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【陸上競技部】駅伝チーム特別連載④野中久徳

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                      「今できることを」
             けがに泣いたシーズンも 将来の糧に

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箱根駅伝予選会(10月20日)敗退、全日本大学駅伝(11月4日・全日本)12位。陸上競技部駅伝チームにとって屈辱のシーズンを、ただ見つめることしかできなかった。昨年度、箱根駅伝初出場(6区・区間13位)を果たし、主力として今年度を迎えた野中久徳(体4)。しかし、夏合宿で負った左足甲のけがが響き、箱根駅伝予選会、全日本ともに出場ならず。最後の駅伝シーズンは出番なしに終わった。それでも、「走れない今だからこそ、やれることはある」。走りで貢献できない悔しさをこらえ、将来へ向けて動き出した――。(小平) 記事は「続きを読む」へ→





tokaisports-372989.jpg  「(タイムは)危ないぞ。頑張れ!」。41年連続の箱根駅伝出場をかけた予選会当日。国営昭和記念公園を駆け抜けていく12人の仲間たちを、16㌔地点で祈るように見守った。9月上旬に長野県菅平高原で行われた夏合宿途中に左足の甲を痛め戦線離脱。「予選会には間に合わせる」と個別メニューでの調整に専念したが、痛みは治まらなかった。陸上競技を始めた中学校時代からあこがれだったという箱根駅伝。自身2度目の出場を仲間に託し、声をかけ続けた。しかし、祈りは届かなかった。チームは12位で予選会敗退。「自分は走っていない。なにかを言える立場ではない」。静かにその現実を受け止めるしかなかった。

 その後は2週間後に控える全日本への調整に切り替えたが、症状はさらに悪化。10月末には走ることもやめ、欠場を決断した。「(予選会の前から)厳しい状態かなとは思っていた。最後の年が夏前に出場した大会で終わると思うとつらかった。けれど何度も痛めていた部分だったので無理はできなかった」。全日本に向けて士気を高めるチームメートを横目に、「なかなか切り替えられなかったし、次の目標もすぐには見つからなかった」。

tokaisports-372991.jpg それでも、少しずつ前を向いた。「この時間を無駄にするわけにはいかない」。先は見えなかったが、決して向上心を失うことはなかった。課題に挙げていた筋力の弱さを克服するため、毎日朝と放課後には2時間程の筋力トレーニングを実施。体幹や上半身を中心に黙々と鍛え続けた。

 以前から考えていたというフォームの修正にも取り組んだ。「重心がかかとに乗るクセがあり、それが今のけがの原因の一つ」と、指のつけ根に重心を置き前傾姿勢を意識。全身で体重移動できるようなフォームを研究した。調整方法も自ら考案し、はじめは身体への負担が少ないウォーキングでフォームを矯正。関連本を何冊も読み込み、競歩ブロックの児島大祐コーチ(体育学部非常勤講師)にも助言を仰いだ。「良いフォームで走るには、良いフォームで歩くこと。良いフォームで歩くには、良い姿勢になること」。学んだ知識を生かし、普段の生活からも“フォーム”を意識した歩き方、姿勢を心がけた。「練習で1時間歩くよりも、普段の10分間の徒歩移動を6回、しっかりと意識して歩いた方が効果的」と四六時中、競技のことを考えた。

 「陸上競技は走るだけだからこそ、ごまかしが効かない。まだまだ自分の知らないことがたくさんあって、競技の楽しさ、考えることの面白さを知ることができた」

tokaisports-372992.jpg あらためて感じた走ることの楽しさ、奥深さを噛みしめながら、12月上旬には再び走り始めた。自身のフォームを何度も動画でチェックしながら徹底的に身体に覚えさせる。「今までは足だけで走っているような感覚だったけれど、今は全身で進んでいく感覚。このフォームに慣れれば足だけに来ていた負担や疲労も少なくなると思う。その分、今まで使っていなかった部分の筋力が必要になっているが、トレーニングのおかげで耐えられている。やってきたことが実を結び始めた」。けがに泣いた苦悩のシーズンを、さらなる飛躍の糧に変えてみせた。

 卒業後は西鉄駅伝部への入団が内定している。「フォームもまだ修正の途中で、これから改善するべきことが出てくるかもしれない。けれどその時々で考え、また修正していく。入団後は1500㍍からマラソンまでいろいろなことにチャレンジしてみたい。自分がどこまで通用するのか、今はとにかく楽しみ」。あくなき探究心と、努力を惜しまない競技愛が、野中の新たな挑戦を後押しする。


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