2008年08月01日

ストッピングでもなく、取られないトラップでもない、攻撃への最初のボールタッチ。子供に教えなければならないアルゼンチン代表のプレー 日本五輪代表-アルゼンチン五輪代表戦を観戦して

先月(7月)から自分も以前に所属していた地元のサッカー少年団のコーチをすることになった。まだ練習に3回程参加しただけである。主に小学3、4年生をみることになりそうだ。
今まで人にサッカーを教えた経験もないので、色々な練習手法をチャレンジしながら、子供らには、サッカーを楽しんでほしいと思う。
ところで、小学3年生と言えば、私がサッカーを始めた年齢とほぼ一緒である。今の子供も小学3円生でチームに入団してサッカーを始める子供が多いようだ。これからサッカープレーヤーとしてのキャリアをスタートさせる彼らに最初にどのようなプレーを教えるべきか考えてみる。

サッカーをプレーするにあたり最も大切なプレーとは何だろうか?

学生の頃、プレーヤーだったときには全く考えたことがなかった疑問。
今年に入りJリーグをよく観戦するようになり、子供たちにサッカーを教えることになり、より積極的にサッカーのプレーを見るようになって抱いた疑問。
そして最近、その疑問に対して、自分の中で答えを見い出した。

サッカーを始めた子供たちに最初に教えるべき、サッカーで最も大切なプレーとは「トラップ」だと思う。

日本五輪代表-アルゼンチン五輪代表戦のアルゼンチンの選手のプレーをみて更にそう思うようになった。
トラップの定義を「飛んできたボールを受け止めて、自分の意思でコントロールして次の動きを行いやすい位置にボールを移動させること」(ウィキペディアより)とするならば、一方、単にボールを止めることをストッピングというらしい。当然、私がサッカーを始めたころストップとトラップの区別もなく、トラップの練習と言えば、リフティングを数回した後、ボールを高く蹴り上げ、ボールが落ちてくるところをインサイド・アウトサイト、もしくは足の裏などでボールを止めることを繰り返していただけだった。

今でも、Jリーグなどでもトラップすべきところでボールをストップさせてしまう選手が意外と多い。
五輪代表の内田選手は、前にスペースがあれば果敢に空いてスペースめがけてトラップをする。アルゼンチン代表戦でも何度か、スペースにトラップして抜け出すプレーをしていた。後ろから攻め上がるサイドバック(SB)である内田選手にとってスペースに蹴りだすようなトラップが、次のプレー(攻撃)に移る際には、最良の選択であることが多い。
 一方、ボールを貰う位置が、相手ゴールに近づけば近づく程、相手のプレッシャーは増し、ビルドアップの過程で、後方の選手から前方の選手へボールを受け渡すケースが多くなる。後方から前方FWにあてる楔(クサビ)のボールもその一つである。

この後方の選手から前方の選手へのパスや、相手選手のプレッシャーを受けながらパスを受ける際のトラップに、日本の選手とアルゼンチンの選手との技術的な違いを見た。

相手選手のプレッシャーを受けながら、次のプレーをしやすいようトラップする際、その前提にあるのはボールを取られないトラップが求められる。通常、相手選手のプレスを感じたなら、そのプレッシャーを回避するようにトラップをするだろう。しかし、アルゼンチンの選手のトラップは取られないだけのトラップをしていなかった。
 彼らがしていたトラップは、余程のプレッシャーがない限り、常に「攻撃をするための最初のボールタッチ」であった。
 通常のプレーでも、全くプレッシャーのない時に、DFの選手からボランチの選手へボールを受け渡す時に、ボールを軸にするように体の向きを方向転換するトラップをよく見る。アルゼンチンの選手は、その方向転換をするトラップをより高い位置でも多用していた。アルゼンチンの選手は、ボールを取られないというだけでなく、トラップで方向転換をして前を向き、攻め上がるためのボールコントロールをしていた。
 後半23分のアルゼンチン代表の得点シーンもクサビを受けたアグエロ選手、そしてアグエロ選手からボールを受け、得点したディマリア選手も、ワントラップで前を向こうとする意識と技術がなければ生まれなった得点であると言える。前を向かれた選手に対しては日本のディフェンスも容易にボールを取りに行けずに失点をしてしまった。
 相手ゴールを背にし、相手ディフェンスからプレッシャーを受けながらどう前を向こうか考えるよりも、最初のトラップで前を向けるようコントロールする方が、次のプレーへの移るスピードも速く、次のプレー自体の難易度は各段に下がる。
 アルゼンチンの選手は、あたり前のようにトラップの際、常に前を向けるようボールをコントロールしていた。

 ジュニア世代から、ボールを止めるだけでなく、取られないためだけでなく、攻撃へのファーストタッチとしてトラップできるようになれば、彼らのサッカープレーヤーとしてのキャリアのアドバンテージになるだろう。
どうトラップを習得させるかは、私の指導者としての力によるところが大きいのだが…


※今回のエントリーは、ジュニア世代に一番最初に教えるべき技術を論じているのでなく、トラップがいかにに重要かをテーマにしています。

posted by toddocom |02:09 | サッカーその他 | コメント(4) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/toddocom/tb_ping/49
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
ストッピングでもなく、取られないトラップでもない、攻撃への最初のボールタッチ。子供に教えなければならないアルゼンチン代表のプレー 日本五輪代表-アルゼンチン五輪代表戦を観戦して

トラップの重要性は管理人さんの言うとおりだと思います。

トラップ=思ったところにボールを置く、とするならば、ダイレクトパスやシュートもトラップの延長線上にあるといえるかもしれません。

トラップはサッカーの全てに通ずる技術であり、「トラップを制するものは世界を制する」といっても過言じゃないかもしれませんね。

管理人さんの教え子が未来の日本代表になると良いですね

posted by ブラジルW杯 | 2008-08-01 10:47

ストッピングでもなく、取られないトラップでもない、攻撃への最初のボールタッチ。子供に教えなければならないアルゼンチン代表のプレー 日本五輪代表-アルゼンチン五輪代表戦を観戦して

ブラジルW杯さん
コメントありがとうございます。

アルゼンチン五輪戦を観戦して私が感じたことは、
同じ、「思ったところにコントロールする」でも日本とアルゼンチンの選手には大きな違いがあったと思いました。
その違いとは攻撃への意識です。

本田圭選手や香川選手も自分の思ったところにコントロールをしているのですが、そのイメージが、まだアルゼンチンの選手が持つイメージと開きがあるような気がしました。

「それほどプレスがかかってないから前を向ける!」という場面でも前を向かなかったり、右足でトラップすれば、前を向いたまま次のプレーができるのに、左足に固執したりと微妙な違いですが、この違いによってプレーのスピード落ち、判断できる余裕を自らなくしていたように思いました。

指導者1年生ですが、がんばります!

posted by toddocom@管理人 | 2008-08-01 18:57

ストッピングでもなく、取られないトラップでもない、攻撃への最初のボールタッチ。子供に教えなければならないアルゼンチン代表のプレー 日本五輪代表-アルゼンチン五輪代表戦を観戦して

次のプレーイメージがないと、どの位置にボールを置くか決まらない。
トラップは重要だけど、所詮技術。

やりたいプレーを実現するための技術。

やりたいプレーは何?そっちが先。

posted by FREQ | 2008-08-02 00:16

ストッピングでもなく、取られないトラップでもない、攻撃への最初のボールタッチ。子供に教えなければならないアルゼンチン代表のプレー 日本五輪代表-アルゼンチン五輪代表戦を観戦して

FREQさん
コメントありがとうございます。
全くご指摘の通りだと思います。
もっと言えば、イメージする「やりたいプレー」が
どれだけ攻撃的かが重要だと思っています。

posted by toddocom@管理人 | 2008-08-05 01:31

コメントする