2008年07月14日
16節大宮-磐田戦 負け組の思考 リスク回避のバックパスだけならその辺の草サッカーでもやっている
7月12日(土)、19時からNACK5スタジアムで16節大宮-磐田戦が行われた。NACK5スタジアムでの試合は、5月25日ヤマザキナビスコカップの5節対大分戦以来、約1ヶ月半ぶり、Jリーグでの試合は、5月10日Jリーグ第12節対札幌戦以来約2か月ぶりとなった。更に言えば、NACK5スタジアムの「勝利」では、4月5日5節対大分戦以降なく、大宮サポーターにとっては是が非でも「勝利」のほしい試合であった。またこの日の磐田戦は、「区民感謝デー」ということで、旧大宮市、旧岩槻市の地域のなかから、大宮区と西区の区民対象に、各100組200名合計200組400名の区民がスタジアムへ招待をされた。スタジアムの入場者数も12,000人越えの12,720人を記録した。 私はと言えば、12日のこの日は、今月から指導をすることになったスポーツ少年団が参加する大会に帯同し、審判(主審)を3試合こなし、NACK5スタジアムに向かうという強行日程であった。ちなみに次の日13日もフルコートでの草サッカーを1試合こなすというサッカー三昧の週末であり。日曜日にフルコートでサッカーを終え、帰宅後、午後7時には床に就いた。そのため当該の大宮-磐田戦をビデオチェックできずにこのエントリを書くことをご了承願いたい。リスク回避のバックバスだけなら、その辺の草サッカーでもやっている 今シーズン、最近毎節のことではあるが、いつものように前半大宮は低調な滑り出し。前節神戸戦と同様、この日も、試合開始から、磐田のJ1唯一の日本人ツートップ~前田選手とカレン・ロバート選手~を中心に激しいプレスで仕掛けられる。また、磐田のDFやMFから早いタイミングでのロングフィードが繰り返され、大宮CBの冨田・レアンドロ両選手は、縦横無人に走り回る前田選手とカレン選手に捕まえきれず、対応に苦慮した。FWからのプレスと、大宮DFの裏を突くロングフィードは、大宮攻略の定石になってしまった感がある。 前節神戸戦でのレビューでは、「素晴らしい神戸のプレッシャー」と「神戸ホームズスタジアムの深い芝」をポゼッションサッカーができなかった理由とした。コメントでは神戸サポーターの方から「長い芝」を敗戦の理由としたことにいくつかご意見を頂いた。ただ神戸のプッシャーは素晴らしかったが、ご指摘の通り、ボールがうまく転がれば、神戸の激しいプレスにも対応できたのではという、大宮サポーターとしての「言い分」があったのだが、今節磐田戦で、その希望的言い分はいとも簡単に打ち砕かれた。磐田のプレスに大宮は対応できなかった。当前、ボールの止める深い芝はNACK5スタジアムにはなかった。磐田のプレスに対して、大宮の選手は、リスクを回避するためにバックパスを多用、最終的には、GK江角がDFからのバックパスをクリアするというシーンを何度も目にした。特に右SBは狙われていたように思う。小林大悟選手がキープすると激しいプレッシャーをかけられ、やむを得ずバックパス。更に激しいプレッシャーが田中選手を襲い、結局江角選手へバックパスをしてしまうという流れである。 好調のときは、プレッシャーをかけられながらも、ボランチの小林慶行選手や佐伯(斎藤)選手がパスコースを上手につくり、SHの選手(小林大悟・藤本選手)やデニスマルケス選手などにうまく展開していたが、昨日のゲームではそのようなプレーは見られなかった。江角選手のクリアボールはほぼすべて磐田選手がキープすることとなり、結局、磐田の激しいプレスに対応ができないまま時間は流れた。そして開始早々の前半10分に、村井選手のアーリークロスを前田選手が折り返し、カレン選手に先制点を許した。 以前のエントリでも書いたが、ここ最近の数試合は必ず、大宮は先制を許し追う展開を余儀なくされる。この先制点を取られてしまう「負の経験」が試合の展開にも影響を及ぼしているようであった。現在の大宮は、失点しないために樋口監督が標榜するサッカーを実現すべくポゼッションを高めようと試みる。しかし、本来攻撃への展開へつなげるためのポゼッションが失点しないためのポゼッションとなっており、結果としてボールが前へは進まず、リスクを回避するために後方へのバックパスが多用されることとなる。 前半、パスカットしたボールを吉原選手が受け、前にスペースが空いているにも関わらずバックパスをしてしまうシーンがあった。DFやMFからのビルドアップありきになってしまい、本来、チャンスがあればゴールを狙う本質を見失っている象徴的なプレーであった。 樋口・大宮サッカーを実現しようとするあまり、サッカー本来の目的(ゴールを奪い勝利をすること)を蔑ろにしていると言わざるを得ない。私は、ゴールを狙う攻撃的なチャレンジや、ボールを奪う守備的なチャレンジをプロであるJリーグ・大宮のサッカーに求めている。リスクを回避したバックパスなら入場料を払わなくても草サッカーレベル簡単に目にすることができる。前半大宮のバックパスに対して、大宮サポーターからのブーイングが起こったのは言うまでもない。クレメン(ラフリッチ)選手の登場の期待と不安 これもまた最近毎節の如く、後半から大宮は徐々に調子を上げてきた。ただ、磐田が前半からのハードワークのため、運動量が落ちてきたことが、大宮がボールをキープできるようになった最大の理由である。 戦い方としては明らかに磐田の方が試合巧者である。後半、多少運動力が落ちることが予想されても、前半1点取っておく方が明らかにアドバンテージである。後半は、3枚の交代カードをうまく利用して追加点を狙っていけばよい。仮に追加点が奪えなくても前半1点先制をしているため勝ち点3を得ることができるからだ。 大宮が徐々にペースを掴むも、次にゴールを奪ったのも磐田だった。後半7分にボールを受けた前田選手がシウジーニョへスルーパス。冨田選手の裏をとったシウジーニョ選手がそのままドリブルしゴールネットを揺らした。3分後に佐伯選手から冨田選手がボールを受け得点するも追加点が奪えず敗戦が決まった。 大宮にとって注目すべきは、先日、加入した現役スロベニア代表クレメン選手(登録名ラフリッチ)が初出場を果たしたことだ。身長190センチのFWは、グランドでのウォーミングアップ時から目立っていた。そしてついに後半10分過ぎた頃、長身のFWはピッチに立った。以降、大宮はシンプルにクレメン選手にボールを合わせる。そしてクレメン選手も相手DFの田中選手らに競り勝つプレーもあり、ポストの役割を十分に果たした。圧巻だったのは、後半43分、途中から出場していた橋本早十選手からのフリーキックをヘディングシュートでゴールネットを揺らしたシーンである。ゴール裏の我々サポーターも初出場・初ゴールに歓喜した。結果的にオフサイドであったが、ラフリッチ選手の長身を生かした攻撃を垣間見、今後の新しい攻撃のオプションとして見込めるプレーをした。何より、俗に言う「電柱系FW」の特徴である、足元の技術やスピードへの不安は、このクレメン選手にはないようだ。後半12分の小林大悟選手のフリーキックに飛び込むプレーは、身長190センチとは思えない機敏さであった。190センチ/80キロの締まった体は、大宮のヨンセン(名古屋所属・186センチ/79キロ)になれるのではないか。大いに期待できる。 期待の一方、不安と言えば、クレメン自身の不安というよりは、受け入れる大宮の方への懸念である。1点ビアインドということもあり、クレメンがピッチに立ってからは、戦術を切り替えシンプルにクレメンめがけてボールをフィードした。クレメンが出場する際にどんなサッカーをするのか今後、大きな課題になるだろう。今回のようなただ「放り込む」だけのサッカーでは、折角のクレメン獲得も、彼を生かし切れずにレンタル期間を終えるだろう。名古屋のヨンセンの活躍も彼だけの力ではなく、戦術としてSHのマギヌン・小川両選手、加えて、阿部・竹内(バヤリッツァ)選手らの良質のセンタリングがあるからこそである。今回、クレメン選手に渡ったボールのほとんどは、そのままシュートできるものでなく、ポストプレー(デニスマルケス選手へ落とすため)のためにフィードであった。今後如何にクレメン選手にそのままシュートができるボールを供給できるかが課題であろう。ある程度、予想はしていたが、デニスマルケス選手との連携(ボールの受渡)が全くなかったことも不安の一つである。 既に私自身が樋口監督の立場であったら選手をどう起用するかという考えはあるのだが、次の柏戦を観戦してから述べたいと思う。 ただこの磐田戦の当日に、メンバー以外の控え組が、筑波大学と練習試合を行っているのだが(1-2の敗戦)、U-19代表の青木選手を本職のボランチではなく、右SBに起用しているところからSBについて課題と感じているようである。僭越ながら私が常々課題に思っているポジションと一緒のようである。ちなみに現有戦力で起用するなら、右SBには小林大悟選手、左SBには、橋本早十選手がベストだと考えている。次の柏戦でどんな布陣で挑むのか注目したい。日本代表FWの第一候補と前田遼一選手と、中山選手の後継者カレン・ロバート選手、そして村井・駒野両選手の攻め上がりは驚異 2006年ドイツワールドカップにどうしても選出してほしかった選手が二人いる。前田選手と村井選手であった。奇しくも二人とも磐田に所属していた。今シーズン初めてライブでみた磐田はやはり強かった。やはり前田選手の復帰が大きいのだろう。またカレン・ロバート選手の、風貌からイメージするプレースタイルとは真逆の献身的なプレーには目を見張るものがあった。中山雅史選手のスピリットを受け継ぐ選手はこのカレン選手であろう。 日本人ツートップに加えて彼らにボールを合わせる村井・駒野の両サイドからの攻め上がりは驚異であった。村井選手が務める左サイドからは正確で鋭いセンタリングは配給された。1点目の大宮の失点は村井選手のセンタリング瞬間、失点の予感をさせた。右からは、駒野選手の大宮DF(波戸)の裏を取る動きは圧巻であった。前回のエントリに駒野選手について書いたが、なぜひ右で使わず左SBで起用され続けるのかという駒野選手をよく知る方々からの指摘も頷けた。磐田の3バック、日本代表の4バックの違いはあるが、「左」か「右」と問われれば、間違いなく「右」で活きる選手なのであろう。 明日検証『ミスター5.5 駒野友一』なぜ彼の日本代表でのプレーに満足できないのか?~長友佑都の出現で見えたSBに求めるもの、そして駒野選手の持つ強み~ 大宮が、このまま下位へ落ちていくのか、上位に食い込めるかは、中断再開後の数試合が重要であると以前に書いた。中断再開後、1勝2敗と負け越している。次節以降の柏戦・名古屋戦・清水戦の7月の残り3試合で1勝でも勝つことが大切である。これから3試合でリーグの勝敗が決するとは思わない。ただ今は目の前の1戦、1戦に勝利をしていかなければリーグ上位は見込めない。まずは、死にものぐるいで次の柏戦に挑んでほしい。
posted by toddocom |21:40 |
大宮アルディージャ |
コメント(4) |
トラックバック(0)
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/toddocom/tb_ping/43
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
16節大宮-磐田戦 負け組の思考 リスク回避のバックパスだけならその辺の草サッカーでもやっている
右SBに小林大悟と書いていますが、右SHの間違いではないですか?
仮に、SBとしてならもっと良い選手がいると思いますが?
駒野選手のエントリも読ませていただきましたが、
SBに攻撃力を求める傾向が有るみたいだからですかね?
彼にSBが務まるような守備力はないと思います。
posted by 通りすがり | 2008-07-15 17:55
16節大宮-磐田戦 負け組の思考 リスク回避のバックパスだけならその辺の草サッカーでもやっている
通りすがりさん
コメントありがとうございます。
また、ご意見ありがとうございます。
右SB小林大悟は、誤字ではございません。
ご指摘の通り、SBには、攻撃力を求めています。
私のサッカー観によるものです。
小林大悟選手の守備ですが、
私は、役割の問題と認識しております。
SHの際求められる守備とSBに求められる守備とは
異なり、小林大悟選手も役割が変われば十分に
対応できるのではと考えております。
なのでSBの役割を与えられれば、守備も十分やれると
思っています。
ただ実際に、つとまるかどうかはわかりません。
また私にサッカー観に関してですが、
SBにそこまで攻撃を期待するのは、現在の主流の戦術において古いのかもしれません。
もっとモダンなサッカーを勉強します。
4-4(2-2)-2において、SBの攻撃参加を期待するのは
やはり好みの問題ですね…。
posted by toddocom@管理人 | 2008-07-15 18:52
16節大宮-磐田戦 負け組の思考 リスク回避のバックパスだけならその辺の草サッカーでもやっている
駄文に丁寧なコメントありがとうございます。
やはり、攻撃力を求めていましたか。
この辺は、個人の好みに因る所が大きいですよね。
日本では、SBに攻撃力を求める傾向が有るので
モダンな考え方だと思います。
彼にSBが務まるような守備力はないと思います。と書いたのは、現状を鑑みての事なので、
仮に、コンバートされたとして将来的にどうなるかは
分からないですよね。
それでは、駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
posted by 通りすがり | 2008-07-16 18:15
16節大宮-磐田戦 負け組の思考 リスク回避のバックパスだけならその辺の草サッカーでもやっている
通りすがりさん
SBにはぜひとも攻撃に参加してもらいたいのですが、
最近は、もっとサイド攻撃重視の傾向があり、
4-3-3や
4-2-3-1や
4-1-4-1など
SHやウイングがより積極的サイドを狙う戦術が主流のようです。
個人的には、
4-2-2-2
で両SBが攻撃参加するシステムが好きです。
posted by toddocom@管理人 | 2008-07-16 23:59


