2012年01月08日
箱根駅伝復路
'これ以上ない悔しさを “勝てるチーム”になるための糧に'途切れた思い それでも最高の走りを復路では10位までに与えられるシード権を目指すも、厳しいレースを強いられた。6区野中久徳(体3)は初の山下りで自身納得の走りを見せるも、7区松谷公靖は区間最下位に沈み、総合順位をシード権外の12位まで下げてしまう。 そして迎えた8区。吉川修司(体1・写真左)は「自分がなんとかしなければ」と必死に前を追った。しかし、初の箱根路であまりにも厳しい現実がルーキーを待っていた。 吉川の到着を待つ戸塚中継所。9区小松紀裕(政経4写真右)にとっては、最初で最後の箱根駅伝だ。昨年の同大会ではけがで出場することができず、今年の全日本大学駅伝では脱水症状に見舞われ、満足のいく走りはできなかった。「箱根路ですべてを晴らしたい」と意気込み、仲間の思いがこもったタスキの到着を待った。各校のランナーが次々に中継所を出発していく。1位の東洋大が戸塚中継所を出てから18分過ぎたときだった。
「スタートラインに立って」 何が起きたのかわからない小松に真新しい白いタスキが渡される。1位の大学が出発してから20分経つと、道路事情の関係から繰り上げでのスタートが行われる。前の区を走った選手の到着を待つことなく、仲間の思いのつまったタスキを手にすることができないままで、大会側の用意した白いタスキをつけて、走り出さなければならない。 「まさか繰り上げに……」。小松は白いタスキを受け取った。「30秒前」とカウントダウンが行われ、中継所は異様な雰囲気に包まれる。 「4年間目指し続けた箱根駅伝。最初で最後の箱根駅伝を走ることができる。やっと始まるんだ」という気持ちの中で、下に目を向けると、母校のタスキはそこにはない。それでも小松は心に決めた。 「集大成の箱根路で今まで自分を支えてくれたたくさんの人たちに、今できる最高の走りを見せよう」 3、2、1――。合図が鳴る。沿道のため息と、「頑張れよ!」という声に押し出され、小松が白いタスキを身につけ、箱根路へと駆け出した。 それからわずか30秒。吉川が戸塚中継所に辿りついた。「到着しても何がなんだかわからなかった……」。沿道の「よく頑張った」「お疲れ様」という声援の中で、力を出し切り、サポートの仲間に倒れこむ吉川。その手には仲間の思いと汗とがつまったタスキが力強く握られていた。(野瀬) 6区 芦ノ湖―小田原 野中久徳(体3・写真左下)区間13位 総合8位 7区 小田原―平塚 松谷公靖(体3・写真右下)区間20位 総合12位 8区 平塚―戸塚 吉川修司(体1)区間20位 総合12位 9区 戸塚―鶴見 小松紀裕(政経4)区間12位 総合12位 10区 鶴見―大手町 海老原匠(体4・写真最上部)区間17位 総合12位 ★レース後の様子はつづきを読むへ
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posted by tokaisports |15:25 |
陸上競技部 |
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復路では10位までに与えられるシード権を目指すも、厳しいレースを強いられた。6区野中久徳(体3)は初の山下りで自身納得の走りを見せるも、7区松谷公靖は区間最下位に沈み、総合順位をシード権外の12位まで下げてしまう。
そして迎えた8区。吉川修司(体1・写真左)は「自分がなんとかしなければ」と必死に前を追った。しかし、初の箱根路であまりにも厳しい現実がルーキーを待っていた。
吉川の到着を待つ戸塚中継所。9区小松紀裕(政経4写真右)にとっては、最初で最後の箱根駅伝だ。昨年の同大会ではけがで出場することができず、今年の全日本大学駅伝では脱水症状に見舞われ、満足のいく走りはできなかった。「箱根路ですべてを晴らしたい」と意気込み、仲間の思いがこもったタスキの到着を待った。各校のランナーが次々に中継所を出発していく。1位の東洋大が戸塚中継所を出てから18分過ぎたときだった。
「スタートラインに立って」
何が起きたのかわからない小松に真新しい白いタスキが渡される。1位の大学が出発してから20分経つと、道路事情の関係から繰り上げでのスタートが行われる。前の区を走った選手の到着を待つことなく、仲間の思いのつまったタスキを手にすることができないままで、大会側の用意した白いタスキをつけて、走り出さなければならない。
「まさか繰り上げに……」。小松は白いタスキを受け取った。「30秒前」とカウントダウンが行われ、中継所は異様な雰囲気に包まれる。
「4年間目指し続けた箱根駅伝。最初で最後の箱根駅伝を走ることができる。やっと始まるんだ」という気持ちの中で、下に目を向けると、母校のタスキはそこにはない。それでも小松は心に決めた。
「集大成の箱根路で今まで自分を支えてくれたたくさんの人たちに、今できる最高の走りを見せよう」
3、2、1――。合図が鳴る。沿道のため息と、「頑張れよ!」という声に押し出され、小松が白いタスキを身につけ、箱根路へと駆け出した。
それからわずか30秒。吉川が戸塚中継所に辿りついた。「到着しても何がなんだかわからなかった……」。沿道の「よく頑張った」「お疲れ様」という声援の中で、力を出し切り、サポートの仲間に倒れこむ吉川。その手には仲間の思いと汗とがつまったタスキが力強く握られていた。(野瀬)
6区 芦ノ湖―小田原 野中久徳(体3・写真左下)区間13位 総合8位
7区 小田原―平塚 松谷公靖(体3・写真右下)区間20位 総合12位
8区 平塚―戸塚 吉川修司(体1)区間20位 総合12位
9区 戸塚―鶴見 小松紀裕(政経4)区間12位 総合12位
10区 鶴見―大手町 海老原匠(体4・写真最上部)区間17位 総合12位


1月2日、3日に大手町-芦ノ湖間で行われた箱根駅伝。前回大会同様、往路に村澤明伸(体3・写真左)・早川翼(理3・写真上)ら主力選手を並べ、前半から流れを作るオーダーで臨んだ。しかし、レース前の時点でチームには大きな不安があった。
村澤は11月に捻挫し、満足のいく調整ができず、2年連続で5区山登りに挑んだ早川も、極度のスランプに陥っていた。加えて、主将の栗原俊(体4)や、ルーキーながら主力級の存在感を見せていた中川瞭(体1)、石川裕之(工1)らがけがで離脱。危機的なチーム状態だったが、選手は「今までやってきたものをすべて出そう。できることを全力で」と心に決めて箱根路に挑んだ。
1区を任された元村が区間11位で、2区村澤へとタスキを繋ぐ。昨年、17人抜きのゴボウ抜きを見せたエースに、沿道からは「がんばれ!村澤」と大きな声援が送られた。しかし、距離が延びるにつれて苦しそうな表情を見せ始め、15㌔過ぎからは足をつってしまう。それでも前を追うことをやめなかった村澤は区間3位の走りで、チームを7位へと押し上げた。足に力が入らなくなるまでに自分を追い込み、3区刀祢健太郎(体4)にタスキを渡すと倒れ込んだ村澤。「もちろん満足はしていないが、今のコンディションでできる限りの力は出した」と話し、両角速駅伝監督も「練習が足りないと分かっている中で、あそこまで走れるのは素晴らしい」と称賛した。
エースの力走に最後の箱根路に懸ける3区刀祢、4区田中飛鳥(政経4・写真右)が奮起。両角監督が「この1年で一番良かった」と話す通り、ともに区間中位ながらも、一時は順位を4位まで押し上げる意地の走りを見せた。
往路の最終区・5区山登り。8位でタスキを受けた早川は序盤から飛ばした。レース前に懸念されていたスランプを吹き飛ばすペースで2人のランナーをあっという間に抜き去った。しかし最初の登り迎えた早川の姿を見て、両角監督は感じたという。
「やはり厳しいかもしれない」。
早川にとって、箱根駅伝の行われる1月は鬼門だ。毎年この時期になると、コンディションが下がってしまう。医者に診てもらっても、特に異常は見つからない。しかし練習でも2、3㌔走っただけで、20㌔走った後のような疲れが足を襲うという。その中でも早川は「1年生のころより状態は良い。焦っても仕方ない。できる走りを一生懸命に、任された区間をチームの為に必死に走る」と決め、山に挑んでいた。
しかし、レース後に早川自身が「やはり、箱根は帳尻合わせで走りきれるほど甘くは無かった」と話す通り、天下の険は牙をむく。厳しい登りに対応するために目指したリズムで押していく走りはできず、追い抜かれたランナーについていくことさえもできなかった。区間14位となり、順位を8位に落とし、ゴール。早川は仲間に向けて「申し訳ない」と声を振り絞った。両角監督は「自力があるだけに、箱根駅伝のたびに状態が上がらず苦しむ姿を見るのは……。なんとかしてあげたいんだけどね……」と肩を落としていた。(野瀬)
1区 大手町―鶴見 (21.4㌔) 元村大地(体2・写真左下) 区間11位 総合11位
2区 鶴見―戸塚 (23.2㌔) 村澤明伸(体3) 区間3位 総合7位
3区 戸塚―平塚 (21.5㌔) 刀祢健太郎(体4・写真右下)区間9位 総合4位
4区 平塚―小田原(18.5㌔) 田中飛鳥(政経4)区間8位 総合8位
5区 小田原―芦ノ湖(23.4㌔) 早川 翼(理3) 区間14位 総合8位
前回の箱根駅伝では、往路で下級生が流れを作り、復路で4年生が粘るという作戦を見事成功させた東海大。「次の箱根駅伝でも前回大会の再現をしたい」と両角駅伝監督は語っており、4年生選手の力が勝利への鍵となる。学生最後の大舞台を控えた彼らに胸の内を聞いた。(高橋)






前回の東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で総合4位に入り、三年ぶりに来年の箱根駅伝と出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)の出場権を獲得した東海大。好スタートを切った今年はチームにとって変化の一年となった。
今年4月、高校駅伝の名門・佐久長聖高校で指揮をとっていた両角速氏(体育学部準教授)が駅伝監督に就任。両角監督は、佐久長聖高時代からクロスカントリーを使用した指導を中心に行ってきた。それを東海大でも取り入れようと、学内にクロスカントリーコース(クロカン)を作成。クロカンを使用した練習が主になり、筋力や体幹が鍛えられたという。
夏には紋別・富士見・菅平(2回)・阿蘇で計5回の合宿を行った。秋から始まる駅伝シーズンに向け、合宿前半で距離を踏み、後半でスピード練習に移行していくという形をとった。
そして、迎えた10月10日の出雲駅伝。5位でスタートし、一時は6位まで順位が下がるも5区の小松紀裕(政4)、6区の村澤明伸(体3)がひとつずつ順位を上げて4位でゴール。しかし、出雲のシード権獲得順位・目標順位ともに3位以内だったため、悔いの残る結果となった。
11月6日には全日本大学駅伝対校選手権大会(全日本)に出場。1区の早川翼(理3)が2位でつなぐと、2区の吉川修司(体1)がエース区間で粘り強いレースを展開。結果的に7位まで順位を下げるも、それ
ほどタイム差は広げずにつないだ。3区では中川瞭(体1)が矢澤曜選手(早稲田大)に食らいつきながら3位まで順位を上げるも後半区間で流れに乗れず、6、7区では8位まで後退した。アンカーの村澤が巻き返しを図るも7位に終わり、来年の全日本のシード権も逃した。
そして、今年のチームで挑む“最後の駅伝”箱根駅伝もいよいよ一週間後に迫った。シーズン当初は「3大駅伝3位以内」という目標を掲げていたが、出雲、全日本と厳しい戦いになり、箱根駅伝の目標は「4位以内」に変更した。しかし、決して弱気の変更ではない。「二つの駅伝を戦って、3強(早稲田大・駒沢大・東洋大)の力は揺るぎないものだと感じた。そのほかではトップを取りたいという気持ち、そして来年度につながるレースにしたいという気持ちから総合4位を目指す」と両角駅伝監督。
目標は前回と同じ4位でも、その中身は違う。予想以上の高順位、そして3年ぶりのシード権獲得に沸いた前回。目標を変更して「高望みして失敗するよりは、堅実な目標を掲げたほうがよい」と栗原俊主将(体4)が語るように、堅実なものとして自信を持てるようになった今回。箱根駅伝では、心身共に成長した東海大の力走に注目だ。(高橋)




