英語の勉強と割りきるしかないですね。
posted by toyorashotaro |12:25 |
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2010年12月25日
野球文化學會論叢(年間論文集)の2010年版「ベースボーロジー11」が今日手元に届きました。
ちょっぴりピーアールさせていただくと、これは非常にまじめな野球の論文集です。
「まじめな」というのは、「堅苦しい」という意味では無く、真正面から真摯に野球を取り上げているという意味です。
実は、私も「モータウン・ベースボール」という拙文を寄稿させていただいています。
昨年の8月に、GMやクライスラーの経営破綻の真っただ中にあるデトロイトを訪れ、野球と自動車産業と言うアメリカを象徴するふたつのプロダクトの関係をこの目、この耳で精いっぱい取材したレポートです。
ご興味のある方は、野球文化學會のホームページにお申し込み方法が記載されていますのでご参照ください。オンデマンド出版です。
posted by toyorashotaro |21:16 |
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2010年01月01日
「米大リーグ26球団総ガイド」 1978年 BBM社
新年ということもあり、また私の原点的な本をご紹介。
これは、'78年の春にベースボールマガジン社から発行された「週ベ」の増刊号です。
この本が刊行された背景には、前年秋のNHKとテレ朝によるワールドシリーズの中継(録画でしたが)がありました。
このシリーズであのレジー・ジャクソンが最終となる第6戦で三打席連続本塁打。
ヤンキースを15年ぶりのワールドチャンピオンに導きました。
この中継を見て大リーグ(メジャーではありませんよ)のパワーとスピードにショックを受けた日本の野球ファンの間で大リーグ熱が盛り上がりました。
そしてオフの間に急遽翌'78年からのフジテレビによる定期中継が決定したのです。
私が野球に興味を持つようになって以降、日本で大リーグファンが集中的に増えたのは3度ありました。
まずは、この本が刊行された'78年前後。'77年のシリーズをきっかけに'78年からのフジの中継で多くのファンが嵌りました。。
次は'95年。野茂フィーバーの時です。この時はBS放送がファン拡大の大きな役割を果たしています。
そして最後は、'01年。いわずもがなのイチローの渡米です。
今回紹介のこの本は、上記の第一期のファン層(概ね40-50代)にとってはバイブルのような存在の一冊です。
因みに、写真の私の本は実は結構汚れや破れ、切り抜き、書き込みが多くあまりコンディションは良くないのですが、
スカパー!MLBライブ時代の大先輩の椎葉 務さん(アメリカ大学野球の権威でもあります)はちゃんと2冊持っておられます。
1冊は読書用、もう1冊は保管用だそうです。
posted by toyorashotaro |16:22 |
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2009年12月27日
今回ご紹介するのは、セイバーメトリクスの父、ビル・ジェイムスの"Baseball Abstruct"です。
これは、私の野球観に最も影響を与えた本と言っても過言ではありません。
この本と著者のビル・ジェイムスは、あの「マネー・ボール」でも詳しく紹介されていますからご存知の方も多いでしょう。
Baseball Abstruct(「マネー・ボール」の中でも「野球抄」と訳されていますからそれに倣いましょう)は1000ページを超す、大袈裟に言えば「タウンページ」のような本です。
私は2004年のオフにアマゾンで取り寄せ読破しましたが、会社から帰宅後に夜な夜な電話帳の如き本を貪り読む私の姿に家族は「病硬膏に入る」の思いを強くしたようです。
しかし、掛け値無しにこの本は面白い。
野球抄のオリジナル版がジェイムスの手により自費出版(ガリ版刷だったようです)されたのが'77年で、正式に出版社から発売されベストセラーになったのが'82年です。
当時からこの本の存在自体は知っていましたが、当時は今ほど簡単に洋書が手に入る環境では無かったこともあり20年以上も読む機会を逸していました。
しかし、読み始めてすぐに私は自らの怠慢を後悔しました。
なぜこんな面白い本を今まで読もうとしなかったのかと。
内容は二部構成になっており、第一部は19世紀から1990年代までの野球界の変遷の10年単位での科学的分析。
そして、第二部は古今の名選手からのポジション別トップ100の選出です。
私がこの本と著者のジェイムスに感心する点が二つあります。
一つは、言うまでもありませんがセイバーメトリクスによる化学的アプローチと分析です。
例えば、第二部の選手ランキングも決して「あの投手の剛速球は凄かった」というような情緒的評価ではなくあくまでセイバーメトリクス的アプローチで定量的に
選手を評価しています。
そして、二つ目が行間からほとばしるジェイムスの野球への愛です。
統計学的分析を展開しながらも決して無機質な数字や数式だけの羅列ではありません。
氏の情熱溢れる文章から、「ああこの人は野球が心底好きなんだなあ」ということがひしひしと伝わってきます。
英語自体は比較的平易でそれ程難解ではありません。
ある程度野球の歴史に感心と知識がある方なら存分に楽しめること請け合いですのでひとつチャレンジしていただきたいと思います。
posted by toyorashotaro |22:02 |
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2009年12月12日
"Roadside Baseball Second Edition" by Chris Epting
今回は横文字モノを取り上げます。
この本は全米の古い球場跡地や野球関係の博物館といった野球の名所・旧跡を州別に紹介した力作です。
もともとは'03年に初版が出ており私もそれを'07年に購入したのですが、生来のいい加減な性格ゆえほとんど読みもしないうちに失くしてしまいました。
そして、今年の春にSecond Editionが出るに当たって再購入。主として夏場に読破しました。
紹介されているのは、ボルティモアのベーブ・ルースの生家やカンザス・シティのニグロリーグ博物館、サンフランシスコのレフティ・オドウールのバーといった私でも訪れたことのある定番どころから、マニアを唸らせるニッチな旧跡まで。
なかには、ノールカロライナ州にあるFuquary Mineral Spring Inn and Gardenという小さなモーテルのように「その宿の主人は、父親が'50年代のヤンキースの投手だったためいつもワールドチャンピオンリングをはめているからこれを見逃すな」
というような、「隙間な」情報も含まれており読者を飽きさせません。
しかし、驚くべきは全米各地(小さな町も多い)に無数の大小の野球博物館があることで、改めてNational Passtimeなんだなあと思い知らされました。
読後の感想としては、これだけ多くの野球関係の名所・旧跡があるなら真冬にアメリカに行っても十分「野球の旅」が堪能できるナというものです。
みなさんも我こそはと思われる方は、この一冊を携えレンタカーでアメリカを巡ってみては?
素晴らしい旅になること請け合いです。
但し、この本で紹介されているかつての球場の跡地などは現在は周辺がスラム化している場合もあると思われます(自分の経験より)。
安全確保にはくれぐれも細心のご注意を。
posted by toyorashotaro |16:09 |
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2009年12月06日
「マダックススタイル」
レオ・マゾーニ著 佐野之彦訳
今日ご紹介するのは投手王国ブレーブスを築いた伝説の投手コーチ、レオ・マゾーニの著書。原題は”Pitch like a pro”(プロのように投げろ)です。
この本は、マゾーニの技術論というより投球哲学を知るという視点で読むことをお勧めします。
全編に貫かれているメッセージは「ピッチングはシンプルなんだ。難しく考えるな。」というものです。
例えば配球に関しては「打者に読まれてもいい。初球は外角低目のファーストボールでストライクを投げろ。」要は打者を欺くことを考えるより自分の投球を心がける、ストライクを先行させることが大事。
球種のレパートリーに関してはこう説きます。「いたずらに増やすな。何を投げるかではなくどこに投げるかが重要なんだ。」
また、満塁の場面では日本のコーチは押し出しを嫌うあまり「カウントが2-2になったら勝負球を投げろ。スリーボールにしてしまったら投手の負けだ。」という指導をするケースが多いですが、マゾーニの教えは違います。
「押し出しを恐れるな。スリーボールになることを恐れるな。甘い球を投げて長打を喰らい3点失うより押し出しの方が遥かに傷は少ないと知れ。」
恐らくこう言われた方が投手は委縮せずに伸び伸びと投げることができるでしょう。
また、マゾーニ門下生はマダックスを筆頭に走者をケアせず走りたいだけ走らせる傾向にありますがそれに関しては「走者を牽制することは重要だ。しかしそれに気を取られるあまり投球が疎かになっては何の意味もない。」
日本のコーチは「投げ終えたら投手は5人目の内野手だ。」と投球後に守備姿勢をきちんと取ることを説きますが、マゾーニの考えはそうではありません。
「投球後の守備姿勢を重要視するあまりフォロースルーが中断されたり小さくなっては本末転倒だ。守備は野手にまかせれば良い。8人の野手は全員が投手を助けるためにいることを忘れるな。」
個人的にはマゾーニの神髄は若い才能を伸ばすというより、本来実力がありながらなにかのきっかけで自信を失ってしまったベテランを再生することにあるように思えます。
ジャレット・ライトやマイク・ハンプトンが好例でしょう。
その意味ではコーチというよりセラピストです。
この本は2001年12月の発行ですが、私は2003年のオフにネット通販で中古品を購入して読みました。
新品はもう手に入らないと思いますが、興味のある方は古本サイトをチェックして見てください。
posted by toyorashotaro |21:42 |
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2009年11月22日
シーズンオフの楽しみのひとつが、野球関係の読書です。
もちろん読書は一年中可能ですが、シーズン中は限られた自由時間の大部分は観戦に費やされてしまいます。
特に今年のようにMLBTVを利用するようになると一層その傾向に拍車が掛かりました。
せめてこれからの季節は野球に限らず休日はじっくり読書したいものです。
そんな訳でこれからは定期的に今まで濫読してきた本の読書感想文(?)を披露したいと思います。
ジャンルは野球関係なら古今東西、ハードカバーから雑誌まで。
ちゃんと買って読んだ本から、図書館で借りた本、はたまた立ち読みで読破したもの(これも結構ある)まで含みます。
第一回目の今日はつい昨日読み終わったこの一冊。
「戦火に消えた幻のエース 巨人軍 広瀬習一の生涯」(上田龍著)
これはタイトルの通り、戦時下に彗星のように現れながら太平洋戦争で戦没した巨人の20勝投手、広瀬習一の短い人生を追ったノンフィクションです。
興味深いのが(前書きで著者も述べていますが)、徹頭徹尾事実の記述で無駄な評論やともすれば主観的になりがちな人間像の描写を排除している点です。
プロ野球界での目覚しい活躍や戦没という悲しい事実を、敢えて淡々と客観的な事実の積み重ねだけで述べることにより史実がよりクリアに読み手に伝わってきます。
また、この本を通じ戦時下の野球について新たに認識した点もありました。
試合中に、召集令状が選手のもとに届けられ場内アナウンスで「○○選手は入隊することになりました。皆さん拍手で送り出しましょう」。
そしてその選手は試合中にも関わらず球場を後にする、
いや、選手だけでなく観戦中のお客も自宅に赤紙(令状)が届けられると場内アナウンスで呼び出され即時帰宅を促される、
そんな悲しすぎる事実もあったんだそうです。
著者の上田龍氏は、スカパー!MLBライブ時代の仲間で私の球道の師(ちょい大袈裟?)ですが、そんな個人的な繋がりに関係なくお勧めしたい一冊です。
因みに私はこの本を買っていません。近所の図書館で借りました(上田さん、印税に貢献できず申し訳ありません!)
posted by toyorashotaro |15:50 |
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