2008年07月12日
フィジカルとメンタル、そしてコーチの役割
こんにちは、トム・バイヤーです! 昨日のエントリーに”バカボンのおやじ”さんからいただいたコメントがすごく良いコメントだったのでレスポンスをしてみようと思うよ。ちょうど神戸のイベントに行く新幹線の中で時間があったのもラッキーだったね! まずはコメントをくれてどうもありがとう!そのコメントがこうしてディスカッションのスタートとなっていることは素晴らしいことだと思います。 僕ら、コーチという存在は、サッカーをやる人たちが選手として、そして人間としてどのように成長するのかということについて大きな影響力を持っている、と僕は信じているんだ。これは僕がずっと周りの人たちに言ってることでもあるんだけど、サッカーをやっている子供たちの中でプロになる選手は本当にわずか、それこそ数%に満たない数だよね。ということは、”僕らコーチが教えていることは一体何なのか”というのをもっと深く考える必要があるんじゃないだろうか。僕らが教えていることは、子供たちの人間としての成長を助けるものなんじゃないか、とね。 20年間コーチとして日本中を旅して回ってきて、そこで50万人を越える子供たちや保護者、コーチの皆さんと触れ合ってきたことで、僕は色々なことを教えられたと思う。そして僕は「日本の子供たちには自信がなさすぎる」ということに気づいたんだ。 自信というものは、良い選手になるための非常に重要な要素だ。そして、人生で成功するための大きな要因でもある。 僕らコーチは、子供たちに”君たちはできる!”ということを教え込まないといけない。子供たちに対して、ポジティブなイメージを与え、常にうまくボディランゲージを使い、そして試合や大会をコーチ自身も楽しんで、笑顔で接することが必要だ。コーチまで失敗や結果に過度にこだわり、不安になっていてはいけないんだ。 自信というのはつまり、”僕らが自分自身をどう思うかを、自分に言い聞かせた結果”なのだと思う。人は無意識のうちに自分自身に対して話しかけているんだ。自分には何ができる、あるいは何ができない、というようなこともね。これはスポーツ心理学の領域にかかってくるとは思うけど、セルフトーク(Self talk)と言われるものだ。そしてコーチは、子供たちにポジティブなセルフトークを常に持ち続けるよう、教えることができるはずだ。パフォーマンスというのはその選手の姿勢(態度)の結果としてあらわれるもので、そしてその姿勢(態度)というのは、選手がその場面で持っている自信に裏打ちされている。だから、選手がポジティブなセルフトークを活用し、ネガティブなセルフトークを持たないようにするというトレーニングを行うことで、自信を深め、結果として良いパフォーマンスにつなげることが出来る。 日本のユース以下の年齢層におけるトレーニングでは、あんまりこうしたメンタル面を重視することは少ないように見えるよね。一方でフィジカルのトレーニングはすごく多い。コーチが子供たちにやらせる練習メニューはもちろん大事だけど、コーチが子供たちに伝える言葉や態度も、特に若年層においては大きな影響力があると思う。 コーチは選手の良いパフォーマンスに気づき、きちんとそれを認め、褒めてあげなきゃいけない。たった一つの負け試合に感情的になりすぎてしまうと、選手の自信を粉々に打ち砕くことになりかねない。そして自信を失うと、それをまた築き上げるのはそんなに簡単なことじゃない。 コーチにとって、選手がフィジカルの面で準備が出来ているかどうかを判断するのはさほど難しくないけど、メンタル面の状態を推し量るのはなかなか難しいことだよね。 たった一つの試合でも、選手は喜び、悲しみ、恐れ、怒り、興奮し、そしてミスなどをすれば罪悪感を感じたりすることもある。コーチの役割は、選手たちにこういった様々な状況を、特にチャレンジングな状況にどう対処し、乗り越えて行くべきかを教えることだと思う。なぜなら、ピッチ上で起こるこうした状況に似たことは、ピッチから離れた実生活でも起こりうるのだから。 僕にとってコーチングとは上に書いたこれらの点に凝縮されているんだ。何が何でも勝つ、なんてことは考えず、”良い環境”を作って上げること。子供たちがこの”サッカー”という素晴らしいゲームを通じて、様々な人生のレッスンを学ぶことができる環境をね!
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posted by tomsan |13:08 |
サッカー指導 |
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丁寧なレスポンス、ありがとうございます
コメント投稿者ID :
トムさんの指導者としてのこだわり、またコーチングする上でのこだわり、大変興味深く読ませていただきました。
とても示唆に富んだ内容だと思います。また、トムさんのサッカーコーチとしての哲学は、同じサッカー指導にかかわる人間として、とても参考になります。
基本的には、選手に自信を持ってもらいたい、そのために選手のメンタルに働きかける、ということは私自身、常に意識するようにしているつもりです。練習の最後に、その日のMVPを発表したり、選手に書いてもらっているサッカーノートを通じて、選手を認めることや、上達した部分を褒めるということをしています。練習中もちょっとした変化であってもできる限り、その場で「いいよ!」という声を掛けるようにはしています。
ただ、選手自身にセルフトークを促すことや、選手に自信を持たせることについては、正直まだまだなのかもしれない、ということをトムさんの記事を読んで感じました。
日本の指導者やコーチ全てということではなく、あくまでも私個人の傾向として、選手に自信を持たせるということよりも、向上心や謙虚さという言葉を強調し、選手達に「まだまだ~、もっともっと~」という言葉を多く掛けている気がします。一応、チーム全体にいい緊張感を持たせたり、チーム全体が集中できるようにと考えて、そのような声をかけてはいるつもりなのですが・・・。
高校生は気持ちが揺れ動く年代です。グランド外でのちょっとしたことや友達や家庭での悩みなどが当然のことながら、グランドでのパフォーマンスに影響してきます。選手のメンタルの状態は人それぞれだし、日によっても、違ってくるはずです。
ただ、50人近い選手を預かる立場としては、選手一人一人のフィジカル及びメンタルのコンディションに注意しながらも、毎回のトレーニングが〝チーム全体〟として、前向きになるように声掛けをしていきたいと考えています。
トムさんの哲学である『サッカーを通じて、選手一人一人に〝自信〟を持たせること』というのは、今後の指導者としての私自身のテーマになりそうです。
また、そのためにも、指導者自身が、自らのできることについて〝自信〟を持たなくてはいけませんね。選手達に集中を促すには、まず自らが集中すること。選手達に自信を持たせるなら、まず自らのコーチングに自信を持つこと。個人的には、自分自身の指導に自信を持つために、自分自身を客観視することと、自分自身の能力と経験に対して謙虚さと向上心を持ち続けることを考えていきたいと思います。
トムさんの哲学に触れ、自分自身の指導やコーチングの手法を見直すいいきっかけをいただきました。本当にありがとうございました。
お互いのフィールドで、選手達や子供達のために、同時に自分自身のために、頑張っていきましょう。
最後になりましたが、自分もブログを書いているのですが、トムさんのこのブログを自分自身のブログにブックマークさせてもらってもいいですか?もし、差し支えあったり、迷惑だったら、言ってください。よろしくお願いします。
失礼します。
posted by バカボンのおやじ | 2008-07-13 14:32
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