2008年10月07日

28節 大宮-柏戦 6試合を残して17位に転落 順位を見るな!勝ち点を積むことだけを考えればまだ十分に一桁順位はある!

10月4日大宮のホームNACK5スタジアムでは、28節大宮-柏戦野田線ダービーが行われた。この野田戦ダービーの試合は、この日の夜や明朝のニュース番組のスポーツコーナーで大々的に取り上げられることとなった。この試合でJリーグ初出場ながら前半だけでハットトリックを達成した柏・村上佑介選手の活躍、Jリーグデビュー戦でのハットトリックは、Jリーグ初年度第1節鹿島-名古屋戦において鹿島ジーコ選手の達成以来の記録となった。逆に村上選手のゴールシーンをテレビで観る度に黄色いユニフォームを着た柏の選手らが喜び合う後ろで、オレンジ色のユニフォームを着て項垂れた選手らを何度も目にすることとなった。何気なくニュース番組を見ていた人にとって何でもない映像でも、大宮サポーターにとっては心掻き乱す映像だったのではないだろうか。
特に、村上選手の3点目は決定的な失点だっただけに印象深い。自陣からのフランサ選手のスルーパス、勢いよく飛び抜け、必死に追う佐伯選手を置いていく村上選手、そしてタイミングのよいループシュート、江角選手の手をかすめてゴールマウスに吸い込まれた。
前半14分までにセットプレーからの2失点、前半のうちに1点、取り返しておけば後半逆転もあると考えていた多くの大宮サポーターの期待を落胆に変えた前半ロスタイムの失点であった。

バランス崩しの攻防、「柔道」で一本を取られたような3失点目のループシュート

3点目の失点ですぐに思ったのは、

なぜ右SBの柏村上選手がスルーパスを受けるあの位置にいたのか?
なぜその村上選手を追う大宮の選手がボランチの佐伯選手だったのか?

ということである。
この失点を振り返ると、オーバーラップをした大宮レアンドロ選手からクレメン選手へのクサビのパスが柏DFにブロックされクレメン選手に収まらない。そのこぼれ球を村上選手がマイボールにする。ボールを柏MFに預け、そのままフォールド中央をオーバーラップする。その後ボールはフランサ選手に渡り、タイミングよく走り込む村上選手へのスルーパスを配給した。対して大宮のディフェンスは、オーバーラップしたレアンドロ選手が守備へ戻る前に冨田選手がフランサ選手にボール奪取に飛び込むが、寸前のところでフランサ選手がスルーパスを送る。フランサ選手がスルーパスを出した時には、大宮CBのレアンドロ・冨田両選手不在のままセンターサークル付近に残ったボランチの佐伯選手が、オーバーラップをした村上選手を追うこととなった。
話は変わって柔道の話。サッカーと柔道には、まったく違う競技でありながら、意外と共通点も多いと思うことがある。柔道とは、如何に対峙する相手のバランスを崩すかの武道であり、「柔よく剛を制す」という言葉あるが、普通に組めば力のない者が力のある者に対して「力」で挑んでも勝ち目はない。しかし、力のある者に対しても相手のバランスを崩すことにより、力を無力化し、時には相手の力を利用することによって相手を打ち負かす武道である。
 この3失点目のプレーがこの試合のすべてを物語っているようであった。柏は、大宮のバランスが崩れるタイミングによく攻撃をしたし、大宮はタイミング悪くバランスが崩れたところで柏に攻め込まれた。
 前節の鹿島戦では、鹿島のパスワークの前に大宮の守備のバランスを何度も崩される場面があったが、今節柏の攻撃によって大宮の守備のバランスが崩されるというシーンは、あまりみられなかった。しかし、大宮は、前がかりになりながら自らチームのバランスを崩していった。10分・14分と立て続けにネットを揺らしたセットプレーからの柏村上選手のヘディングゴールによって2失点をする。この2失点によって大宮は、どんどん前がかりになっていった。
前半ロスタイムの3失点目においては、レアンドロがオーバーラップをしている時に、安易に冨田選手がフランサ選手へボールを取りにいった時点で完全に大宮ディフェンスのバランスが崩れた。柏に攻撃によって崩されたというよりは、自ら守備のバランスを崩し自滅した。
サッカーにおいても、いかに自らの守備においてバランスを崩さないようにするか、またいかに相手の守備陣のバランスを崩していくかの攻防である。大宮の攻撃は、柔道に例えれば、十分相手が構えている状態で攻撃をしかけているようなもので、いくら自分に力があっても相手を攻略するのは難しい。そのくせ、自らバランスを崩したところを、綺麗に一本を取られたかのような試合展開だった。
 一本を取りに行く前に、もっと相手の襟を掴みながら、前後・左右に揺さぶり、相手の態勢を崩すような攻撃が必要なのではないだろうか。
 大宮イレブンが、果敢に攻めているのはわかる。ただ態勢をととのえた相手から一本を取るのは至難の業である。

17節アウェー柏戦で見せた「接近・展開・連続」のサッカーを目指してほしい。

現在の状況を下手な麻雀で例えるなら、負けが混んで周りの状況が見えなくなって、あがりたいあまりに容易なリーチで自分の状況を悪化させている状態である。そして他家にまた振り込んでしまう…。
そのような状態を回避するためには、自らで状況を悪化させないこと。具体的に言えば勝ち急ぐために前がかりになり全体のバランスを崩すようなことはあってはならない。
また、攻撃に関しては前述したとおり、いかに相手ディフェンスのバランスを崩すことが重要で、クサビ(グランダーのパスで)を入れていくことによって縦への揺さぶりをかけること、また両SBの攻撃参加によって左右、ワイドにボールを展開することが大切である。今節のホーム柏戦ではなく、17節アウェー柏戦でみせた「接近・展開」、そして接近・展開を繰り返したサッカーを残りの試合でぜひみてみたい。

17節柏-大宮戦のレビュー
17節柏-大宮戦 サッカー好きの皆さん必見!大宮のサッカー!17節柏に敗れたが、非常に面白いサッカーしている!!「接近・展開・連続」のサッカーの実践!

攻撃においては、4-4-2のシステムでなく、4-2-2-2の攻撃的なハーフ(今節で言えば、小林大・金澤両選手)が中央に絞り、サイドスペースを空けるシステム。17節柏戦においては、佐伯選手がSHのポジションを務め、結果的にサイドに開くのではなく、中央でプレーしたことにより実現したシステム。
例えば左サイドで起点をつくり、非常に狭いスペースで攻撃を仕掛ける【接近】。相手ディフェンスが大宮の左再度に偏ったところで大きく右SBの田中(村山)選手に展開する。【展開】そんな展開を期待したい。

大宮サポーターの皆さんへボールの流れを追って「接近・展開」のサッカーをイメージしてほしい。

波戸→佐伯→クレメン→藤本→小林大→金澤→田中→クレメン→GOAL
※金澤のポジショニングが今までより中央のイメージ
もしくは、
波戸→佐伯→クレメン→小林大→藤本→クレメン→GOAL
※藤本選手は、相手ディフェンスラインの裏へ飛び出すイメージ

想像していただけただろうか?

大宮には、名古屋の小川選手や千葉の深井選手、川崎のジュニーニョ選手のような現代サッカーでは主流になりつつある個の力の長けたサイドアタッカーはいない。マルキーニョス選手のような絶対的なストライカーも存在しない。
ただもう一度、樋口監督の標榜する攻撃的なサッカーを残りの試合で発揮してほしい。

順位ではなく、勝ち点に集中する

近々5試合で勝ち点を上げられなかったことは非常に悔やまれる。しかし28節時点で自動降格圏内である17位であることに対してはそれほど悲観する必要はないと思う。なぜなら今シーズンのJリーグは類稀な混戦であり、現在9位のヴィッセル神戸と勝ち点5の差しかない。残り6試合は、順位に一喜一憂するよりも勝ち点を意識したい。今後大宮は勝ち点の近いクラブと直接対決を多く残している。

10月18日(A) 対東京V
10月26日(H) 対千葉
11月8日(H)  対川崎
11月23日(A) 対新潟
11月30日(H) 対京都
12月6日(A)  対磐田

勝ち点18を獲得すれば、確実に残留できるだろう。
もっと言えば、29節・30節で勝ち点6(勝ち点合計38)を得ることができれば残留へ大きく前進する。
今の大宮の状態で、東京Vや千葉に勝てるのか?と思う人も多いだろう。
ただ、降格が確実視されていた千葉が降格圏内から脱出するという現実を目の当たりにした今、可能性がある以上、大宮サポーターである私が、残り6試合(特に次の2試合)の勝利を諦めてしまう要因などひとつもない。
次節東京V戦で、試合に勝利し、大宮の選手が歓喜していることを切に願う。


大宮-柏戦
視覚的にみれば、より混戦模様がわかる(10月7日発行のエルゴラより)


posted by toddocom |21:40 | 大宮アルディージャ | コメント(4) | トラックバック(0)
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