2009年06月25日

「ドジャースの戦法」どんな本?

きょう6月25日は、1959年に後楽園球場で、プロ野球史上初の展覧試合、巨人対阪神が行なわれた日。

皇后両陛下が観戦するということは、これは当時たいへんな出来事だったに違いありません。

日本は朝鮮戦争の特需を契機に、高度成長へ突入していくのですが、まだまだ敗戦を引きずっていた時代。

試合の結果は、長嶋茂雄が先制本塁打12号とサヨナラの一発13号を放ち、5対4で巨人が勝利。先発完投した藤田元司が14勝目(2敗)をあげています。

軍司貞則さんの著書によれば、この日4番の長嶋茂雄は、試合の2週間前から、朝起きるとスポーツ新聞を駅の売店へ余計に買いにいく。

帰ると、一面に「長嶋サヨナラ打」。ときには「長嶋、展覧試合で満塁本塁打」などと、色とりどりの太いマジックで書きなぐっては、毎朝、大舞台で活躍する自分のイメージレーニングをしていたのだそうです。

さて、V9巨人の話し。

川上さんが巨人の監督に就任して、最初に指揮を執ったのが1961年。この年、2月の宮崎キャンプのあと、3月にフロリダのベロビーチ、ドジャータウンへキャンプ参加しています。

目的は、「明けても暮れてもチームプレーの練習ばかりやった」(川上監督)。

指導に当たったのは、アル・キャンパニス。

「ドジャースの戦法」The Dodger's way to play baseball の著者アルが、直接巨人の選手を指導したのです。

「ドジャースの戦法」。

皆さん、どんな本か、ご存知ですか?

第1部 守備編 投手/捕手/一般内野守備/一塁手/ショート・セカンド/・・・
第2部 攻撃編 バッティング/バント/走塁/スライディング
第3部 指揮編 コーチまたは監督のために/・・・

全329ページ。

正確には、アル・キャンパニスがひとりで書いたものではありません。ドジャースの春のキャンプにおける講義と討論をまとめたもの、であって、ひとりだけの主張を述べたのではなく、多くの野球人の意見をまとめたもの、と書かれています。

少なくとも17人がかかわっており、イチローがシーズンの最多安打記録を塗り替えた、ジョージ・シスラー(1915-1930年)も、そのひとりなのです。

第1章の投手。

「ピッチングは一種の芸術である」の書き出しは、いかにも印象的です。

「ピッチングは単なる肉体的の動作ではない。すぐれた投手は、打者に対する知識、安定感、自信、勝利への欲求、勇気等を持つ」

「体格の大きさは、投手のもっとも重要な条件ではなくなった。カール・アースキンや、ボビー・シャンツのような小柄な名投手の出現によって、勝利投手は体格を必要としないことが立証されたのである」

これらはすべて、最初のページに書かれている内容です。

川上監督は、監督に就任した60年の秋から、この本を熟読することから始め、翌年ドジャータウンへの渡米前、この本を選手全員に配布しています。

「ひとつのプレーが完全にできるまで、1年も2年もかかった」

川上巨人のV9開始は、この5年後の1965年から。

例えば、ONが打てば勝てるなら、64年に王貞治は55本塁打。ONで209打点ですから優勝しておかしくありませんが、結果は3位。

チームプレーの成熟というものが、はやりV9連覇を達成したひとつの鍵だった、ということなのでしょう。


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「小野俊哉のプロ野球plus」HP http://baseballplus.jp/
●まだ語られていない野球人の人間模様を探るコラム。
萩本欽一監督の「茨城ゴールデンゴールズ」の創立から。
OB選手の「プロ野球マスターズリーグ」の取材写真で掲載中。他。
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posted by toshiya-ono |11:18 | V9巨人 | コメント(0) |
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