ある美なる日々

全日本女子サッカー決勝「神戸×新潟」:力及ばず準優勝。でも、国立には愛が満ちていた。

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第33回全日本女子サッカー選手権大会 決勝
2012/1/1(日)10:30 国立競技場 観衆:20,977人
INAC神戸レオネッサ 3-0 アルビレックス新潟レディース
天候:晴 気温6.0℃ 風弱
主審:深野悦子 副審:千葉恵美/大畠千枝
【神戸】GK(1)海堀あゆみ DF(2)甲斐潤子/(5)近賀ゆかり MF(4)田中明日菜/(6)那須麻衣子/(7)チ・ソヨン[87'→(16)クォン・ウンソム]/(8)澤穂希/(13)南山千明[79'→FW(14)米津美和] FW(9)川澄奈穂美/(10)大野忍/(11)高瀬愛実 監督:星川敬
【新潟】GK(1)大友麻衣子 DF(2)山本亜里奈/(4)東山真依子/(11)口木未来/(23)中村楓 MF(5)川村優理/(10)上尾野辺めぐみ/(20)坂口夢穂/(24)佐伯彩[66'→(26)平井咲奈] FW(9)菅澤優衣香/(25)上辻佑美[66'→(8)大石沙弥香] 監督:奥山達之
【神戸得点】44'南山千明、51'高瀬愛実、70'田中明日菜

 元日の国立競技場。サッカーを愛するものなら誰しもこの場に立ちたいと思う。サポーターも気持ちは同じだ。その場に、新潟から、女子チームが男子に先駆けて立つ日が来た。2004年に当時のL2リーグの応援を始めた私にとって、感無量のひとことである。まだ肌寒い午前9時半、国立霞ヶ丘競技場には天皇杯決勝に出場するFC東京のサポーターでごった返していた。そんな中で、国立競技場のバックスタンド側入り口である青山門を目指して、女子サッカーの応援にかけつけたサポーターの列も延びていた。

 スタジアムにようやく入ると、FC東京サポーターの陣取るアウェー側のスタジアムに、わずかに新潟Lサポーター用の一角が用意されてい嫌も応もなくここに陣取る。新潟のサポーターで既にいっぱいだ。それよりもFC東京サポーターが天皇杯決勝に備えて大挙して陣取っている。本来であれば試合開始2時間前の正午ごろを目指してやって来ればいいのに、前座試合のおかげでこんなに早く駆けつけて大変である。ちょっと申し訳ない気もち。だが、男子だけど新潟だってJ2リーグ時代から、FC東京とは昇格を争った仲間である。新潟コールリーダーがFC東京コールをして、FC東京サポが新潟コールを返してくれる。お互い、サッカーを愛する仲間として元日にこのスタジアムを共有する気持ちに変わりはない。じんとくる瞬間だ。

 選手入場に備えて新潟からはるばる運んできたビッグフラッグが用意される。このフラッグはビッグスワンがオープンした2001年にサポーター有志の募金によって作られた、サポーターの魂である。この日もこのフラッグが掲げられることの意味をサポーターひとりひとりが理解している。フラッグは選手入場時に手際よく広げられ、そして仕舞われた。心がひとつになる瞬間。渡辺美里の独唱で国歌が演奏される。でも、新潟サポーターはやっぱりみんな歌っていた。この日、この時でしか歌えない歌だから。誇りを持って歌う。Wカップ優勝で俄然注目されたなでしこジャパン。そのなでしこメンバー7人を要する神戸は、イコールなでしこジャパン扱いのマスコミ。だけど、新潟コールリーダーが叫んだように新潟だってなでしこだ。阪口も上尾野辺もいる。

 いよいよキックオフ。やはり神戸が強い。でも、新潟だって負けてはいない。阪口が、上尾野辺が、川村がチャンスを作る。徐々に新潟もペースをつかむ。だけど、やはり新潟はなかなか得点まで持っていけない。セットプレーのチャンスもほとんど作れなかった。でも、GK大友をはじめ、必死に守る。そのまま0-0で前半が終了する間際、上尾野辺が接触プレーで治療のため、ピッチ外に出る。上尾野辺は準々決勝浦和戦でも目の上を負傷し、準決勝日テレ戦では目をはらしたままの出場。満身相違のはずだ。

 1人少ない新潟が必死のディフェンスで持ちこたえる。上尾野辺の治療がようやく終わり、頭に包帯を巻いてピッチに戻る。しかし、神戸のフリーキックで新潟のピンチ。そして、失点。やはり神戸は徐々に力を発揮してきている。

 後半もほとんど神戸に主導権は握られたままである。51分に神戸は2点目を取る。新潟はサイドでなかなか仕事をさせてもらえていない佐伯と上辻に換えて平井と大石を投入。しかし、なかなか攻撃を活性化するに至らず、70分に3点目を入れられる。せめて1点でも取りたい新潟。あきらめずに声援を送り続ける新潟サポーター。しかし空しく時間は過ぎ、そのままタイムアップ。最後の最後で実力差をみせつけられた試合であった。

 試合後は表彰式。負けたとはいえ、準優勝である。胸を張っていい。表彰が終って選手たちが新潟サポーターにあいさつに来る。そして、FC東京サポーターからも新潟にエールが送られる。FC東京サポータに向かってあいさつをする選手たち。万歳で返すFC東京サポ。元日、国立競技場に集いしサッカーを愛する人々たちの心が通い合った瞬間であった。



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ハンドルネームTomo。新潟市在住55歳。スポーツは見る専門のシロウト。
2001年に新潟で開催されたコンフェデレーションズカップの日本戦を見たことがきっかけで地元のサッカーを見始め、アルビレックス新潟のJ1昇格という最も甘美な瞬間を体験する一方、バスケットボールの新潟アルビレックスも観戦。ローカリズムを大切にしアウェーツアーでの地元グルメをこよなく愛す。
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