2009年03月27日

ヤマザキナビスコカップ予選Aグループ1節 大宮-新潟戦 大宮、初タイトル獲得への第一歩を踏み出す!今のサッカーは好みではないが、先の完成形には期待が持てるようになった

平日に行われたヤマザキナビスコカップ予選1節 大宮-新潟戦。
さいたま市は、雨の予報ではあった。
しかし、昼間に降っていた雨は上がり、前半戦に数分間、豪雨に見舞われたものの、予報に反して90分間雨の中での観戦は免れた。
ただ、気温は6度近くまで下がり、凍てつくような寒さは容赦なくサポーターの体を冷やした。
幸運にもこの日私は、自宅からスタジアムに向かい万全の防寒準備をしていたったので寒さに悩まされることはなかった。
むしろ、応援によって温まる身体のほてりと、温まれば温まる程、色濃くなる白い息が、テレビで目にする冬の欧州のスタジアムでのサポーターの姿とシンクロして新鮮に思えた。
ただNACK5スタジアムは屋根がない分、雨風に曝され、どうしても欧州のスタジアムより寒さに弱い印象を持った。

プレビュー1節 大宮-清水戦
 試合は、高木・土岐田・渡部選手3名が今期初スタメンの大宮と、代表チームへ招集の矢野選手、大宮との契約の問題でペドロジュニオール選手を欠いた新潟。 共に大宮1勝2分、新潟2勝1分と今シーズンこれまで負けのないチーム同士の対戦であった。 新潟は、FWの両翼不在のためリーグ戦で好調な4-3-3システムでなく4-4-2システムで試合に臨んだ。 序盤は、大宮のプレスが効いていたものの、すぐに新潟がボールをコントロールする展開になった。残念ながら、今シーズン、新潟の試合を観ていないため前節までの新潟と、この試合の新潟の出来を比較することできなかった。  新潟の方はボランチ2人(本間・千葉選手)とオフェンシブハーフの2人(マルシオリシャルデス:以下マルシオ・松下選手)を中心にテンポよくボールを回した。しかし、中盤でボールが回るも2トップへ上手くボールが渡っていなかった。田中亜土夢選手は左サイドに流れるばかりで、ゴールへの意欲あるプレーが乏しく、大島選手はポストプレーやとしてよく前線から顔を出していたが、いかんせん大島選手一人ではなかなか状況を打開するまでには至らなかった。 新潟は、ポゼッションは高めるが、アタッキングサード以降、上手くゴールを狙えず、何度も大宮のディフェンス陣に跳ね返された。 そのような状況のなか、前半24分、橋本選手のコーナーキックを合わせマト選手が先制点を奪う。 新潟も橋本-マトラインは警戒をしていたと考えられるが、マトを防ぐことができなかった。その後も新潟は、多くの時間ボールを支配するも同点に追いつくことができずに前半戦は終わった。 後半戦に入ると徐々に新潟の左SBジウトン選手に効果的なオーバーラップを許すようになる。そして後半13分に新潟の素早いパス回しから左SBジウトン選手に渡ったところで、大宮渡部選手が堪らずファールを犯す。 このファールから得たフリーキックからこぼれ球をジウトン選手が確実にゴールを決めて同点とした。 新潟は、同点のタイミングでチョヨンチョル選手を投入し攻勢に出たが、大宮も立て続けに藤本選手、藤田選手をピッチに送り込み、その後両チームとも勝ち点3を獲りに行く攻撃的な展開になった。 そして、後半37分、大宮は冨田選手からのフィードを藤田選手がヘディングで落とし、そのボールを石原選手が永田選手を背負いながら反転してシュート。 新潟GK北野選手もタイミングを外され反応することができずに勝ち越しゴールを決めた。 このゴールが決勝点となり、大宮が勝利した。結果、大宮は新潟に今シーズン初の黒星をつけた。 大宮は、昨シーズン天皇杯5回戦名古屋戦(2008年11月15日)の敗戦以後から続く不敗記録を「7」に伸ばした(ちなみにリーグ戦は昨シーズン30節から8試合負けなし)。 今の大宮サッカーは好みではないが、その完成形には期待が持てるようになった この試合も、大宮はそれまでのリーグ戦同様、ボールを保持したら素早く攻撃に切り替え、相手のディフェンスラインの裏を突くようなプレーを徹底した。 この素早い攻撃がロングフィードを多用した単調なものになりがちで、且つその攻撃の精度が低いことは開幕戦から指摘をした。 ただ、2節広島戦(A)、3節神戸戦(H)と試合を重ねるごとに、攻撃の雑さは改善され、FWがタメを作れることによって攻撃の多様性も増してきた。 新潟戦も、攻撃のカタチが改善されつつあるとはいっても、ボールをロストすることも多く、どうしても新潟のボールポゼッション率が多くなり大宮としては我慢の展開となった。 守備の時間が長くなるとリーグ戦3節で感じた「前線から守備へのマンネリ」に陥るのではと懸念したが、この試合については、「守備への倦怠感を感じることはなかった。 これは石原・市川・渡部選手などレギュラー獲得を目指したモチベーションの高い選手が前線で出場していたこと、また試合後のチャン監督のインタビューで判明したことだが、守備に関してただ闇雲にボールを取りにいくのではなく、チームとしてコンセプトが出来つつあるらしく、前線の守備に関して適切な「競争」と「共有」がなされていることが理由である。 これではマンネリになりようがない。 2009開幕戦(1節) 大宮-清水戦 2008年樋口大宮サッカーをベースにしたチームづくりが出来たのか?チャン大宮サッカーは伝わってきた。ただ、やっているサッカーの先にACL出場権獲得は見えるのか 3節 大宮-神戸戦 FW藤田へのクサビによって攻撃でのタメができつつある。だが忍びよるハードワークのマンネリ化 大宮サッカーをシーズン通して続けられるのか 新潟戦後のチャン監督のコメント 石原は攻撃の面で自分を発揮してくれたし、守備でもただボールを奪いにいくのではなく、スペースを埋めるなどチームコンセプトに従って非常に貢献してくれました。(公式より) 開幕戦を観戦した際に、チャン監督の目指すサッカーに疑問を呈したが、その後3試合を観戦しその考えが変わりつつある。 大宮の試合をみていると非常に可能性を感じるようになってきたのだ。 チャン監督が重視するのは、「攻守の速さ」「判断の速さ」「運動量(走る)」だと解釈している。 開幕戦から現在までチャン監督が目指すサッカーはブレていない。 開幕戦では、攻守の切り替えの速さ、判断の速さを重視するあまり、プレーの精度が著しく低下し大宮のサッカーをみていて非常に不安を覚えた。 4試合が終わった今も、開幕戦と比べて大きくプレーの精度が高まった訳ではなく、私好みのボゼッションサッカーをしている訳ではない。 ただ、徐々にプレーの精度が高まりつつあること、そして何よりチームとして攻守の速さや判断の速さが共有されつつあるのだ。 つまり、選手らが素早いプレー・判断のスピードに慣れつつあるのである。 この試合もまだ、まだ相手のチェイシングと早い判断が迫られる中で、ただ闇雲にクリアをしたり、ただ前に蹴り込むだけのプレーが多かった。 しかし、大宮の選手らの攻撃への切り替えが早く新潟の選手がついてこれないプレーが何度かあった。 昨年からの懸案だった両SB波戸・土岐田選手のオーバーラップも、この試合、何度か効果的なプレーを見せた。 これは、選手らが描くサッカーとそのスピードが共有されていることに他ならない。 通常、目指すサッカーを明確であり、そのサッカーを実践するために、まずはスローダウンした状態からそのサッカーのトレーニングをし、徐々にスピードを上げていくプロセスを取るのではないだろうか。 意外に、選手間のプレーのスピードや判断の速さの優先順位は低いのである。 例えば、ポゼッションサッカーを標榜するチームがまずトレーニングすることは、ボールを繋ぐことであり、スローダウンした状態でポゼッションを高めることができて初めてスピードを上げていくことを考えるだろう。 スローダウンした状態で目標とするポゼッションサッカーが出来たとしても、試合に勝つポゼッション、つまりボールスピードや判断の速さなどをチームで共有するのは非常に難しいし、それほど重要に考えていないことが多い。 チャン監督が、チームのつくり方は全く逆だったようだ。 まず、攻守のスピードや判断のスピードは落とさない。 その速い展開のなかでのミスや精度の低いプレーは、それほど重く考えていないようだ。 早い展開と判断スピードをチームで共有しながら、徐々にプレーの制度や連携を挙げていくことをチャレンジしているのではないか。 同じサッカー観、同じスピード感を持った選手たちの連動性が高まるのは自然の流れである。 実際大宮も、まだプレーの精度が低いながらも、一度攻撃に移さった際の迫力は、昨シーズンに見せたものと同様かそれ以上である。 恐らくこれから先、主力選手が復帰し、若手が台頭するなかで、今出場している選手でもそのスピードでのプレーの精度を向上させることができずにポジションを奪われる選手もでてくるだろう。また、急激な成長をみせる主力選手もでてくるだろう。 このまま順調にチームが成熟していけば、チームが経験したことのない成果を出せるのではないか。 今、スタジアムで大宮が展開されているサッカーは好みではないのだが、その先にあるスピーディなポゼッションサッカーを期待しつつ今後も試合をみていきたい。
ナビスコカップ大宮-新潟
対戦相手新潟について 対戦相手新潟は、矢野選手とペドロジュニオール(PJ)選手が欠場して、今シーズン好調な4-3-3システムでスタートすることができなかった。 昨シーズンからチームとしての完成度は高かかったが、得点不足に泣いていた新潟。 大島・PJ選手を獲得して、ここまで好調を維持していた新潟だが、この試合でFW陣不在による得点不足を露呈した。 中盤までの展開は圧倒しつつも、最後のフィニッシュまでもっていけない印象をもった。ただ大島選手のポストプレーはやはり素晴らしく、もう一人スピード系のFWがいれば新潟がこの試合大勝する可能性も多いにあった。 この試合では、大島選手のパートナーは田中亜土夢選手ではなかったような気がする。 リサーチ不足だが、新潟には、名古屋の玉田選手、浦和の田中達也選手のようなスピードと圧倒的な運動量を合わせ持った選手はいないのだろうか。 通常PJ選手がその役割を担うのであろうが、今回のようにPJ選手の不在時にもう一人そのタイプの選手がいると新潟の攻撃も厚みがでるような気がする。 チョヨンチョル選手やブルーノ選手がそのようなタイプの選手なのかは現時点で私にはわからない。 新潟で目立った選手は、両サイドバックのジウトン選手と酒井高徳選手である。 ジウトン選手は、昨シーズン所属していたC大阪でウイングバックとして攻撃において圧倒的な存在感を示していたが、驚きは18歳になったばかりの酒井高徳選手である。年代別の代表に選出されているのは知っていたが、プレーを見るのは初めてだった。 基本的な技術があり、その技術をベースにして果敢に攻撃参加をするあたりは、ルーキーとは思えなかった。 今は、内田潤選手の代役で出場しているが、シーズン途中のレギュラー奪取もあるのではと思わせるプレーであった。 今週末は、ヤマザキナビスコカップ2節が行われる。 大宮は、アウェーでウェズレー、高松と2トップを欠く、大分と対戦する。 2節が終われば、ヤマザキナビスコカップは約2か月間空くのだが、この大分戦で勝つのと負けるのでは2か月間のリーグ戦にも精神的な影響を大きく異なる。 今週末の大分戦に勝利して、万全の状態で、4月からのリーグ戦に臨んでほしい。


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2009年03月25日

ヤマザキナビスコカップ2009開幕 若手起用と勝利の両立、準備は整った!大宮が本気で初タイトルを獲りにいく

本日、ヤマザキナビスコカップ2009が開幕する。
私が初めてJリーグ公式戦を観戦したのは、1992年ヤマザキナビスコカップ浦和-市原(現市原・千葉)であった。
あれから17年、これまで多くのクラブがJの聖杯を頭上に掲げた。
ヤマザキナビスコカップが、そのクラブが手にする初タイトルになったケースも多く、ヤマザキナビナビスコカップを優勝することでチームを飛躍させたクラブも少なくない。
特に2002年に浦和が初タイトルをかけて決勝戦に進出し(惜しくも鹿島に敗れる)、2003年が1年越しで念願のカップウィナーになったことでその傾向は顕著となり、Jリーグにおけるヤマザキナビスコカップの地位が向上した。
また、1996年からは個人賞ではMVPの他にニューヒーロー賞が設けられ、この大会が新興勢力クラブだけでなく、若手選手の登竜門としても重要な大会となっている。

ヤマザキナビスコカップがチーム初のタイトルとなったクラブ

1992年 ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)
1996年 清水エスパルス
1999年 柏レイソル
2003年 浦和レッズ
2004年 FC東京
2005年 ジェフユナイテッド市原・千葉
2008年 大分トリニータ


2000年以降のニューヒーロー賞受賞者

2000年 鈴木隆行(当時鹿島)
2001年 曽ヶ端準(鹿島)
2002年 坪井慶介(浦和)
2003年 田中達也(浦和)
2004年 長谷部誠(当時浦和)
2005年 阿部勇樹(当時ジェフ)
2006年 谷口博之(川崎)
2007年 安田理大(G大阪)
2008年 金崎夢生(大分)

 ヤマザキナビスコカップにおける大宮の成績をみると、J1に昇格をした2005年に一度決勝トーナメントに進出(ベスト8)したが、それ以外でヤマザキナビスコカップに出場した6大会で1回戦敗退、予選リーグ敗退と苦杯を嘗めている。

私が、大宮の応援をするようになったのは昨年の08シーズン。
ヤマザキナビスコカップでの大宮の動向を追ったのも昨年が初めてだったのだが、振り返ってみると昨年の大宮にとってヤマザキナビスコカップがとても重要な意味を持つ大会だったと思わずにはいられない。よい意味でなく、悪い意味で大宮の戦いに影響を及ぼしたと思っている。
特に、ターニングポイントとなった試合がある。
2008年4月16日に行われたヤマザキナビスコカップ2008Dグループ3節アウェー横浜FM-大宮戦の試合である。
 1節新潟戦(A)、2節横浜FM戦(H)とリーグ戦同様、主力メンバーで戦い2分けという戦績を残していた大宮。
まだ十分、決勝リーグ進出も可能であったタイミングのこの試合で、シーズン初出場2名を含む9名を、4日前のリーグ戦6節ジェフ戦のスターティングメンバーと入れ替えた。結果は、0-4の惨敗。以降ヤマザキナビスコカップでの3試合で勝利をすることはなかった。
 なぜ、3節(A)横浜FM戦でメンバーを入れ替えたかと言えば、この試合はリーグ戦の合間の平日開催でスケジュールがタイトだったこと、更にその4日後に控えたリーグ戦の対戦相手が同じさいたま市をホームタウンとする浦和だったことが考慮され、所謂「主力温存」策として大幅なメンバー交代が行われた。
 以前、この件について書いたエントリでも語ったが、主力温存という選択は、監督が取り得る戦略のひとつである。
 ただし、サポーターとしては、例えその試合が「捨て試合」だとしても、可能な限り勝利を目指してほしいし、例え負けたとしても意味ある試合にしたいと思うものである。
 主力温存をして、単に試合に負けたというだけでは監督として芸がなさすぎる。

私がこの試合での主力温存という采配で唯一不満に思うのは、出場させたバックアップメンバー(若手選手)が、出場できるだけの準備がなされなかったということである。
ただでさえ、能力的・コンディション的理由によってその時期、バックアップメンバーに甘んじていたメンバーを、事前に実践経験を積ませることなく突然、ピッチに送りこんだのである。
これは完全に当時の監督・樋口前監督の采配ミスである。
おそらく当時、横浜FM戦に出場し大敗したバックアップ選手らは大きく自信を失ったに違いない。
また、チーム内で、ヤマザキナビスコ杯の位置づけが不明瞭になり、ヤマザキナビスコカップのチーム内における優先度・モチベーションは下がったはずだ。

そして何より樋口前監督が、この試合以降、積極的にバックアップメンバー(若手選手)を起用しなくなってしまったのだ。試合(実践)を通じて、バックアップメンバー(若手選手)を育てるという思考が停止してしまったのである。
予選リーグが敗退した決った以後のヤマザキナビスコカップでの「消化試合」でも、バックアップメンバー(若手選手)を起用することはなかった。
結果的に、この主力選手の重用、バックアップメンバー(若手選手)軽視は、その後のリーグ戦中盤以降のチームの低迷の遠因になった。

樋口前監督の最大の罪は、若手選手を育てなかったことだと思っている。
そしてその契機となったのが、この3節横浜FM戦(A)での選手起用だったように思う。
あの試合、戦略的に若手を起用していれば、その後も若手は積極的に起用され、昨シーズンの終盤の残留争いにも巻き込まれなかったかもしれない。

大宮アルディージャのヤマザキナビスコカップでの成績

1999年 1回戦敗退 対横浜F・マリノス(1-1)(0-3)
2000年 1回戦敗退 対ヴィッセル神戸(0-4)(0-2)
2001年 1回戦敗退 対ジェフユナイテッド市原(当時)(1-1)(0-1)
2002年 不参加
2003年 不参加
2004年 不参加
2005年 準々決勝敗退(予選リーグ突破)対横浜F・マリノス(0-1)(1-3)
2006年 予選リーグ敗退
2007年 予選リーグ敗退
2008年 予選リーグ敗退


【2008年4月23日】
いかにバックアップメンバーを起用するか?~大宮アルディージャの場合~

【2008年5月27日】
スタンドでの募金活動だけではなく、ピッチで君たちのプレーを観たい!~ヤマザキナビスコカップ4節大宮-大分戦 観戦備忘録~

【2008年6月3日】
ヤマザキナビスコカップ第5節大宮-新潟戦~心臓がなければ血は循環しない。大宮の心臓 No.32小林慶行~

チャン監督は準備万端、若手起用と勝利の両立、本気で初タイトルを獲りにいく

今年のヤマザキナビスコカップに対する大宮のコンセプトは明確である。
チャン監督が、

「ヤマザキナビスコカップではいろんな選手を使っていきたいと思います。もちろんJリーグの規定に沿ってやりますし、我々も他のチームと同じく優勝をねらっているわけですから、新しい選手を試しながらその時点でベストと言えるメンバーを組んでいくつもりです。」(公式サイトより)

と語るように、バックアップメンバー(若手選手)の積極的な起用と、大会の優勝を明言している。
この2つの目標を実現するためにチャン監督はしっかり準備をしてきた。チームを指導スタートさせたグアムキャンプから、実績に拘らずパフォーマンスの高い選手を積極的起用してきた。チーム内で健全な競争が行われ、選手のモチベーションは高まっている。
大宮サポーターも、ヤマザキナビスコカップの試合で、誰が出場しても単なる「主力温存」とは感じないだろう。むしろ新しい選手を起用する積極的なチャレンジだと考えるに違いない。
 今の状況なら、主力組から若手選手へ大幅にメンバーを変えても大きく戦力が低下することもないだろうし、バックアップメンバーのコンディションの調整不足ということもないと思うが、おそらくチャン監督は、大幅なメンバー入れ替えはしないと思う。
なぜなら、より実践的に選手起用を考えれば、主力選手とバックアップ(若手選手)選手を融合さるのが得策と考えるに違いないからだ。
結果的にバックアップメンバー(若手選手)の実践的な起用が、今後のリーグ戦での大宮の貴重な戦力になっていく。
ヤマザキナビスコカップは、考えようによっては、チーム力を向上させるとても有益な大会なのである。

今年の大宮は、初タイトルを取りにいく準備は整えている。
大宮の歴史に新しい1ページを拓く大会にするために本日の開幕戦はぜひとも勝利をしてほしい。

ヤマザキナビスコカップ第1節 新潟戦(ホーム)前日練習レポート

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2009年03月24日

3節 大宮-神戸戦 FW藤田へのクサビによって攻撃でのタメができつつある。だが忍びよるハードワークのマンネリ化 大宮サッカーをシーズン通して続けられるのか

3月21日(土)Jリーグ3節 大宮-神戸戦@NACK5スタジアム。
ホーム初勝利を目の前で見届けるためスタジアム観戦をしたかったのだが、指導をしているサッカーチームの練習があったため泣く泣く録画観戦をした。

FW藤田へのクサビの精度は確実に向上している

この試合もスターティングメンバー(以下スタメン)起用されたFW藤田祥史選手。
過去2試合、彼は、攻撃以上に相手のボールポゼッション時の守備での貢献度が高い。
決して彼のFWとしての攻撃力に疑問を呈しているということではない。
昨年末にスカパ!で放送された08シーズンの鳥栖全ゴール集のなかに藤田選手の18のゴールも含まれていた。
18ある藤田選手のゴールシーンを見たときに、彼にすぐに結果を求めることや過度の期待をしてはいけないと感じた。
というのも彼のゴールシーンを振り返ると、彼はペナルティエリア内でダイレクトもしくはツータッチで勝負を決める、根っからのゴールハンターなのである。
彼が得点するには、良質なセンタリングやスルーパスなどチームとしてのお膳立てが必要だ。
鹿島のマルキーニョス選手や名古屋のダビィ選手のように個人の力で局面を打開してゴールチャンスを作るようなタイプのストライカーではない。
彼が得点を量産するには、チーム内での連携ができ、ペナルティエリア内で藤田選手に仕事をさせるためのカタチが求められる。
そのカタチを確立するにはもう少し時間を要すると考えていたからだ。
よって開幕するまでは、開幕戦のスタメンには、藤田選手ではなく、昨シーズン大宮で実績を残したクレメン選手が有力と考えていた。
しかし、実際はクレメン選手が調整不足ということもあり、開幕戦のピッチに立ったのは藤田選手だった。

3節神戸戦までの藤田選手のプレー振りは、予想以上に素晴らしかった。得点こそないが十分、評価できる働きをしている。
そこで私が、藤田選手を評価する3つのポイントを挙げてみたい。
1つ目は、既に何度も指摘をしているが、前線からの守備である。
彼の前線からのチェイシングによって、相手のビルドアップはプレッシャーを受け、中盤でのボール奪取の回数は確実に増えている。
2つ目は、予想以上にゴールへの嗅覚が優れていることである。この3試合で、チームとして相手ディフェンスを崩すプレーはほとんどなく、チャンスの多くは、相手が前掛かった、つまり相手自らでバランスを崩している状態でのカウンター(ショートカウンター)であったが、その数少ないシュートシーンのなかで得点感覚の優れたプレーを既に何度も披露した。おそらく現状、J1クラブのFWの中でも最もペナルティエリア内でプレーをしていないFWの一人である藤田選手が、今週号(4/7号No.1234)のサッカーマガジン(以下サカマガ)によれば、最も多くのシュートを放っているのである。
そして3つ目は、先日の神戸戦で非常に目立ったのが、ポストプレーである。
開幕戦から徐々にポストプレーの頻度をあげていったが、神戸戦では更にその数を増やしたように思う。
CBのマト選手にCHの新井選手や金澤選手とクサビの出し手の質も高まりつつあるという要因を差し引いても、数多くの場面で藤田選手がクサビのボールに顔を出した。
彼らがクサビのボールを受けることによって、中盤の選手が高い位置で前を向いてプレーでき、また両SBのオーバーラップを促す「タメ」を作ることができる。
他の選手が攻撃に参加しやすくなることで結果として、藤田選手が相手ペナルティエリア内で「仕事」をするチャンスも増えていくのである。
神戸戦でも、最終ラインからの精度の低いロングフィードは見られたが、確実に藤田選手に収まるクサビのパスも増えていることに今後の攻撃のカタチを見ることができた。
藤田選手が、得点ランキングに名を連ねるのもそう遠い話ではないように思う。

忍びよるハードワークへのマンネリ

神戸戦、攻撃面で光明を見出すことができたが、守備の面でいささか不安な面を覗かせた。
それは、今年の大宮の最大の特徴である「前線からのプレス」がかからなかった時間帯が多くあったことだ。
試合開始から、どうもFWがチェイシングを仕掛けるエリアが定まらない。
前節までなら2人のFWが積極的にチェイシングを仕掛けていたセンターサークル付近(神戸寄)でもFW2人によるプレスがかからなかったのである。
前線からのプレスがかからないと、バックラインも積極的にラインを上げることができずにズルズルとラインを下げていく。そうなると、FW・MF・DFの3ラインのバランスが悪くなり、時間が経つにつれ、神戸が効果的にバイタルエリアにボールを運ぶようになった。特に前半30分以降は、何度もボッティ選手や吉田選手にバイタルエリアを進入された。これは間延びしたFWとDFのラインの間でMFラインがバランスを取れなくなった。パスの供給者であるキムナミル選手や松岡選手、田中選手にプレスを掛けることができず、またボッティ・吉田選手らパスの受け手に自由にボールを持たれた。
チャン監督は、この原因を前日練習での調整ミスに求めたが果たしてそうだろうか。もし原因が過度の練習による疲労であるなら話は更に問題である。
これから続くリーグ戦でハードワークを続けられるとは到底思えない。

ただ、私は、この神戸戦で効果的なプレスがかからなかった原因は別にあると考えている。
それは、FWの守備に対する一種のマンネリだと考えている。
残念ながら今の大宮の前線からの守備も、FWの多くの無駄な走りによって成り立っている。無駄走りの中に攻撃の契機となるようなプレスが突発的に生まれる。
ただ2試合、多くの時間で走り続けるFWの選手からしてみれば、「自分の動きに意味はあるのか」「無駄な走りは極力減らしたい」という気持ちが生まれるのは自然な流れである。
やはり、無駄に走り続けるだけのサッカーに面白みはないのである。
クリアボールを追わせ続ければ精神的にも疲弊するのも当然だ。
走ること一つひとつにももっと意味を持たせなければならない。

後半に入ると更にその傾向は顕著になり、多くの時間を神戸にボールをキープされるに至った。途中、石原選手、渡部選手ら新しい選手を投入することでこの神戸戦に関しては前戦からの守備におけるマンネリを解消したが、根本的な解決にはならないと思う。
FWである彼にもっと攻撃に関与させるような機会をつくらなければならない。
チャン監督が標榜する「走るサッカー」は、決して守備だけのものではなく、攻撃にも通じるキーワードであるはずだから。

対戦相手ヴィッセル神戸について

大宮は、チームが発展途上段階にある段階で神戸と対戦できたことを幸運に思うべきかもしれない。川崎戦・大宮戦と観戦したが今年の神戸は台風の目にありそうな予感がする。
新戦力の怪我に見舞われ、フルメンバーで試合が組めない中、現有戦力でカイオジュニオール監督は、上手くチームを作っていると思う。
前節川崎戦では、みることができなかったポゼッションを大宮戦では高めることができた。
また、横や後ろへのパスも多いが、何度か効果的な縦パスが通した。
また前節川崎戦同様、中盤では吉田・ボッティ(後半は鈴木規選手)、そして今シーズン初出場の田中各選手が流動的にポジションチェンジを行い、大宮守備陣を錯乱させた。特に田中英雄選手は、無尽蔵に攻守に渡り動きまわった。結局、大宮のディフェンス陣は、最後まで彼らを捕まえることができなかった。大宮がラインを下げたこともあり、バイタルエリアでのプレーが多くなった。
後半15分の吉田選手のゴールもそういった状況下で生まれた。
この先制ゴールに関しては、得点した吉田選手をキムナミル選手が追い追い越し、2対1の局面をつくったことに注目したい。大宮波戸選手の守備を非難するよりも、神戸の厚みのあるカウンターを褒めるべきである。
マルセウ、アランバイーア選手など新戦力が揃ったらどのようなサッカーをするのだろうか。
また一つJリーグでの楽しみが増えた。


最後に、個人的に応援している石原直樹選手が、J1初ゴールを記録したことを心から喜びたい。
記念すべきJ1初ゴール
今後の更なる活躍を期待したい。

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2009年03月21日

3節 大宮-神戸戦(プレビュー) 神戸の理想は、ラインを上げたポゼッションサッカーとサイド攻撃、大宮は神戸のポゼッションを阻止できるか

昨シーズン10位の神戸と12位の大宮。
大宮は2005年のJ1昇格以降毎年残留争いを経験し、神戸は07年、08年シーズンと大宮を上回る10位だったものの、06年シーズンにはJ2降格を経験するなど、両クラブともコンスタントにリーグ上位に食い込む強豪クラブとまでには至っていない。
一般的にも中堅クラブの神戸、下位クラブの大宮というイメージは強い。
しかし、この2つの中堅・下位クラブの今シーズンの目標はとても高い。
両クラブともACLの出場権獲得をクラブの目標としており、シーズン前には共に新しい監督を招聘し、積極的な戦力補強を行った。
神戸には、元日本代表の宮本・我那覇選手、ブラジルからマルセウ・アランバイーア選手が加入し、大宮には、藤田・石原・マトにパク選手などの新戦力が加入した。
奇しくも共に現役日本代表である中澤佑ニ選手に対し、横浜FMを上回る待遇のオファーを出したが獲得するに至らなかった。
神戸も大宮も現役日本代表選手が喜んで加入するクラブではないという現実があった。
さしずめ、今シーズンはともに、結果を残し、近い将来優勝を狙えるチーム、現役日本代表が喜んで加入するような「格」のクラブへの変革が求められている。

昨シーズンは、リーグ戦では2度対戦するも、共に神戸が勝利をしており「地力」においては神戸が勝っている。
しかし、神戸は昨シーズン攻撃の中心であった大久保・レアンドロ両選手を放出しており、両クラブともリーグ内におけるポジションは似ている。
大宮としては今年結果を残すためには、絶対に負けられない相手である。
大宮、神戸両クラブ・サポーターにとって負けられないこの試合を、前節広島-大宮戦、神戸-川崎戦を観戦した感想を踏まえながら考えてみたい。

共に上向きの神戸と大宮、神戸はポゼッションサッカーかそれともカウンターサッカーか

今週号(3/31号No.1233)のサッカーマガジン(以下サカマガ)で、カイオジュニオール監督のインタビューを読むことができた。カイオジュニオール監督はインタビューで、神戸に攻撃するという哲学を残したいと述べている。
加えて、攻撃的なサッカーをするために、ボール奪取率を上げること、またサイド攻撃を多用することを挙げている。
前節川崎戦では、両チームとも中盤でのプレスを掛け合うの展開。
前半、神戸のバックラインの裏に淡泊に球を入れる川崎の攻撃に、押し込まれる時間はあったものの、宮本選手が中心に、バックラインを上げ、チーム全体をコンパクトする意識を強く感じた。
攻撃も4-2-3-1の「3人」(ボッティ・吉田・馬場選手)がポジョンを流動的に変えながらサイドに攻撃の起点を作った。
3人のMFが左サイドに攻撃の起点を作った後に、効果的なサイドチェンジによって右サイドから右SBの石櫃選手が攻め上がり、何度かチャンスを作る場面も目にした。
 前述のサカマガのインタビューでカイオジュニオール監督は、ボール奪取の要素としてチーム全体をコンパクトに保ち、ファールをせずにボール奪うこと、またサイド攻撃に重要な要素としてポゼッションと良質なサイドチェンジを挙げている。
まだカイオジュニオール監督が目指す攻撃のカタチ-組織的なボール奪取からのサイド攻撃―には程遠いまでも、この試合で神戸の新しい攻撃の片鱗を垣間見ることができた。
川崎戦では前半終了間際にチョン・テセ選手にゴールを奪われたが、後半開始早々、須藤選手のゴールで追いつき、松橋選手による追加点を得たことで川崎は前掛かりになり、神戸のカウンター色は強まったが、ハイプレスとサイド攻撃への意識は試合を通じて貫いた。

 加えて川崎戦では、開幕戦で出場したマルセウ、アランバイーア選手、そして守備の要である北本選手を怪我で欠き、厳しい戦いになると思われたが、代わりに出場した須藤・松橋選手や小林選手、怪我から復帰したボッティ選手が活躍をし、結果を残したのは好材料である。
彼らバックアップ選手が結果を残し、出場し続けることは、カイオジュニオール監督自身も言うように「よいプレーを見せれば試合に使う」というメッセージをチーム内に浸透させ、チーム内に健全な競争が生む。
これは練習での出来によって積極的に新加入選手や若手選手を起用する大宮と非常によく似た状況である。
監督の選手起用のスタンスがチームを活性化する好例だろう。
神戸としては怪我人が多いのは懸念されるが、チームとしては上向いている。

ただ、前節川崎戦での勝利で神戸が調子を上げていることは確かだが、すべてが順調にいっているという訳ではない。
サイド攻撃の必要な要素に挙げられているポゼッションについては川崎戦をみる限りにおいては、発展途上といったところだろうか。
川崎のFW陣が想像した以上に前線からの積極的なプレスを仕掛けたこともあり、なかなか思うようにボールをキープすることができなかった。
前述したが、何度か左サイドを起点に右のサイドスペースを効果的に攻め上がったプレーはあったが、ビルドアップ・ボゼッションから意図的に仕掛けたというよりは、カウンター気味に偶発的に「ハマった」プレーだったと言える。
神戸が意図的かつ効果的なサイド攻撃を仕掛けるためには、更にポゼッションを高める必要がある。
ただ、大宮が積極的なプレスを仕掛けてくることは確実で、理想を追い求めて発展途上のポゼッションサッカーを貫くのか、それともアウェーということもあり、中盤でボールを奪われるリスク回避のためカウンターサッカーに切り替えるのか注目するところだ。

大宮は神戸MF3人をどうブロックするかが勝負のカギ

神戸戦の大宮としては、前節までと同様、前線から積極的なプレスを仕掛けて相手のポゼッションを阻止することである。
それから素早い攻撃に移る訳だが、単調なロングフィードに終始するのではなく、FWの藤田・市川(石原)選手にクサビを入れてタメをつくり2人目、3人目が連動するような厚みある攻撃を期待したい。開幕清水戦よりも前節広島戦の方が、連動した攻撃(ショートカウンター)は増えているので更に攻撃陣で連携を深めて神戸戦では得点を量産してほしい。
ただ、神戸がポゼッションではなくカウンター気味に攻めてくる場合は、まず神戸の流動的な3人のMFを上手く抑える必要がある。またその際に生じるサイドのスペースを埋めることができるのか注目したい。
神戸のスターティングメンバーに名を連ねると予想されるFW須藤大輔選手であるが、川崎戦で得点をしたものの、試合を通じてチームにフィットしているとは言い難く、クサビのボールはほとんど納まることがなかった。(FWにおいては、後半から投入が予想される松橋・岸田選手のスピード系選手の方が要注意である)
川崎戦を見る限りは、3人の攻撃的なMFにフリーでボールを持たれることを防がなければならない。
3人のMFボッティ・吉田・馬場選手ともキープ力があるため、相手のアタッキングサードで彼らにボールが渡るとボールを奪うことは難しく、タメをつくられ石櫃選手や大屋選手のオーバーラップを許すことになるだろう。
彼らに自由にプレーさせないためには、彼らのパスの出してである、キム・ナミル選手、松岡亮輔選手への積極的なプレスが求められる。

大宮は、神戸戦でやることは明確である。まず相手に自由にサッカーをさせないこと、また素早く攻撃をすることである。開幕戦、前節と確実に中盤でのボール奪取からの速攻(ショートカウンター)による連携は深まりチャンスは増えている。
そう考えると神戸には、淡泊に攻撃されるよりも、ポゼッションを高めたサッカーをしてくれた方が都合がよい。本日のカイオジュニオール監督の采配に注目したい。

大宮は、昨シーズン30節以降、7試合負けなし。
不敗記録を更新できるか。

【対戦相手:ヴィッセル神戸の気になる選手】
吉田孝行
波戸選手の滝川第二・横浜F時代のチームメイト
いぶし銀のプレーでチャンスをつくる。
神戸の攻撃の起点、彼にボールを自由に持たせてはいけない

キム・ナミル
ディフェンス力に長けた選手であるイメージをもっているが、このチームでは攻撃面での彼のプレーに注意をしたい。彼に効果的なプレッシングができるかがポイント

石櫃洋祐
川崎戦でのオーバーラップは大迫力。彼が攻め上がるゾーンを埋める必要あり。
ただ彼が攻め上がった後は、大宮の速攻のチャンスとも言える。

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2009年03月18日

2節 広島-大宮戦 やりたいサッカーを貫いた広島、広島のやりたいサッカーを阻止しようとした大宮 最大の功労者は大宮の守備的FWの藤田・市川・石原だ!

今週末(3月15日)サンフレッチェ広島のホーム広島ビッグアーチで行われた2節広島-大宮戦。
戦前から、昨シーズンJ2で圧倒的な強さで優勝し、J1に復帰した前節開幕戦でも横浜FMを細かいパスワークで翻弄した広島戦、大宮にとって非常に厳しい試合と予想された。
試合は、開始早々3分に広島の高萩選手に先制をされ、41分にマト選手のPK弾で追いつくも後半4分に森脇選手に追加点を許した。
後半27分、途中出場市川選手の同点弾まで、試合のほとんどの時間(約61分)で広島がリードする展開となった。
ボールも、多くの時間広島に支配され(某スポーツ紙が公表しているボール支配率では広島52%に対して大宮は48%だったがそれ以上の支配率差を感じた)、録画観戦で観戦前から結果を知っていた私は、幸か不幸か安心して試合を観戦することができたが、LIVE観戦をしていた大宮サポーターにとっては心臓に悪い試合だったのではないだろうか。
 一方、広島サポーターの方にとっては、勝てる試合を落としたという感覚を持ったのではないだろうか。
広島ビッグアーチに集まった2万人以上の観衆の前で行われたこの試合を振り返ってみたい。

やりたいサッカーを貫いた広島、それを阻止しようと試みた大宮

試合開始から広島は、前節・開幕戦の横浜FM戦同様、GK佐藤昭大選手も含めた11人全員による刻み良いパスワークを披露した。
また、前節開幕戦で見せたもう一つの攻撃のカタチは、バックラインからの正確なロングフィードである。横浜FM戦ではストヤノフ選手からミキッチ選手への有効なロングパスが何度も広島にチャンスを作った。
前半3分広島の得点は、DF槙野選手がバックラインからカウンター気味に、FW佐藤寿人選手にクサビのボールを入れ、佐藤寿選手、高萩選手、服部選手とつないで最後は、再び高萩選手がボール受けてゴールを決めた。
また、後半4分のDF森脇選手の勝ち越しゴールについても、中盤のパスワークからボールがミキッチ選手に渡り、柏木選手とのワンツーパスによって大宮の左サイドの橋本・波戸選手を抜き去りセンタリングをあげた。そしてそのボールに詰めていた森脇選手がゴールネットを揺らした。
これらの得点シーン以外にも広島は長短のパスを多用して大宮ゴールに何度も迫った。
前半21分の間一髪で江角選手が防いだ佐藤寿選手のシュートや、前半34分の広島がPKをとった佐藤寿選手のプレーまでの展開は、完全に大宮の守備陣を崩すものだった。
恐らくこの日の広島の出来は決して悪いものでなく、前節横浜FM戦同様、広島が目指すサッカーを実践できていたのではないだろうか。
ただ、前節開幕戦と同じパフォーマンスにして、前節では横浜FM4-2で勝利し、今節は大宮に2-3で敗れたという事実は、プレーをしている選手らも疑問に持ったに違いない。
 その疑問に対する答えは、大宮が行ったサッカーにあるといえる。
この試合、広島が目指すサッカーを実践したように、大宮もある意味において、自らが目指すサッカーをやりきったといってよい。
大宮の目指したサッカーとは、高い位置でのプレッシャーによってボールを奪い、7秒以内という早い展開でフィニッシュまで持っていくというものである。
この高い位置でボールを奪うという大宮の守備が、広島がやろうとしたサッカーを阻止しようとチャレンジする結果となった。
加えて、この試合の大宮は、入念なスカウティングをベースにした守備陣を敷いた。
自身のブログで藤本選手が語っているように、チームとしてラインを下げずプレスを仕掛けること、またストヤノフ選手にボールを持たせないことをチームとして共有していたようだ。

主税日記-藤本主税公式ブログ 広島戦

また、前節では、数多くのチャンスメイクをした右SHミキッチ選手に対しては、常に橋本・塚本選手の2人、時には3人の選手がマークにあたった。残念ながら広島の2点目の起点となる決定的な仕事をミキッチ選手にさせてしまったが、それ以外で失点につながるプレーをさせることはなかった。
大宮のスカウティングに基づいた激しいプレスによって広島は何度か決定的なミスを犯し、大宮は確実にそのミスを突いて得点をしたことで勝利を手繰り寄せた。
 ただ、大宮のプレスによって広島の攻撃を阻止しようとチャレンジしたが、完全に広島の攻撃を阻止したとは言い難く、大宮の激しいプレスのなかにあって、ボールを支配し自分らが目指すサッカーをし続けた広島に対しては称賛に価する。
この2試合、広島の試合を観戦して思ったことは、広島のサッカーが今後、J1の台風の目となり、サッカークリークを大いに魅了させることなることは間違いないということだ。

大宮の最大の功労者は守備的FW(DFW)藤田・市川・石原選手だ

前節清水戦、今節広島戦と、大宮の試合を2試合観戦して感じたことは、ボールを奪いに行く意識は、昨年に比べ各段に高まったことである。前線からの積極的なプレスは大宮サッカーの特徴となりつつある。
昨シーズンは、1年間通して貫けなかった「奪う」サッカーが、今シーズンは34試合を通じて観ることができるのではと期待せずにはいられない。
積極的に「奪う」サッカーを実現しているのは、チャン監督の采配によるものが大きいが、ここまでFWとして試合に出場した藤田・市川・石原選手の貢献度も高い。
2節までではあるが、大宮のFW陣の守備への貢献度は、J1クラブ屈指ではないだろうか。彼らの献身的な守備によって、ボールの奪取ポイントを限定し、また相手選手のミスや、危険回避のクリアを誘発する。
彼らは、FWという攻撃的なポジションではあるが、守備的な役割も大きな比重で担っている。
彼らの守備なくして大宮のプレッシングサッカーは成立しない。
彼らに他のFWと差別化するため、敬意を表すために守備的FW(DFW)、もしくは攻撃的DF(ODF)と命名したい。

ボールを奪ってからの大宮の可能性

開幕戦清水戦のレビューにおいて、チャン監督のサッカー(攻撃)について不安を感じたことについて書いた。

2009開幕戦(1節) 大宮-清水戦 2008年樋口大宮サッカーをベースにしたチームづくりが出来たのか?チャン大宮サッカーは伝わってきた。ただ、やっているサッカーの先にACL出場権獲得は見えるのか

不安を感じる要因として、ロングフィード偏重の単調な攻めと、そのロングフィードの精度について疑問視した訳だが、ロングフィードの精度についてはこの試合も不満は残るものの、攻撃のバリエーションについては広島戦で多少の広がりをみせた。
前半に何度か藤田選手にクサビと言えるパスが入り攻撃のカタチをつくった。前半8分に藤本のパスカットから、藤田(クサビ)-藤本-石原(クサビ)-新井-藤本(クサビ)-石原(シュート)の流れは素晴らしいものであった。
今の大宮の攻撃は、7秒以内のフィニッシュを目指しているが、少し攻め急いている感がある。攻撃のスピードを上げていくと、どうしてもパスの精度が落ちてしまう。パスの精度が落ちれば、ボールを受けるFWの負担は大きくなる。
大宮のFWは、得点を求められるだけでなく、守備に関しても多くの運動量を求められている。更にパスミスや精度の低いロングフィードを競って追う役まで求めれば、90分間を通して、1シーズン34試合を通して活躍するのは難しい。
彼がより多くの時間、多くの試合で活躍するためには、得点をすること・守備をすること以外の負担は極力軽減しなければならない。
この試合、大宮のロングフィードからのセカンドボールを比較的大宮がキープすることができたが、藤田選手と相手ディフェンスとが競った後のセカンドボールをいつも大宮がキープできるとは限らない。
藤田選手へのクサビやロングフィードの精度が今後、大宮の攻撃のカギとなるだろう。
藤田選手にしっかりとクサビのボールが入ってくれば、攻撃のバリエーションは多様になるはずだ。

波戸・塚本選手の両SBのこと、マト選手のこと、橋本選手のこと、石原選手のことと、この試合を観戦して思うことが沢山あるのだが、個人の評価については、もう数試合、試合をみてから書きたいと思う。
 次節は、ホームNACK5スタジアムでヴィッセル神戸を迎え討つが、今シーズンの大宮にとってとても重要な試合になると思う。例年通り、下位に甘んじるのか、それとも上位に食い込むのか、一桁順位ではなく、ACL出場を目指すのであれば、次節神戸戦は絶対に勝たなければならない。

posted by toddocom |00:40 | 大宮アルディージャ | コメント(8) | トラックバック(0)
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2009年03月13日

2節 広島-大宮戦(プレビュー) 常に6人以上いる中盤 Jリーグ1全員守備・全員攻撃を体現する広島 大宮は広島より速く攻撃することができるか

清水との開幕戦を終えて、今週末、敵地に乗り込み広島と対戦する大宮。
前節清水戦では、多くの課題は浮き彫りにしながらも、チャン監督が目指すサッカーのカタチを示した試合となった。次節、昨シーズンJ2で圧倒的な強さを示し、開幕戦で横浜FMに勝利をした広島戦について考えてみたい。

横浜FM戦、広島の6人の中盤は本当によく攻め、よく守った

まず広島のサッカーについて開幕戦の横浜FM戦を振り返り考えてみたい。
昨シーズンも広島戦はみているが、いかに広島の攻撃陣を防ぎ、いかに広島の守備陣を崩すべきかを考えながら、広島戦を観たのは初めてかもしれない。

 広島-横浜FM戦でまず、気になったのが広島の変則的な3バックだ。
通常3バックを採用した際、3人のCBの内2人は、相手2人のFWをマンマークし、残り一人を浮かした状態で守備をする。3人のCBが攻撃に参加することはセットプレーの時くらいで滅多にない。
しかし広島の場合、状況に応じて最終ラインのカタチを柔軟に変えていく。
ボランチの森崎和選手やSHの服部・ミキッチ選手が交互に最終ラインに入りながら、守備の際には4バックに近いラインを作る。
この変則3バックで最も特徴的なことは、槇野・森脇選手が攻撃時にはCBではなく、SB化することである。
DFからのビルドアップでは2人のCBが両サイドに開き、ボランチの森崎和選手がCBの位置に吸収される。
広島が攻撃の際には、SB化したCB1人、場合によっては2人が攻撃に参加する。つまりボランチの森崎和選手を除いたMF5人(横浜FM戦は、柏木・高柳・服部・ミキッチ・青山)とSB化したCBの合計6人(または7人)もの選手が、ポゼッションを構成するメンバーとなる。状況によってはCB化した森崎和選手やストヤノフ選手がタイミングよくオーバーラップをしてくるので更にその人数は増える。
このCBの攻撃参加による攻撃時の圧倒的な数的有利が広島の最大の武器となる。
広島のCBの3人ほど、攻撃に参加する意識、またそれに伴った技術をもったCBはいない。4バックを敷いている他のクラブのSBよりも攻撃的な程だ。
 
 この広島の数的有利は、攻撃の際だけでなく、守備時にその威力を発揮する。横浜FM戦について言えば、攻撃時より守備時の方が中盤の数的有利による強さを感じた。
広島の中盤の選手は、本当に攻撃から守備の切り替えが素早い。ボールを取られるとすぐにFWの佐藤選手・MFの柏木選手(高柳選手はそれほど目立たなかった)が献身的にボールにプレッシャーをかける。横浜FMが少しでも攻撃のスペードを落とそうものなら、広島の中盤の選手はすぐに守備の陣形を整える。
本当に驚いたのは、新加入ミキッチ選手の運動量と戦術理解度の高さだ。何度も右サイドからチャンスをつくったミキッチ選手であるが、守備の際には必ず自陣まで戻り積極的な守備を行っていた。
広島は、おそらくJ1クラブで最も全員で攻撃し、また全員で守備をするチームであるといってよい。別の言い方をすればピッチいる選手が最も効率的にプレーし、かつ有機的に機能しているチームだと言える。
逆に広島と対戦した横浜FMがボールを奪われると、FW・MFの選手が足をとめ守備をすることもなく自陣にゆっくりと戻る様が印象に残った。横浜FMは攻撃する選手と守備をする選手がピッチ内で分断されており、チームとしての連動性に欠けていたことが大きな敗因であったように思えた。

大宮の攻守の速さに勝機あり

大宮は、中盤の選手の圧倒的な運動量による広島の攻守における数的有利にどう対応すべきだろうか。
大宮は、数的不利を解消すべく安易にボールを取りにいけば、広島のポゼッションから、上手くサイドに振られ、時にはストヤノフからフィードで裏を取られ恐れがある。
どこのゾーンでボールを奪うのか、チーム内での共通の認識が必要になるだろう。
理想を言えば、前線からプレッシャーをかけながら、センターラインから大宮自陣方へ20m程のエリアで柏木・高萩(高柳)選手や服部・ミキッチ選手がボールを受けるところでボールを奪うことだ。
ビルドアップから前を向いた状態で、広島のSB化した槙野・森脇選手や、ボランチの森崎和・青山選手からボールを奪うのは難しい。後ろの選手からボールを受け、大宮ゴールに背中を見せている状態でボールを奪いにいく訳のである。
ただ柏木選手は、自陣に戻りながら(自分でスペースをつくりながら)ボールをうまく捌くので、あまり深追いせずボールを奪うゾーンを徹底する必要だ。
深追いをしてしまうと守備のバランスを崩すことになる。
 
おそらく大宮は、チームで連動しながら前線からの積極的プレッシャーを仕掛けるだろう。これは昨年から踏襲する大宮の特徴・強みとなりつつある。
開幕清水戦同様のプレスを仕掛ければ、広島も混乱し、大宮が得点をするチャンスは十分あり得る。
前節清水戦でのレビューではその精度について問題視したバックラインからのフィードも、精度の改善がなされれば、中盤に人数をかけた広島に対しては有効な攻めになるはずだ。

この試合は、両チームがプレスをかけ合う非常に運動量の多い激しい試合になるはずだ。両チームとも90分間を通じて激しいサッカーができるとは考えづらい。そうなると3枚の交代枠を両監督がどう使うかも非常に重要なポイントとなるだろう。

守備では積極的なプレス、攻撃時は、広島の中盤の網にかからないようなバックラインからのロングフィード、そして昨シーズンJ1で戦ってきたスタミナと経験。こう考えても大宮には十分勝機がある。
広島の地で、大宮の今シーズン初勝利を遠い埼玉県より願いたい。


【対戦相手:サンフレッチェ広島の気になる選手】

ミキッチ選手
 1対1の強さ、攻守の切り替えの速さ、献身的な守備と、ミキッチ選手の加入で広島の右サイドは脅威となった。大宮は、橋本・波戸選手と常に数的有利を保ちつつ守っていきたい。

槙野選手
 左サイドのチャンスメーカーとしてではなく、広島の右サイドからのセンタリングを狙うゴールゲッターとして脅威。広島が右サイドから攻め込んでいる際、最も注意をしなければならない選手。塚本選手と冨田選手でうまくマークの引き渡しができるか。

柏木選手
 やはり高萩選手のいない今の広島のキープレーヤー。
 柏木選手に前を向いてボールをキープされると大宮は厳しい。運動量の多く、ピッチ上をよく動く柏木選手のマークのために金澤・新井両CHがバランスを崩すと大宮の命取りになる。自陣でボールを持たれる分にはそれほど怖がる必要はない。

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2009年03月10日

2009開幕戦(1節) 大宮-清水戦 2008年樋口大宮サッカーをベースにしたチームづくりが出来たのか?チャン大宮サッカーは伝わってきた。ただ、やっているサッカーの先にACL出場権獲得は見えるのか

先週末に2009シーズンのJリーグが開幕し、1日遅れて大宮も8日にホームNACK5スタジアムで開幕した。開幕戦の相手が同じオレンジ色をクラブカラーである清水、NACK5スタジアム大宮は、14,039名のオレンジで埋め尽くされた。

09_1節大宮-清水戦
清水との開幕戦の結果は、ご存じの通りスコアレスドロー。 勝敗以上に、今シーズン、初めて目にする大宮サッカー・試合内容に注目した。 先日、プレビューでも書いた通り、両サイドの攻防戦と新加入選手のプレー、そして何よりチャン監督がどのようなサッカーをするのか注目した。 開幕戦 大宮-清水戦(プレビュー) まずは打たせてから隙を突け!7秒以内でフィニッシュする前に市川・児玉の両SBの裏のスペースを5秒以内で攻略せよ! 予想していた両サイドの攻防戦は見られず 清水戦で注目していた両サイドバック(SB)の攻防は、予想に反して見ることができなかった。理由としては大宮が自陣のバックラインからシンプルにロングフィードでFW藤田選手、市川選手に当てたり、ディフェンスラインの裏を狙うプレーを多用したため、清水のSBはリクスを取って積極的にオーバーラップをしてこなかったことと、また大宮の両SBもまたオーバーラップは少なく、常に自陣のサイドで清水が攻め入るスペースを埋めていた。 そのことは試合後、清水長谷川監督が、 「大宮がホームなので、エスパルスが試合を面白くする必要はないでしょう。面白くしたいのであれば、大宮がもう少し出てきてくれればいい。僕たちもホームなら、また違う戦いがあったと思う。背後を狙いにきているのは分かっているのに、リスクを冒す必要はないと思った。」(J’s Goalより) と言うコメントからもわかる。 個人的には、両チームのSBの攻防を見たかっただけに期待ハズレに終わった。 【J1:第1節 大宮 vs 清水】長谷川健太監督(清水)記者会見コメント(09.03.08)(JsGOALより) 不安より期待が増す新加入選手・若手選手の積極起用 もう1点、注目していた新加入・若手選手の起用であるが、マト選手、藤田選手をはじめ、ルーキーの新井選手、昨年出場機会に恵まれなかった橋本選手や若手の市川選手・渡部選手など期待通り多くの新加入・若手選手がピッチの上に立った。 マト選手、藤田選手は期待以上の活躍を見せてくれた。 マト選手は、栃木SCのトレーニングマッチ(TM)を観戦したサポーターのブログを読む限りは、スピードなどに不安があり、フィットするまでに多少の時間がかかると考えていた。しかし、実際彼のプレーを観ると、昨年のレアンドロの穴を十分に埋めてくれるプレーぶりだった。前日、横浜FM-広島戦の中澤佑二選手の精彩を欠いたプレーをみていただけに感慨深いものがあった。 私の中でこの試合の最大の収穫はマト選手が計算できる選手だとわかったことだ。 藤田選手も、期待以上のプレーを披露してくれた。彼もまたこの試合で、スタミナ・スピード・ポジショニング・技術とJ1でも十分通用することを証明した。 ただ、大宮が彼を活かせるかという別の不安が生じた。  市川選手や渡部選手は、目立った活躍をみることはできなかったが、継続的に試合に出場して今後の活躍を期待したい。  新井選手の評価は賛否両論あるだろうが、私はそれほど悲観をしていない。確かに「ミス」が多く、ピンチを招くこともあったが、「ミス」は所詮「ミス」であって修正すればミスをなくすことは可能である。ポジショニングやバランスをとったプレーは決して悪くなかった。そのことはチャン監督も試合後、コメントをしている。 新井以上に不安に思ったのは、橋本早十選手のプレーだ。「ミス」も多かったが、ほとんどボールに関与することがなく「消える」時間が多かった。 橋本選手は昨シーズンの6試合(どの試合も途中交代)しかみていないので、ただ単に調子が悪かったのか、それともそもそもJ1でプレーするだけの能力がないのか判断ができなかった。 次節広島戦では、横浜FM戦で大活躍のミキッチと対峙する左SHに再び橋本選手が起用されるのか興味深い。 チャン監督の采配した試合を1試合観戦しただけだが、選手起用に関しては、昨年の樋口前監督よりチャン監督の方が柔軟性と長期的な視野があるように思う。長丁場のリーグ戦では、この先、必ず負傷や累積警告で試合に出場できない選手がでてくる。その時のためにリーグ戦を戦いながらバックアップメンバーを育てる(準備する)必要がある。 樋口前監督には、選手起用に関して長期的な視点が致命的に欠けていた。 チャン監督は、若手がミスをするリスクを取りながら選手を育てようとしている。この長期的な視野な選手起用がシーズン中盤以降、必ず効いてくるはずだ。 市川選手、渡部選手、新井選手。その他にも川辺選手や福田選手、西村選手など積極的に起用してほしい。 個人的には、次節広島戦では、新戦力・石原直樹選手のプレーを観たい。 【J1:第1節 大宮 vs 清水】張外龍監督(大宮)記者会見コメント(09.03.08)(J’s Goal) チャン監督の標榜するサッカーが明確に伝わる試合、ただそのサッカーに不満あり
09_1節大宮-清水戦
チャン監督が初めて采配を振るったこの試合、チャン監督のサッカーについて書いてみたい。 チャン監督のサッカーを目の当たりにして訳だが、「走るサッカー」「ボールを奪ってから7秒以内でフィニッシュ」などのキーワードで表現されるチャン監督の標榜するサッカーが非常に伝わる試合であった。 攻守の切り替えが試合を通じて速く、FWの藤田選手・市川選手からの献身的な守備で清水のペースでポゼッションをさせなかった。また金澤・新井両選手も中盤でボールをよく奪い、また拾った。 強豪清水相手に清水ペースで攻撃をさせなかったことは自信となるはずだ。 ただ、チャン監督が目指すサッカー自体に一抹の不安を覚えた。 目指すサッカーを明確にして、チームが一丸となっていることは評価するが、そもそも目指すサッカー(方向)に不安が残る。 開幕前から、チャン監督がどのようなサッカーをするのか期待していた。特に昨シーズンのサッカーをベースにどれだけチームを作れたかに注目していた。  何度も言っているが、監督が変わる度にゼロからチームを作っていたのでは優勝するクラブには絶対になれない。たとえ監督が変わってもチーム力を上積みしていかなければならない。大宮が2011年に優勝するためには、その中長期的なチーム力の上積みが必要になのである。  昨日の開幕戦を見る限りは、最も大切な「攻めるサッカー」は引き継がれているようだ。 昨シーズン、樋口前監督の下で目指した「攻撃的なサッカー(アクションサッカー)」。去年は目指したもののシーズン通して攻撃サッカー実現できたとは言い難い。 しかし昨シーズン、「攻撃的なアクションサッカー」はブレることのない目標であった。今年もそれは変わらないようだ。 恐らく、調子のよい時期や不調の時期を経験する中で、攻めて得点をしないと勝てないという経験がチームに浸透したのだろう。 しかしながら、サッカー(攻め方)自体は、昨シーズンと比べると180度、変わってしまった。その点については非常に残念だ。 昨シーズンは、ボールを奪った後の攻撃は、パスワークが主体のショートカウンターだった。しかし開幕戦を観ると、ボールを奪いいくプレスや攻撃への切り替えは早いが、その後の攻撃のカタチは、パスワークが主体でなくロングフィード主体の攻撃に変わった。 攻撃の際のロングフィードの精度に欠き、FWの藤田・市川選手に蹴り込むという単調な攻めに終始した。 7秒以内でフィニッシュすることが目的化してしまい、大宮の攻撃の幅(視野)を狭めてしまっているように感じた。 プレーする選手らは、あの蹴るだけのサッカーに希望を持てるのだろうか。楽しんでプレーしているのだろうか。 昨年と比較すると、SBが攻撃に参加しないため、攻撃時に人数をかけることができずにFWの個人能力に頼るプレーが多くなった。確かに藤田選手は素晴らしいプレーヤーである。しかし他の選手がフォローしなければ藤田選手の素晴らしい能力も活きない。 チームとして、何度藤田選手に決定的なパスを配給しただろうか。 数えきれない程のロングフィードが藤田選手目がけてバックラインから放たれた。それを追い、相手DFと競るシーンは何度も見た。 しかし藤田選手は、決定的なパスを一度も受けることができなかった。  チームとしてチャン監督の目指すサッカーを実現しようとする強い意欲を感じるが、90分間(実際は、90分間もたなかった)、あの単調な攻めを見るのは辛いと感じたのは私だけではないはずだ。 プレーをしている選手らは、今のチャン監督のサッカーでACL出場権を得られるリーグ3位以内、天皇杯優勝が可能だと考えているのだろうか。 私の意見だが、もし100%チャン監督の目指すサッカーを実現したとしてもACL出場権を得られるようなサッカーには見えなかった。  前半30分以降数分間の大宮の攻勢は、攻撃の単調さのなかにも、右SBの塚本選手がオーバーラップをし、攻撃に人数をかけたサイド攻撃から生まれた。 今後はチームとしてどのように攻撃のカタチをつくっていくか課題になるだろう。 ただ全くのゼロから始めるのではなく、昨年の大宮サッカーをベースに、サイド攻撃を再構築してほしい。 まだ、1試合を消化しただけであり、次節広島戦でチャン監督の標榜するサッカーが更に詳しくわかるはずだ。 引き続き、2節広島戦も注目したい。


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2009年03月07日

開幕戦 大宮-清水戦(プレビュー) まずは打たせてから隙を突け!7秒以内でフィニッシュする前に市川・児玉の両SBの裏のスペースを5秒以内で攻略せよ!

 いよいよJリーグ2009の開幕の日となった。 
私が応援する大宮アルディージャの開幕は、1日遅れの明日3月8日。 
昨日、年間シート(ICカード)が手元に届き、前日にしてやっと開幕するという実感が沸いてきた。 

このブログでは、昨年に引き続き大宮戦のレビューを書こうと思っているのだが、今シーズンからは、時間とエネルギーが許す限り、次節大宮の相手クラブのゲーム(今節で言えば、横浜FM-広島戦)を観戦しつつ「プレビュー」にも挑戦したいと思う。
 今回は、開幕戦の大宮-清水戦のプレビューを書きたい。
ただ大宮のトレーニングマッチ(TM)も観ていない私が、今シーズンの清水のTMやプレシーズンマッチ(PSM)観ているはずもなく、大宮、清水とも昨年観戦した試合の印象と戦力の補強情報に基づいてプレビューを書きたい。

【CHECK1】注目は両チームのSBの攻防戦~清水のサイド攻撃を防げ~

この試合の最も注目したいポイントは両チーム、両サイドバックの攻防である。
開幕戦ということもあり、両チームがオフシーズンに準備してきた自分たちのサッカーを行うべくお互いに攻め合うことが予想される。
両チームとも4バックシステムを敷き、SBが積極的に攻撃参加を仕掛けてくることが予測できる。特に清水の右SB市川選手のオーバーラップは昨シーズンから清水の強力な攻撃のカタチであり、今シーズン、ヨンセン選手の加入で清水の両SBから供給されるセンタリングが更なる脅威になることは間違いない。
大宮としてはまず両サイドのスペースを消し、ヨンセン選手への高質なセンタリングをどのように防ぐかが最初のポイントとなるだろう。

清水の両SHは、右に左利きの兵働選手、左に右利きの枝村選手が務め、彼らを起点に清水の攻撃が始まる。
彼らがボールを持った際、センターへ切り込まれることを大宮は最も警戒しなければならない。兵働選手、枝村選手共にバイタルエリア付近での強力な利き足のミドルシュートを持っており、彼らのミドルシュートには細心の注意を払わなければならない。
ただそれだけでは清水の攻撃を防いだとは言えない。SHがセンターへ切れ込むことにより空いたスペースに市川・児玉両選手が果敢にオーバーラップをしてくることが予想される。
また、両SBが上がらなくてもFWの岡崎選手が空いたスペースに飛び込んでくるだろう。
間違っても清水のSHに大宮のSBの波戸・塚本両選手がつられ、サイドのスペースを空けてはならない。
清水の攻撃はSBの選手がSHの選手を飛び越えることも多く、ゾーン毎のマークの受け渡しが重要となる。
また、清水の両SHには大宮のSHである藤本・橋本両選手が付き、バイタルエリアへのドリブルはさせず、縦に追い込むことにより、サイドのスペースを埋めることも有効だろう。
清水の市川(児玉)選手の場合、狭いスペースでも果敢にオーバーラップをする傾向にあるので、大宮としては常にサイドは、2対1・2対2の状況をつくり数的不利の状況を回避すべきである。
安易にサイドのスペースを与えると、CBのマト・冨田両選手がボールを追うばかりに清水のFW2人を見失うことリスクが高まる。サイドからの攻撃で最も警戒すべきは、CBが相手FWのマークを外してしまうことだ。常にボールとマークする相手FWを視界に入れながらプレーをするためには、清水のSH・SBを外に追い込み攻撃のスピードを遅らせなければならない。
市川(児玉)選手やヨンセン(岡崎)選手であっても、マークに付いた状態でセンタリングを上げ、そのセンタリングに対して合わせるのは難しいはずである。

プレビュー1節 大宮-清水戦
~5秒以内に清水の両SBの裏を突け~ 今シーズンの大宮の強みとしては、昨年をベースに引き続き積極的なプレスを仕掛けることだろう。加えて新たに攻守の切り替えの速さも大宮の強みとなり得る。チャン監督は、ボールを奪ってから7秒以内のフィニッシュを目指しており、自然と相手からボールを奪ってからのカウンター(ショートカウンター)が多くなることが予測できる。 おそらく、開幕戦の清水は積極的に攻撃を仕掛け、その分、前がかりになった清水守備陣に対して大宮のカウンターは非常に有効だと考えられる。 開幕戦に大宮のスタメンと予想されるFW藤田・市川両選手は共にスピードがあり積極的に清水ディフェンスラインの裏を狙ってほしい。 ボールの出し手としては、期待のルーキーのCH新井選手、左SHの橋本選手あたりになるだろう。ただSHの橋本選手には球出しだけで終わるのではなく、積極的に相手ペナルティエリアに侵入してほしい。 市川選手・藤田選手が直接ゴールを狙えるようにディフェンスラインを抜けることが最も望ましいが、清水CB(青山・岩下両選手)のマークを受けながら両サイドに流れてボールを受けるケースが多くなるはずである。サイドでボールを受け自力でシュート(ゴール)までもっていくのは至難の業である。必ずサポートや彼らのセンタリングを徳天する選手が必要である。 例えば、自陣でボールを奪い、左SHの橋本選手にボールが渡り、簡単に左サイドへ流れる市川選手にボールをはたく。橋本選手にはそこでプレーを止めるのでなく、市川選手の左サイドからのセンタリングを得点するプレーに期待したい。橋本選手だけでなく、CHの金澤選手や右SBの藤本選手に関しても献身的な上下運動(攻守に参加)が求められる。 チャン監督が7秒以内にフィニッシュを目標とするなら、その実現のためも5秒以内に清水のSB裏のスペースを攻略すべきだ。 【CHECK 2】藤田祥史・新井涼平・石原直樹…新加入選手の活躍に期待 2つ目の注目ポイントとしては、今季新戦力の選手と昨シーズン出場機会に恵まれなかった選手の活躍である。新戦力で言えば、マト選手、藤田祥史選手、石原直樹選手、そしてルーキーで開幕スタメンが濃厚な新井涼平選手が出場する可能性があり、昨シーズン出場機会に恵まれなかった橋本早十選手、市川雅彦選手をはじめ、渡部大輔選手や川辺隆弥選手にも十分開幕出場のチャンスがある。 彼らが出場し、活躍することによってチーム内の競争は増し選手層が厚くなり、長いシーズンの中でスタメン選手が怪我や累積警告等による出場停止によって試合に出られない場合でも戦力を落とすことなく戦えるのである。 チャン監督がヤマザキナビスコ杯をどういう位置づけで考えているか現段階では不明であるが、若手選手を積極的に起用するのは賛同するが、出場する若手選手が、3月25日の新潟戦(H)が初めての公式戦という状況だけは回避してほしい。昨シーズンのヤマザキナビスコカップ予選の横浜戦(アウェー0-4)の二の舞だけは避けてほしい。若手を起用するとしてもそのための準備は怠ってはならない。 そのためにも開幕戦から積極的に新戦力・若手選手の起用をしてほしい。 以前から、個人的に注目する選手として、石原直樹選手を挙げているが、ここ数日で俄然注目度が上がっているのは、J1昇格後初となる高卒ルーキーでの開幕スタメンが濃厚な新井涼平選手である。 開幕戦、彼のプレーに注目したい。 個人的には大宮の新しい「顔」になってほしい。 今のチームの「顔」と言えば、小林慶行選手であり、藤本主税選手でありと、ベテラン選手で他クラブから移籍をしてきた選手である。 生え抜き選手の活躍は非常に喜ばしいことである。 あまり過剰な期待をせずに温かく見守っていきたい。
プレビュー1節 大宮-清水戦
藤本淳吾選手の復帰戦をNACK5スタジアムで! 初めてのプレビューだったので、いつにも増して要領を得ないエントリとなってしまったが、最後に清水の藤本淳吾選手について書きたい。 藤本淳吾選手は、昨年、2008年7月27日19節大宮戦(於NACK5スタジアム)において左足を負傷し長期離脱、その後のシーズンを棒に振る結果となった。 その藤本選手が開幕戦の大宮戦でベンチ入りする可能性があるという記事をエルゴラッソで読んだ。 今年1月にプレート除去をしたばかりで本人はまだ本調子ではないようだが、練習試合にも出場している模様で開幕戦での復帰は監督の判断次第というところまでコンディションを上げているようだ。 願わくば、NACK5スタジアムで藤本選手復帰してもらい、大宮サポーターも含めてスタジアム全体で藤本選手の復帰を祝いたい。 と思うのは私だけだろうか。 いよいよ今日、2009年Jリーグが始まる…


posted by toddocom |00:31 | 大宮アルディージャ | コメント(3) | トラックバック(0)
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