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野球のUnwritten Rule(不文律)とどう付き合う?

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世界大学野球選手権、本日行われた日本対キューバの一戦、結果は12-7。最終回で試合がフェードアウト気味な雰囲気の時に3点返す場面もありましたが、全体的には日本がキューバの底力を見せつけられた格好になりました。残念でしたが、優勝を目指す日本、負けるなら今日しかありませんでしたので、今回の対戦で出た反省点を今後に生かしていってほしいですね。実力でどちらが上かはともかくとしても、WBCでは日本はキューバに勝ったこともありますし。

当初神宮球場まで行く予定だった私ですが、どうも朝から体調が微妙…。先日熱中症になりかけたこともあり、本日はテレビ観戦にしました。長い試合だったこともありますが、審判の一人も体調不良でリタイアしてしまい、途中から三審制で続けられたこのゲーム。今日は私、行かなくて正解だったかもしれません(苦笑)。もっとも、テレビで観ていたからこそ、今日のテーマにたどり着いたのですが…。


さて、本題に入ります。本日の試合、8回裏に起きたことがテーマです。この時点で12対4とリードされていた日本の攻撃、ノーアウト一塁の場面で、法政大学の多木裕史選手が盗塁、そして成功しました。しかしこの場面、キューバの一塁手はベースから離れて守備をしていて完全に無警戒。直後にキューバのゴンサレス投手が二塁に牽制球を投げるのですが、これが多木選手の脚を直撃しました。幸い大したケガにはならなかったようですが、試合がしばし中断したのでした。

J SPORTSの解説に寄れば、これはいわゆる報復行動。つまり、もう大量リードで試合の行方はほぼ決まっている。そういう時には盗塁は行わないという不文律があるにも関わらず、スチールをした多木選手に対して、キューバの選手が怒りを示して、わざと多木選手を狙って牽制球を投げたということです。これを聞いてスロー再生を見ると、確かにゴンサレス投手、狙って投げているようには見えます。ちなみに実際に何を言っているかまでは分かりませんでしたが、日本の榎本保監督も多木選手に向かって「何やっているんだ!?」と怒っているように、テレビでは見えました。

私もその全てを知っているわけではありませんので、試合終了後に野球のUnwritten Rule(不文律)について調べてみました。大量得点差がついた時に盗塁がタブーというのは、何も勝っているチームだけではないようですね。日本語のサイトには勝っているチームと限定して書いてあるものが多いですが、英語のサイトですと負けているチームも含まれているものもあるので、誤って解釈している日本人も多いのかもしれません。もちろん、そもそもが不文律ですので、形のある根拠があるのかどうか微妙な点もありますが…。ちなみに9回2アウトで日本がセーフティ・バントを行うシーンもあったのですが、これも少々微妙な気がしました。

日本で傾向が顕著な文化の一つに「最後まであきらめない」というものがあります。もちろん英語でもNever Give Upというフレーズは一般的なのですが、染み付き具合は日本人の方が上を行っているように、私は感じます。こういった考えが物心つく前から自然になっている我々日本人。ベースボールのUnwritten Ruleをしっかりと受け入れるのは結構難しいかもしれないですね。2010年のバンクーバー・オリンピックでカーリングが注目された際、日本チームのコンシード(Concede。日本では一般にギブアップと呼ばれています)に対して苦情が殺到しましたし。

私の考えとしては、野球が五輪種目ではなくなったとはいえ、国際大会で他国と対戦する機会がある以上、仮にファンに最初は理解されなくても、国際的なスタンダードに基づいて国内でも競技を行うべきだと考えます。今日の大学野球の場面、多木選手もこの不文律について聞いたことはあったのではないかと想像します。しかし、自然と身についていなかったのですっかり忘れて、思わず盗塁。もしくは、不文律に賛同しないので構わず盗塁。そもそもが不文律なので扱いが非常に難しいとも思いますが、報復行動がケガにつながるようなことになっていたら、日本チームにとっても本人にとっても一大事だったと思うんですね。

国際的な舞台で国内のルールを持ち出しても、競技者にとって不利になることがほとんどのような気がします。プロ野球や学生野球、はたまた高校野球で同じことをやって、ファンが納得するかどうかは分かりませんが、それは一つの競技文化として、ファンも勉強しないといけないのではないかと考えます。競技がファンの喜ぶ方向に誘導されるのはもちろん素晴らしいのですが、それを行うことによって、競技が発展する障害になってしまっては本末転倒だと思いますしね。ちなみに本日の多木選手の盗塁後、スタンドからは大きな拍手が起こっていました。満員のイベントとかではない今日のようなゲーム、多くの来場者は野球というスポーツを熟知している人たちです。それでも日本人ファンにとっては、この盗塁が自然に見えたということなのでしょう。

文字通りルールではありませんので、完全に理解するのは非常に難しいかもしれない、海外発祥のスポーツの不文律。皆さんはどういったご意見ですか?



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記事カテゴリ:
野球
タグ:
世界大学野球選手権
日本
キューバ
Unwritten Rule
不文律
報復
大量得点差
盗塁
スチール
カーリング
コンシード
ギブアップ

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この記事へのコメントコメント一覧

Re: 野球のUnwritten Rule(不文律)とどう付き合う?

皆様

多くのコメント、本当にありがとうございます。
様々な視点からのご意見、大変参考になりました。まとめての返答で恐縮ですが、皆様からのコメントは本当に貴重だと思っていまして、どれも繰り返し読ませて頂いています。ご都合が許しましたら、またどうぞお立ち寄りください。

本文で書き忘れましたので、一点だけ追加しておきます。この日の解説者が苦言を呈していたんですが、試合途中で日本選手の何人かが歯を見せて笑って、「キューバってすげ~」みたいな感じで諦めムードが漂っていた時間帯がありました。キューバの選手もこの様子は観察しているでしょうから、もうさっさと試合を終わらせようと思ったのに、ルール(不文律)違反をする人間が日本チームにはいた。それでキューバの選手が怒った。こういう見方もできるかもしれません。

goatee



思うに。 様
ご紹介頂いたリンクの記事、大変参考になりました。どうもありがとうございます!
> 納得いかなくても、それが国際大会、世界と戦うということなんだと割り切るしかないですね。
結局はこういうことなのでしょうね。同感です。


honnoji 様
メジャーの不文律ですが、ベースとなる考えの一つは「結果の決まった試合は早く終わらせよう」といったことのようですね。ですから…、
> 大量点差でのゲッツーも禁止にするべき
はむしろ逆で、「1塁にランナーがいて内野ゴロを打ったら、打者走者は全力疾走すべからず」という発想だというのをどこかで見たような気がします。記憶が少々曖昧なので、違っていたら申し訳ありませんが、「早く終わらせよう」の部分は確かです。文化の違いでしょうかね…。
> 報復行為が許されていることですね。
これも微妙です…(苦笑)。何せ不文律ですから。許されてはいないと思うんですが、それが故意であるかを実証できるとは限りませんので。
一方で、報復行為で故意に死球を投げる時は下半身を狙うというのを見かけた気がしますが…、これも違っていたらスミマセン。


素人的感覚 様
> 大量リードされている状況なら盗塁というリスクを冒すよりも、まず塁にランナーを貯めることが第一じゃないでしょうか?暗黙のルール以前に、作戦として盗塁させるのはどうなのかと。
今回のケース限定で言うなら、一塁手がベースから完全に離れて守っていたんですね。あの状況なら、俊足ランナーはまずセーフといったところでしょうから走ったのだと思います。
> 高校野球における最後のバッター1塁ヘッドスライディングとか
これは反対派も多いですね。ケガするケースも少なくはないですし。だいぶ前の甲子園での試合だったと思いますが、内野ゴロで全てヘッドスライディングしていた高校があったのを記憶しています。私は良い印象は受けませんでした。あまりにわざとらしすぎるというか…。


A.crowley 様
おっしゃることごもっともだと思います。ただ、特に負けているチームの盗塁の考えが、日本野球の常識にまでなっているかどうかは微妙な点もありますが…。
なお、上記にもコメントしましたが、今回の盗塁は、キューバの一塁手が完全にベースから離れていて、二塁で刺される可能性は非常に低かったのも事実です。
> 個人主義への報復は、日本に対してだけでなく自国のチームに対するメッセージでもあったのではないでしょうか。
非常に興味深い考えですね。実に参考になりました。
最後に、ご意見の本質的な部分ではありませんが、私としては結構こだわりのある考えですので、ちょっと突っ込ませて頂きます。
> 野球は相手がいて初めて成り立つスポーツです。
これはどのスポーツでも一緒ではありませんか?相手のないスポーツってありましたっけ…?

野球のUnwritten Rule(不文律)とどう付き合う?

大量点差で盗塁しないのは常識です。
まず、リードしている側がした場合は、相手に対する敬意が足りないとみなされます。これは大量点差でのスクイズも言われますが、スクイズの場合は1アウトを献上することになるのでまだいいです。
野球は相手がいて初めて成り立つスポーツです。試合の勝敗は試合終了までわかりませんが、相手選手がもう駄目だな、と思えばそれで勝負はついているようなものです。
相手が野球を嫌いになるまで徹底的に叩いていいわけではありません。この理屈でコールドゲームという制度があります。あまりに実力差があるケースではあまり有効に働いているとは思えませんが・・・

次に、リードされている側がする場合です。
盗塁にはアウトになるリスクがあります。野球はランナーがホームに帰ってきて初めて得点が記録されるスポーツですから、基本的にはランナーをためないといけません。
パスボールやワイルドピッチ、ランナーがいるのにピッチャーが振りかぶる等のケースでは次の塁を狙うことは責められませんが、それ以外だとまずいです。
というのも、意図的に盗塁死することによる無気力試合や、チームの勝敗にかかわらない個人成績の追求などにつながり、結果として無気力試合になるためです。

今回のケースでいえば、12対4と8点差がついている状況での盗塁です。しかもイニングは8回です。リードしているキューバからすれば相手が試合を投げたように見えたのでしょう。
ましてやキューバは社会主義の国で、有望な選手が他国へ亡命してMLB入りするなどの背景がある国です。個人主義への報復は、日本に対してだけでなく自国のチームに対するメッセージでもあったのではないでしょうか。

野球のUnwritten Rule(不文律)とどう付き合う?

大量リードされている状況なら盗塁というリスクを冒すよりも、まず塁にランナーを貯めることが第一じゃないでしょうか?暗黙のルール以前に、作戦として盗塁させるのはどうなのかと。
作戦として疑問符がついても、とにかくやる姿勢を見せることが大事というのが日本の野球の根本に流れている精神なのかもしれません。(高校野球における最後のバッター1塁ヘッドスライディングとか)
ただ、最後まであきらめないというのなら、バッターがストライク・ボールを見極めるとかファールで粘るとかいう攻撃の方がまだ効果ありそうな気がします。

まあ報復行為の牽制球というのもどうかと思いますが。
「何セコイことやってるんだよ、お前の盗塁なんか単なる個人記録でしかないんだよ」と、悪態をついて次のバッターを連続三振くらいに仕留めた方がカッコイイし、相手に与えるダメージも大きいでしょう。

野球のUnwritten Rule(不文律)とどう付き合う?

点差が開いているとはいえ、無死一塁で盗塁してはいけないなんていう暗黙のルールは
おかしい。屁理屈ですが、これがだめなら大量点差でのゲッツーも禁止にするべきでし
ょう。まあ文化の違いなんでしょうが、実際に大量点差をひっくり返す試合もあるわけ
で、勝っていようが負けていようががむしゃらに点を取りにいくのは当たり前と思うん
ですけどね。

あと気になるのは報復行為が許されていることですね。警告試合になるとしても1度目
は見逃されているわけですよね。今回の多木選手は大きな怪我にならず良かったですが
、選手の安全を考えると、報復行為は即退場といったように、なんらかの対処が必要だ
と思います。

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