2008年08月09日

北京五輪予選Bグループ アメリカ-日本戦 なぜ観衆は、内田篤人のプレーに魅了され、梶山陽平のプレーに苛立ちを覚えるのか

日本は大事な初戦を落とした。

【ゲーム短評】
試合内容については、全体的に技術的に優れた日本がゲームを支配したが、決定的なチャンスで決められず、後半開始早々得点を許す。途中アメリカにペースを握られるも、終盤アメリカゴールに襲い掛かり、ペナルティーエリア内でファウルを受けるもミスジャッジにより同点の機会を逃すと試合終了、大事な初戦を落とした。日本の課題は決めるべきところで決められない決定力不足だ。

上の短評は、私が書いたものだが、皆さんは、この短評を読んで違和感を覚えるだろうか?
インターネットで、アメリカ戦に関してこの短評と同じ論調の記事を目にする度に私自身は非常に違和感を覚える。

日本代表は、本当にゲームを支配していたのだろうか?
日本代表の一番の課題は、本当に得点力不足なのだろうか?

と考える。私は決してそうではないと思っている。
試合開始から、試合終了まで終始苛立ちながらの試合観戦であった。

日本選手のトラップの質に苛立ち
日本選手のパススピードに苛立ち
中盤の選手の容易なバックパスに苛立ち
緩急(メリハリ)のないポゼッションに苛立ち
FWに全くといっていいほどボールが収まらないことに苛立ち
すぐ倒れ、両手を上げ審判にアピールする選手らに荒立ちを覚えた

 確かに、暑さとピッチの悪さが、両チームのパフォーマンス・試合の質を低下させる大きな要因であったの。しかしながら、終始、苛立ちを覚えながら観戦をした理由はそこにない。問題は、厳しい環境のかなで、一方チームは戦略的にゲームを進め1点を守り勝利を手に入れたのに対し、もう一方のチームは、自分たちの力を発揮できないままゲームに敗れたという事実である。当然、この試合で日本は後者なのだが、思いどおりのサッカーができないというのは、今に始まったことではない。02年日韓ワールドカップ以降、アテネ五輪・ドイツW杯と主要国際大会において越えられなかった壁に、この北京五輪でも越えられなかったという厳しい事実を昨日の試合ではサポーターが目の当たりにした。
なぜ日本はこの壁を越えることができないのであろうか。そもそもこの「壁」とは一体なんだろうか?


「壁」=状況判断の悪さと判断の遅さ

結論からいえば、ここ数年、サッカーの強豪国と日本を隔てる壁~年々、強豪国から更に広げられつつある差~とは、状況判断の悪さと判断の遅さ、特に攻撃時の判断の遅さである。
状況判断の悪さとは、特にバックスからのビルドアップ時によく見られたのだが、ボランチの本田拓・梶山・SHの本田圭・香川各選手(特に梶山・本田圭両選手)へディフェンスの選手からパスを供給した際に、トラップをして前を向ける場面でも、前を向かずそのままダイレクトで再度ディフェンスに戻してしまうプレーが非常に目立った。この中盤からディフェンスへのバックパスに何の意味があるのだろうか。全く意味がない。
 また、ポゼッションを高めながら相手エリアにボールを進めていく過程で容易にバックパスをしてしまうケース(特に梶山・本田圭両選手)が非常に多い。おそらくカウントすると、決して本調子でないアメリカと比較してもバックパス(後方へのパス)の数は圧倒的に日本の方が多いはずである。日本選手の容易なバックパスは、それまでのビルドアップ・ポゼッションによる攻め上がりをすべて無駄にしてしまうプレーである。

なぜここ数試合、SBの内田選手や長友選手のプレーを期待して、梶山選手や本田圭選手のプレーに苛立ちを覚えるのかと言えば、内田・長友両選手は、ボールを前進させるプレーが中心であるのに対して、梶山・本田圭両選手は、ボールを後退させるプレーが多いからである。
今回のアメリカ戦でボールを積極的に前にもっていったのは内田選手であり、ボールを前にもって行こうという意識がみられなかったのは、梶山選手と森本選手であった。(香川選手は、ボール前に進める意欲は感じたが、全体的にうまくいかなかった印象、前半、右サイドへ流れて内田選手に供給したスルーパスは秀逸)

もう一つの壁は、攻撃時の判断の遅さである。
そのスピードの遅さの原因は、攻撃へのイメージの欠如である。
ボールを受ける前から、ボールを受けたらどう攻撃を仕掛けるかというイメージが乏しい。

特に日本の場合、守備から攻撃への判断が遅い。中盤の選手が上手く相手からボールを奪い攻撃に移行できるときでも、まず「誰かに」ボールを預けて判断する習慣が染み付いている。この「ボールを預けてから判断する」という判断の遅さが攻撃のスピードを遅らせている。アメリカ戦でも前半も日本がボールをキープしていたというよりは、ボールを持たされていただけ、アメリカはリトリート気味に守備をしていただけである。

日本は「決定力不足」というより「攻撃力不足」なのだと思う

ただ、状況判断を良くし、そのスピードを上げていけば日本のサッカーは格段に良くなると思う。少なくとも次のナイジェリア戦では、中盤の選手はフリーな場面では、前を向き、自らがボールを前へ進めるという意識をもってほしい。
例えば、ディフェンスの選手はハーフの選手の後ろの状況も見えているのだから、パスを出すときは、中盤の選手が振り向ける時だけ、逆に言えば、振り向けない状況では、ハーフの選手にパスを出さないというルールを決めておくだけでもゲーム内容は変わるのではないだろうか。

サッカー強豪国と比べ足元の技術で日本が劣ることはない。また日本人はフィジカルが弱いと指摘されるが、フィジカルが強くなくても素晴らしいサッカーができることは、先日のEURO2008のスペインが証明した(らしい)。(あまり詳しくスペインのサッカーを見ていません)
まずは、あと2試合、課題を修正して試合に臨み、ぜひともグループリーグを突破してほしい。まだグループリーグの突破が潰えた訳ではない。

最後に大宮アルディージャの藤本主税選手のブログを紹介
主税日記
いつも大宮の試合の細かく分析し振り返ってブログに書かれています。今回のアメリカ戦に関しても非常に興味深い分析をされています。

posted by toddocom |01:58 | サッカーその他 | コメント(13) | トラックバック(0)
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2008年08月04日

大宮的JOMO CUP2008観戦記 不貞腐れながら国立に赴くも、素晴らしい試合が観戦できた新しい「韓日戦」。ただこの試合をオールスター戦とは呼ばない

今日は、JOMO CUPオールスターサッカーを観戦するため国立競技場に訪れた。
今年からJリーグを東西に分けたサポーター投票に基づいたチーム編成で行うオールスター戦から、Jリーグ選抜とKリーグ選抜による対戦という初めての大会形式で行われた。
大会概要が発表されたときに、Jリーグオールスターズに選ばれる人数18名とJ1に所属するチーム数が同じことに考え、1チームに1名選手という淡い期待を持って、チケット販売開始の数日後、Jリーグオールスターズの出場メンバーが決まらないうちからチケットを購入した。

8月2日開催JOMOCUPチケット購入予約~JAPAN ALLSTARSに大宮の選手は選ばれるのか?

しかし、先月、Jリーグオールスターズが発表されたとき、大宮を含む8クラブの選手は選出されなかった(その後大阪、バレーの出場辞退により、市原千葉、巻の選手出場により未選出クラブは7クラブ)。

8月2日JOMOCUP2008 やはりチケット購入は、時期尚早だった??札幌・千葉・柏・東京V・新潟・清水・京都そして大宮の選手は、J-ALLSTARSに選出されず…。JOMOCUP2008出場選手選考員会は、何を基準で出場選手の選考を行ったのか?

大宮サポーターとしては、やはり応援するクラブの選手が出場しないということで観戦意欲は低下した。本当に行くか行かないか迷い、オークションでチケットは出品することも考えたが、高く落札されることはないだろうと思い迷った挙句、試合を観戦することにした。観戦後ブログにどんな愚痴や文句を書いてやろうかと考えながら国立競技場へ向かった。JOMO CUPに大宮の選手が出場しないことも残念であったが、スタジアムに隣接する明治公園にて行われたJ.LEAGUE FAN FESTAにすら大宮の選手が参加してしないことをテーマに書こうと思っているうちに国立競技場の最寄り駅の一つである千駄ヶ谷駅に到着した。

そのままスタジアムに隣接するJ.LEAGUE FAN FESTAが行われる公園に向かった。するとなんと小林大悟選手と江角選手が、コーナーのひとつである3ON3で子供らと汗を流していた。急遽、大宮からも両選手がJ.LEAGUE FAN FESTAに参加することになったようだ。
 未だに練習場に足を運んだことがないので、小林大悟選手や江角選手をこんなに近くで観ることができ感動してしまった。(自分のミーハーさ加減にも甚だ情けなくなるのだが…)3ON3では、大宮の選手だけでなく、市原千葉の坂本・工藤・岡本各選手、F東京の石川・塩田両選手、東京V高木選手たちのプレーを近くで観ることができた。
また、3ON3のコーナー付近では、スカパーJリーグアフターゲームショーでお馴染みの日々野真理氏に遭遇した。
 別のエリアでは、名古屋の藤田選手、東京Vの福西選手、浦和の堀之内選手、川崎の川島選手が、タレントの土田晃之氏の進行でチャリティーオークションをやっていた。私が特設ステージに訪れた時には、堀之内選手のサイン入り練習着(非売)を出品していたところで結局、ナビゲーターの土田氏が2万円で落札していた。どのアイテムも5,000円から15,000円のレンジで落札されており非常に和気合々として雰囲気でイベントが進行されていた。サッカー好きで知られる土田氏の進行も非常に面白かった。敢えて言えば、大宮出身の土田氏にはぜひ大宮アルディージャの応援もしてもらいたいものである。

JOMOCUP
小林大悟選手と江角選手 そしてJ.LEAGUE FAN FESTAにいって何よりもうれしかったのは、予想以上に、オレンジネイビーを身に纏った大宮サポーターの姿を目にしたことである。私も大宮アルディージャのキャップを被っていたこともあり、大宮サポーターとすれ違うたびに会釈をした。その会釈の中には、 「大宮の選手は、このJOMOCUPは参加できなかったが、オールスターなんだからサポーターは堂々とこのイベントに参加しよう!」 という思いを伝えた。おそらく会釈をし合った大宮サポーターも同じ気持ちで会釈をしていたと思う。
JOMOCUP2
スカパー加入の際の抽選で手に入れたユニフォームを着て観戦 大会のコンセプトと、観戦にきたサポーターの観たいもの(ウォンツ)のギャップ スタジアムに入場すると色々なユニフォームを着たサポーターが観戦にきていた。試合に出場する選手が所属するクラブのユニフォームを着たサポーターから、東京Vや新潟、清水などのユニフォームを着たサポーターも見かけた。サポーターは例年通り、「祭典」としてのJOMO CUPを観にきているようであった。いつもは、スタジアムを隔てて対峙するサポーターがオールスターという祭りでは、一緒に肩を並べて応援しようという雰囲気があった。 Kリーグを応援するビジター席に目を向けると観戦席は閑散としていた。最終的な観客動員は、27,629名だったそうだが、2007年のJOMOCUPの動員が30,941名(エコバスタジアム)2006年が32,975名(カシマスタジアム)、2005年33,549名(大分スタジアム:当時)、2004年が40,460名(新潟スタジアム:当時)、2003年が34,669名(札幌スタジアム)を考えると興行としても、例年になく厳しいイベントになったのではないだろうか。 過去6年のJOMOCUPの観客動員数 2007年 30,941名(エコバスタジアム) 2006年 32,975名(カシマスタジアム) 2005年 33,549名(大分スタジアム:当時) 2004年 40,460名(新潟スタジアム:当時) 2003年 34,669名(札幌スタジアム) 2006年 57,496年(さいたまスタジアム2002)
JOMOCUP3
試合が始まると、Jリーグ・Kリーグ各リーグの選抜チームということもあり、見ていても面白い試合となった。私は、バックスタンド上段での観戦であったので、ピッチ全体を見ることができた。先日来日したアルゼンチン五輪代表の選手のような一人ひとりの個人技術で観客を唸らせるプレーは少なかったが、あの空いたスペースを使えばチャンスになると思ったところに選手が走り込み、タイミングよくパスが供給するような戦術眼に優れた選手のプレーに何度も唸った。その中でも突出していたのは、Jリーグ選抜の小笠原選手だった。また個人技で目立つ選手は少なかったと述べたが、Jリーグ選抜の金崎選手は、トラップ一つで観客席を魅了するように異彩を放っていた。試合全体を通した感想は、もう一歩、決定的なチャンスを作れなかったJリーグ選抜と、数少ないチャンスを確実にものにしたKリーグ選抜といったところだろうか。
JOMOCUP4
また、ビジター側の観客席の方は、人数は少ないながらも非常に盛り上がっていたようで、サポーターの人数はだいぶ差があったが、声援に関しては韓日互角。むしろKリーグ選抜サポーターの方が勝っていた。 これは、スタジアムに挑む韓日サポーターの意識の差だったようにも思う。大会のコンセプトが変わったと言いながらもJOMOCUPを「祭典」と位置付けていたJリーグ選抜サポーターに対して、各国リーグ選抜の「勝敗の決する場」と認識していたKリーグ選抜サポーターとのJOMOCUPへの意識の違いであったと推測する。  オールスター戦という文化が韓国Kリーグにあるのか不明であるが、日本におけるオールスター戦と言えば、アメリカのMLBに由来するプロ野球のオールスター戦であり、ファン投票と監督推薦による出場選手の選出と東西二つの分けた混成チームの対戦が定番である。これらの2つが、オールスター戦をオールスター戦たらしめる要素と考えるならば、今回のJOMOCUPをオールスター戦と呼んだのが、このイベントの最大の過ちだったのかもしれない?  私は、Kリーグ・Jリーグの両リーグが親交を深めることに関しては、賛成である。もっと日本でKリーグが観戦をしたいし、Kリーグに所属する選手の情報が日本で収集できようにあってほしいと思う。 ただリーグの祭典としてのオールスター戦と、両リーグの親交を深めるという二つの異なったコンセプトを1つのイベントで満たそうと試みた今回のJOMOCUPが成功だったのか問われれば、成功だったとは言えないのではないか。  既に来年のJOMOCUPについても、韓国にて行われることが決まっているらしい。来年のJOMOCUPは更に盛り上がることを願っている。そのためにも、大会名からオールスターという表記は外し、大会のコンセプトをより明確にしてもらいたい。 例年の「祭典」としてのオールスター戦を期待して国立競技場に訪れた各クラブのサポーターが素晴らしい試合を観戦できたにも関わらず、何ともやりきれない思いをして帰宅する姿はもう見たくない。
JOMOCUP5


posted by toddocom |22:35 | サッカーその他 | コメント(7) | トラックバック(0)
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2008年08月01日

ストッピングでもなく、取られないトラップでもない、攻撃への最初のボールタッチ。子供に教えなければならないアルゼンチン代表のプレー 日本五輪代表-アルゼンチン五輪代表戦を観戦して

先月(7月)から自分も以前に所属していた地元のサッカー少年団のコーチをすることになった。まだ練習に3回程参加しただけである。主に小学3、4年生をみることになりそうだ。
今まで人にサッカーを教えた経験もないので、色々な練習手法をチャレンジしながら、子供らには、サッカーを楽しんでほしいと思う。
ところで、小学3年生と言えば、私がサッカーを始めた年齢とほぼ一緒である。今の子供も小学3円生でチームに入団してサッカーを始める子供が多いようだ。これからサッカープレーヤーとしてのキャリアをスタートさせる彼らに最初にどのようなプレーを教えるべきか考えてみる。

サッカーをプレーするにあたり最も大切なプレーとは何だろうか?

学生の頃、プレーヤーだったときには全く考えたことがなかった疑問。
今年に入りJリーグをよく観戦するようになり、子供たちにサッカーを教えることになり、より積極的にサッカーのプレーを見るようになって抱いた疑問。
そして最近、その疑問に対して、自分の中で答えを見い出した。

サッカーを始めた子供たちに最初に教えるべき、サッカーで最も大切なプレーとは「トラップ」だと思う。

日本五輪代表-アルゼンチン五輪代表戦のアルゼンチンの選手のプレーをみて更にそう思うようになった。
トラップの定義を「飛んできたボールを受け止めて、自分の意思でコントロールして次の動きを行いやすい位置にボールを移動させること」(ウィキペディアより)とするならば、一方、単にボールを止めることをストッピングというらしい。当然、私がサッカーを始めたころストップとトラップの区別もなく、トラップの練習と言えば、リフティングを数回した後、ボールを高く蹴り上げ、ボールが落ちてくるところをインサイド・アウトサイト、もしくは足の裏などでボールを止めることを繰り返していただけだった。

今でも、Jリーグなどでもトラップすべきところでボールをストップさせてしまう選手が意外と多い。
五輪代表の内田選手は、前にスペースがあれば果敢に空いてスペースめがけてトラップをする。アルゼンチン代表戦でも何度か、スペースにトラップして抜け出すプレーをしていた。後ろから攻め上がるサイドバック(SB)である内田選手にとってスペースに蹴りだすようなトラップが、次のプレー(攻撃)に移る際には、最良の選択であることが多い。
 一方、ボールを貰う位置が、相手ゴールに近づけば近づく程、相手のプレッシャーは増し、ビルドアップの過程で、後方の選手から前方の選手へボールを受け渡すケースが多くなる。後方から前方FWにあてる楔(クサビ)のボールもその一つである。

この後方の選手から前方の選手へのパスや、相手選手のプレッシャーを受けながらパスを受ける際のトラップに、日本の選手とアルゼンチンの選手との技術的な違いを見た。

相手選手のプレッシャーを受けながら、次のプレーをしやすいようトラップする際、その前提にあるのはボールを取られないトラップが求められる。通常、相手選手のプレスを感じたなら、そのプレッシャーを回避するようにトラップをするだろう。しかし、アルゼンチンの選手のトラップは取られないだけのトラップをしていなかった。
 彼らがしていたトラップは、余程のプレッシャーがない限り、常に「攻撃をするための最初のボールタッチ」であった。
 通常のプレーでも、全くプレッシャーのない時に、DFの選手からボランチの選手へボールを受け渡す時に、ボールを軸にするように体の向きを方向転換するトラップをよく見る。アルゼンチンの選手は、その方向転換をするトラップをより高い位置でも多用していた。アルゼンチンの選手は、ボールを取られないというだけでなく、トラップで方向転換をして前を向き、攻め上がるためのボールコントロールをしていた。
 後半23分のアルゼンチン代表の得点シーンもクサビを受けたアグエロ選手、そしてアグエロ選手からボールを受け、得点したディマリア選手も、ワントラップで前を向こうとする意識と技術がなければ生まれなった得点であると言える。前を向かれた選手に対しては日本のディフェンスも容易にボールを取りに行けずに失点をしてしまった。
 相手ゴールを背にし、相手ディフェンスからプレッシャーを受けながらどう前を向こうか考えるよりも、最初のトラップで前を向けるようコントロールする方が、次のプレーへの移るスピードも速く、次のプレー自体の難易度は各段に下がる。
 アルゼンチンの選手は、あたり前のようにトラップの際、常に前を向けるようボールをコントロールしていた。

 ジュニア世代から、ボールを止めるだけでなく、取られないためだけでなく、攻撃へのファーストタッチとしてトラップできるようになれば、彼らのサッカープレーヤーとしてのキャリアのアドバンテージになるだろう。
どうトラップを習得させるかは、私の指導者としての力によるところが大きいのだが…


※今回のエントリーは、ジュニア世代に一番最初に教えるべき技術を論じているのでなく、トラップがいかにに重要かをテーマにしています。

posted by toddocom |02:09 | サッカーその他 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年07月26日

反町監督、最後の決断!本田圭佑をスタメンから外せるか!!壮行試合 日本五輪代表-豪州五輪代表をテレビ観戦して

エキサイティングな試合を見慣れてしまったからだろうか?
昨日のオリンピック壮行試合、日本オリンピック代表-オーストラリアオリンピック代表戦の日本のプレーに満足いかなかった。勢いづくイレブンの中で停滞する一人の選手がやけに目立ったからかもしれない。

昨年の最終予選から主力メンバーから、最終的に選出されたオリンピックメンバーは大幅に変わった。今のチームは、今年3月のアンゴラ戦、5月のツーロン国際大会、そして6月のカメルーン戦と試合を重ねていく毎にカタチ作られた。

私は、代表監督の特権は、その時々の旬で、勢いのある選手を招集できることだと思っている。だから伊野波選手や水野選手が落選した事もやむを得ないと思っているし、青山晃選手や梅崎選手を招集しなかったことも理解はできる。(しかし、2人の落選は驚いた。)

一番近くで、選手を見ている反町監督が選んだベストメンバーで戦うことが一番良いと思っている。それは、今年に入ってからの数試合を見てみると、実際、オリンピック出場を決めた五輪代表の常連メンバーより、今シーズンのリーグで活躍する選手らの方が、五輪代表での試合でもハイパフォーマンスを見せていたからだ。
中でも3月のアンゴラ戦、5月のツーロン国際大会のフランス戦、6月のカメルーン戦でのクオリティーとスピードで大会に望めれば、決勝トーナメント進出もあるのではという「期待」を感じさせる出来であった。
しかし、昨日のオーストラリアオリンピック代表戦では、その「期待」を感じることができなかった。
 確かに、内田選手や香川選手のチャレンジ、そして本田拓選手の守備は素晴らしいものであった。しかし収穫はそれだけのようにも思えた。
右サイドで内田選手が躍動する近くで、自分の力を出しきれないひとりの反町ジャパンの主力選手の不調が更に不満を大きくした。

自身の強みを出し切っていない本田圭佑選手

昨日の試合の日本のシステムは、4-2-3-1、本田選手と香川選手がワイドでより高い位置で勝負ができるシステムであった。香川選手は、サイドで攻撃の起点になっていたが、本田圭選手がサイドのスペースで攻撃の起点になることはほとんどなかった。左利きということもあり、中央へ向けってプレーすることが多かった。内田選手のオーバーラップのスペースを作ったと言えるが、視点を変えると自らサイドを攻め上がるプレーを怠り、長友選手が攻め上がるスペースを作ることができなかったと言える。
内田選手があれほどオーバーラップを可能にしたのも、本田圭選手の功績というよりは、逆サイドの香川選手が起点となり相手選手を引き付けたことが大きい。日本の左サイドが攻撃の起点となれば、右サイドには、スペースが空く。それを本田圭選手ではなく内田選手がほとんど攻め上がったのである。
海外移籍が影響してか、本田圭選手自身、日本のテンポでプレーができず、パスワークのスビードを止めてしまうことが何度かあった。また、プレーゾーンは低く、バックアップメンバーにまわった梅崎選手が右SHを務める場合は、あと10~20M相手のゴールに近いエリアを主戦場とすることを考えると、攻撃へのチャレンジする姿勢を本田選手のプレーから感じ取ることができなかった。
オーストラリア戦でのパフォーマンスであれば、右SHをあえて本田圭選手が務める必要があるだろうか。本田圭選手には、本田圭選手の強みを発揮できるエリアでプレーをしてもらいたい。明らかに香川選手とポジションを争い、スターティングメンバーを獲得するべきである。
反町監督の選手選出で一つ解せないのは、水野選手、梅崎選手を選出しなかったにも関わらず、純粋に所属クラブで右SHを務める選手を一人も選出しなかったことだ。

これほど昨日の本田圭選手のプレーを不満に感じるのも、本田圭選手への「期待」の反動なのかもしれない。私は、調子のよい時の本田選手のプレーを知っている。現役時代の小倉選手を彷彿とさせるような、レフティーモンスターの名前を受け継ぐに相応しい、Jリーグの規格には収まらない豪快なプレーを知っている。あの豪快なプレーを中国の地でみてみたい。そのためにも来週のオーストラリア戦では、本田圭選手をスターティングメンバーから外し、本田圭選手でさえ、確実に出場できるボジションがないことを認識させることが必要である。そして本戦には、ぜひ実力左SHのポジションを勝ち取ってほしい。ただ再び右SHでプレーをするようなことがあるなら、もっと積極的にゴールを狙ってほしい。

posted by toddocom |00:36 | サッカーその他 | コメント(13) | トラックバック(1)
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2008年07月11日

明日検証『ミスター5.5 駒野友一』なぜ彼の日本代表でのプレーに満足できないのか?~長友佑都の出現で見えたSBに求めるもの、そして駒野選手の持つ強み~

今回のエントリは、一人の選手をテーマにして書いているが、決して選手個人を非難することが目的ではない。一サッカー好き、日本代表のサポーターの一意見であることを了承願いたい。以前から書きたいテーマであったのだが、明日、大宮のホームNACK5スタジアムでジュビロ磐田の試合を観る機会があるのでこのタイミングで書くことにした。

30歳を越えた現在、小学低学年から始めたサッカーとの付き合いは20年以上になる。20年以上のサッカー歴のなかでそのほとんどの時間をプレーヤーとしてサッカーと付き合ってきた。現在もサッカーをすることの楽しさを十分享受しているが、自分のサッカーと接する比重が、以前と比べるとプレーヤーとしてよりも、観戦者や指導者としての時間が増えてきた。サッカーをプレーしてきただけに、自分自身、サッカーを知らないとは思っていない。むしろ、技術的ことや戦術的なことを含め、一般的なサッカーフリークと比べても理解している方であると自負もある。しかし専門的な観点からサッカーを分析したり、指導者としてサッカーを見る「目」は肥えているとは言えない。

例えば、日本代表の選手選出においても、「なぜこの選手が代表で起用されるのか?」また「なぜあの選手が呼ばれないのか?」と思うことがよく起こる。

以前に「なぜ代表でスタメンとして起用されるのか?」と思っていた選手に「ミスター5.5」 磐田の駒野友一選手がいた。(注:刺激的な一文ですみません)「ミスター5.5」というのは、サッカー雑誌(私が愛読するのは主にサッカーダイジェスト)において、各試合、選手への短評とともに、10点満点でその試合の出来を採点がされているのだが、日本代表における駒野選手の採点がいつも「5.5」の印象があることから私が付けたニックネームである。(5.5、可もなく不可もなくという点数、及第点ではない)
駒野選手は、広島時代も含めてJリーグでのプレーをほとんど見たことないので、その時点でそもそも選手を評価するための情報に乏しいのだが、日本代表の試合をみていると駒野選手のプレーにおいて、突出した「強み・輝き」を見出すのが難しい。
個人的な印象として、ボールには頻繁にタッチするのだが、目立だったプレー、決定的プレーが少ないのである。
山本昌邦アテネ五輪代表では、右サイドで本戦2試合に出場し、フル代表のジーコジャパンでも、加地選手のバックアップ要因として名前を連ねるようになる。オシムジャパンにおいては、左SBを担当しレギュラーポジションを獲得した。アテネ五輪当時から、「なぜ駒野選手は起用されるのか」常々、疑問に思っていた。当時、私には、監督視点など全くなかった。今思うと、駒野選手は、プロの指導者からすると非常に計算できて、安定感のある選手という評価をされていたのだろう。
一般的に言われる駒野選手のストロングポイントと言えば、豊富な運動量による攻め上がり(激しい上下運動)と正確なセンタリングである。現代のサッカー、特に4バックを布く戦術において、サイドバック(SB)の役割は、守備をすることは当然ながら、如何に攻撃に参加できるかであり、その点がSBを務める選手の評価にもなる。確かに駒野選手も後ろで守備をするためだけにバックラインに張り付いている選手ではない。しかし、日本代表の試合における駒野選手のプレーは、なにか物足りなさを感じていた。
そんな時にFC東京 長友佑都選手の出現で、以前から日本代表での駒野選手に期待していたもの、また駒野選手のプレーで満たされなかったものを理解した。

長友選手のドリブルには、リスクを犯す果敢なチャレンジがあった。

以前から年代別のオリンピック候補として長友選手の名前やプレーは何度か見たことがあった。既にJリーグのトップチームに所属するチームメートにあって、大学サッカー部からの選出だったのが印象的であった。ただそれ程、気にとめていた訳ではなかった。  
長友選手を明確に意識するようになったのは、今シーズンの始まる前の今年の2月であった。
私は、大宮アルディージャのサポーターになる前は、埼玉県出身のJリーガーの動向を追うことを趣味としていた。FC東京の金沢浄選手も好きな選手の一人であったのだが、ルーキーである長友選手が、2008年シーズン開幕を前にして、金沢選手のレギュラーポジションであった左SBを奪取したというのだ。開幕前から長友選手がどんなプレーをするのかとても気になった。
Jリーグを開幕してからの長友選手の活躍は、周知の通りである。私もテレビ観戦で数試合を観戦し、5月3日の大宮-F東京戦では、長友選手に得点まで奪われた。ただ多くの方にとって衝撃的だったのは、キリンカップでのコートジボワール戦だったのではないだろうか?私は、日本代表に新しい左SBが現れたと感じた。

長友選手の最大の強みは、身体的、技術的な能力の高さに起因するのか、思い切りのよい前へのチャレンジ(ドリブル)である。身体能力に長けていると言われるアフリカ・コートジボワールの代表選手とも対等に、むしろ優位に日本の左サイドを縦横無尽に動いていた。この2年間、フル代表で左SBを務めた駒野選手に対して、期待をしていながら、物足りないと感じていたものを長友選手によって見せつけられた試合であった。それは、リスクを犯す果敢な前へのチャレンジであった。(左SBへの期待は、安田選手の登場の頃より徐々に高まっていたのだが…)
 ここ数年のSBを担当する選手で、駒野選手だけが満足できないということではなかった。ジーコ監督時代からSBを担当していた加地選手や三都主選手、現在の日本代表に右SBとして出場することの多い内田選手が、期待通りの攻撃参加をしているかと言えばそんなことはない。
ただ左SBを務めることの多かった駒野選手に対しては、以前から右足で自陣方向へ向かうトラップがとても気になっていた(大宮の波戸選手にも得ることだが…)。右足での自陣方向へのトラップは、リスクを回避するプレー象徴であった。それが安田選手の登場によって利き足に関係なく前へチャレンジするSBへの期待感を芽生えさせ、長友選手の登場で、日本における新しい左SBの出現を確信した。

駒野選手の守備への安定感とそのユーティリティーの高さは何者にも代えがたい

先月行われた2010年南アフリカW杯、3次予選第6戦、ホーム・バーレーン戦で左SBとしてスタメン出場したのは、長友選手が負傷で欠場のなか安田選手であった。安田選手は、果敢に攻撃参加を見せるものの、パスワークでのミスが目立ち、守備面での安定を欠いた。
「いかに効果的に攻撃に関われるか」ということにSBの役割をフォーカスしてきたが、守備を確実にこなす、或いは、相手に攻撃をさせない圧倒的な攻撃力を持っていることを前提にしたものである。現実問題として代表間の試合で一方的に押し込むことも難しいので、守備力は当然必要な能力となる。
長友選手の負傷のなか、安田選手は守備に課題が残る結果となった。
安田選手や長友選手の登場によって、安定感やユーティリティー性の高さなど駒野の良さも実感することになった。
駒野選手は、日本代表にとって必要な選手なのかもしれない。
ただ攻撃の面では、長友選手や安田選手と比べるとやはり物足りなさが残る。駒野選手にももっと果敢な攻撃参加を期待したい。明日、NACK5スタジアムでは、一日本代表サポーターとして駒野選手の果敢な攻めを期待したい。

しかし大宮サポーターとしては、あまり活躍されても困るのだが…。

※駒野選手の試合採点が5.5ばかりという印象は、日本代表におけるイメージであり磐田での採点は含まない。最後に実際、今年の駒野選手の日本代表における評価を調べた

【駒野選手の日本代表メンバーとしての評価と寸評】(サッカーダイジェストより抜粋)

○6月22日バーレーン戦 W杯3次予選(H)出場なし
○6月14日タイ戦 W杯3次予選(A)5.5 
87分に左サイドで仕掛けて中村憲の3点目を演出したが、全体的なパフォーマンスは低調だった。どこか思い切りの良さに欠けそれが守備面にも影響。左SBとしては物足りない。
○6月7日オマーン戦 W杯3次予選(A)5.5
長友の負傷離脱により左SBでプレー。相手に裏を狙われ、ポジショニングに苦心した。攻撃時に前との距離が空いており、松井との連係でサイドを崩す場面はほとんどなかった。
○6月2日オマーン戦 W杯3次予選(H)5.5 寸評なし
○5月27日パラグアイ戦(キリンカップ)5.5  69分から出場
激しい上下運動は見せたものの、連動性なく単発プレーに終始。
○5月24日コートジボワール戦(キリンカップ)5.0
フィジカルを前面に押し出した相手ウイングの突破に対応し切れない場面も。攻撃でもフラフラと中でボールを貰いに行ったが、スペースを消してしまうだけだった。迷いながらのプレーで本人も消化不良だったのでは。
○3月26日バーレーン戦 W杯3次予選(A)6.0
激しい上下動で右サイドの主導権を握った。37分には単独突破からシュート。遠藤投入後から飛び出しの回数が増え、70分にはサイドを破り決定的クロスを供給。パス精度は欠くも、低調な攻撃陣のなかで気を吐いた。
○2月23日韓国戦(東アジア選手権) 出場なし
○2月20日中国戦(東アジア選手権) 6.0 前半で交代 寸評なし
○2月17日日北朝鮮戦(東アジア選手権) 採点なし 終了13分前からの出場
岡田体制下で初めての右SBで起用された。短い時間で躍動感見せた。
○2月6日タイ戦 W杯3次予選(H) 6.0
前線の選手がサイドに流れたことで普段よりも攻め上がりの回数は抑え気味も、ビルドアップは安定。
○1月30日ボスニア・ヘルツェゴビナ戦(キリンチャレンジカップ)6.0
'攻守のバランス調整に腐心。ボールを奪われた後の対応が早かった。
○1月26日チリ戦(キリンチャレンジカップ)6.0
山岸との有効な関係を築き果敢に攻撃参加。身体を張ったプレー光る。

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2008年07月03日

株式会社としてのサッカークラブ、株式会社の経営者としての最良の判断 とは?~神戸安達社長の大久保OA招集拒否騒動について~

 
 大久保選手のオリンピック代表招集拒否(以下、オ代表招集拒否)に関する一連の騒動について、既にマスコミやこのスポナビブログでも多くの方々が情報を発信している。私が改めてこの騒動の経緯をなぞる必要はないだろう。
この一連の騒動には、実に多くの利害関係者が存在する。当事者である大久保選手、神戸側を代表する安達社長、オリンピック代表チームの反町監督や協会側の窓口であった小野技術委員長、その他にもオリンピック代表のサポーターや神戸のサポーターなど、挙げただけでも、これだけの利害関係者としてこの騒動に関わっている。
 今、挙げた利害関係者らは、それぞれの考えや思い、そして「思惑」があるのは当然であろう。今回はその中で、頑なに協会からのオ代表招集を拒否したヴィッセル神戸代表安達氏の観点でこの騒動について考えてみたい。

なぜ安達社長は大久保のオリンピック代表招集を拒否したのか?

安達社長が招集を拒否をした理由として、大久保選手の怪我の具合への配慮、また、反町監督や小野技術委員長をはじめとする協会側の対応の悪さによる協会不信などとマスコミ中心に報じられている。
 今回の神戸のオ代表招集拒否は、所属選手の、代表チームへの招出がクラブにとって「デメリット」であるという前提に立っている。安達社長は、大久保選手をオリンピック代表に出すことにより、神戸にとってデメリットと感じたということに他ならない。
今回のケースで言えば、大久保選手が代表でプレーすることによって、2月に受けた右足の手術個所が悪化するのではないかという懸念と、北京オリンピック開催中に行われるJリーグの試合に主力である大久保選手が出場できないという戦力的な問題から大久保選手の代表招集は神戸にとってデメリットと判断された。

クラブにとって所属選手の代表招集は、本当にデメリットなのだろうか?
そもそもクラブにとってのメリット・デメリットとはどのような基準で考えるべきだろうか。

監督と社長の目的の違い

オ代表招集によるクラブのメリット・デメリットを考える前に、サッカークラブにおける「チーム」と「クラブ」を明確に分けておきたい。Jリーグにおけるチームとは、まさにサッカーをプレーすることによって相手Jチームに勝利をする。そのために日々訓練をしているプロフェッショナル組織と定義できるだろう。一方、クラブと言えば、チームの運営を中心に、下部組織の運営、グッズ商品の企画・販売など事業を行う事業組織であり、Jリーグクラブにおいては、法人化が義務付けられ、ほとんどのクラブが「株式会社」の形態をとっている(唯一モンテディオ山形を運営するスポーツ山形21のみが「社団法人」)。
 「チーム」が試合に勝つことを目的にしているのに対して、株式会社である以上、「クラブ」の目的は、利益を出すことである。Jリーグクラブは、公共性が高いので一概に、一般の株式会社と一緒にするべきではない、という意見もあるが、私はそうは思わない。浦和レッズを例にとっても、地域貢献を実現しながら収益を確保しているクラブは存在する。また、世界に目を向ければその数は更に増える。「クラブ」は、「サッカーチーム」を内包しているが、2つの組織は、明確に目的が異なるのである。

【大宮アルディージャを運営するエヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティー(株)の主な事業内容】
(1)プロサッカークラブの経営
(2)サッカー、その他の各種スポーツ競技の興行及びその仲介
(3)サッカー等の選手の養成及びコンサルティング
(4)その他の関連業務

異なる2つ組織での“長”である「社長」と「監督」の目的もまた異なる。チームの長である監督の目的は、戦術・練習・選手起用を駆使して強いチームをつくり、試合に勝つことである。一方、クラブの長である社長の目的は、事業を継続し利益をあげることである。
今回の大久保選手のオリンピック代表招集拒否による一連の騒動に関しても、クラブ経営者の社長視点で言えば、大久保選手のオ代表招集についても、如何に利益を挙げられるかという基準で判断するべき事項である。

※近年では、GM職の概念が浸透し、選手の編成を含めたチームの責任者はGMで監督はチームの戦術面での責任者というポジションと見る向きもある。

神戸にとって大久保選手のオリンピック代表出場はメリットだったのかデメリットだったのか?

大久保選手のケガへの配慮、またオリンピック期間中の大久保選手のJリーグの欠場は、長期的には、クラブの利益に関わることである。オリンピック出場したことによる大久保選手のケガや、オリンピック期間中のJリーグの欠場は、チームの戦力をダウンさせ、観客動員減少へつながるかもしれない。
 ただ、短期的に考えれば大久保選手のオリンピック出場は、クラブよりチームとしてのデメリットと考える方が自然である。
逆に、大久保選手がオリンピック代表として大会に出場した場合のメリットを考えてみる。すぐに思いつくのは、大久保選手代表選出による「PR効果」である。大久保選手がオリンピックに出場すれば、マスコミの取材や実際の試合で、ヴィッセル神戸というクラブ名を目にすることは各段に増える。大久保選手が北京で活躍すれば露出は更に増え、大会後、大久保選手を観にスタジアムに足を運ぼうというサポーターも増えるかもしれない。
 PR効果だけを考えれば、大久保選手がフル代表として、南アフリカ3次予選に出場するよりも、OA枠で北京オリンピックに出場した方がクラブの利益になったかもしれない。
 私は、経営コンサルタントでもなければ、経営者でもないので、大久保選手の北京オリンピックの出場がどれほどの経済効果を神戸にもたらすのか、また今回のようにオ代表招集を拒否したことによって神戸にどれほどの利益をもたらすのかわからない。ひとつ気になるところは、安達ヴィッセル神戸社長が、社長として、代表招集拒否という判断をしたかどうかである。チームの監督者である松田監督が、オ代表招集へ容認ともとれる発言をしていたに対して、社長が招集を拒否したということで何か納得の行かないところがあった。
 私がもし安達社長の立場であれば、大久保選手が試合に出場できない程の怪我を負っているのであれば別だが、14節大分戦、また次の15節大宮戦に出場できる状態であり、更にはオリンピック期間中のJリーグにも出場できる体調であるならば、進んで大久保選手を北京に送りだすところである。なぜならその選択の方が神戸というクラブの利益につながると考えるからだ。

代表取締役とゼネラルマネージャーを兼務する安達氏

 賛否両論あるが、安達社長は、オ五輪招集拒否という経営判断を下した。
社長として経営判断を下したということであれば、もう何も意見はないのだが、現在、安達社長は、「GM(ゼネラルマネージャー)」も兼務しているのである。今回の招集拒否の判断が、経営者としての判断なのか、それともGMとしての判断なのか、更に疑問が深まる。当然、経営者として、そしてGMとしても招集拒否という判断をしたかもしれない。チームが強くなることが、クラブの利益確保の重要な要因の一つであることを考えれば、経営者とGMの判断が一致することはままあるはずである。ただ、利害の一致しない可能性も考えられるこの2つのポジションを兼務できるのかという疑問も残る。
 例えば、選手の補強の際や、選手の待遇や環境改善など、GMとしてクラブに「コスト」要求することもある。対して経営者として、それらの「コスト」を拒否する判断を必要とする場合もある。このような場合、経営者とGMの主張は相反する。
このようの相反する可能性のあるポジションを兼務するということが、Jリーグクラブや世界のクラブにおいてもあるのだろうか?

大久保選手のオリンピック代表招集拒否騒動から思いもよらない興味が湧いてしまった。
社長とGMではないけれども、立場が違えば主張も変わる訳で、オリンピック代表を応援する一サポーターとしては、「反町監督はなぜそれほど大久保にこだわるのか?他にいいFWいるだろッ!」と言ってやりたいところである。
また、フル代表もオリンピック代表も一人も選出されない、大宮アルディージャサポーターとしては、なんとも羨ましい「騒動」である。
そして、大宮のサポーターとして今週末のアウェー神戸戦には絶対負けたくないと決意する。

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2008年06月25日

真摯なジャッジに好感。J復帰の家本政明主審にエール~家本主審を見たくて、【再放送】J2 21節甲府-山形戦を観戦のため朝5時起床を試みた~

3月にゼロックススーパーカップ鹿島-広島戦において主審を務めて以降、長らくJリーグの審判員から遠ざかっていた家本政明スペシャルレフリー(以下SR)がJ2の主審として復帰することが発表されたのは、主審を務める6月15日20節愛媛-水戸戦の5日前であった。

私は、3月1日のあの日、国立競技場の鹿島側のスタンドであの試合を観戦していた。
まだJリーグ開幕前、大宮のシーズンチケットを衝動的に購入し、徐々にサッカー熱が上昇していたあの日、家本政明というSRの存在など知る由もなくあの試合を観ていた。

試合開始早々の鹿島岩政選手の警告2枚での退場。それに帳尻を合わせるかのような広島李選手の退場とイエローカードが数多く出される荒れた試合だった。

ただ、ジャッジに多少の不満はあれど、まさか数十分後に、あれ程物議を醸す試合になるとは思いもよらなかった。


あの日以来、家本SRはJリーグで笛を吹かなくなった。

その後、Jリーグが開幕して以降も色々な誤審や不可解なゲームコントロールが多発した。Jリーグにのめり込むと同時に審判への興味が生まれた。スポナビブログでブログを書こうと思ったのも審判員に対して言いたいことがあったのが理由であった。

4月22日「もっと声をだすべき人たち」

5月1日「リーグ審判推考~なぜ審判は権威化するのか?~SR暴言問題を契機に考える」

5月4日「早期の警告(イエローカード)提示のリスク~大宮-FC東京戦、前半7分の片岡選手へのイエローカードを考える~」

5月28日「サッカーダイジェスト(6.10号)のP93のコラムについて~三浦泰年氏(P51)の言葉を捧げる~」

6月14日「粗を探しているわけではないのですが、どうしても気になる上川氏のこの発言」


20節の愛媛-水戸戦で家本主審のジャッジをチェックすることはできなかったが、大宮サポーターの方のブログをみて21節甲府-山形戦でも家本SRが主審を務めたことを知り、本日早朝5時からの再放送を観戦するため、いつもより少し早い起床を試みた。

穿った目で観戦するなか、慎重にジャッジをする家本主審

実際、起床したのは午前5時半。予定通りの起床だった。実は事前に情報をブログから得ていた。後半開始早々のあるジャッジ-家本主審がスローインからのリスタートをオフサイドと判定したシーン-をチェックするためであった。
前半30分からの観戦、両チームのプレーよりも家本主審の動きに目がいく。再びどんな不可解なジャッジをするのか鼓動が早くなる。

一サッカー好きの穿った目での観戦をよそに試合は両チームとも熱戦を繰り広げる。試合は非常にスピーディーに展開する。昨シーズンまでJ1に在籍した甲府と6連勝で快進撃を続ける山形、J1の試合と比べても遜色ない、見方によってはJ1クラブ以上の好ゲームである。自然と意識は家本主審から試合そのものに移る。

そして前半終了間43分、ファウルをした甲府前田選手がジャッジを不服とし家本主審に駆け寄って抗議をする。家本主審も前田選手の抗議に対して、大きなジェスチャーや言葉で、抗議をやめるよう、気持ちを抑えるよう話しているのがわかる。以前であれば、イエローガードがでていそうな場面で、コミュニケーションをとる家本主審。

考えてみれば、自らのジャッジが騒動を引き起こしたとは言え、家本SRにとってはこの数ヶ月間、想像を絶するプレッシャーだったに違いない。この前田選手へのコミュニケーションひとつをとっても非常に慎重にジャッジをしていることは観戦している私にも伝わってきた。

スローインからのリスタートをオフサイドとジャッジする副審

そんな中、例のシーン-スローインをオフサイドとジャッジした-に遭遇する。明らかにオフサイドではないプレーに対して1st.アシスタントレフリー五十川副審はフラッグを挙げる。家本主審が笛を吹くも、プレーは続き、山形選手の折り返しからのシュートは、甲府DF選手にゴールライン付近で阻まれる。笛がなってもプレーを続けた甲府イレブン、オフサイドはないのではないかという山形選手の抗議に対してすかさず、家本主審は1st.のアシスタントレフリーに確認のため駆け寄る。そしてドロップボールからのプレーの再開を選択した。

その後、ファウルを取ってもいいのではと思えるジャッジやアドバンテージをとって流してもいいのではというジャッジも散見されたが、その後ゲームは荒れることもなく試合終了まで好ゲームが行われた。

真摯にジャッジをする家本主審に好感、ジャッジは主審一人だけでなく4人の審判団で行われる。

私が今回の甲府-山形戦を観戦し(前半30分~)、特に家本主審のジャッジに注目したわけだが、今回、家本主審は、うまく試合をコントロールしていたと思う。今回の試合ように一つひとつのジャッジに対して真摯な態度で臨んでいれば、多少のミスジャッジがあっても試合が荒れたり、イエローカットを乱発するような事態は回避できるだろう。
また最終的にジャッジを下すのは主審であるが、2人の副審、また第4の審判員を含めた4人の連携によってジャッジが行われるということも忘れてはならない。
後半10分、山形財前選手と宮崎選手が交代する前の試合を止めるプレーにおいて、家本主審と、五十川1st..副審 が刺し違えたような場面があった。(もしかすると選手交代のため家本選手が動揺しただけのようにも見えた。)本来、どちらにチームのスローインが判断するのがわからない混戦したプレーの場合、ジャッジをする前に、必ず主審と副審がアイコンタクト(目でコミュニケーション)を行い、主審がジャッジを下すのか、それとも副審のジャッジを採用するのか瞬時に決めたりする。
常に4人の審判員が高い意識のなかで、コミュニケーションを取り合っていれば、ミスジャッジは劇的に減少する。今回の副審のスローインからのプレーをオフサイドとしたジャッジや、スローインを刺し違えるジャッジなどは、副審(1st.)の集中力が切れていたとしか言いようがない。
副審や第4の審判員は、試合中、主審のサポートはしても、主審のジャッジを鈍らせる行為は絶対してはならない。

posted by toddocom |07:29 | サッカーその他 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年06月19日

ちんすこうの賞味期限はもうすぐ切れるが、我那覇選手への募金期間はまだ続く(7月31日まで)

我那覇‘冤罪’事件に関しては、「【徹底リポート】冤罪」文ミカミカンタ@季刊サッカー批評 ISSUE39に詳しい。

ちんすこう募金
私はつい最近まで、「サッカー批評」の存在を知らなかった。 購読しはじめたのがつい先日ISSUE38「岡田武史なんて知らない」からだ。 初めて読んだときは今まで何で読んでこなかったのかと酷く後悔した。  我那覇‘冤罪’事件についても、この今回のサッカー批評で詳細を知った。 当然事件は昨年から知っていたが、我那覇‘ドーピング’問題が、実は我那覇‘冤罪’事件であることが今回の記事でよくわかる。 詳細については、ぜひとも「サッカー批評」を購入して読んで頂きたい。立ち読みででも。と言いたいところだが、当該の記事だけでも結構なボリュームである。また1,000円払うだけの価値のある雑誌である。ぜひぜひ購入をお薦めしたい。(スポナビブログを読まれる方々は既に読まれている方も多いと思うが…) この‘冤罪’事件で我那覇選手が失ったものは大きい。この事件によって失った‘過去’はもう戻らない。しかし失った莫大な裁判費用は、まだ取り戻せる。 写真は、我那覇選手の地元の有志が立ちあげた「小禄地区サッカー有志の会」が行った一口1,000円の募金活動~ちんすこう募金~でもらったちんすこうである。 ちんすこう募金と合わせて、Jリーグ選手協会が募金活動を7月30日まで行っている。我那覇選手が、仲裁裁判にかけた費用は、4,000万円と5,000万円とも言われている。1,000円でも100円でも多くの募金がなされ、我那覇選手の金銭的な負担が減ることを心より願う。 Jリーグ選手協会 募金特設サイト また、Jリーグが、川崎フロンターレに課した制裁金1,000万円の行方は現在どうなっているのだろうか? Jリーグは、まずこの制裁金1,000万円は川崎に返還し、川崎は、我那覇選手の裁判費用を少しでも減らすようこの返還金を使ってほしい。 Jリーグは、選手を守るという観点から、我那覇選手の負担金を少しでも減らす働きかけをするべきである。Jリーグは冤罪事件を起こした張本人であるが、迅速な対応を望む。 またJリーグ各クラブは、各クラブサイトにて、Jリーグ選手会の募金特設サイトへのリンク(バナー掲載)をしてもよいのではないか。これもJリーグの通達ですぐに実現できあるはずである。 Jリーグがどんな対応をするのかサポーターは密かに見ている。 マスコミが取り上げなくなったと煙に巻くような対応だけは決してしてほしくない。


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2008年06月17日

8月2日開催JOMOCUPチケット購入予約~JAPAN ALLSTARSに大宮の選手は選ばれるのか?

今月の14日から8月2日(土)に開催されるJOMO CUP2008のチケットの販売が始まった。私も遅ればせながら本日、オンラインでチケットの購入予約を行った。金銭的な事情によりJリーグ側の自由席(\2,000)の購入予約をしたのだが、既に完売している席エリアもあるようだった。

あとは、コンビニエンスストアでお金を入金してチケットを受け取るだけである。
しかし、このタイミングである心配が頭によぎる。

~私が応援する大宮アルディージャの選手はJOMO CUPに出場するのかと…~

昨年までは、大宮も毎年1名選出されているのだが(2005年トニーニョ選手、2006、2007年小林大悟選手)、今年から大会概要が大きく変わり、韓国Kリーグ選抜との対戦となった。
昨年までは、人気投票に選ばれなくてもJリーグの推薦枠で自分が応援するクラブの選手が出場しないということはなかった。
昨年は東西両チーム合わせて32名の出場枠があったわけだが、今年は、1チームに32名も選ばれる訳がないから確実にJリーグ選手の出場枠が少なくなることは予想できた
JAPAN ALLSTARSの選出枠は何人なのだろうか、24人か?22人か?20人か?
Jリーグ公式サイトで調べてみると…
なんとJAPAN ALLSTARSの出場枠は18名
J1クラブ18チームで18名なのである。更に注意書きには、「各クラブから選出される選手数の上限はなし」とのこと、つまり1クラブで2名選出された時点で全く選ばれないクラブが1つ現れるということである。

~大宮アルディージャの選手はJOMO CUPに出場するのか!~

正直なところ、大宮の選手が出場しないならテレビ観戦でいいと思っている。ALLSTARSに出場する大宮の選手を応援するために、各クラブのサポーターが集まるなか、大宮のオレンジ・ネイビーを着飾りまくろうと妄想しながら購入予約をしたチケット。現時点で大宮の選手が出場する保証は全くない。
幸いにもまだ正式に購入したわけではないのだが・・・。

大宮サポーターとしてJOMOCUPのチケットを購入すべきか、購入はやめるべきか

悩ましいところである。
購入予約をしたチケットの引き換え期限は、今月の19日。
JAPAN ALL STARSの発表はいつなのだろうか?
浦和レッズや鹿島アントラーズ、ガンバ大阪のような強豪クラブのサポーターは迷わずチケットを購入しているだろうが、今までJリーグ推薦枠で助けられてきたクラブのサポーターにとっては、意外と切実な問題である。
大宮以外でも、同じような悩みをもつ他のクラブサポーターがいるのではないだろうか?

そこでオリヴェイラ監督に提案、ちょうど選出選手数とクラブ数が同じ「18」なので、「1クラブ1名縛り」でJAPAN ALLSTARSを選出してはどうだろうか?
各クラブのサポーターの皆さんも色々要望があると思うが、下記のメンバーあたりで手をうって頂けないだろうか。(やっぱり無理だろうなぁ)

≪JAPAN ALLSTARS願望≫(敬称略)
【GK】
磐田 川口能活
柏  菅野孝憲
【DF】
浦和 闘利王
横浜 中澤佑二
札幌 柴田慎吾(クライトン)
清水 市川大祐
東京V 服部年宏
大阪 加地亮
【MF】
鹿島 小笠原満男
F東京 大竹洋平
大分 金崎夢生
名古屋 小川佳純
新潟 田中亜土夢
神戸 金南一(石櫃洋祐)
【FW】
京都 柳沢敦
川崎 鄭大世
大宮 デニス・マルケス
千葉 巻誠一郎

posted by toddocom |00:48 | サッカーその他 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年06月17日

スポーツ報知の「『南アまで岡田監督』川淵キャプテンが明言!」に過剰に反応してしまったが…

今朝、Yahoo!ニュースで興味深い記事が飛び込んだ
「南アまで岡田監督」川淵キャプテンが明言! (スポーツ報知)

【バンコク(タイ)15日】日本協会の川淵三郎キャプテン(71)が15日、日本代表の岡田武史監督(51)に2010年南アフリカW杯の指揮を任せる意向を当地で明らかにした。日本は、・・・(Yahoo!ニュース引用:発信元スポーツ報知)

ここまで読んでとっさに頭を過ぎったのは、06年ドイツワールドカップ後の川淵キャプテンの失言騒動。ドイツを終えて帰国直後の川淵キャプテン出席の会見で、次期監督候補として、当時千葉監督であったオシムと交渉をしていることを示唆し物議を醸した騒動。この失言が意図的だったか、本当に失言だったか別にして、この騒動で、ドイツワールドカップの1次予選敗退の川淵キャプテンへの責任問題をかわし、Jリーグの1クラブから契約中の監督を招聘するという2つのことを成し遂げた。
 今回の岡田監督、2010年南アフリカワールドカップの指揮を任せるという発言は、来月(2008年7月)の任期満了により日本サッカー協会の会長職を退く川淵氏にとっては失言ともとれる発言であった。
 これは、会長職退任後も日本サッカー協会、日本サッカーへ強い影響力を持つことへの強い意志であり、この発言が、これから数か月間に起こる日本サッカー協会人事への川淵氏なりの布石なのでは?と考えた訳である。

しかしその後を続けて読んでみると少し早とちりをしたようで、今回の記事は、記者の「岡田監督を信頼して最終予選も任せるか」という質問に対して「岡田監督には、もちろん、もちろん最後まで(やってもらう)」という川淵キャプテンの発言を拡大解釈するものであった。意訳をすれば、

「6月2日のホームオマーン戦に負けるようなことがあれば岡田監督の進退問題にもなりかねないと示唆をしていた川淵キャプテンであったが、アウェータイ戦に勝利して、アジア最終予選突破が決定し、岡田監督の3次予選での進退問題は解消し、引き続き9月から始まるアジア最終予選でも岡田監督が指揮を執ること」を明言した訳である。

健全な考え方で言えば、例え日本が南アフリカワールドカップに出場を決めたとしても、最終予選の戦い如何によっては、最終予選途中の岡田監督の更迭や、本戦前に岡田監督の退任の可能性はある。昨日時点で、川淵キャプテンが、9月の最終予選を岡田ジャパンで臨むことについて明言できても、8月以降の監督人事に関しては、退任する川淵キャプテンの影響の範囲ではない。今回の発言が、退任後も日本サッカーにおいて影響力を持とうとする川淵キャプテンの布石であるのであれば問題であったが、他の記事を読む限りは、今回の発言に関して言えば川淵キャプテンのよからぬ意図はないようだ。

川淵氏最終予選も岡田監督続投明言(日刊スポーツ)
川淵キャプテン、岡田監督の最終予選指揮を明言(IMS)
※ロイター通信の記事は見つからず

ただ、川淵プレジデントが誕生するという噂があるように、このまますんなりと退きそうもない雰囲気である。ブラジルサッカー連盟(CBF)会長リカルド・テイジェイラ氏や、大韓サッカー協会の鄭夢準(チョン・モンジュン)氏の場合など、長年に渡り会長職についている国も意外と多い。ここでもう一度、長期政権のメリットとそしてデメリットを考えながらこれから約1ヵ月、日本サッカー協会人事を見守りたい。

私見では、川淵チェアマンの日本サッカー協会での役割は一先ず終えたと思うのだが、その理由は…また長くなりそうなのでその理由を語るのは別の機会にしよう。

posted by toddocom |00:37 | サッカーその他 | コメント(0) | トラックバック(0)
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