2008年08月10日

20節 札幌-大宮戦 デニスからクレメンへ攻撃の軸が変わった。そして大宮のサッカーが少しずつ変貌し“シンカ”する

今週、北海道に乗り込んだ20節 札幌戦。
残念ながら厚別のスタジアムまで応援に行くことができず、テレビ観戦。

Jリーグ再開後の6戦を、1勝4敗1分と、勝ち点4しか積み上げられなかった大宮。
ここ3試合に関しては、得点も決められないのが状況であった。
ただ、負けが込んだここ1カ月ではあったが、全く大宮サッカーができていなかったと言えばそうでもなく、試合内容から言えば勝ち点3を持ち帰ってもおかしくなかった試合(柏戦)や、勝ち点を積み上げられたかもしれなかった試合(磐田戦・清水戦)もあった。連敗中もボールをポゼッションしているケースが多く、如何にボールキープから攻撃へ展開するか、また如何に得点シーンを組み立てていくかが課題であった。
今シーズンの混戦したJリーグが示すように19節終了時点で勝ち点24の14位という位置は、すぐに降格圏で落ちる可能性もあれば、連勝で上位へ上がるチャンスもある位置で、今節を含めた残り15試合、1試合・1試合、全力を尽くし勝ち点を積み上げなければならず、今節の札幌戦はぜひとも勝ち点を持ち帰りたい試合であった。

クレメンのスタメン起用で、攻撃の軸がデニスマルケスからクレメンラフリッチに変わった。

 今節、チームに加入以来、クレメン選手が初めてスターティングメンバーに名を連ねた。このクレメン選手のスタメン起用がどう転ぶか、全く見当がつかなかった。加入後クレメン選手が試合に出場した4試合(磐田・柏・名古屋・清水戦)は、すべて後半からの途中出場で、与えられた時間が少なかったり、得点をリードされた状態での起用が多かったため、クレメン選手の高さへの可能性は垣間見えるも、クレメン選手が出場するとチームがクレメン選手の高さに頼った単調な攻撃に終始してしまうため、試合の状況を劇的に変えるような決定的なプレーをするには至っていなかった。
 また、以前ブログにも書いたが、大宮のエース・デニスマルケス選手のパートナーとしては、豊富な運動量によってデニスマルケス選手にスペースを与え、相手ディフェンダーを引き付けられるような吉原選手や藤本選手のような選手との相性がよいと考えていたので、吉原選手や藤本選手とは全くタイプの異なるクレメン選手をエース・デニスマルケス選手と組ませることに些か不安を感じた。
 しかし試合が始まってみると、私の勝手な心配をよそに、デニスマルケス選手とクレメン選手のコンビは初めての実践ながら非常に機能して大宮の新しい攻撃のカタチを披露した。クレメン選手へのクサビは、相変わらず単調でルーズなものが多かったが、クレメン選手にボールを集めるという戦術が、チーム戦術として大宮の選手間で共有されていたこと、またクレメン選手の技術の高さで、思いのほかポストとして機能していた。190センチを超える長身選手の場合、どうしてもヘッドの高さだけが強調されてしまい、スピードや足元の技術などは、どちらかと言えば苦手であるという先入観を持ってしまいそうだが、クレメン選手は違った。足元の技術も素晴らしいことをこの試合でみせた。
そして何より、この二人の外国人FWを機能せしめたのは、エース・デニスマルケス選手とパートナーを組む選手との役割がこれまでの試合と変わったということだろう。今まで、デニスマルケス選手をどう活かすかという観点で、どの選手を起用するのか、またどうプレーし攻撃をするのか考えていたきらいがあったが、この札幌戦では、クレメン選手が攻撃の軸となり、デニスマルケス選手はどちらかと言えば、クレメン選手のプレー合わせ、フォローするようなプレーに終始していたように思う。前半9分のラフリッチ選手のゴールは、デニスマルケス選手のセンタリングによるものだった。これまでデニスマルケス選手がサイドでボールをキープしても、ドリブルなどで一人、状況を打開することが多かったが、札幌戦ではデニスマルケス選手がチャンスメークに回るプレーを幾度か見せた。デニスマルケスがサイドに流れてボールを受けるときは、相手のプレッシャーを避けるためという印象が強かったが、これからはクレメン選手がゴール前にいることで、デニスマルケス選手のサイドでのプレーがより得点へとつながる予感を感じた。

大宮サッカーの変貌、そしてシンカ

開幕当初から樋口監督が標榜していたサッカー -守るのではなく、ボールを取りにいくサッカー・相手チームのサッカーに合わせるのではなく、大宮がポゼッションを高めるサッカー-で前半戦大宮はリーグ戦大検討をした。しかしリーグも中盤に差し掛かるところから大宮のサッカーが相手チームにスカウティングされるようになると、大宮らしいサッカーをする前に失点、余裕をもって試合を展開することができない試合が続いた。
 今回のクレメン選手のスタメン起用によって、シンカした大宮サッカーの可能性を感じることができた。一言で言えば、横へのボールが少なくなり、縦へのボールが増えるという、より攻撃的なサッカーを展開したのだ。大宮のサッカーと言えば、ここ数試合、ポゼッションを高めるサッカーをしていたが、結果としてボールを持たされることが多く、ポゼッション位置が低かったこと、またリクスを回避するばかりでリクスを犯した攻撃をしないことから「横・後方」へのパスに終始していた。しかし、クレメン選手の起用は、大宮の選手に「前」へのポストプレーを促した。ポストへのバスの質は満足できるものではなかったが、クレメン選手の個人技術の高さから、大宮の攻撃に「溜め」を作った。この「溜め」が、これまで大宮がやりたくてもなかなか試合で実現でなかった2列目の飛び出しを実現する結果となった。56分決定点ともなったデニスマルケス選手のファイルの契機となったデニスマルケス選手の飛び出しも、縦への意欲とその後の「溜め」によって生まれた。このプレーだけではなく、小林大悟選手や藤本選手の飛び出しもこれまでの試合にないほどみることができた。
 スカパー!で実況・解説をしていた木島敦氏が、大宮の中盤を評して「俺達からボールをと取れるのか!と言わんばかりの自信」といったように大宮には、小林慶行選手、佐伯選手、藤本選手といぶし銀の選手を揃えており、華やかさはないが、サッカー眼と技術はJリーグクラブでも屈指であるベテラン選手が中盤を構成している。しかし連敗中、4人の中盤のキープからFWへ決定的な展開をつくることができず攻めあぐんでいた。今までも吉原選手や藤本選手は、無尽蔵の体力で走りまわっていたが、この札幌戦と比べると「走る質」が低かったと言わざるを得ない。札幌戦の2列目の選手は質の高い走りを繰り返した。2列目の飛び出しが今後大宮サッカーの新しい攻めのカタチになれば、今までのポゼッションの高さも更に活きることだろう。
次の大阪戦での勝利、4月5日以来のNACK5スタジアムでの勝利を期待せずにはいられない。

追記 ―審判のジャッジを検証する場はつくれないのか?―

昨日(8月9日)のJリーグアフターゲームショーで番組終盤、たまたま札幌-大宮戦のレポートだけをみることができた。そこで司会の野々村芳和氏が、この試合の審判のジャッジが試合をつまらなくさせたこと、また試合の結果に直接つながるペナルティーエリア内でのジャッジの基準にブレがあったことを、映像を交えて批判をした。審判の誤審の問題が叫ばれるなか、今回のように映像を使った審判のジャッジを検証する番組がもっとあってもいいのではないかと思う。
 女子柔道選手の谷選手の準決勝を観戦後、後半途中から大分-清水戦を見たのだが、その時には審判が既に試合を全くコントロールできない状態であった。あんな雰囲気では、やっている選手や監督、見ているサポーターも不満が残るゲームとなってしまう。

審判のレベルの問題は、Jリーグが本気かつ早急に取り組まなければならない問題なのではないか。

posted by toddocom |12:47 | 大宮アルディージャ | コメント(2) | トラックバック(0)
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