2012年02月08日
あの、「マネーボール」のビリー・ビーンGMが、近日中にアスレチックスと、なんと2019年までの契約延長を果たすようです。
彼が、アスレチックスのGMに就任したのは1997年オフのことですから、驚くなかれ22年間の長期政権となります(もちろんこの世界、契約期間内に報酬を保証することの引き換えに解雇されることは十分あり得ますが)。
今回の長期契約延長に、私は以下の疑問を感じています。
なぜ、アスレチックスのリュー・ウォルフオーナーは、ビーンと長期の契約を望んだのでしょう?
一般的には、同球団はサンノゼへの移転が暗礁に乗り上げ、将来のビジネスプランの展望が立たない状況にあると言われています。
それゆえに、このオフはトレバー・ケイヒルやジオ・ゴンザレスをはじめとする主力選手を続々に放出したのです。
要は、オークランド・コロシアムにとどまる限り今後の増収の絵が描けないので、とりあえずの年俸総額の削減を続けていると見られていたのです。
そんな、将来の展望が見えないチームのオーナーがGMを7年先まで囲い込んだりする必要があるのでしょうか?
ひょっとすると、水面下で移転問題について大きな進展があったのかもしれません。
次の疑問は、なぜビーンはアスレチックスとの長期契約を望んだのかということです。
基本的にMLBのGMとは野心家のための職業です。
ビーンが自らの手腕に自信があるのなら、むしろより高い報酬とポスト(球団社長兼任とか)を求めて、お金持ち球団への転職を目論むのが自然でしょう。
お金持ちの強豪球団でチーム作りをするというチャレンジより、貧しくても安住の地であるアスレチックスに留まることを選ぶなんて、まるで日本のサラリーマンみたいです。
しかし、この疑問は以下の事実を現地メディアの報道で知ることにより、ある程度氷解しました。
それは、「ビーンはアスレチックスの株式の4%を保有するいわば“オーナー”なのだ」ということです。
その報道によると、「フォーブス」誌は1年前にアスレチックスの資産価値を、3億700万ドルと見積ったそうです。
だとすると、ビーン保有の株式の資産価値は1200万ドルという大金になります。
ビーンが、他球団のGMに転ずるなら当然その株式は手放すことになるでしょう。
しかし、私の邪推通りにサンノゼへの移転が本決まりになるのであれば、その株式の価値は一気に高騰するはずです。
おそらく、ハネ上がるであろう球団株を今後とも保有し続けたい。
そのためには、アスレチックスのGM職に居続けたい。
そんな思いをビーンが抱いても、少しも不思議ではありません。
それと、まず間違いなくウォルフオーナーとビーンGMの関係は良好です。
したがって、ウォルフも気心の知れた仲間が「共同オーナー」でいて欲しいのではないでしょうか。
posted by toyorashotaro |20:35 |
2011-2012 MLBストーブリーグ |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2012年02月07日
メジャー119勝と最多勝利(06年)の実績を誇るブラッド・ペニーが来日します。
明日8日より、ホークスのキャンプに参加すると伝えられています。
メジャーファンの私としては今から楽しみで、ソフトバンクが関東に遠征して来る時まで待つのではなく、今月中にキャンプに見に行こうかな、とすら思い始めています。
しかし、ネガティブな意見もあるようです。
オリックスの岡田監督などは「ウチにも124勝の(昨季在籍の朴賛浩、結局1勝に終わった)がおったけどな」
「今頃決まるっちゅうことは売れ残ったんちゃう?」
ナルホド。
一見、抜群の実績を誇る現役大リーガーのペニーは、はたして岡田監督がのたまうように「売れ残り」なんでしょうか。
ちょっと、昨季の成績を分析してみたいと思います。
昨季の成績は11勝11敗、防御率は5.30。
防御率の悪さは気になりますが、なにせ2ケタ勝利投手です。
しかし・・・
セイバーメトリクスの指標でペニーをチェックしてみると、
まず、いまや選手の価値をもっとも正確に表しているともいわれるWARでは。
彼は0.8で投手(規定投球回数以上)ではなんとア・リーグワースト。
防御率5.30もア・リーグ(というか両リーグ)でワーストなのですが、xFIPと呼ばれる指標(偶然の要素をできるだけ排したいわばみなし防御率)でも、4.82で両リーグワーストなのです。
現代のメジャーでは、三振を取れる能力と四球を出さない能力がことのほか重視されますが、ペニーの場合9イニングあたりの奪三振数が3.67という悲劇的な値で、これまた両リーグワースト。
三振と四球の比率を示すK/BBも1.19で、やはり両リーグワースト。
さらに、1イニングあたり平均の許した走者数を示すWHIP1.56も両リーグワースト。
トコトンさらに言うと、被打率.306も両リーグワースト。
しかも、ここ数年は故障に苦しむことが多く、昨季こそ元気に31先発をこなし181.2回を投げていますが、前年は55.2回しか投げていないのです。
うーむ。
この数字を見るにつけ、岡田監督のコメントはかなり的をえているといわざるをえません。
率直に言って、かつてのキャリアは一流とは言え現在のペニーにソフトバンクのように400万ドルの固定給や、インセンティブも含めると750万ドルも投じるような金銭感覚の欠如したメジャーの球団はないと言い切ってよいと思います(事実そうなりました)。
したがって、今回のソフトバンクによるペニーも獲得は、和田、杉内、ホールトンというエース級をオフにごっそり失ったことによるファンの不安を払しょくするための「やってます」感を演出することに重きを置いたフロントによるスタンドプレーの側面が強いと言えます。
posted by toyorashotaro |23:26 |
2011-2012 MLBストーブリーグ |
コメント(12) |
トラックバック(0)
2012年02月04日
ブルージェイズの本拠地のロジャース・センターが、2013年以降天然芝化されるかも知れない、 というニュースが飛び込んできました。
背景にあるのは、同球場を本拠地とするもうひとつの「球団」、カナディアン・フットボール・リーグの「トロント・アルゴノーツ」が、今季限りでホームグラウンドを変える可能性が出てきたことです。
同球場のオーナーであるロジャース・コミニュケーションズは、収入源のひとつを失うことの打開策として、人工芝を天然芝に張り替えることによる観客動員のてこ入れを検討しているのです。
天然芝化には、もうひとつの効果があります。
それは、有力選手の獲得が多少は容易になるであろうということです。
もはや、「人工芝は選手の体調には百害あって一利なし」は定説であり、人工芝のロジャース・センターを本拠地とするブルージェイズは、それだけでFA選手の獲得で不利な立場に立たされているのです。
もっとも、天然芝化はそう簡単に事が運ぶ訳ではありません。
多目的球場であるロジャース・センターは、野球やカナディアン・フットボール以外にも、コンサートや展示会など様々なイベントに使用されており、それらには明らかに人工芝のほうが適しているからです。
果たしてどうなりますことやら?
ここで、ちょっぴり蘊蓄を傾けさせていただくと・・・
1989年に開場した同球場(当時の名称は、ご存知『スカイドーム』)は、世界初の開閉式ドームであること以外でも、明らかにエポックメイキングな球場でした。
それは、チケット価格の高騰の走りになったということです。
長〜い間、メジャーリーグは大変チケットが安いことに定評がある娯楽でした。
大袈裟に言えば、5ドルも出せば平均的な席が、10ドルなら相当良い席のチケットが手に入ったのです。
これは、70年代中盤以降FA制度が導入され、選手の年俸がうなぎ登りに上昇しても、ほとんど変わらない状態でした。
ところが、前述のとおり世界初の開閉式ドームであることに加え、場内に「ハードロック・カフェ」をはじめとする、従来の球場には無かった和洋中各種のレストランが入り、さらにはホテルが併設されるなどのいわば「テーマパーク」化が成されたスカイドームでは、当時としてはかなり高めのチケット価格が設定されたのです(具体的な価格レベルは失念しました。申し訳ない)
ところが、蓋を開けてみるとその高い価格にも関わらず、ブルージェイズが好調なこともありチケットは飛ぶように売れ、91年から3年連続で400万人以上を動員したのです。
「なんだ、球場が魅力的でチームが強ければ、もっと高くてもチケットは売れるんだ」
この当然のことに気付いた他球団は、次々とブルージェイズとスカイドームに追随。
かくしてチケットのスカイロケッティング!が始まったのです。
近年、セイバーメトリシャンの間では常識になりましたが、「チケット価格は選手の年俸高騰により上昇したのではなく、野球という娯楽の商品価値に球団マーケティング担当者が遅まきながら気付いたため」なのです。
posted by toyorashotaro |19:23 |
2011-2012 MLBストーブリーグ |
コメント(6) |
トラックバック(0)
2012年01月29日
新オーナーのジム・クレイン氏のもとで再建を期すヒューストン・アストロズ。
なんと、来季のア・リーグへの異動を期に、球団名の変更を計画中のようです。
クレインオーナーは「まだ決まったわけではない」とコメントしているようですが、逆に言えば否定していないのです。
実は、アストロズはかつても球団名の変更を経験しています。
1962年に、ナ・リーグ初のエクスパンション(球団拡張)でニューヨーク・メッツとともに誕生した際の名称は、『ヒューストン・コルト45』でした。
これは拳銃の名称なのですが、「そのメーカーから苦情が入った」とも「凶器の名は球団名称として相応しくない」とも言われ、1965年に人類史上初の屋根付き球場「アストロドーム」に移転したのを機に「アストロズ」に変更しているのです。
早くも新球団名に関しては憶測が飛び交っているようで、たまたまESPNのウエブサイトで興味深い独自の命名案(半分はパロディですが)を見つけたのでご紹介したいと思います。
『オイラーズ』
由来は、かつてヒューストンに本拠地を置いていたNFLチームの名称です。
オイラーズとは精油業作業者の意味です。
ヒューストンは言わずと知れた石油業も街。
ビールで有名な、ミルウオーキーのブルワーズ(醸造業者)と同じ方向のネーミングですね。
『バファローズ』
これは、アストロズ誕生以前に、ヒューストンに在ったマイナー・リーグ球団の名前です。
本拠地はバファロー・スタジアムで、現在のミニッツメイド・パークから東南に5~6キロくらいのところにありました。
跡地は、現在は大きなホームセンター兼家具屋さんになっているのですが、その店舗の中になんとヒューストンの野球とフットボールの歴史に関する博物館があります(私も2010年の夏に訪れました)。
60年代に「NASAの街」としてのイメージが確立する前は、ヒューストンといえば「牧場の街」だったということでしょう。
『レインボーズ』
70~80年代にアストロズが採用した、あの球史に残る?オレンジを基調にした「レインボー・ユニフォーム」にひっかけたものです。
日本でも、日ハムがそっくりパクリました。
『メッズ』
Medicalsの略です。
ヒューストンには、世界1の規模の総合医療施設があるそうです。
Metropolitans(都会っ子)をMetsと省略したのと同じですね。
『トラフィック・ジャムズ』
Traffic Jamとは交通渋滞のこと。
ヒューストンのダウンタウンは全米有数の渋滞の名所?です。
このあたりはパロディですね。
『キラービーズ』
いわずと知れた、Biggio(ビジオ)、Bagwell(バグウエル)ら(他は、デレク・ベルやランス・バークマン)の90年代~00年代のチームの顔であった選手たち。
彼らをその頭文字を取ってこう呼びました。
日本でもその大昔、名手千葉茂さんを監督に迎えた近鉄パールスが千葉さんのニックネームの「猛牛」にちなんで球団名を「バファロー(のちにバファローズ)」に変更した例がありますね。
ビジオとバグウエルは揃って来年殿堂入りする可能性があります。
だとするとこれがイチオシでしょうか!
posted by toyorashotaro |23:08 |
2011-2012 MLBストーブリーグ |
コメント(2) |
トラックバック(0)
2012年01月29日
フィリーズから2012年契約の球団オプションを破棄され、FAとなっていたロイ・オーズワルトは、カージナルスとの1年契約に合意寸前のようです。
カージナルス側はまだ交渉締結を認めていませんが、ESPNをはじめとする複数のメディアが報じています。
オーズワルトは通算159勝を誇る34歳の右腕投手。
2004-2005年には2年連続で20勝を記録しており、内2004年はナ・リーグ最多勝利のタイトルも獲得しています。
ご存知の方も多いと思いますが、昨季のフィリーズはFAで2008年のア・リーグ サイ・ヤング賞投手クリフ・リーを獲得。
ロイ・ハラディ、コール・ハメルズとオーズワルトの4人で、人気テレビ番組のキャラクターに準え『ファンタスティック・フォー』と称された、史上希な強力先発陣を形成しました。
しかし、その4人の中でオーズワルトだけが、故障もあって9勝10敗と期待外れの結果に終わっていました。
もし報道通りなら、カージナルスにはクリス・カーペンター、アダム・ウエインライトにオーズワルトを加え、3人の20勝経験者が揃うこととなり、これはこれで『プチ・ファンタスティックスリー』とも言える陣容になります。
しかし、この『プチ・・・』には少々困ったこともあります。
まずは、昨季トミー・ジョン手術とそのリハビリでシーズンを全休したウエインライトの例を出すまでも無く、みんな故障持ちと言うことです。
そしてもうひとつは、これにより通常5人で形成される先発陣が、6人と『プチ・レンジャース状態』になってしまったのです。
しかも、彼ら3人に続くハイミー・ガルシア、カイル・ローシー、ジェイク・ウエストブルックの3人のうち、ローシーとウエストブルックはともに故障もちでありかつ契約条項にトレード拒否条項が含まれているのです。
要するに今季のカージナルスは、一見「夢の先発陣」ですが、実はガラスのエースたちでしかも「字あまり」というなんとも妙な状態なのです。
なにせ、あのアルバート・プーホルスとの契約を見送ったわけですからもう少し健全な構成を目指して欲しい感は拭えません。
posted by toyorashotaro |15:13 |
2010-2011 MLBストーブリーグ |
コメント(3) |
トラックバック(0)
2012年01月28日
何かと多忙で(言い訳になりませんが)、ブログの更新をすっかりサボってしまいました.(汗)
さて、その間のニュースとしては、プリンス・フィルダーのタイガースとの9年契約がありますが、私はむしろ同日に発表された、ジャイアンツが自軍のエース、ティム・リンスカムとの年俸調停を回避して、2年4050万ドルでの契約に合意したという報道に注目しています。
リンスカムとの契約をまとめたジャイアンツのGMと言えば、言わずと知れたベテランのブライアン・セイビアンです。
彼は、若いセイバーメトリシャンが幅を聞かす現在のMLBのGMの中では、少数派になりつつあるカンと経験を頼りにする(でもないか)オールドスクール派です。
かつて2006年のオフにはバリー・ジートに7年1億2600万ドルの契約を提示した人物です。
おそらく彼はリンスカムに対しても空前の契約をむすんでしまうだろうと、私は思っていました。
事実、リンスカム側は8年契約!を求めていたと報道されていました。
しかし、結果は年俸調停権を持ち、2013年オフにFA権を獲得するリンスカムとジャイアンツが調停を避け結んだ契約は、前述のとおり年平均2000万ドル強での2年契約でした。
この年数と金額を解釈すると、「彼の実績と格に相応しいフェアな単価を、FAになるまで与えた」ということになるでしょうか。
考えてみれば当然です。
昨季の年俸がすでに1300万ドルであるリンスカムに対しては、いわゆる「単価を抑えた長期の囲い込み契約」など有りようがないのです。
したがって、ジャイアンツの戦略は「FAになるまでしっかり働いてもらう。それに必要な対価は払う。FAになった暁には出て行ってもらって構わない」ということです。
リンスカムをフルに使える残り2年間で再びワールドシリーズへ、これは至極全うな戦略です。
とかく、契約残期間が少なくなったスターを抱える球団は、長期契約を結ぶか、早く放出して「プロスペクト」という名のマイナーリーガーという対価を得ることのみにやっきになりがちです。
一方で、「確保できる保有期間をしゃぶり尽くす」という本来の戦略は、ややないがしろにされてきたように思えます。
ひょっとすると、昨季のブルワーズの成功がジャイアンツの決断に影響を与えたかもしれません。
契約最終年を迎えた主砲のフィルダーをあわてて放出することなく「いる間はしっかり働いてもらう」こととし、結果的に2011年は地区優勝を果たし、球団側の計画通りフィルダーは出て行ったのです。
posted by toyorashotaro |22:12 |
2011-2012 MLBストーブリーグ |
コメント(2) |
トラックバック(0)
2012年01月15日
この1週間の大きなMLB関連のニュースとしては、今季一杯で任期が切れる予定だったバド・セリグコミッショナーの2014年までの契約延長があります。
そして、その報酬は年間2200万ドル!という一部の超一流選手並という恐ろしい額(1835万ドルという報道もありました。おそらくインセンティブの捉え方によるのでしょう。どっちにせよ超ド級であることに変わりありません)なのですが、内外ともメディアの反応は、その延長と金額とも「まあ、そうだよね」と概ね肯定的です。
それはそうでしょう。
一般論としては、あまりにも長いトップの君臨(代行時代も含めると、彼のコミッショナー在位は1992まで遡ります)や、絶対額として高すぎる報酬は喜ばしいものではありませんが、ビジネス面での彼の功績はそんな一般常識論を超越しています。
例えば、あの忌まわしきストライキ明けの1995年には14億ドルだったMLBの総収入は、2011年には66億ドルにまで膨れ上がっています。
しかも、これは90年代からのアメリカの金融バブルのみに支えられたものではありません。
なにせ、あのリーマンショックがありなから、現在の総収入はリーマンショック以前の2007年を11億ドルも上回っているのですから。
セリグの功績としては、ワイルドカードの導入を含む3地区制への移行やインターリーグ戦の導入、世界の野球利益の独り占めを狙った?WBCの導入などが挙げられています。
しかし、それ以上に「重要だった」と私が評価しているのが、年俸総額に対する「ぜいたく税」と、ローカルテレビなどの各球団固有の収入に対する「収入配分制度」の導入です。
一般的にビジネスの拡大というと弱肉強食的なイメージがありますが、彼の戦略はある意味では正反対の「護送船団式」でした。
彼がスモールマーケットの球団をないがしろにしないというのは、彼自身がブルワーズのオーナーだったため、彼らの痛みが判るということ以外にも理由がありそうです。
それは、セリグはMLB機構を運営する上での本質的な問題点に気づいていたからでしょう。
1994年から翌年に掛けてMLBは史上最長のストライキという汚点を残しました。
これは、一般的には選手会対オーナーという「労使」の対立の結果と見られていますが、事の本質はもう少し複雑で、実は「選手会」対「富めるオーナー」対「貧しいオーナー」という3者の対立が長期間におよぶストライキの原因だったというのが多くの野球史家の見方です。
この大きな教訓があって、彼は機構側が一枚岩であることの重要性を学び、それが前述の「ぜいたく税」なり「収入配分制度」なりのスモールマーケット球団の懐柔策に繋がったのではないでしょうか。
なぜなら、不満分子はすべからく恩恵に浴することができない層から出てくるものだからです。
とかく、強者の意見に引きずられがちな組織の運営で、弱者に対する配慮を忘れなかったことが、オーナー間の対立を最小限に留め、ひいては安定した労使関係、そしてそれをベースにしたビジネスの拡大に繋がったことは間違いないでしょう。
それと、「弱者へのケア」にはもうひとつ理由があります。
それは、機構としてある大きな意思決定をするには全オーナーの75%の賛成票が必要だ、ということです。
言いかえれば、パイレーツやアスレチックスの1票もヤンキースやレッドソックスの1票も同じなのです。
実際、今回の任期延長に関する投票でも、セリグは全30球団中29球団の賛成票を取り付けたようです。
「どの1票も重みは同じ」ということに早くから注目し、必要以上に(25%以上に、とも言えます)敵を作らぬよう努めた、これが何よりもセリグの長期政権の理由ではないでしょうか。
そのことをしっかり認識していたバド・セリグという男のポリティカルな才覚は相当なものです。
posted by toyorashotaro |19:08 |
2011-2012 MLBストーブリーグ |
コメント(5) |
トラックバック(0)
2012年01月14日
13日に、今年の野球殿堂入りの投票結果が発表され、競技者表彰では93年に32歳の若さで脳腫瘍により死去した津田恒実さんが、同じ元広島の北別府学さんとともに選出されたという。
津田さんはその現役時代、闘志溢れる熱投ぶりから「炎のストッパー」と呼ばれた。
また、度重なる故障にも挫けないガッツやその病魔との闘い、そして最後までマウンドへの執念を失わなかった野球への情熱で、われわれファンに勇気と感動を与えてくれた。
プロ野球の歴史を語る上で、忘れることの出来ない「記憶に残る」選手だった。
しかし、しかしである。
多くの反論を覚悟で言うが、私は彼の殿堂入りには反対である。
そのインパクトの大きさとは別に、病魔に蝕まれたために彼の実働期間は短く、通算成績は49勝41敗90セーブでしかない。
全盛期は間違いなく傑出した投手ではあったが、殿堂入りに値するかどうかは別物だ。
これが、「特別賞」的な例外措置だと言うならまだ理解できるが、わたしが目にした範囲の報道では、通常の「競技者表彰のプレーヤー部門」のようだ。
少なくとも、彼が選ばれるならその遥か前に佐々木主浩は選出されていなければならない。
それどころか、通算4000打数以上では史上最高の通算打率.320を記録したレロン・リーを初め、ランディ・バースやブーマー・ウエルズなど、外国人選手は蚊帳の外に置かれたままだ。
なにせ、あの落合博満ですら長年煮え湯を飲まされ続けて昨年ようやく選出されたのだ。
日本の野球殿堂の選出に関しては、理解に苦しむことだらけだ。
投票権のある記者達の見識を問いたい。
津田さんのファンへ与えてくれた感動に報いたいというのは判る。
であれば、通常の競技者表彰では無く、別の規定による「特別賞」を新設すべきである。
しかし、まず本来表彰すべき人たちの殿堂入りを実現することの方が先決である。
posted by toyorashotaro |00:33 |
NPB |
コメント(37) |
トラックバック(0)
2012年01月09日
今日は成人の日。
朝テレビを点けると、ワイドショーでは新成人の意識に関するアンケート結果について放送していた。
それによると、今時の成人の休日の過ごし方は、1位が「寝る」2位が「家にいる」3位が「インターネット」だそうだ。いやはや・・・
しかし、これは世相を考えれば予想通りとも言える。
一方で意外だったのが「尊敬する人」。
男子の場合、1位の「親」2位の「いない」に次いで、3位になんと「イチロー」が入っていた。
重要なのは、これが「大きくなったら野球センシュになりたい」というような小学生の回答では無く、立派な(だよね)成人からの回答であることだ。
とかく、「夢が無い」だの「海外に出ていこうという気概に欠ける」などと言われている現代の若者の琴線にも触れるものを、イチローは備えているということだ。
ならば、その「琴線に触れる」ものとは何だろう?
恐らくそれは、単に「世界一の舞台で超一流の結果を出し続けている」という成果に対する評価だけでは無く、その成果を導き出すプロセスなり人生観なりに共鳴していると考えたいものだ。
閑話休題。
ここで「新成人も尊敬すなる」イチローの価値について、流行りのセイバーメトリクスの価値観と合わせ考えてみたい。
実は私は近年のセイバー偏重の風潮にやや辟易としている。
紛れも無くセイバーメトリクスは野球の見方に新たな価値観を加えてくれたのだが、その反面こればかりに頼っていると、野球ファン同士でダベっていても、好きな選手や球団に関して思い入れたっぷりに熱く語るというような古来からの野球トークの楽しみが疎かになってくるのだ。
要するに「何事もホドホドに」ということだ。
ちなみにセイバーメトリクスで選手のパフォーマンスを評価する際に一般的なのは、OPS(出塁率+長打率)とWAR(メジャー最低水準の選手が代わりにプレーした場合に比べ、○勝分チームに貢献したか)である。
それによると、昨季のイチローのOPSは.645で、WARは(Fan graphs版)0.2だ。
OPSという指標の評価は、私もお世話になっている『スラッガー』誌によれば、『.900以上なら一流、.700未満ならレギュラーとしては厳しい』とある。
また、WARが0.2とほとんどゼロに近いということは、「イチローではなくメジャー最低水準の選手を起用し続けても同じこと」ということを意味する。
両方とも「ホンマかいな?」と思ってしまう。
確かに昨季のイチローは不調を託ったが、その価値が「レギュラーとしての水準に達しておらず、メジャー最低技量の選手を起用しても大差無い」なレベルとは・・・
OPSやWARが正しくないと言っているのではない。
物事は常に観る方向により異なって見えるものだ。
ある見方をすると昨季のイチローは「最低技量の選手並み」と判断することも出来るが、違う角度から見るとまた全く異なった評価になることもあり得るのではないか。
何事も固執することなくホドホドに、Bird’s eye viewを忘れぬようにしたいものだ。
posted by toyorashotaro |10:31 |
2011-2012 MLBストーブリーグ |
コメント(5) |
トラックバック(0)
2012年01月08日
現地時間の1月9日(月)は、全米野球記者協会選出による2012年の野球殿堂入り投票結果の発表日です。
この投票において75%以上の得票率を得ると殿堂入りとなり、7月22日にクーパースタウンで開催される記念式典に参加することになります。
今回の投票においては、90年代を中心にレッズ一筋で19年プレーしたバリー・ラーキンの当選が有力視されています。
彼は、打撃、走塁、守備すべてにおいて優れた成績を残した遊撃手で、95年のMVP獲得を初め球宴に12回選出、ゴールドグラブも3度受賞しています。
この万能振りが彼のセールスポイントではありますが、裏を返せば目に見える傑出した訴求点(例えば3000本安打や500本塁打、はたまた打撃タイトル獲得などなど)には欠けるのも事実です。
そんなどちらかと言えば玄人好みの選手が、殿堂入り資格を得て3年目で早々と当選する(であろう)というのは、やや意外な印象もあります。
なぜなら、09年に選出された70~80年代のレッドソックスのスラッガー、ジム・ライス(78年に本塁打と打点の二冠王&MVP)は殿堂入りまで15年を要していますし、通算254勝のジャック・モリス(91年ワールドシリーズ最終戦での完投勝利は伝説となっている)は12回の挑戦を経てもまだ足踏みを続けているからです。
もちろん、ラーキンの選出には私もなんら異論はありませんが、恐らく今回当選を果たすであろう事には以下の特殊要因も作用するだろうと見ています。
まずは、今年は比較的ライバルが少ないこと。
今年引退後5年を経て新たに資格を得た選手の中で、将来殿堂入りの可能性がありそうなのはバーニー・ウイリアムス(元ヤンキース)くらい。
その一方で、来年はバリー・ボンズやロジャー・クレメンス、マイク・ピアッツア、クレイグ・ビジオ、サミー・ソーサらが、再来年にはグレッグ・マダックスやトム・グラビン、フランク・トーマスらが参入してきます。
(ボンズやクレメンスはともかく)、多くの有力選手が対象となってくる前に「ラーキンに投票してあげよう」という心理作用が投票権を持つ記者たちに働くということはごく自然なことです。
そしてもうひとつは、ラーキンは前述の通り万能型で、とかく薬物使用が疑われがちな「筋肉モリモリ型」のホームラン打者では無いということではないでしょうか?
要するに記者たちは、安心して投票できるのです。
そう言えば、昨年殿堂入りしたロベルト・アロマーもラーキン同様の「バランス型」の二塁手でした。
言い換えれば、投票権を持つ記者たちには、ステロイド使用を疑われるスラッガーたちに対する評価にいまだに悩み、結果的に彼らへの投票を見合わせている傾向が見て取れるのです。
検査で陽性反応を示したラファエル・パルメイロ(史上4人のみの3000安打&500本塁打)やステロイド使用を告白したマーク・マグワイア(但し、本人は『使用は治療のためで、パワー向上のためではない』といまだに主張しています)らの得票がサッパリなのは当然としても、ジェフ・バグウェルやホアン・ゴンザレスらの「成績が良すぎて、または体格が立派過ぎて薬物使用を疑われている」強打者たちの得票も伸び悩んでいます。
今回、そんな「ステロイドボーイズ」らの得票にどんな変化があるか?も要チェックポイントでしょう。
posted by toyorashotaro |13:17 |
MLBヒストリー |
コメント(1) |
トラックバック(0)
2012年01月07日
中島裕之選手のヤンキースとの交渉決裂に関する当ブログの記事2件を取り下げさせていただいた。
ブログをお読みいただいた方のコメントから、当初私が論拠としていた事象以外にも決裂の要素となったであろうことが存在することが判ったからだ。
私が指摘していた「年平均200万ドルの3年契約」か「低金額の1年契約」という単純な図式では無かった可能性が高い。
そうなると、事実の前提自体が変わってくるので私の主張そのものが部分的には的を外れていると認めざるを得ないからだ。
私も、MLB関係の記事を書くに当たっての情報ソースは皆さんと同じである。
ネットやスポーツ新聞で見聞きした情報を元に書いている。
しかし、今回に関しては、私の事前のネタ調べが十部ではなかったと反省している。
コメントをいただいた方々には御礼申し上げたい。
posted by toyorashotaro |17:48 |
2011-2012 MLBストーブリーグ |
コメント(7) |
トラックバック(0)
2012年01月04日
前回のブログの最後でカージナルスのマイク・マシーニー新監督に触れたので、彼に話題を移したいと思います。
マシーニーはまだ41歳で、今季全球団の監督の中で最年少です。
しかもこれまでのキャリアの中で、メジャー、マイナーを問わず監督やコーチの経験はありません。
それでいきなり世界一のチームを、将来殿堂入り間違いなしの前任者(トニー・ラルーサ)から引き継ぐのです。
しかも、チームは至宝のアルバート・プーホルスがFAで離脱という状態です。
したがって、新監督マシーニーは、チームを今季もポストシーズンへ連れていくという責務に加え、プーホルスが抜けたカージナルスにセントルイスのファンをつなぎ止めるという任務も背負うことになります。
しかし、だからこそ(指導者の経験が無くても)マシーニーに白羽の矢が立ったとも言えます。
彼は現役時代には全盛期の5年間カージナルスに在籍し、その間ラルーサの下で4度正捕手としてプレーオフに出場し、3度ゴールドグラブを受賞しています。
いわば、セントルイスのファンにとってマシーニーは00年代前半の黄金時代の智と技の象徴なのです。
ラルーサの後任としては、11年までレッドソックスの指揮を執っていたテリー・フランコーナや、現役時代はライバル球団のカブスの大スターだったライン・サンドバーグ(11年はフィリーズのマイナーの監督でした)らの名前も候補として上がっていましたが、敢えて未経験のマシーニーが選ばれた理由はそこにあります。
実はマシーニーに関し、個人的な思い出があります。
2004年の夏のこと。
まだ、旧ブッシュ・スタジアムでカージナルスが戦っていた頃のことです。
試合後、選手たちが出てくる球場の駐車場の出口には熱心な地元ファンが待ちかまえていました。
そこに、マシーニーが大型のピックアップ・トラック(メジャーリーガーにも人気の車型ですが、特に中西部ではピッタリきます)で出てきました。
助手席には、小学校に上がったかどうかくらいの年齢の息子さんが座っていました。
多くのファンから声を掛けられたマシーニーは、わざわざ駐車場の出口でクルマを止め外に出てきました。
とたんにファンが群がりサイン会が始まりました。
そこで印象的だったのは、息子さんの父に向けられた眼差しです。
多くのファンのサインのオファーに丁寧に対応している父親の姿を、実に誇らしげに見守っていたのです。
自分の父親がファンから賛美の歓声を浴びていること、そしてそれに奢らず真摯に対応していることへの満足感と父への尊敬の念がひしひしと伝わってきました。
あの時この目で見た地元ファンとの絆、そして息子さんに無言で示したリーダーシップ、それらを思い出すと、マシーニーの成功を祈りたくなるとともにその可能性を感じます。
posted by toyorashotaro |23:34 |
2011-2012 MLBストーブリーグ |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年12月31日
今年も残すところあと1日。
と、なると去りゆく2011年を振り返ってみたいのですが、私にとって今年最も思い出深い球団がカージナルスでした。
それこそ、年始の段階から「トニー・ラルーサ監督と主砲のアルバート・プーホルスともに最後の年になるかも知れない」という思いでその動向をウォッチしてきたからです。(そして事実そうなりました)
という訳で、私にとっての『Man of the year』であるラルーサ元監督について述べてみたいと思います。
以前もこのブログで触れたことがありますのでご存じの方もおられるお思いますが、私はこの夏ラルーサを追いかけセントルイスまで行ってきました。
そして、機内でのお供に選んだのが、ラルーサについてピュリッツァー賞作家のバズ・ビッシンガーが記した『Three nights in August』でした。
実はこの本が出版されたのは、2005年のこと。
いつか読もうと思いつつ機会を逸していた、そんな感じです。
この本を評論するのは、ここでの目的では無いので、詳細は割愛しますが、この本ではラルーサという人物を通じ、監督という職業がいかに精神的なタフネスと細やかな気配りを要するものかということが詳述されています。
例えば、ある日不振のスコット・ローレンの打順をひとつ下げるだけのために、それを切り出すタイミングや場所の選定にいかに気を配り骨を折ったかが詳しく述べられているのです。
とかく、セイバーメトリクスに「毒された」われわれは、カブス監督時代のルー・ピネラが、出塁率の低いアルフォンソ・ソリアノを打順トップで使い続けたことを、セイバーの観点から「なんて愚かな」と非難しましたが、打順ひとつとっても実は現場の監督は悩みに悩み抜いているのです。
単にラインナップカードに名前を書き込むだけの仕事の背後には、そんな精神的にタフな部分があるのです。
また、野球の醍醐味はセイバーの理論を振りかざすだけでなく、そんな勝負の「あや」に思いを馳せることも忘れてはいけないと再認識させられました。
今にして思えば、野球のそんな部分を代表しているのがラルーサだったように思えます。
ラルーサは実は33年間の監督生活の内、セントルイスでの16年間は家族をサンフランシスコに残しての単身赴任でした。
シーズンが始まると野球以外のことが頭に入らなくなくラルーサは、むしろ家族のために単身赴任を選んだのです。
そんなラルーサも前述の本の中には、試合後にマイク・マシーニー(後任監督に指名されたあのマシーニーです)が、奥さんと仲良く手を繋いで球場を後にするのを目のあたりにしてひどく落ち込むという場面が出てきます。
そんな生活からももう開放されたラルーサに「ご苦労様」と言いたいものです。
<続く>
posted by toyorashotaro |00:12 |
2011 MLB |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2011年12月25日
前回に引き続き、解体を続けるアスレチックスについて述べます。
すでに、24歳のトレバー・ケイヒル(2015年まで残約2900万ドル、要するに年平均約700万ドルの契約あり)と、26歳のジオ・ゴンザレス(FAになるのは2015年のシーズン後、ただしこのオフは年俸調停権を得るため400〜500万ドルへの上昇が見込まれる)の両エースを、若手の有望株との交換で放出したばかりであるのは前回ご紹介した通りです。
しかし、ビリー・ビーンGMによる「マネーボール歳末セール」は、この程度では収まりそうもありません。
ゴンザレスの交換相手の1人として、ナショナルズから2Aの捕手、デレク・ノリスを獲得できたことにより、今度は同球団の数少ないスターであるカート・スズキ捕手の放出話も出てきているようなのです。
さらには、スズキだけでなく、若きクローザーのアンドリュー・ベイリーのトレード話も燻り続けています。
いやはや、来年の東京ドームでの開幕戦は、余程の「通」のファン(プロスペクト大好きの椎葉努さん級?)でない限り、誰も知らない若手ばかりの陣容となる可能性大です。
当のビーンGMは「やるからには徹底的に」と述べています。
このことは正しい。
しかし、アスレチックスの問題は解体の目的にあります。
表向きには、「サンノゼ移転と新球場完成の2014年には優勝できるチームに」ということになっていますが、私にはそうは思えません。
実際には、アスレチックスの移転話は、サンノゼに近いサンフランシスコに本拠地を置くジャイアンツの強い反対により、完全に出口を失っている状態です。
移転と新球場効果による増収の目処が全く無いがために、取り敢えず「売れるものは売る」状態にあるのではないでしょうか?
言い換えれば、「再建のための解体」では無く、「解体」自体が目的に成っているのです。
でなければ、移転目標の翌年まで保有権のあるケイヒルやゴンザレスを放出する訳がありません。
もちろん、彼らの700万ドルなり500万ドルなりの年俸は絶対的には高価ですが、その潜在力や若さを考慮すると十分リーズナブルと言えます。
もっと言えばこの程度の年俸がネックになるようでは、お話になりません。
閑古鳥が鳴くオークランド・コロシアムからの脱出を目論むアスレチックス。
最初のターゲットだったフリーモントは球場建設による自然破壊を恐れる市民の大反対で頓挫しました。
しかし、次のターゲットであるサンノゼの場合の障害はジャイアンツの反対といういわば身内の問題です。
MLBの中で政治的に解決できるのではないでしょうか?
逆に言えば、それ以外に解決の道は無いでしょう。
本件は、両リーグの球団数不均衡問題を、アストロズを売却承認とセットでア・リーグに移籍させるというウルトラCで解決した希代のやり手コミッショナー、バド・シーリグの最後の宿題と言えるでしょう。
posted by toyorashotaro |14:15 |
2011-2012 MLBストーブリーグ |
コメント(5) |
トラックバック(0)
2011年12月23日
来春のマリナーズとアスレチックスによる東京ドームでの開幕戦シリーズの概要が発表されました。
公式戦2試合に加え、NPB球団とのオープン戦も行われるようです。
1月に発表される予定というチケット価格は、過去の事例からそれなりに高価になると予想されますが、なにせ4年ぶりの日本開幕戦、メジャーファンは貯金して待つ価値はあるでしょう。
多くの日本のメジャーファンにとって、今回のお目当てはマリナーズのイチローと、2010年のサイ・ヤング賞投手フェリックス・ヘルナンデスでしょう。
そこに、イチローを追いかけ海を渡るムネリンが加われば、もうお腹一杯というところでしょうか。
しかし、私が少々心配しているのが対戦相手のアスレチックスです。
もともと再建中のチームとは言われていますが、このオフは、今季のチーム内本塁打王のジョシュ・ウイリンガムのFA流出を許し、同じくFAの松井秀喜との再契約にも消極的です。
ただし、ここまではストーブリーグ開幕時点から織り込み済み。
問題はこの後です。
先日、まだ23歳の若さを誇り1年前に囲い込みの5年契約を結んだばかりのエース、トレバー・ケイヒルをダイヤモンドバックスに放出したのに続き、最新の情報では今季チーム内最多の16勝利を挙げた26歳の左腕、ジオ・ゴンザレスもナショナルズにトレードするようです。
彼の場合は、FAになるのは2015年のオフとまだまだ先ですが、このオフに年俸調停権を得ているのが嫌われたのでしょう。
実は彼ら2人の放出で、アスレチックスはかなり有望な若手を手に入れているのですが、このトレードは感心しません。
ケイヒルやゴンザレス自体がまだのびしろのある「若手」であるからです。
いかに交換相手が有望であっても、まだFAになるまで4年もあるエース級2人を手放すなんて。
一般的に言って、今のメジャーは若手有望選手(プロスペクトと言います)の価値を過大評価していると思います。
プロスペクトは、将来スターに化けるかもしれないから価値があるのです。
逆に言えば、「化けず」に単なる「マイナーリーガー」で終わるリスクもあるのです。
ならば、もうスターとしての立場を確立しており、かつ若いケイヒルとゴンザレスを抱えている方が遥かに賢明です。
アスレチックスは古く、集客力に問題があるオークランド・コロシアムから、サンフランシスコ湾岸沿いにやや南に位置するサンノゼへの移転を目論んでいます。
一般的にはそのターゲットは2014年と言われていますが、まだ難問が山積しており、予定通り事が運ばない懸念は十分あります。
恐らく、ケイヒルとゴンザレスの放出は、代替えの更に若い世代がその頃に一人前になるという計算に基づいていると思えるのですが、こういうのを皮算用というのでしょう。
予定通り、新球場が出来るかどうかも怪しく、若手の見込み通りの成長も保証されていないのですから。
posted by toyorashotaro |15:26 |
2011-2012 MLBストーブリーグ |
コメント(6) |
トラックバック(0)