2008年08月25日

21節 大宮-大阪戦 決して大宮らしいサッカーはしていないが、攻撃のカタチは出来つつある~大宮サッカーとは一体何か~

大宮は、強豪ガンバ大阪に勝利した。
大阪は、主力の移籍・病気や怪我・代表への選手の招出などでチーム全体が調子を崩している状況だった。にしても、ここ数年、常に優勝争いに名を連ね、今シーズンのACL出場クラブである大阪相手に勝ち点3を手に入れた。更にホーム・NACK5スタジアムで5節大分戦以来、約4ヶ月ぶりの勝利は大宮にとって待望の勝利でもあった。 大宮サポーターが最も欲していたのが勝ち点3。大阪から勝ち点3を得ただけでもよしとすべきかもしれない。
しかし大宮サポーターとしてではなく、一サッカーファンとしては何とも釈然としないゲームでもあった。
試合の開始早々の前半4分、右サイドバックの村山選手のセンタリングをクレメン選手がヘディングシュート、大阪GK藤ヶ谷選手が弾いたこぼれ球をデニスマルケス選手が押し込み幸先よく先制点を得る。この先制点により、その後の大宮のゲームプランが明確になった。失点を回避しながら、チャンスがあれば、個人技に秀でたデニスマルケス選手にボールを集め、個の力によって速攻する戦いを展開した。前半43分にクレメン選手のキープからコーナーキックを得ると、小林大悟選手がレアンドロ選手に絶妙なセンタリングを入れてヘディングシュート。自身今季初のゴールを決めた。大宮にとっては最高の時間での追加点だった。
 後半に入っても、攻撃は、デニスマルケス選手とクレメン選手の個による攻撃が中心、守備に関しては、ボールを「取りにいく」というよりは、リトリートしながらゴール前を固めて「守る」「跳ね返す」という守備に徹した。68分(後半23分)にデニスマルケス選手が退場してからは、攻撃することを放棄し自陣で大阪を迎え撃った。そして大宮は、大阪の攻撃を守り抜き勝利を手にした。 理想的な試合展開でいってよい。
しかし、樋口監督が標榜する大宮サッカーとは程遠い試合内容だった。 今シーズンの大宮は、樋口監督の標榜する大宮サッカーで序盤戦に躍進し、中位の順位をキープしたが、5月に入ると対戦クラブからスカウティングをされる。前線からプレスをする前に、大宮のバックラインの裏を突かれ、大宮は攻略された。しかしここへ来て大宮サッカーに固執することなく変化をさせることで勝ち点を再び積み上げるようになった。前節からのクレメン選手のスタメン起用がこの変化に多大な影響を及ぼしたことは言うまでもない。

ガンバ戦
大宮の「顔」は、小林大悟でなく藤本主税。 前節の札幌戦から明確になったのは、クレメン選手のスタメン起用によって生まれた攻撃の起点である。ただ単にクレメン選手の高さを利用した楔(くさび)ではなく、クレメン選手への足下のパスから、大宮の攻撃が始まるプレーが増えた。クレメン選手が長身だからと、ただ蹴り込んだ数試合前とは変わりつつある。 クレメン選手のポストプレーによって中盤の小林大悟選手や藤本選手が前を向いてプレー出来るようになった。特に藤本選手が前を向いた時のプレーは大宮の有効な攻撃のカタチとなりつつある。本人も左サイドで張り出したプレーよりも、右サイドから絞り込んでピッチの中心付近でプレーをした方がやりやすいように見えた。今節1点目の村山選手のセンタリングも藤本選手が絞ってプレーすることで、生まれたスペースに走り込んでのセンタリングで、パスを出したのも藤本選手であった。 大宮が小林大悟選手を前面に押し出しているせいか、メディアへの露出も多く、大宮の「顔」と言えば小林大悟選手であるが、今シーズン、ゲームの中で言えば、藤本選手が大宮の「顔」になりつつある。藤本選手が前を向いてボールを持った時に大宮のチャンスが生まれる。
ガンバ戦2
樋口監督の大宮サッカーとはなんだったのか? 高い位置でボールを奪い、細かいパスワークから でゲーム組み立てるサッカー、これが私が認識する樋口サッカーである。実際、吉原選手や藤本選手、小林大悟選手がハードワークをして相手のポゼッションを阻止し、小林慶行選手や佐伯選手、斉藤選手がJリーグ屈指のポゼッションを実践する。 ある意味、今までも樋口監督が標榜するサッカーをしていた。しかし、勝ち点を積み上げることが出来ず、気づけば下位に低迷していた。実践しても勝てない樋口監督のサッカーとは一体何だのだったのだろうか? その答えが、前節の札幌戦、今節の大阪戦で見えた。それは、これまでの樋口監督のサッカーで「前線からのプレス」、「ボールポゼッション」といったメッセージを、攻撃面で感じることがなかったことである。つまり大宮の選手のプレーから、攻撃における共有のイメージを感じることができなかった。 しかし、クレメン選手の先発起用により、ポストプレーからの2列目の飛び出し、更にはサイド攻撃と、大宮の攻撃から明確なメッセージを感じることができるようになった。樋口サッカーにおいて、攻撃面での新しいカタチを垣間見ることができた。 しかし、私個人的には、今の攻撃のカタチがベストだとは思わない、確かに攻撃のカタチを見いだせなかったこれまでよりはシンカしたと言えるが、現有の戦力でもよりベターなカタチがあると考えているからだ。例えばクレメン選手と運動量の豊富な吉原選手を組ませる攻撃のカタチである。 デニスマルケス選手は個人技に秀でた選手である。故に他の選手との連携によるプレーは少ない。吉原選手は、相手ディフェンスより優位なポジションでボールを受けるために動くことを惜しまない。クレメン-藤本(小林大)-吉原のホットラインが大宮の新しい攻撃のカタチになるのではと密かに期待をしている。幸か不幸か次節大分戦では、デニスマルケス選手は出場出来ない。吉原選手のスタメンは濃厚である。次節大分戦での大宮の攻撃のカタチに期待したい。 対戦相手ガンバ大阪について~大阪の地で奮起する77年世代-明神智和~ 大宮アルディージャのサポーターになる前は、埼玉県出身Jリーガーウォチャーであり、同い年の77年度生まれ(昭和52年4月~昭和53年3月)のJリーグウォチャーであることは以前、ブログに書いた。大宮には、キャプテンの小林慶行選手を始め、藤本選手、佐伯選手、冨田選手、西村選手と同い年の選手が多く在籍している。大宮を応援しようと考えた理由の一つでもある。 今節、対戦したガンバ大阪にも一人の77年度生まれがピッチに立っていた。本調子でないチームの中にあってひとり気を吐いていた選手。小林大悟選手は何度彼にブロックされただろうか?彼がいなかったらもう一点多く得点できたのではないだろうか? 明神選手の凄いところは、経験あるいぶし銀のプレーをしたかと思えば、若手選手に負けないスピードで攻め上がり、貪欲にゴール狙うプレーもみせる。流石に大宮のOVER30の選手らに明神選手ほどのバイタリティあるプレーを期待するのは難しい。 大阪選手の選手個々の技術はリーグ屈指である。しかし、大宮同様、攻撃のカタチができていないようである。外国人選手の移籍や、主力の病気や怪我、そしてACLの出発と攻撃のキープレイヤーが悉く離脱する状況である。もうひとりの77年生まれの外国人助っ人の加入で新しい攻撃のカタチをつくり上げることができるだろうか。埼玉の地より、密かに動向を見守りたい。
ガンバ戦3


posted by toddocom |00:50 | 大宮アルディージャ | コメント(0) | トラックバック(0)
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