2009年06月04日

小林慶行 柏への期限付移籍~日本家屋を作ってきた職人に、急に洋館をつくれといっても無理な話だ~

大宮のキャプテン小林慶行選手が柏へ期限付移籍をすることになった。

小林 慶行選手、柏レイソルへ期限付き移籍のお知らせ

数日前からまことしやかに囁かれていた噂が現実になった。
ただ、この移籍話を聞いた時、憤りの感情が全く起きなかった。

慶行選手は、大宮にとって貴重な戦力であり、何よりチームをまとめるキャプテンなのである。大宮にとって移籍してよいという選手では断じてない。
本来であれば、慶行選手を放出したチームの方針に対して憤りを覚えるところである。
しかし、私はこの移籍話を聞いた時、むしろほっとした。
なぜなら、小林慶行選手が不憫でならなかったからだ。

確かにこの移籍の発端は、サッカースタイルが合わなかったことによるチャン監督との確執なのは確かだが、移籍自体は決してチャン監督に粛清されたのではなく、活躍の場を求めた慶行選手に対して、チームが慶行選手に配慮してすすめた移籍だと感じたからだ。

慶行選手も今年で32歳、10代や20代そこそこの選手たちとは、同じ1シーズンでも、その重みは全く異なる。
慶行選手にとっては、限られた選手生活の貴重な1シーズンなのである。
監督と、志向するサッカースタイル不一致というカタチで、その貴重なシーズンでの出場機会を失ってしまった。
チャン監督のサッカーの良し悪しは別として、監督を選べない選手としては、自分がやってきたサッカーと全く異なるサッカーを標榜する監督の下でサッカーをやるのは不運以外の何物でもない。
慶行選手もこれまでチャン監督の目指すサッカーに従おうと努力をしたに違いない。
しかしあまりにチャン監督のサッカーと慶行選手がイメージするサッカーにギャップがあった。
極端な言い方をすれば、慶行選手からすれば、チャン監督のサッカーは「サッカーであってサッカーでない」のだ。
大宮FC-桐蔭高校-(駒沢大学)-東京V、そして大宮とサッカーのキャリアを積む中で、チャン監督が志向するようなサッカーをする慶行選手を私は知らない。
※駒沢大学での慶行選手のプレーは見たことがありません。
「職人」小林慶行選手にとって、チャン監督のサッカーは彼のサッカーの美学に反しているのであろう。

なぜこのような不幸が起こったのか。
それは大宮というチームにビジョンがないからだ。
この2シーズン、大宮の応援をしてきたが、どんなサッカーを志向するチームを作っていくのか全くみえない。
単年でみれば、昨シーズンと今シーズン、それぞれ目指すサッカーは明確である。
しかし、クラブの根底にあるべき「大宮のサッカー」を構築するに至っていない。

そのクラブの根底にあるべき「大宮のサッカー」があって初めて、監督の人選、チームの編成に根拠が生まれるのである。

以前、私はチームづくりを、家づくりにたとえたことがある。
例えるなら、監督は棟梁、GM(TD)が設計士。
今の大宮は、設計図のないなか、大工(選手)たちのもとに、これまで大工たちとは全く違う様式の家を建築してきた棟梁(監督)が突然現れ指示をだし、現場を混乱させているような状況である。
これではどんなに素晴らしい棟梁(監督)であっても素晴らしい家(チーム)をつくることはできない。
 このような状況に陥った一番の問題は、建築家や設計士(TD:テクニカルディレクター)どんな家を作るのかイメージし具体的な設計の部分まで落としこめていないことである。

今年は「J1残留」をノルマにし、どんな家(チーム)を作るのかじっくり再設計するシーズンにすべきではないか。
ただ今の状況を考えれば、その作業の責任者が、結城テクニカルマネージャーでいいとは、到底思えない。

監督が棟梁なら、GMは設計士、大宮にとって大切なのは、どうやってチームをつくるかではなく、どのようなチームをつくるかだ

私と同い年の小林慶行選手には、今シーズンの残りの試合は柏でぜひとも活躍してほしい。
そして職人小林慶行を使いこなせなかったチャン監督を見返してやれ!

posted by toddocom |00:34 | 大宮アルディージャ | コメント(8) | トラックバック(0)
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家造りは皆でやるものです

コメント投稿者ID :

>今シーズンの残りの試合は柏でぜひとも活躍してほしい。
そして職人小林慶行を使いこなせなかったチャン監督を見返してやれ!


結果的に大宮を2部に落とすような大活躍をされても構わないということで。
(まさか第33節に出場できるお人よしな・おめでたい契約ではないと思いますが)

晩秋には直近のライバルになる可能性がある敵に大サービスでは、「ヌルい」「甘い」としか言いようがないのでは?
いくら一選手として好きでも、自チームが真っ逆さまに落っこちるんですよ?

まあ、今年も神通力が効く予定なんでしょうけど・・・。

posted by 狸 | 2009-06-04 01:29

小林慶行 柏への期限付移籍~日本家屋を作ってきた職人に、急に洋館をつくれといっても無理な話だ~

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 他の選手たちが今回の移籍をどのように受け止めているかが気になります。
 監督を批判すると余所へ飛ばされる、と受け取ってしまうのでは、と。

posted by ま | 2009-06-04 04:53

小林慶行 柏への期限付移籍~日本家屋を作ってきた職人に、急に洋館をつくれといっても無理な話だ~

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私も管理人さん風に・・・・
毎年リフォームをしている家があります。
今までは棟梁の指揮が悪かったのか、はたまた大工の腕の問題かどうも仕上げが雑で、せっかく家にお客さんを呼んでもあまり好評を得られません。棟梁を変えたり、大工を変えてもやっぱり同じです。

施主は考え、設計士のアイデアがいまいちだからだという結論に達しました。そこで今回は設計士を思い切って代え、その意見も容れて棟梁も変えてみました。
しかし棟梁は自分のイメージと違ったのか、途中で工法変更のみならず、家の構造にかかわる重大な設計変更までを要望し、残すべき柱や土台まで壊し始めてあたかも新築工事をしているかのような状態です。大工たちは棟梁の指示に疑問を抱き、経験豊富な大工の一人はとうとう現場から離れて、よその現場へ行ってしまいました。

設計士はこの事態を容認しているようだが、施主の意向は確認しているのか?施主に本当に納期までに引渡しが可能なのか?

今まで足らなかった前への意識を持たせるためにチャン監督を招聘したクラブの狙いはそれなりに理解できますが、結果が伴わないのみならず、掌握力に疑問を抱いてしまっている段階になっている以上サポからの信頼回復は難しくなってしまいました。(やはり通訳は要りましたね・・・)
ただそれ以上に不安なのは、結城TDが沈黙を守っていることです。前任の佐久間氏は掲げたビジョンの是非や残した結果はともかく、自らの考えを説明する意図は感じていただけに、結城TDはどのようにして施主の意向(=誓い)を達成していこうとするのかが全く見えてこないので・・・

駄文失礼しました。

posted by 万年素人 | 2009-06-05 00:47

大宮サポーターとして

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いつもコメント返信有難うございます。

キャプテン小林慶行の期限付き移籍、正直がっかり感が非常に強くあり、残念ながら管理人さんのようにほっとできませんでした。

確かに今年のチーム構成のパーツとしては、怪我もあってなかなかフィットしなかったもの事実ですが、キャプテンとしての重みをその程度にしか捕らえていなかったことに対しては、平然としていられない気持ちにさせられました。

確かに大宮というクラブチームは、
ピークを過ぎた実績のある選手の補強+J2で培った守備的な三浦サッカー

J1残留争いの繰り返し

進化のための樋口監督によるサッカー転換を図るも失敗

次の手として選手の若返り+スピード感アップ

とJ1昇格から、5年目の今年に至るまで進んでいる道はそんなに間違ってはいないし、そんな簡単に上位に上がれるほどJリーグも甘くは無いと思ってます。

そんな転換期のチームにいてキャプテンという大任を背負いながら、試合後のコメントで「自分のスタイルとしては」と言ってしまうことに違和感を覚えましたし、
チームとして求められていることを出来ないのなら、試合に出られないのは当然のこと。

32歳という年齢など関係無いのは他にベテランといわれながらも活躍している選手を見れば分かるはず。

あのガンバ戦の飛び出しからのアシストは慶行ここにあり、を見せられたし、このサッカーでも活躍できると思っていただけに、キャプテンを放棄して「サッカーであってサッカーでない」と見切りをつけて移籍したように思えます。

全くの個人的な感想で長々とすいませんでした。
ただこの移籍に関しては穏やかでいられない大宮サポーターがいることは事実です。

posted by oro | 2009-06-05 19:16

小林慶行 柏への期限付移籍~日本家屋を作ってきた職人に、急に洋館をつくれといっても無理な話だ~

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狸さん
コメントありがとうございます。
今回の移籍については、完全に慶行に感情移入してしまっています。
もともと大宮を応援するキッカケとなったのは、08シーズン時点で同い年の選手が多かったからです。
佐伯が去り、宏太が去り、卓朗が去り、そして今回慶行が去りと悲しい限りです。
30歳過ぎても第1線で活躍しているのは、経験により、彼らそれぞれの特長が評価されているからだと思います。
それなのにその特長が活かされたい起用は、やはり不憫でなりません。

今回の移籍に対するチームフロントの判断について、このエントリーではテーマにしていません。
ただ今回の移籍の根底にあるのは、結城TDがチームのビジョンを示せないことに問題があると思っています。
そしてその責任は、最終的には渡邉社長にあると思います。
渡邉社長は、人間として好きですが、クラブの経営者としては「ヌル過ぎる」し「甘過ぎる」のかも知れません。

posted by toddocom@管理人 | 2009-06-06 06:31

小林慶行 柏への期限付移籍~日本家屋を作ってきた職人に、急に洋館をつくれといっても無理な話だ~

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まさん
コメントありがとうございます。
まさんの懸念するメッセージは選手らに伝わったかもしれませんね。
今後、普通であればチャン監督に意見する声は出にくくなり、それはチームとしてよいとは言えない状況だと言うことです。
一方、ベテラン慶行が、干されてチームに残った場合の悪影響もあったかと思います。 

今回のチャン監督と慶行の関係では、慶行をチームに残しても、放出してもマイナスだったのは確かです。

チャン監督には、慶行を上手く使ってほしかったという気持ちが強いです。

posted by toddocom@管理人 | 2009-06-06 06:43

小林慶行 柏への期限付移籍~日本家屋を作ってきた職人に、急に洋館をつくれといっても無理な話だ~

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万年素人さん

コメントありがとうございます。
非常にわかりやすい例えありがとうございます。
まさに万年素人さんの例えは、今の大宮の状況を言い当てているのではないでしょうか。
こうみるととやまり、建築家(設計士)である結城さんが物足りないのは明らかです。
こういった状況に陥ってしまったこと、そしてこの状況を打開できない責任の大部分は結城TDにあると思います。

posted by toddocom@ブログ主 | 2009-06-06 06:50

小林慶行 柏への期限付移籍~日本家屋を作ってきた職人に、急に洋館をつくれといっても無理な話だ~

コメント投稿者ID :

oroさん

コメントありがとうございます。
今の移籍を容認しあたフロントの評価は非常に難しいと思います。
ただ、このような状況になってしまったフロントの責任は大きいと思います。
特に監督を固定できないことは一番の問題で、その原因は、チームに目指すサッカーのビジョンがないことです。

個人的には、樋口監督の評価をフロントは間違ったと思っています。1年目の監督としては及第点だったと思っています。フロントに長期的な視点がないため、一桁順位を残せなかった樋口監督は解任されましたが、30節以降の戦いは、非常に評価できるものでした。

チャン監督のマネジメントは、自分でチームの編成ができる2年目以降のものだと感じます。初年度は、自分で選手を選ぶこともできないので現有戦力を上手く活かす要素が必要だと思っています。

日本家屋の職人に、洋館を作れと指示をだし、作れなかったら干してしまうというのは酷な話です。
素晴らしい監督であれば、その職人を上手くマネジメントして自分に与えられた使命(家を建てる)を全うするはずです。

posted by toddocom@管理人 | 2009-06-06 07:01

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