2008年07月29日
「社長!あんた雨男なんだよぉ!」
大宮サポーターの独りが茶化す。いつも先頭にたって応援を盛り上げてくれている人だった。恐らく豪雨の中スピーチする初老の男性が以前スピーチをした際も雨が降っていたのだろう。
昨日の18節ホーム清水戦は、NTT東日本のスポンサーマッチであり、試合前にスピーチをしていた男性は、江部NTT東日本代表取締役であった。大宮アルディージャを運営するNTTスポーツコミュニティの株主構成(比率)は把握していないが、大宮アルディージャの前身がNTT東日本サッカー部であったことを考えると、親会社(大株主)のトップのスピーチだったわけだ。
地域に密着したクラブの活動は期待しているが、株主やスポンサーを否定する訳ではなく、クラブに対して個人のサポーターにできない支援をしてほしい。
こう言えるのも現在のNTTスポーツコミュニティの渡邊代表取締役が、先頭に立ってサポーターと接し、クラブの運営・経営に懸命に取り組んでいる印象を持つからだろう。今回の江部NTT東日本代表取締役も社長自ら、スタジアムに出向く姿勢に好感が持てた。
天候の方は、雨男・江部NTT東日本社長の挨拶の後、一旦雨足が弱くなるも選手の入場と同時に豪雨と雷に見舞われた。
そして1時間30分という長い時間、試合を見合わせることとなった。
待つこと1時間30分、19時30分試合が始まる。
驚いたのは、試合実施が決まり、避難場所からスタジアムに戻ると水たまりの全くないピッチだった。当日スカパーで実況を担当していた八塚氏もピッチの水はけの良さを繰り返し指摘していた。そして十分、水分を含んだピッチは、最近数試合、ボールを短くつなぎ、ポゼッションサッカーの傾向を強める大宮にとって有利になるはずだった。がしかし、実際はそうならなかった。
両チーム決定力を欠くも大宮に停滞感漂う
試合は、両チーム決定機を迎えるが得点することができずドローに終わった。しかしながら大宮の方が、現在抱えるチームの問題が深いように思えた。試合を観観戦していても苛立たしさが蓄積されるゲームであった。その最大の原因は、大宮の選手同士に生じている微妙なズレである。ボールを受けたいところでボールを受けることができず、また出したいところへボールを出せないシーンが非常に多い。受け手・出し手もこの微妙なズレのせいで、選手自身が苛立った表情を何度も見せていた。この「ズレ」は悪循環を起こしており、出し手はリスクを負ったパスを出さなくなり、またボールが出てこなければ、受け手も動かなくなってしまう。そしてまたプレーに更なるズレを生じさせてしまうのである。
このズレを解消するためには、まず受け手が積極的に受けたい場所へボールを呼びこまなければならない。しかし今の大宮の選手には、主体的に試合を展開する積極性を感じる選手がほとんど見当たらない。結果としてプレー毎に判断の遅い消極的なパスワークを展開せざるを得ない状況に陥っている。
清水・市川大祐選手と大宮・村山祐介を比較でわかる大宮の課題
個人的には、日本代表の復帰を望む、市川選手を直接観ることができた。(ただ豪州五輪戦の内田篤人選手のプレーを見てしまうと難しいとも思うのだが…)その市川選手と大宮・村山選手という両チームの右サイドバックのプレーを比較することによって大宮の課題を探りたい。
まず二人のサイドバックが全く異なるのがボールを受ける位置と受け方である。村山選手がセンターライン付近で、ボールを足元で受けるのに対して、市川選手は、更に20m程敵陣でスピードに乗ってボールを受けていた。ボールを受ける位置の違いにより攻撃への展開するスピードが全く違う。市川選手がボールを受けると、その流れでセンタリングを上げる。村山選手の場合は、ボールを受けてから次のプレーを考えている(左SBの波戸選手も判断の遅さが顕著である)躊躇した挙句、村山選手がバックパスや横へのパスが多いのに対して市川選手がバックパスをすることなど滅多にない。
2人のSBを比較して明らかに異なるのは、積極的な攻撃のイメージを持てているか、否かである。市川選手は、自らが攻め上がるイメージをより具体的に持っており、ボールを受けたいエリアでボールを呼び込む。対して村山選手は、おそらく具体的な攻めのイメージを持てていない。だからボールを受けても次の判断が鈍るのである。判断が鈍ると自らのプレーの選択肢を狭めることになる。
前述した、ボールの受けてと出し手の「ズレ」も受けての攻撃のイメージの欠如に起因する。本来受けては、どちらの足で受けるかまで要求するべきである。大宮のサイドチェンジも受けてにイメージも要求もないため、波戸選手と村山選手は後ろに戻るような受け方しかしていない。
日本を代表する右SBである内田選手や市川選手と大宮のSB(村山・田中・波戸選手)との最も異なるのは判断のスピードである。そして判断のスピードを上げていくためには、次の展開を具体的にイメージすることである。
「トラップ」が次のプレーをするためにボールをコントロールすることと定義するなら、内田選手のトラップは、正にそれであり、トラップによって相手を抜いたり、一つのトラップによって攻撃に移ることができるのだが、残念ながら大宮のSBの選手らは、ボールを止めているだけであり、あれをトラップとは言わない。
オーバーラップをしてもリスクを負わなかったら意味がない。
また、受けての判断が遅いということは別に、市川選手と村山選手のプレーの違いで、「攻撃へのリスク」の負い方があった。市川選手がオーバーラップをした場合、多少強引でもセンタリングをあげるプレーがあるのだが、村山選手がリスクを負って強引にセンタリングを上げることはしない。タイミングよくオーバーラップをしてもリスクを負わず攻撃を止めてバックパスをしてしまう。これではオーバーラップの意味が全くない。むしろ体力を消耗している分、無駄なプレーとなる。
更に村山選手の場合、ボールを持った時にリスクを負わないのにも関わらず、ボールがルーズになっている際に不用意にリスクを負って外に張り出していることがあり、逆に攻め込まれピンチを招くケースが前節名古屋戦と今節清水戦で散見された。私は、17節柏戦で村山選手の「覚醒」を主張したが、この2試合の彼のプレーを見ると残念ながらその主張を撤回せざるを得ない。
今回、市川選手と村山選手のプレーを比較したが、受け手の判断の遅さ、呼び込むプレーが少ないということ、また攻撃の際にリスクを負っていないということは、顕著であった村山選手だけでなく大宮の選手全員に当てはまる。一試合を通じ、リスクを負うことで清水を攻め崩したというプレーを観ることはほとんどできなかった。相手チームの陣形のバランスを崩し、チャンスを生み出すためには、リスクを負ったチャレンジしか方法はない。例えばバスを選択せずに果敢にドリブルをすれば、相手選手はマークをせざるを得ない。すると必ず守備の均衡は崩れスペースが生まれるものである。
今の大宮のサッカーは、弱い犬が安全な場所で遠吠えしているが如く忙しない割に全く怖くない。
次節札幌戦では、リスクを負ってバイタルエリアへ果敢に飛びんでほしいものである。
雷雨の後、オレンジ色に染まった空
まさにオレンジダーピーであった。
posted by toddocom |10:08 |
大宮アルディージャ |
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2008年07月26日
エキサイティングな試合を見慣れてしまったからだろうか?
昨日のオリンピック壮行試合、日本オリンピック代表-オーストラリアオリンピック代表戦の日本のプレーに満足いかなかった。勢いづくイレブンの中で停滞する一人の選手がやけに目立ったからかもしれない。
昨年の最終予選から主力メンバーから、最終的に選出されたオリンピックメンバーは大幅に変わった。今のチームは、今年3月のアンゴラ戦、5月のツーロン国際大会、そして6月のカメルーン戦と試合を重ねていく毎にカタチ作られた。
私は、代表監督の特権は、その時々の旬で、勢いのある選手を招集できることだと思っている。だから伊野波選手や水野選手が落選した事もやむを得ないと思っているし、青山晃選手や梅崎選手を招集しなかったことも理解はできる。(しかし、2人の落選は驚いた。)
一番近くで、選手を見ている反町監督が選んだベストメンバーで戦うことが一番良いと思っている。それは、今年に入ってからの数試合を見てみると、実際、オリンピック出場を決めた五輪代表の常連メンバーより、今シーズンのリーグで活躍する選手らの方が、五輪代表での試合でもハイパフォーマンスを見せていたからだ。
中でも3月のアンゴラ戦、5月のツーロン国際大会のフランス戦、6月のカメルーン戦でのクオリティーとスピードで大会に望めれば、決勝トーナメント進出もあるのではという「期待」を感じさせる出来であった。
しかし、昨日のオーストラリアオリンピック代表戦では、その「期待」を感じることができなかった。
確かに、内田選手や香川選手のチャレンジ、そして本田拓選手の守備は素晴らしいものであった。しかし収穫はそれだけのようにも思えた。
右サイドで内田選手が躍動する近くで、自分の力を出しきれないひとりの反町ジャパンの主力選手の不調が更に不満を大きくした。
自身の強みを出し切っていない本田圭佑選手
昨日の試合の日本のシステムは、4-2-3-1、本田選手と香川選手がワイドでより高い位置で勝負ができるシステムであった。香川選手は、サイドで攻撃の起点になっていたが、本田圭選手がサイドのスペースで攻撃の起点になることはほとんどなかった。左利きということもあり、中央へ向けってプレーすることが多かった。内田選手のオーバーラップのスペースを作ったと言えるが、視点を変えると自らサイドを攻め上がるプレーを怠り、長友選手が攻め上がるスペースを作ることができなかったと言える。
内田選手があれほどオーバーラップを可能にしたのも、本田圭選手の功績というよりは、逆サイドの香川選手が起点となり相手選手を引き付けたことが大きい。日本の左サイドが攻撃の起点となれば、右サイドには、スペースが空く。それを本田圭選手ではなく内田選手がほとんど攻め上がったのである。
海外移籍が影響してか、本田圭選手自身、日本のテンポでプレーができず、パスワークのスビードを止めてしまうことが何度かあった。また、プレーゾーンは低く、バックアップメンバーにまわった梅崎選手が右SHを務める場合は、あと10~20M相手のゴールに近いエリアを主戦場とすることを考えると、攻撃へのチャレンジする姿勢を本田選手のプレーから感じ取ることができなかった。
オーストラリア戦でのパフォーマンスであれば、右SHをあえて本田圭選手が務める必要があるだろうか。本田圭選手には、本田圭選手の強みを発揮できるエリアでプレーをしてもらいたい。明らかに香川選手とポジションを争い、スターティングメンバーを獲得するべきである。
反町監督の選手選出で一つ解せないのは、水野選手、梅崎選手を選出しなかったにも関わらず、純粋に所属クラブで右SHを務める選手を一人も選出しなかったことだ。
これほど昨日の本田圭選手のプレーを不満に感じるのも、本田圭選手への「期待」の反動なのかもしれない。私は、調子のよい時の本田選手のプレーを知っている。現役時代の小倉選手を彷彿とさせるような、レフティーモンスターの名前を受け継ぐに相応しい、Jリーグの規格には収まらない豪快なプレーを知っている。あの豪快なプレーを中国の地でみてみたい。そのためにも来週のオーストラリア戦では、本田圭選手をスターティングメンバーから外し、本田圭選手でさえ、確実に出場できるボジションがないことを認識させることが必要である。そして本戦には、ぜひ実力左SHのポジションを勝ち取ってほしい。ただ再び右SHでプレーをするようなことがあるなら、もっと積極的にゴールを狙ってほしい。
posted by toddocom |00:36 |
サッカーその他 |
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2008年07月24日
というタイトルでエントリーをしようと作文していたが、本日、日本代表候補に小川選手が選出された。岡田監督はしっかり視察をしていたわけだ…
以下、18節名古屋-大宮戦の観戦記
素晴らしい名古屋のモダンなサッカー、スピード・スタミナ・技術とすべてにおいて大宮を上回っていた。
「完敗である。」
指揮官樋口監督でなくとも、まず口にでてしまう一言である。
私は、大宮駅付近にある大宮サポーターが集うアイリッシュ風パブでオレンジ色のユニフォームを身に纏った客の中で何度も名古屋のプレーに唸った。今シーズン、Jリーグ一筋で海外のゲームをほとんど見ていない。ヨーロッパ選手権も数試合、観戦しただけだった。準決勝も決勝も見ていない、トルコの試合も、ロシアの試合も、実は、スペインの試合も一試合も観ていない。それ程、ヨーロッパのサッカー-現在最も人々を魅了している現代サッカー-に疎い。しかし、だからこそ先日の名古屋のサッカーに、現代的なサッカーの「匂い」を感じたのかもしれない。名古屋のフォーメーションは、4-4-2、サイドハーフ(SH)のマギヌン選手と小川選手がより高い位置のサイドで起点を作る布陣である。サイドバック(SB)がサイドの起点になるシステムより、よりアグレッシブな布陣である。
戦術理解の浅い私の認識からすると、「4-4-2」や「4-2-3-1」、「4-1-4-1」、更に攻撃的な布陣である「4-3-3」など、サイドプレーヤーがより高い位置でポジションをとるフォーメーションは、中盤の選手個人の力量・能力に依存する。攻撃の際は、SHの技術・スタミナ・スピードでなどの個人の能力でサイドを打開するプレーが多いように思う。またセントラルハーフの選手も献身的な守備は当然のことながら、前線へのパスの供給からフィニッシュまであらゆる局面での関与が求められるシステムでもある。
私は、今まで、これら攻撃的なサッカーは、世界のトッププレーヤーによって初めて実践されるサッカーであり、日本代表の試合を観る限り、Jリーグのクラブでの実践は難しいと考えていた。
しかしこの日の名古屋は、最先端のサッカーをしていたように思う。スピード・スタミナ、個人の技術そして、戦術とすべての面で大宮を凌駕した。名古屋の両翼(マギヌン選手と小川選手)に大宮のSBは、ズタズタに切り裂かれ攻撃する余地すら与えられなかった。大宮が中盤でボールをキープするも、すかさずマギヌン・小川両選手は自陣に戻り、中村選手・吉村選手らと共に大宮に激しいプレスをかけ続けた。
16分の吉村選手のゴールも中村選手が高い位置で片岡選手からボールを奪ったことにより生まれた。また28分のマギヌンのゴールも、中盤でボールを奪い小川選手が左サイドのチャレンジからのフリーキックから生まれた。逆に言えば、大宮は、名古屋の中盤からのプレスに屈したと言える。
後半3分の玉田選手からヨンセン選手へパスが通った時、勝負は決した。
後半3分、3点目を決まるまでは大宮のサッカーをしていた。名古屋のようなサッカーは現有戦力では不可能なことを認識して大宮サッカーに徹するべし。
パブでのサッカー観戦後、自宅で録画していた試合をもう一度みた。前半の2失点あったが前半、大宮は大宮らしい試合をしていた。
大宮には、マギヌン選手も小川選手もいない。大宮の現有戦力で名古屋のようなスピーディーなサッカーをすることはできない。大宮には大宮のサッカーがある。前半は、プレスもきいており、中盤のポゼッションもしていた。問題は、決めるべきチャンスで決められず、守るべきピンチで守れないことだろう。
また、4連敗もすると課題がよく見える。
守備の面においては、レアンドロ・冨田両選手もビルドアップのパスがルーズで、自らピンチを招いている。名古屋の1,2点目もビルドアップの失敗からの失点であった。
攻撃に関しては、デニスマルケス選手と他の選手との連携がほとんどないことにより、結果としてデニスマルケス選手がボールをキープすることで攻撃の流れを止めてしまっている。また、ボールポゼッションの位置が低くく、攻撃への切り替えが非常に遅い。
ここ3試合で言えば、ラフリッチ投入後のラフリッチへのパスが単調であり、ラフリッチを有効に活かしきれていないことだろう。
樋口監督が標榜する大宮サッカーは、高い位置でボールを奪い、そのままボールをゴールへ運ぶことである。ただ最近は、ボールをポゼッションすることも多く、前節柏戦のように「接近・展開・連続」のボゼッションからの攻撃へと変わっている。ここまでボールをキープできるのだから、今後は、ボールキープからの攻撃の幅を広げなければならない。デニスマルケス選手にボールを預けてあとはお任せというサッカーでは通用しない。
また、名古屋戦においては、細かいパスをつなぐも、両SBである村山・波戸選手への展開したパスが全くみられなかった。デニスマルケス選手にしろ藤本選手にしろ、中央からの緩急の乏しいドリブルだけの単調な攻撃では、得点のチャンスは生まれなかった。ただ、フィニッシュまでの攻撃の幅を増やすことができれば、再浮上も夢ではないだろう。
再度、樋口監督の下、大宮サッカーを再確認してほしい。ちらほら樋口監督の解任説も聞こえてきそうであるが、監督をかえるにはまだ早い。
小川選手を日本代表に呼ばない岡田監督の目は節穴か?
この試合、最も輝いていたのは、小川選手である。昨シーズンの彼のプレーは見ていたいが、今シーズン私が見たあらゆる名古屋の試合で、躍動する名古屋イレブンの中でも一際輝いている。なぜ岡田監督は、小川選手を代表に呼ばないのだろうか?小川選手のプレーをみていないはずはない。青い色のユニフォームを着た小川選手をぜひ見てみたいものである。
【追記】本日(7/23)、小川佳純選手が、日本代表候補に選出された。また日本代表での楽しみが増えた。
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大宮アルディージャ |
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2008年07月21日
Jリーグも前半戦が終了する17節、是非とも大宮に勝利をして欲しかったが柏に敗れた。後半33分柏のエース、フランサが左足で狙いすましたゴール。ビデオ録画観戦だった私はテレビの前で、フランサのゴールに思わず唸った。
結果は0-1で大宮は敗退した。ただ直近2試合、神戸戦・磐田戦と比べたると非常に興味深い試合をしていた。私は、大宮サポーターであると同時に、一サッカー好きである。今回のエントリでは、大宮のサッカーについて紹介したい。
「接近・展開・連続」のサッカーの実践!
「接近・展開・連続」とは、昨年末に岡田監督が、日本代表監督に就任した際、会見で披露したチームコンセプトである。当時を振り返ってみると、「世界を驚かせるサッカーをする」、「W杯で3位に入る」などという刺激的なキャッチフレーズと共に、「接近・展開・連続」のコンセプトは、サポーターのみならず、著名なサッカーライターや評論家から大いに期待と評価をされた。
正直、私は「接近・展開・連続」というコンセプトがどのようなものがよく理解していなかった。「接近・展開・連続」理論を正確に理解していた人も意外に少なかったのではないだろうか?本来の意味は、ラグビー界の名将でしられた故・大西鐵之祐早稲田大学元監督が提唱したラグビーにおける理論で、「接近」とは、相手にスペースを与えず、できるだけ「接近」してプレーするということ、また攻撃の際も相手に接近(突っかけて)して、ギリギリのところでボールを回し、ワイドに「展開」を計る。その「接近」「展開」のプレーを「連続」することらしい…。
岡田監督が指揮する日本代表の試合では、結局、この「接近・展開・連続」を実践した試合を見ることができなかったように思うのだが、先日(7月17日)、日立柏サッカー場の大宮の展開したサッカーにおいて、「接近・展開・連続」のサッカーが見ることができた。
この日、大宮の布陣は、体調不良のため試合を欠場したデニス・マルケスに代わって、通常は、左サイドハーフ(SH)を担当する藤本選手がFWに入った。また、右サイドでプレーをする小林大悟選手が左に、ボランチを務めることが多い佐伯選手が右SHに入った。
≪大宮スターティングメンバー≫
システム 4-2-2-2 時々 4-2-3-1
GK 江角
右SB 村山
CB 冨田
CB レアンドロ
左SB 波戸
右SH 佐伯
DH 小林慶
DH 片岡
左SH 小林大
FW 吉原
FW 藤本
「接近」…小柄な二人のフォワードからの精力的なプレッシング
前半当初は、柏にペースを握られるも徐々に大宮がペースを掴み始める。それは、柏がボールをキープする際、上手に前線の吉原・藤本両選手からプレッシャーをかけたことが大きい。FWと両SHがコースキルという受動的なものでなく、まさにプレスをかけていた。直近の2試合では、大宮がプレッシャーをかけられるという試合展開が続いたが、この試合は、大宮が柏のボールキープに対してプレスを掛けることが出来た。プレスをかけた後、柏の苦し紛れのロングフィードや、パスミスを誘発させて大宮がボールを奪う展開か前半から見ることができた。
また、ボールを奪うと、ボールポゼッションを得意とするボランチの小林慶行・片岡両選手と両SHの小林大・佐伯選手が、非常に細かいスペースでボールをキープする。また藤本選手が、前線から下がりながら、4人のMFにうまく絡み攻撃の起点となった。攻撃の際も高い位置でボールをキープする藤本選手は、まさに「接近」するかのように相手選手に突っかけるプレーを繰り返す。
「展開」…村山祐介の覚醒 積極的にスペースへシャレンジを試みる
4人のMFと藤本選手が狭いスペースでボールをキープすると、うまくスペースが空いたサイドのスペースに、両SBの一翼、村山選手が果敢に攻め上がろうとチャレンジする。
右SBは、柏戦に出場していた村山選手と、田中輝和選手がレギュラーの座を争っていたが、これまで右サイドからの攻撃の面において村山・田中両選手とも満足のいくプレーができていなかった。しかしこの日の村山選手は、吹っ切れたように右サイドを何度も駆け上がった。村山選手のコンディションが上がっているということもあるが、佐伯選手が右SHでプレーしたことが大きい。中盤での狭いスペースでのボールポゼッションは、村山選手にオーバーラップするスペースを作る結果となった。小林大悟選手が右SHでプレーしていた時にはなかったスペースである。
「連続」…ラフリッチの投入で「接近・展開」の連続が途切れる
大宮は、前半途中から、後半に入ってからも「接近・展開」のプレーを繰り返し、行い優位に試合をすすめた。しかし、61分に吉原選手に交代してクレメン(ラフリッチ)選手が交代し、73分に藤本選手に交代して金澤選手が出場して、試合の流れが大きく変わった。これは、クレメン選手や金澤選手のコンディションやプレーが悪かったという訳でない。実際、クレメン選手は、高さへの強さを披露し、反転から相手DFを抜き去るという足元のプレーのうまさも見せた。ただ、大宮がそれまで行っていた「接近・展開」の戦術が途切れてしまった。吉原選手や藤本選手が前線からのプレスがなくなってしまったことや、大宮の選手の運動量が少なくなったのも理由であるが、最大の理由は、クレメン選手が投入されたことによって戦術が変わり、サッカーが変わったことである。
戦術を変えたことよりも、変更後の戦術が、まだチームにおいて共有し効果的に実践できないことには課題が残った。変更後の戦術-クレメン選手の高さを活かす戦術-は、前節、磐田戦でも試行された。しかし全節の磐田戦では、シンプルにボールをクレメン選手にボールを放り込んだために決定的な得点シーンを作ることができなかった。今節柏戦においてもクレメン選手の投入後は、クレメン選手を活かす戦術に変更されたが、前節の反省からかクレメン選手へのシンプルな「放り込み」は減少したが、前節に続いて今節も効果的なセンタリングをクレメン選手に供給することができなかった。
「接近・展開」そして、クレメン投入後も「連続」するサッカーを!!!
大宮が実践する「接近・展開・連続」のサッカー。それでも柏に勝利できなかった。どんなに面白いサッカーを実践していたとしても結果をださなければいけない。それがプロスポーツの世界である。ただ一クラブのサポーターとしては、応援するクラブの勝利することがなによりの「喜び」であるが、一サッカーファンとしては、結果に関わらず面白しサッカーを観たいものである。先月行われた欧州選手権で目にした「個」の力がぶつかり合うような、最先端のサッカーを大宮がしているわけではない。ただ「接近・展開・連続」の戦術が、体格の大きい、個の身体能力では勝る外国人チームを攻略するために行われた戦術であったように、現在の大宮には、最適なチームコンセプトなのかもしれない。
今後、クレメン選手が起用・投入さた時に、「接近・展開・連続」のサッカーを続けられるか注目してみたい。
本日、18節名古屋戦が行われる。まずは、柏戦で行われた面白いサッカーを安定的に実践すること、そしてチャンスは必ずものにして得点することを期待する。
今から、名古屋-大宮戦を放映する飲み屋に繰り出そうと思う。
posted by toddocom |15:24 |
大宮アルディージャ |
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2008年07月16日
先日、大宮アルディージャの公式サイトで、ある試合のインフォメーションがリリースされた。9月21日に行われるJリーグ25節大宮-浦和戦(NACK5スタジアム)のチケット購入に関する案内と購入の際の注意に関するインフォメーションであった。
7月9日
9月21日(日)浦和レッズ戦のチケットに関するお知らせの変更と追記について
浦和との対戦は、どのクラブにとってその意味が異なる。何せ、2007年のアジアクラブ王者なのである 。また、日本代表で活躍する選手―闘利王選手や鈴木啓太選手、阿部選手-が在籍しており、その他にも田中達也選手や高原選手、永井選手、エジミウソン選手など、対戦相手のサポーターでさえ、内心は、浦和の選手をライブで見たいと思っているのではないだろうか。どのクラブにとっても浦和レッズとの戦いは、プレミアムマッチである。浦和戦のチケットはホームに迎えるクラブにとってプレミアムチケットとなる。
今回、私がこのインフォメーションを公式サイトでみたとき、大宮アルディージャによるこの異例ともいえる早いタイミングでのチケット案内は、プレミアムマッチである浦和戦への興味を喚起する戦略なのかと思う程度でいた。
今シーズン、4月20日に埼玉スタジアム2002で行われた7節の浦和-大宮戦の今年最初の埼玉ダービーを思いだす。私は仕事のため録画観戦であった。結果はドローであったが、大宮においては間違いなく今シーズンのベストマッチと言える試合であった。そして内容もさることながら、テレビの画面を通しても浦和のホームスタジアム・埼玉スタジアム2002内の雰囲気は素晴らしいものがあった。スタジアム全体が赤一色、大宮のサポーターエリアは南サイドスタンドの一角に帯のように縦長に固まっていただけであった。当日の50,977名の観客人数のうち大宮アルディージャのサポーターは、わずか2,000名だったと聞いている。これは2,000名しか大宮のサポーターが集まらなかったわけではなく、大宮サポーターが購入できるアウェーチケットが、2,000枚のみの販売だったらしい。大宮にとって埼玉スタジアム2002でのアウェーゲームでさえ、対浦和戦はプレミアムチケットだったわけである。私の周りにもチケットが入手できずに泣く泣くテレビ観戦をしたという大宮サポーターが大勢いた。スタジアム中の赤に圧倒されながらも、浦和と対戦する喜びをテレビ観戦ながら感じた。
4月20日の夜に録画した浦和-大宮戦を観戦しながら、25節大宮が、ホーム「NACK5スタジアム」に浦和を迎えるとき、埼玉スタジアム2002での逆の状況-スタジアムをオレンジ一杯の状況-をつくって大宮を応援することを決意したことを覚えている。ついにその日が2か月余りとなり、チケット販売の告知が始まったわけである。その時には、この浦和戦のチケットに関して何の懸念もなかったのだが、ある大宮サポーターの方のブログを読んで、この早期のチケット発売の告知に、ある「心配」を孕んでいたることに気づかされた。
前略。大宮 浦和レッズ戦の対応は今後の試金石!ホスピタリティを発揮してください
(「前略。大宮アルディージャさま~♪-カテ1より気合をこめて」ー」より)
大宮のホームスタジアムの収容人数は、「15,500人」である。J1クラブで最も小さいホームスタジアムである。このJ1一小さいスタジアムのアウェー席数(ゴール裏)は、4,100席。仮にホームスタンド・バックスタンドのアウェー側を浦和サポーターに開放したとしても恐らく提供できる席数は、約6,000席程度であろう。同じさいたま市をホームタウン(旧浦和市・旧大宮市という違いはある)とするアジアチャンピオン浦和レッズに、割り当てられるアウェー席数が最大提供できて6,000席なのである。8月30日(クラブメンバーズ販売)・9月6日(一般販売)と販売されるさいたまダービーのチケットのインフォメーションがこの時期リリースされるのも頷ける気がする。
このようなリリースの後、大宮サポーター仲間から色々な話を耳にするようになった。16節磐田戦での試合前の話題は、専らこの25節ホームでの浦和戦の話が中心となった。
浦和サポーターは、観戦チケットが確保しづらい(アウェー席数の少ない)対戦クラブについては、相手クラブのサポーターズクラブにシーズン前から入会してチケットを確保することも多いという。中には、対戦クラブのシーズンチケットを購入している浦和サポーターまでいるそうだ。この話をしてくれた大宮サポーター仲間は、以前浦和サポーターだったこともあり周りの友人には浦和サポーターが多いそうだが、その友人の中にも決して少なくない人数の方が、大宮アルディージャのクラブメンバーズに入会しているということであった。恐るべし、浦和サポーターである。
9月21日のNACK5スタジアムで起こりうること
J1として大宮のホーム、NACK5スタジアムに初めて浦和レッズを迎える試合である。大宮サポーターにとって正にプレミアムマッチである。現実問題として、約9割の大宮サポーター(13,500)で1割(1,500人)の浦和レッズのサポーターを囲むのは難しそうであるが、おそらく浦和に提供できる座席数は、6,000(推定)足らず。浦和サポーターにとって、今シーズのリーグ戦において最もチケットの入手困難なゲームになることが予想される。
そこで想定されるのは、浦和サポーターによるホーム側席(大宮応援エリア)のチケット獲得によって入場するケースである。おそらく今後、浦和サポーターによる大宮のクラブメンバーズとしてチケットを確保したり、Yahoo!オークションやスポンサー企業からの優待券などによりホーム側チケットを確保するケースがままあるだろう。その際、懸念されるのが浦和サポーターの服装に関することである。既に先日、大宮公式サイトでリリースされた前述のチケットに関する案内において下記の注意事項が記されている。
※ご来場の皆様の安全確保のため、ビジターエリア(アウェイゴール裏)以外に浦和レッズの応援グッズおよびそれに類するものを身に付けてのご入場・応援はできません。場内で確認された際は退場していただく場合がございます。予めご了承ください。
(大宮アルディージャ公式ホームページより抜粋)
まず断っておきたいのは、当日懸念されることはホーム側席での浦和サポーターの「服装」に関することであり、決してホーム側席に観戦することを問題視している訳ではないということである。(本当は、応援するクラブ側のエリアで観戦するのが理想であるが…)
ただ、浦和サポーターがホーム側エリアで観戦する場合は、状況を配慮して頂き浦和の応援グッズおよびそれに類するもの(赤系のもの)を身につけての観戦は遠慮していただきたい。これはぜひともお願いしたい。
これは、「安全確保」という観点であることは言うまでもないが、一サッカーファンとしての願いである。再び、5月17日に埼玉スタジアムに起こってしまったような騒動を起こしたくないのである。
9月21日当日は、数多くの騒動の種があらゆるところに潜んでいる。最も起こりうること、それは一部の浦和サポーターの方によって、ホームエリアの観戦席を占拠し浦和の応援をすることである。5月17日の騒動についてのエントリの際にも触れたが、浦和サポーターの方々には、ぜひとも「Jリーグを育てる」「埼玉ダービー」を育てる大きな気持ちで9月21日に臨んで頂きたい。浦和サポーターと比べれば、大宮サポーターの数は比べものにならないくらい少ない。ホーム観客席も浦和サポーターで占め、ホームエリアをアウェー席の雰囲気を作ることも可能であろう。しかし浦和サポーターの方々には、ルールを順守した応援を切に願いたい。
そして、あらゆる騒動の種を掻い潜り、素晴らしい埼玉ダービーを実現させたい。そのためには浦和サポーターの方々の協力が是非とも必要なのである。
私は、多くの浦和サポーターの方々が、素晴らしい方々であることを知っている。幼馴染の両親とその娘夫婦、高校の友人の母親、中学校の後輩の妹、そして昔付き合っていた女性の姉夫婦、大学の友人のお兄さん、サッかーを経験している、経験していないに関わらず、心から浦和レッズを愛している人を大勢知っている。
ピッチと同様、スタジアムでもルールを順守した、白熱した応援合戦を繰り広げたい。
大宮サポーターになる前は、埼玉県出身ということもあり、最も贔屓にしていたクラブが浦和レッズである。今でも浦和駅付近のレッズ一色の雰囲気は大好きである。
私がJリーグを初めて観戦したのは、1992年の秋に行われたヤマザキナビスコカップ、浦和レッズ対ジェフユナイデッド市原(当時)の試合だった。奇しくも場所は、当時大宮サッカー場と呼んでいた現在のNACK5スタジアム埼玉(さいたま市大宮公園サッカー場)であった。おそらく浦和サポーターにとってもNACK5スタジアムはある種、意味あるスタジアムなのだと思う。9月21日にはNACK5スタジアムで歴史に残る埼玉ダーピーを両チーム・そしてクラブのサポーターによって実現できることを切に願っている。
大分サポーターの方のブログで、前節大分-浦和戦において大分のホームに5,000人以上の浦和サポーターが駆け付けたことを知った。浦和サポーターの素晴らしさを改めて感じた。大分サポーターの方が浦和戦を特別な試合と位置付けているように9月21日25節浦和戦は、大宮サポーターにとっても2か月も前から意識せずにはいられない特別な試合なのである。
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2008年07月14日
7月12日(土)、19時からNACK5スタジアムで16節大宮-磐田戦が行われた。NACK5スタジアムでの試合は、5月25日ヤマザキナビスコカップの5節対大分戦以来、約1ヶ月半ぶり、Jリーグでの試合は、5月10日Jリーグ第12節対札幌戦以来約2か月ぶりとなった。更に言えば、NACK5スタジアムの「勝利」では、4月5日5節対大分戦以降なく、大宮サポーターにとっては是が非でも「勝利」のほしい試合であった。またこの日の磐田戦は、「区民感謝デー」ということで、旧大宮市、旧岩槻市の地域のなかから、大宮区と西区の区民対象に、各100組200名合計200組400名の区民がスタジアムへ招待をされた。スタジアムの入場者数も12,000人越えの12,720人を記録した。
私はと言えば、12日のこの日は、今月から指導をすることになったスポーツ少年団が参加する大会に帯同し、審判(主審)を3試合こなし、NACK5スタジアムに向かうという強行日程であった。ちなみに次の日13日もフルコートでの草サッカーを1試合こなすというサッカー三昧の週末であり。日曜日にフルコートでサッカーを終え、帰宅後、午後7時には床に就いた。そのため当該の大宮-磐田戦をビデオチェックできずにこのエントリを書くことをご了承願いたい。
リスク回避のバックバスだけなら、その辺の草サッカーでもやっている
今シーズン、最近毎節のことではあるが、いつものように前半大宮は低調な滑り出し。前節神戸戦と同様、この日も、試合開始から、磐田のJ1唯一の日本人ツートップ~前田選手とカレン・ロバート選手~を中心に激しいプレスで仕掛けられる。また、磐田のDFやMFから早いタイミングでのロングフィードが繰り返され、大宮CBの冨田・レアンドロ両選手は、縦横無人に走り回る前田選手とカレン選手に捕まえきれず、対応に苦慮した。FWからのプレスと、大宮DFの裏を突くロングフィードは、大宮攻略の定石になってしまった感がある。
前節神戸戦でのレビューでは、「素晴らしい神戸のプレッシャー」と「神戸ホームズスタジアムの深い芝」をポゼッションサッカーができなかった理由とした。コメントでは神戸サポーターの方から「長い芝」を敗戦の理由としたことにいくつかご意見を頂いた。ただ神戸のプッシャーは素晴らしかったが、ご指摘の通り、ボールがうまく転がれば、神戸の激しいプレスにも対応できたのではという、大宮サポーターとしての「言い分」があったのだが、今節磐田戦で、その希望的言い分はいとも簡単に打ち砕かれた。磐田のプレスに大宮は対応できなかった。当前、ボールの止める深い芝はNACK5スタジアムにはなかった。磐田のプレスに対して、大宮の選手は、リスクを回避するためにバックパスを多用、最終的には、GK江角がDFからのバックパスをクリアするというシーンを何度も目にした。特に右SBは狙われていたように思う。小林大悟選手がキープすると激しいプレッシャーをかけられ、やむを得ずバックパス。更に激しいプレッシャーが田中選手を襲い、結局江角選手へバックパスをしてしまうという流れである。
好調のときは、プレッシャーをかけられながらも、ボランチの小林慶行選手や佐伯(斎藤)選手がパスコースを上手につくり、SHの選手(小林大悟・藤本選手)やデニスマルケス選手などにうまく展開していたが、昨日のゲームではそのようなプレーは見られなかった。江角選手のクリアボールはほぼすべて磐田選手がキープすることとなり、結局、磐田の激しいプレスに対応ができないまま時間は流れた。そして開始早々の前半10分に、村井選手のアーリークロスを前田選手が折り返し、カレン選手に先制点を許した。
以前のエントリでも書いたが、ここ最近の数試合は必ず、大宮は先制を許し追う展開を余儀なくされる。この先制点を取られてしまう「負の経験」が試合の展開にも影響を及ぼしているようであった。現在の大宮は、失点しないために樋口監督が標榜するサッカーを実現すべくポゼッションを高めようと試みる。しかし、本来攻撃への展開へつなげるためのポゼッションが失点しないためのポゼッションとなっており、結果としてボールが前へは進まず、リスクを回避するために後方へのバックパスが多用されることとなる。
前半、パスカットしたボールを吉原選手が受け、前にスペースが空いているにも関わらずバックパスをしてしまうシーンがあった。DFやMFからのビルドアップありきになってしまい、本来、チャンスがあればゴールを狙う本質を見失っている象徴的なプレーであった。
樋口・大宮サッカーを実現しようとするあまり、サッカー本来の目的(ゴールを奪い勝利をすること)を蔑ろにしていると言わざるを得ない。私は、ゴールを狙う攻撃的なチャレンジや、ボールを奪う守備的なチャレンジをプロであるJリーグ・大宮のサッカーに求めている。リスクを回避したバックパスなら入場料を払わなくても草サッカーレベル簡単に目にすることができる。前半大宮のバックパスに対して、大宮サポーターからのブーイングが起こったのは言うまでもない。
クレメン(ラフリッチ)選手の登場の期待と不安
これもまた最近毎節の如く、後半から大宮は徐々に調子を上げてきた。ただ、磐田が前半からのハードワークのため、運動量が落ちてきたことが、大宮がボールをキープできるようになった最大の理由である。
戦い方としては明らかに磐田の方が試合巧者である。後半、多少運動力が落ちることが予想されても、前半1点取っておく方が明らかにアドバンテージである。後半は、3枚の交代カードをうまく利用して追加点を狙っていけばよい。仮に追加点が奪えなくても前半1点先制をしているため勝ち点3を得ることができるからだ。
大宮が徐々にペースを掴むも、次にゴールを奪ったのも磐田だった。後半7分にボールを受けた前田選手がシウジーニョへスルーパス。冨田選手の裏をとったシウジーニョ選手がそのままドリブルしゴールネットを揺らした。3分後に佐伯選手から冨田選手がボールを受け得点するも追加点が奪えず敗戦が決まった。
大宮にとって注目すべきは、先日、加入した現役スロベニア代表クレメン選手(登録名ラフリッチ)が初出場を果たしたことだ。身長190センチのFWは、グランドでのウォーミングアップ時から目立っていた。そしてついに後半10分過ぎた頃、長身のFWはピッチに立った。以降、大宮はシンプルにクレメン選手にボールを合わせる。そしてクレメン選手も相手DFの田中選手らに競り勝つプレーもあり、ポストの役割を十分に果たした。圧巻だったのは、後半43分、途中から出場していた橋本早十選手からのフリーキックをヘディングシュートでゴールネットを揺らしたシーンである。ゴール裏の我々サポーターも初出場・初ゴールに歓喜した。結果的にオフサイドであったが、ラフリッチ選手の長身を生かした攻撃を垣間見、今後の新しい攻撃のオプションとして見込めるプレーをした。何より、俗に言う「電柱系FW」の特徴である、足元の技術やスピードへの不安は、このクレメン選手にはないようだ。後半12分の小林大悟選手のフリーキックに飛び込むプレーは、身長190センチとは思えない機敏さであった。190センチ/80キロの締まった体は、大宮のヨンセン(名古屋所属・186センチ/79キロ)になれるのではないか。大いに期待できる。
期待の一方、不安と言えば、クレメン自身の不安というよりは、受け入れる大宮の方への懸念である。1点ビアインドということもあり、クレメンがピッチに立ってからは、戦術を切り替えシンプルにクレメンめがけてボールをフィードした。クレメンが出場する際にどんなサッカーをするのか今後、大きな課題になるだろう。今回のようなただ「放り込む」だけのサッカーでは、折角のクレメン獲得も、彼を生かし切れずにレンタル期間を終えるだろう。名古屋のヨンセンの活躍も彼だけの力ではなく、戦術としてSHのマギヌン・小川両選手、加えて、阿部・竹内(バヤリッツァ)選手らの良質のセンタリングがあるからこそである。今回、クレメン選手に渡ったボールのほとんどは、そのままシュートできるものでなく、ポストプレー(デニスマルケス選手へ落とすため)のためにフィードであった。今後如何にクレメン選手にそのままシュートができるボールを供給できるかが課題であろう。ある程度、予想はしていたが、デニスマルケス選手との連携(ボールの受渡)が全くなかったことも不安の一つである。
既に私自身が樋口監督の立場であったら選手をどう起用するかという考えはあるのだが、次の柏戦を観戦してから述べたいと思う。
ただこの磐田戦の当日に、メンバー以外の控え組が、筑波大学と練習試合を行っているのだが(1-2の敗戦)、U-19代表の青木選手を本職のボランチではなく、右SBに起用しているところからSBについて課題と感じているようである。僭越ながら私が常々課題に思っているポジションと一緒のようである。ちなみに現有戦力で起用するなら、右SBには小林大悟選手、左SBには、橋本早十選手がベストだと考えている。次の柏戦でどんな布陣で挑むのか注目したい。
日本代表FWの第一候補と前田遼一選手と、中山選手の後継者カレン・ロバート選手、そして村井・駒野両選手の攻め上がりは驚異
2006年ドイツワールドカップにどうしても選出してほしかった選手が二人いる。前田選手と村井選手であった。奇しくも二人とも磐田に所属していた。今シーズン初めてライブでみた磐田はやはり強かった。やはり前田選手の復帰が大きいのだろう。またカレン・ロバート選手の、風貌からイメージするプレースタイルとは真逆の献身的なプレーには目を見張るものがあった。中山雅史選手のスピリットを受け継ぐ選手はこのカレン選手であろう。
日本人ツートップに加えて彼らにボールを合わせる村井・駒野の両サイドからの攻め上がりは驚異であった。村井選手が務める左サイドからは正確で鋭いセンタリングは配給された。1点目の大宮の失点は村井選手のセンタリング瞬間、失点の予感をさせた。右からは、駒野選手の大宮DF(波戸)の裏を取る動きは圧巻であった。前回のエントリに駒野選手について書いたが、なぜひ右で使わず左SBで起用され続けるのかという駒野選手をよく知る方々からの指摘も頷けた。磐田の3バック、日本代表の4バックの違いはあるが、「左」か「右」と問われれば、間違いなく「右」で活きる選手なのであろう。
明日検証『ミスター5.5 駒野友一』なぜ彼の日本代表でのプレーに満足できないのか?~長友佑都の出現で見えたSBに求めるもの、そして駒野選手の持つ強み~
大宮が、このまま下位へ落ちていくのか、上位に食い込めるかは、中断再開後の数試合が重要であると以前に書いた。中断再開後、1勝2敗と負け越している。次節以降の柏戦・名古屋戦・清水戦の7月の残り3試合で1勝でも勝つことが大切である。これから3試合でリーグの勝敗が決するとは思わない。ただ今は目の前の1戦、1戦に勝利をしていかなければリーグ上位は見込めない。まずは、死にものぐるいで次の柏戦に挑んでほしい。
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2008年07月11日
今回のエントリは、一人の選手をテーマにして書いているが、決して選手個人を非難することが目的ではない。一サッカー好き、日本代表のサポーターの一意見であることを了承願いたい。以前から書きたいテーマであったのだが、明日、大宮のホームNACK5スタジアムでジュビロ磐田の試合を観る機会があるのでこのタイミングで書くことにした。
30歳を越えた現在、小学低学年から始めたサッカーとの付き合いは20年以上になる。20年以上のサッカー歴のなかでそのほとんどの時間をプレーヤーとしてサッカーと付き合ってきた。現在もサッカーをすることの楽しさを十分享受しているが、自分のサッカーと接する比重が、以前と比べるとプレーヤーとしてよりも、観戦者や指導者としての時間が増えてきた。サッカーをプレーしてきただけに、自分自身、サッカーを知らないとは思っていない。むしろ、技術的ことや戦術的なことを含め、一般的なサッカーフリークと比べても理解している方であると自負もある。しかし専門的な観点からサッカーを分析したり、指導者としてサッカーを見る「目」は肥えているとは言えない。
例えば、日本代表の選手選出においても、「なぜこの選手が代表で起用されるのか?」また「なぜあの選手が呼ばれないのか?」と思うことがよく起こる。
以前に「なぜ代表でスタメンとして起用されるのか?」と思っていた選手に「ミスター5.5」 磐田の駒野友一選手がいた。(注:刺激的な一文ですみません)「ミスター5.5」というのは、サッカー雑誌(私が愛読するのは主にサッカーダイジェスト)において、各試合、選手への短評とともに、10点満点でその試合の出来を採点がされているのだが、日本代表における駒野選手の採点がいつも「5.5」の印象があることから私が付けたニックネームである。(5.5、可もなく不可もなくという点数、及第点ではない)
駒野選手は、広島時代も含めてJリーグでのプレーをほとんど見たことないので、その時点でそもそも選手を評価するための情報に乏しいのだが、日本代表の試合をみていると駒野選手のプレーにおいて、突出した「強み・輝き」を見出すのが難しい。
個人的な印象として、ボールには頻繁にタッチするのだが、目立だったプレー、決定的プレーが少ないのである。
山本昌邦アテネ五輪代表では、右サイドで本戦2試合に出場し、フル代表のジーコジャパンでも、加地選手のバックアップ要因として名前を連ねるようになる。オシムジャパンにおいては、左SBを担当しレギュラーポジションを獲得した。アテネ五輪当時から、「なぜ駒野選手は起用されるのか」常々、疑問に思っていた。当時、私には、監督視点など全くなかった。今思うと、駒野選手は、プロの指導者からすると非常に計算できて、安定感のある選手という評価をされていたのだろう。
一般的に言われる駒野選手のストロングポイントと言えば、豊富な運動量による攻め上がり(激しい上下運動)と正確なセンタリングである。現代のサッカー、特に4バックを布く戦術において、サイドバック(SB)の役割は、守備をすることは当然ながら、如何に攻撃に参加できるかであり、その点がSBを務める選手の評価にもなる。確かに駒野選手も後ろで守備をするためだけにバックラインに張り付いている選手ではない。しかし、日本代表の試合における駒野選手のプレーは、なにか物足りなさを感じていた。
そんな時にFC東京 長友佑都選手の出現で、以前から日本代表での駒野選手に期待していたもの、また駒野選手のプレーで満たされなかったものを理解した。
長友選手のドリブルには、リスクを犯す果敢なチャレンジがあった。
以前から年代別のオリンピック候補として長友選手の名前やプレーは何度か見たことがあった。既にJリーグのトップチームに所属するチームメートにあって、大学サッカー部からの選出だったのが印象的であった。ただそれ程、気にとめていた訳ではなかった。
長友選手を明確に意識するようになったのは、今シーズンの始まる前の今年の2月であった。
私は、大宮アルディージャのサポーターになる前は、埼玉県出身のJリーガーの動向を追うことを趣味としていた。FC東京の金沢浄選手も好きな選手の一人であったのだが、ルーキーである長友選手が、2008年シーズン開幕を前にして、金沢選手のレギュラーポジションであった左SBを奪取したというのだ。開幕前から長友選手がどんなプレーをするのかとても気になった。
Jリーグを開幕してからの長友選手の活躍は、周知の通りである。私もテレビ観戦で数試合を観戦し、5月3日の大宮-F東京戦では、長友選手に得点まで奪われた。ただ多くの方にとって衝撃的だったのは、キリンカップでのコートジボワール戦だったのではないだろうか?私は、日本代表に新しい左SBが現れたと感じた。
長友選手の最大の強みは、身体的、技術的な能力の高さに起因するのか、思い切りのよい前へのチャレンジ(ドリブル)である。身体能力に長けていると言われるアフリカ・コートジボワールの代表選手とも対等に、むしろ優位に日本の左サイドを縦横無尽に動いていた。この2年間、フル代表で左SBを務めた駒野選手に対して、期待をしていながら、物足りないと感じていたものを長友選手によって見せつけられた試合であった。それは、リスクを犯す果敢な前へのチャレンジであった。(左SBへの期待は、安田選手の登場の頃より徐々に高まっていたのだが…)
ここ数年のSBを担当する選手で、駒野選手だけが満足できないということではなかった。ジーコ監督時代からSBを担当していた加地選手や三都主選手、現在の日本代表に右SBとして出場することの多い内田選手が、期待通りの攻撃参加をしているかと言えばそんなことはない。
ただ左SBを務めることの多かった駒野選手に対しては、以前から右足で自陣方向へ向かうトラップがとても気になっていた(大宮の波戸選手にも得ることだが…)。右足での自陣方向へのトラップは、リスクを回避するプレー象徴であった。それが安田選手の登場によって利き足に関係なく前へチャレンジするSBへの期待感を芽生えさせ、長友選手の登場で、日本における新しい左SBの出現を確信した。
駒野選手の守備への安定感とそのユーティリティーの高さは何者にも代えがたい
先月行われた2010年南アフリカW杯、3次予選第6戦、ホーム・バーレーン戦で左SBとしてスタメン出場したのは、長友選手が負傷で欠場のなか安田選手であった。安田選手は、果敢に攻撃参加を見せるものの、パスワークでのミスが目立ち、守備面での安定を欠いた。
「いかに効果的に攻撃に関われるか」ということにSBの役割をフォーカスしてきたが、守備を確実にこなす、或いは、相手に攻撃をさせない圧倒的な攻撃力を持っていることを前提にしたものである。現実問題として代表間の試合で一方的に押し込むことも難しいので、守備力は当然必要な能力となる。
長友選手の負傷のなか、安田選手は守備に課題が残る結果となった。
安田選手や長友選手の登場によって、安定感やユーティリティー性の高さなど駒野の良さも実感することになった。
駒野選手は、日本代表にとって必要な選手なのかもしれない。
ただ攻撃の面では、長友選手や安田選手と比べるとやはり物足りなさが残る。駒野選手にももっと果敢な攻撃参加を期待したい。明日、NACK5スタジアムでは、一日本代表サポーターとして駒野選手の果敢な攻めを期待したい。
しかし大宮サポーターとしては、あまり活躍されても困るのだが…。
※駒野選手の試合採点が5.5ばかりという印象は、日本代表におけるイメージであり磐田での採点は含まない。最後に実際、今年の駒野選手の日本代表における評価を調べた
【駒野選手の日本代表メンバーとしての評価と寸評】(サッカーダイジェストより抜粋)
○6月22日バーレーン戦 W杯3次予選(H)出場なし
○6月14日タイ戦 W杯3次予選(A)5.5
87分に左サイドで仕掛けて中村憲の3点目を演出したが、全体的なパフォーマンスは低調だった。どこか思い切りの良さに欠けそれが守備面にも影響。左SBとしては物足りない。
○6月7日オマーン戦 W杯3次予選(A)5.5
長友の負傷離脱により左SBでプレー。相手に裏を狙われ、ポジショニングに苦心した。攻撃時に前との距離が空いており、松井との連係でサイドを崩す場面はほとんどなかった。
○6月2日オマーン戦 W杯3次予選(H)5.5 寸評なし
○5月27日パラグアイ戦(キリンカップ)5.5 69分から出場
激しい上下運動は見せたものの、連動性なく単発プレーに終始。
○5月24日コートジボワール戦(キリンカップ)5.0
フィジカルを前面に押し出した相手ウイングの突破に対応し切れない場面も。攻撃でもフラフラと中でボールを貰いに行ったが、スペースを消してしまうだけだった。迷いながらのプレーで本人も消化不良だったのでは。
○3月26日バーレーン戦 W杯3次予選(A)6.0
激しい上下動で右サイドの主導権を握った。37分には単独突破からシュート。遠藤投入後から飛び出しの回数が増え、70分にはサイドを破り決定的クロスを供給。パス精度は欠くも、低調な攻撃陣のなかで気を吐いた。
○2月23日韓国戦(東アジア選手権) 出場なし
○2月20日中国戦(東アジア選手権) 6.0 前半で交代 寸評なし
○2月17日日北朝鮮戦(東アジア選手権) 採点なし 終了13分前からの出場
岡田体制下で初めての右SBで起用された。短い時間で躍動感見せた。
○2月6日タイ戦 W杯3次予選(H) 6.0
前線の選手がサイドに流れたことで普段よりも攻め上がりの回数は抑え気味も、ビルドアップは安定。
○1月30日ボスニア・ヘルツェゴビナ戦(キリンチャレンジカップ)6.0
'攻守のバランス調整に腐心。ボールを奪われた後の対応が早かった。
○1月26日チリ戦(キリンチャレンジカップ)6.0
山岸との有効な関係を築き果敢に攻撃参加。身体を張ったプレー光る。
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サッカーその他 |
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2008年07月08日
私自身の性格によるものなのか。 現在のJリーグの混戦模様はどうも落ち着かない。
この混戦であれば、勝てば上位、負ければ降格圏付近まで順位を下げる。順位を気にせずに勝ち点を積み上げたいとは、前回のエントリでも書いた。ただ、どうしても順位が気になる。前節、東京Vに勝利をし、順位を大幅に上げるかと思いきや、14節終了時で7位、順位を1つ上げるに留まった。そして今節15節、神戸戦で大宮は敗れた。いよいよ二桁順位に突入かと思いきや順位を1つ下げただけであった。順位は1つ下げたに留まったが、勝ち点を見れば、今節の敗戦で、確実に下位クラブとの差は縮まった。14節終了時、16位であった神戸には、私もどこか「負けないであろう」、「負けてはならないと」いうスタンスで観戦していた。今シーズン、大宮は常にチャレンジャーであるべきなのに…。
順位ではなく、勝ち点差でみたとき、勝ち点22の大宮と勝ち点16で勝ち点差6の神戸とは、順位程、差がないことに敗戦した後に気づいた。13節川崎戦、14節東京Vと2連勝したせいで、今節神戸戦での勝利をし、3連勝を飾ることに期待をして、順位と比べ勝ち点差がなかったことやアウェーでの戦いであったことなど頭から消えていた。推測だが、大宮のチームや選手間にも3連勝を狙おうと、少し前のめりになっていた部分があったのではないか。そこを神戸に突かれた感があった。
ただ、今節の神戸戦のような、勝ち点差のない、勝っても負けてもおかしくない試合で勝ちきれないところに大宮がもう一つ上のレベルで優勝争いに絡めない原因がある。その原因が経験不足によるものなのか、それとも勝利者としてのマインドの欠如なのか・・・、大宮にとって足りないのは、技術や戦術とは別にあるように思う。得点をされてはまずい時に得点を許し、決めなければいけない時に決めきれない。大阪戦や川崎戦のような大逆転を披露することもあるが、基本的に勝負弱いといえる。試合巧者のイメージが強い浦和や鹿島など常に上位にいるクラブと比べると決定的な「何か」が足りない…。
神戸の前線からのプレスにどう対処していくのか注目した時、敵は神戸だけでなく、足元にもいた!?
試合は、開始から神戸が積極的にプレッシャーをかける。そのプレッシャーに大宮の選手は、パスミスを多発し、そのうちパスミスを恐れてかクリアやロングフィードを多用した。そのボールをことごとく神戸の選手がキープし、シンプルで、かつスピーディな展開をみせ、9分のレアンドロの先制弾の前にも後にも何度か大宮のディフェンスラインを崩される場面があった。
試合後、樋口監督もコメントしたように、大宮は、ポゼッションを高めようとバックラインからビルドアップを試みた。しかし、神戸のプレッシャーと合わせて、大宮を苦しめたのが、ホームズスタジアムの長い芝であった。神戸のプレスと、長い芝によって明らかに大宮は、試合のペースを崩していった。どちらか一方~激しい前線からのプレスと長い芝~ だけであったら大宮は対応できただろう。しかし、神戸のプレスと長い芝が同時に大宮に襲いかかってきた。そんな時に、チームが浮き足立ってしまったのは、今の大宮サッカーの「限界」なのかもしれない。ただシーズンを通して、今節のような経験を積み上げて今後にいかしていくしかない。大宮は12節札幌戦でも雨で滑りやすくなっているピッチの上でボールを回せず敗戦した経験を持つ。雨で濡れたピッチでサッカーのスタイルを変えるように、今後は、長い芝にも対策を講じなければならないだろう。25mm以上の芝には、今の大宮のサッカーは太刀打ちできない。後半途中から出場した大宮サッカーの申し子、小林慶行選手でさえ、ボールを落ち着かせもしたが、危機的なパスミスも連発した。今の大宮にとって長い芝の上でのポゼッションはリスクが大きいと言わざるを得ない。
<樋口監督の試合後のコメント(抜粋)>
このスタジアムの芝生は長いということを承知の上で試合に臨んだのですが、25ミリを超える芝生のために、我々のパスのテンポはなかなか上がっていきませんでした。パスをまわしていく中で、普段よりもワンテンポずつ遅れていきました。足下にボールが入ったところを狙って神戸がプレスをかけてきたもあって、我々のリズムを作りきれなかったのです。(大宮アルディージャ公式サイトより抜粋)
芝は、デニスマルケスのドリブルのリズムまで狂わせた
長い芝で明らかに調子に乗れないでいたのは、チームだけなく、デニスマルケスも同じだった。彼は自分の懐にボールをキープし、足裏でボールを転がしながら相手との間合いを取り、ドリブルをするのが得意である。通常、最初のトラップで自分の最もキープをしやすいエリアでボールをしっかりと持てるのだが、この試合~特に序盤の時間帯~では、トラップした後のボールがうまく転がらず相手に詰められるシーンが何度かあった。一試合を通じてボールをうまくキープできなかった印象がある。
すべての選手に関して、トラップが思うように転がらず、パスのタイミング・精度が落ちた印象があった。
機能してきた両サイドバック(波戸選手・田中選手)のオーバーラップ
開幕当初、ほとんど見ることのできなかった両サイドバック(SB)の攻め上がりの回数が増えている。特に左SBの波戸選手は、藤本選手がボールをキープした際に、ライン際をオーバーラップすることが多くカタチになりつつあり、相手陣地の深いエリアでのプレーが目立ってきた。近いうちに波戸選手の攻め上がりで、デニスマルケス選手や森田選手、そして新加入ラフリッチ選手へのアシストを記録するだろう。また、波戸選手に、一つ注文をつけるならサイドチェンジ等でボールを受ける際、すべて右足で自陣に戻るトラップをするのだが、あのトラップが相手陣地に向かうようになれば、そのまま攻め上がることができ、スムーズに前線の選手にパスができるようになるはずだ。
田中選手に関しては、まだボールを受けてからの工夫が足りないが、神戸戦の後半13分のデニスマルケス選手へのセンタリングがあったように、流れのなかで、ピンポイントでFWに合わせることができれば、デニスマルケス選手や吉原選手に決定的なパスを供給できるだろう。後半13分の田中選手のセンタリングは、両SB通じて、開幕戦以後、私が初めてみたSBからの決定的なセンタリングだったのではないか。
大宮は、下位神戸に敗戦した。しかし現在の混戦するJリーグにおいて、圧倒的な力の差がないなか、悲観する敗戦もない。神戸は、素晴らしいプレスを大宮に与えていた。神戸がなぜ下位に低迷していたのか疑問に思うほど素晴らしいプレーであった。特にレアンドロ・大久保・ボッティ各選手がワンタッチで攻め上がるシーンは恐らくどのJクラブにとっても脅威であろう。
私自身の性格によるものなのか。 現在のJリーグの混戦模様はどうも落ち着かない。
ただ1試合毎のこのドキドキ感がたまらない。
posted by toddocom |18:40 |
大宮アルディージャ |
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2008年07月07日
本日、8月2日に行われるJOMOCUP2008 の韓日両リーグの選抜チームとして出場する選手が発表された。ある意味想定はしていたが、大宮アルディージャ、他7クラブ(札幌・千葉・柏・東京V・新潟・清水・京都)、J1リーグ8クラブからの選手は選出されなかった。例年の大会方式から大きく変更し、Jリーグ選抜(J-ALLSTARS)とKリーグ選抜(K-ALLSTARS)の対戦となった今年は、昨年までの全クラブの選手が集う祭典としてのコンセプトもやめてしまったようだ。Jリーグを愛するものとして、またKリーグとJリーグとの更なる交流を期待する一サッカーファンとして今回の新しい方式のJOMOCUP2008に賛同しつつ、既にチケットの購入をすませていたが、やはり大宮アルディージャサポーターとしてはやはり残念である。オレンジネイビーのユニフォームを身にまとい、国立競技場へ向かう夢は潰えてしまった。
引き続き、JOMOCUP2008の新しいコンセプトに賛同はする。しかし、チケット購入は時期尚早と言わざるをえない。なぜなら今回のチケット購入は、新方式に賛同しながらも、やはり、一大宮アルディージャサポーターとして大宮の選手の出場を期待して購入したからに他ならないからである。
<JOMOCUPに関する過去のエントリ>
8月2日開催JOMOCUPチケット購入予約~JAPAN ALLSTARSに大宮の選手は選ばれるのか?
■J-ALLSTARS(J’sGOALより抜粋)
監督:
オズワルド オリヴェイラ(鹿島)
選手:
1 GK 楢崎 正剛(名古屋)CAP.
19 GK 都築 龍太(浦和)
2 DF 中澤 佑二(横浜FM)
3 DF 岩政 大樹(鹿島)
4 DF 田中 マルクス闘莉王(浦和)
7 DF 新井場 徹(鹿島)
15 DF 駒野 友一(磐田)
5 MF 今野 泰幸(F東京)
6 MF 金 南一(神戸)
8 MF 小笠原 満男(鹿島)
10 MF 山瀬 功治(横浜FM)
11 MF 二川 孝広(G大阪)
13 MF 阿部 勇樹(浦和)
14 MF 中村 憲剛(川崎F)
17 MF 金崎 夢生(大分)
9 FW ヨンセン(名古屋)
16 FW 鄭 大世(川崎F)
18 FW バレー(G大阪)
■K-ALLSTARS(J’sGOALより抜粋)
監督:チャ ボングン(水原三星ブルーウィングス)
選手:
1 GK イ ウンジェ(水原三星ブルーウィングス)CAP.
18 GK キム ヨングァン(蔚山現代ホランイ)
3 DF キム ヒョンイル(大田シチズン)
5 DF キム チゴン(FCソウル)
14 DF イ ジョンス(水原三星ブルーウィングス)
2 MF チェ ヒョジン(浦項スティーラース)
4 MF キム チウ(全南ドラゴンズ)
6 MF チョ ウォンヒ(水原三星ブルーウィングス)
7 MF チェ ソングッ(城南一和天馬)
9 MF チョン ギョンホ(全北現代モータース)
16 MF コ ミョンジン(FCソウル)
19 MF パク ウォンジェ(浦項スティーラース)
8 FW チョン ジョグッ(FCソウル)
10 FW チョン ナムソク(大邱FC)
11 FW モタ(城南一和天馬)
13 FW キム ジンヨン(慶南FC)
15 FW エドゥー 水原三星ブルーウィングス)
17 FW ラドンチッチ(仁川ユナイテッドFC)
JOMOCUP2008出場選手選出委員会は、どんな基準で選出を選出したのだろうか?
後から物議を醸しそうな外国籍選手枠、外国籍選手+特別枠(在日外国人枠)
今回の、JOMOCUP2008の選出は、JOMOCUP2008出場選手選出委員会(以下選出委員会)によって選出をされている。決してオリヴェイラ監督が決めたチームではない。オリヴェイラ監督の意見は参考ということである。Jリーグチェアマン、専務理事、常務理事、技術委員長は、どんな基準で選手を選出したのだろうか?オリヴェイラ監督(2007シーズン優勝監督)よって選出されるのはまだ、納得もできるが選出委員がどんな基準で選出したのか不明瞭なままだと、一人も選手を選出されなかったクラブのサポーターは納得いかない。例え大宮のサポーターが選ばれないとしても、例えば、名古屋の小川選手や、柏の太田選手あたりは、Jリーグの活躍から選出されてもよかったのではないだろうか?恐らくJ-ALLSTARSで右SHを担当する磐田の駒野選手と小川・太田選手の今シーズンのJリーグでのパフォーマンスを比較すれば後者2人に選出されるべき選手なのではないか?選出方法に不信が募る。
金南一、鄭大世選出という、韓国側への配慮は見られるが、選出されなかった8クラブへの配慮がまったく感じられない。また観客動員に配慮しているとも考えづらい。
KリーグサポーターとJリーグサポーターの数が逆転してしまうということも大いに考えられる。
また、J-ALLSTARSには、4名の外国人選手が出場することになる。(金南一選手、ヨンセン選手、バレー選手、鄭大世選手)、チョンテセ選手は、Jリーグの規約にある特別枠(在日外国人枠)の適用で外国人籍選手とみなされていないということなのだろうが、公平性に欠けるような気がする。もし8月2日にJ-ALLSTARSが勝利したとしても、この人選で韓国人のサポーターは、納得するだろうか?物議を醸すのは間違いない。
【選手について】
J1所属クラブから18名
☆各クラブから選出される選手数の上限はなし
☆外国籍選手は3名以内
【選出方法】
[1]技術委員会が出場監督の意見を参考に、リーグ戦等における活躍を総合的に判断し、出場選手案をJOMO CUP 2008出場選手選考委員会に推薦する。
[2]JOMO CUP 2008出場選手選考委員会により出場選手を決定。
[3]JOMO CUP 2008出場選手選考委員会は下記のメンバーで構成される。Jリーグ チェアマン、専務理事、常務理事、技術委員長
[4]負傷等の理由で出場選手を変更する場合は、技術委員長の推薦をもとにチェアマンが代替選手を決定する。
(Jリーグ JOMOCUP2008 ページより抜粋)
エントリを際に、大宮サポーターであるけれども、なるべく客観的に書くことを心がけているが、今回のエントリは、明らかに大宮アルディージャ含め、8クラブもの選手がJ-ALLSTARSに選出されなかったことに対して憤りを感じ、客観性を欠いた内容になっていることをご容赦願いたい。
それにしても、15節の大宮の神戸戦の敗戦、そして今回のJOMOCUP2008 J-ALLSTARSの出場選手選出に関しても、過去になかった程、悔しさや憤りを感じている。
半年前には、大宮の選手の名前すら知らなかった私が、大宮のサポーターになったんだとしみじみ感じ入ってもしまった。
※追記
韓国Kリーグ選抜の面子は、どうなのか?Kリーグの活躍が反映されているものなのか?Kリーグ通の方がいらっしゃったらぜひとも教えて下さい。
posted by toddocom |19:26 |
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2008年07月03日
大久保選手のオリンピック代表招集拒否(以下、オ代表招集拒否)に関する一連の騒動について、既にマスコミやこのスポナビブログでも多くの方々が情報を発信している。私が改めてこの騒動の経緯をなぞる必要はないだろう。
この一連の騒動には、実に多くの利害関係者が存在する。当事者である大久保選手、神戸側を代表する安達社長、オリンピック代表チームの反町監督や協会側の窓口であった小野技術委員長、その他にもオリンピック代表のサポーターや神戸のサポーターなど、挙げただけでも、これだけの利害関係者としてこの騒動に関わっている。
今、挙げた利害関係者らは、それぞれの考えや思い、そして「思惑」があるのは当然であろう。今回はその中で、頑なに協会からのオ代表招集を拒否したヴィッセル神戸代表安達氏の観点でこの騒動について考えてみたい。
なぜ安達社長は大久保のオリンピック代表招集を拒否したのか?
安達社長が招集を拒否をした理由として、大久保選手の怪我の具合への配慮、また、反町監督や小野技術委員長をはじめとする協会側の対応の悪さによる協会不信などとマスコミ中心に報じられている。
今回の神戸のオ代表招集拒否は、所属選手の、代表チームへの招出がクラブにとって「デメリット」であるという前提に立っている。安達社長は、大久保選手をオリンピック代表に出すことにより、神戸にとってデメリットと感じたということに他ならない。
今回のケースで言えば、大久保選手が代表でプレーすることによって、2月に受けた右足の手術個所が悪化するのではないかという懸念と、北京オリンピック開催中に行われるJリーグの試合に主力である大久保選手が出場できないという戦力的な問題から大久保選手の代表招集は神戸にとってデメリットと判断された。
クラブにとって所属選手の代表招集は、本当にデメリットなのだろうか?
そもそもクラブにとってのメリット・デメリットとはどのような基準で考えるべきだろうか。
監督と社長の目的の違い
オ代表招集によるクラブのメリット・デメリットを考える前に、サッカークラブにおける「チーム」と「クラブ」を明確に分けておきたい。Jリーグにおけるチームとは、まさにサッカーをプレーすることによって相手Jチームに勝利をする。そのために日々訓練をしているプロフェッショナル組織と定義できるだろう。一方、クラブと言えば、チームの運営を中心に、下部組織の運営、グッズ商品の企画・販売など事業を行う事業組織であり、Jリーグクラブにおいては、法人化が義務付けられ、ほとんどのクラブが「株式会社」の形態をとっている(唯一モンテディオ山形を運営するスポーツ山形21のみが「社団法人」)。
「チーム」が試合に勝つことを目的にしているのに対して、株式会社である以上、「クラブ」の目的は、利益を出すことである。Jリーグクラブは、公共性が高いので一概に、一般の株式会社と一緒にするべきではない、という意見もあるが、私はそうは思わない。浦和レッズを例にとっても、地域貢献を実現しながら収益を確保しているクラブは存在する。また、世界に目を向ければその数は更に増える。「クラブ」は、「サッカーチーム」を内包しているが、2つの組織は、明確に目的が異なるのである。
【大宮アルディージャを運営するエヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティー(株)の主な事業内容】
(1)プロサッカークラブの経営
(2)サッカー、その他の各種スポーツ競技の興行及びその仲介
(3)サッカー等の選手の養成及びコンサルティング
(4)その他の関連業務
異なる2つ組織での“長”である「社長」と「監督