2009年05月08日
11節 磐田-大宮(プレビュー) イグノに釣られて前田・ジウシーニョを見失うな
前節大分戦で4連敗を止めた大宮。 次節磐田戦は、今シーズン、チャン監督が標榜するサッカーに弾みが付くかどうか注目の試合になりそうだ。 磐田は、現役韓国代表イグノ選手が加入後、3勝1敗1分と開幕から5節までの不調が嘘のような好調ぶりだ。 1人の選手の加入によってこれほどチームの状況が変わるのもサッカーの醍醐味である。 今シーズンの磐田に関しては、前節新潟戦の1試合しか観ていないので、イグノ選手加入前の磐田の試合内容はよくわからない。 イグノ選手の加入によって試合内容が劇的に向上したのか、それとも元々、開幕当初からそれ程試合内容は悪くなく、勝つキッカケを掴めなかっただけだったのかわからない。 ただ前節新潟戦を観る限りは、イグノ選手は今の磐田の攻撃に欠かせない選手になったことは間違いない。 11位の大宮と14位の磐田、まだ低迷する2チームであるが、明日の試合は、前節の両チームの試合内容を考えると非常に面白い試合になりそうだ。 前節大宮-大分戦、新潟-磐田戦を踏まえて、磐田戦の攻守におけるポイントをいくつかあげてみたい。 【磐田戦攻略のポイント】 (攻撃面) ・藤田祥史のペナルティエリア内でのプレー頻度を増やす (守備面) ・ボールホルダーに釣られて他の選手を見失うな 藤田祥史にはもっとペナルティエリア(PA)で戦ってほしい 前節大分戦の大宮の攻撃に関しては、ある程度チャン監督が目指すサッカーができたのではないだろうか。 ボールを奪ってから(もしくはセカンドボールを拾ってから)、素早く前線の藤田選手・石原選手にボールを渡すことができていた。 3点目のショートカウンターは、まだ大分の守備陣が陣形を整える前にパクウォンジェ選手から藤田祥史選手にボールが渡り、藤田選手が一人抜き、数的優位になったところで石原選手にラストパスを送った。 シュートを決めた石原選手のプレーも素晴らしかったが、それまでの一連の流れはチャン監督が意図するところだろう。 更に攻撃のバリエーションを増やし、成熟度を高める余地は大いにあるが、狙い通りの攻撃にカタチで得点を奪えたことは収穫だ。 しかし、後半に入ると藤田選手のあるプレーがとても気になった。 それは大宮が守備から攻撃に移る際、藤田祥史選手が左サイドに流れながらボールを受けることが多くなったことだ。 守備から攻撃への切り替えのタイミングは狙い通りなのだろうが、藤田選手がボールを受ける位置がどうしてもPAから離れてしまうためそこから得点チャンスが生まれることはなかった。 藤田祥史選手には、自分が最も仕事ができるPA内でプレーすることをより強く意識をしてほしい。 確かにFWの選手がサイドへ流れること自体が悪いプレーだとは思わない。 例えば、FWがサイドに流れた後のPAのスペースに他の選手が詰めたり、プレッシャーの少ないサイドに流れてボールキープをし、自らPA内に進入して一人でシュートに持ち込むやり方もある。 しかし、藤田祥史選手に求められているのは、PA内での「点」で合わせる決定的な仕事である。 藤田選手はそれこそイグノ選手やジウシーニョ選手のようにサイドに流れつつも自分でPA内に持ち込んでプレーを求めていないし、そんなことが出来るタイプの選手ではない。 また、サイドに流れてチャンスメイクをするだけなら藤田選手を起用する必要はない。 藤田選手には常にゴールを狙えるポジションにいてほしいのである。 前節の変則的なポジションチェンジによって攻撃時には、左サイドにパクウォンジェ選手、右サイドには内田智也選手(土岐田選手)がおり、今後も良質なセンタリングが期待できる。 藤田選手には、パク選手や内田選手が攻め上がるためのタメをつくり、かつ彼らのセンタリングを決めることを優先してほしい。 磐田の守備陣は、おそらくラインを高くして3ラインをコンパクトにしてくるだろう。 藤田・石原選手のFW陣だけでなく、藤本・パク・内田選手MF陣も果敢にディフェンスラインの裏を狙ってほしい。 それでもラインが下がらなければ中盤の選手がどんどん2列目からディフェンスラインの裏を狙えばいいし、もしディフェンスラインが下がったら、両サイドから積極的にセンタリングを上げて磐田守備陣を左右に揺さぶってゴールを量産してほしい。 ラインが下がり、センタリングを上げられれば前節大分戦の1点目のように藤田選手の得点の可能性は大きく高まる。 イグノに釣られて前田・ジウシーニョを見失うな 前節新潟-磐田戦を見る限りでは、得点シーンもしくは得点チャンスのほとんどの場合、カウンターからFWの前田選手、イグノ選手、そしてSHのジウシーニョ選手、西選手の4人で勝負を決めてしまう。 ボランチの山本康裕選手やロドリゴ選手が攻撃参加することは少ない。 ボランチの二人は、攻撃開始時の正確なロングパサーの役割を担っている。 新潟戦では面白いようにロングフィードがイグノ選手に収まった。 出し手も受け手も非常に高度な技術を持っているからできるプレーだ。 イグノ選手やジウシーニョ選手の場合、タメを作れるだけでなく、自らドリブルでシュートまでもっていけるので、守備陣は尚更ボールホルダーにマークしがちなのだが、磐田の攻撃はそこが落とし穴になっている。 イグノ選手が加入してまだ間もないにも関わらず、ロングフィードが前線の選手に収まった時の他の選手の連動性が非常に高い。 例えば、前田選手がボールをキープすれば、必ず他の3人(イグノ・ジウシーニョ・西)選手が既にボールを受けるために動いている。 イグノ選手がサイドに流れてキープをすれば、他の選手は彼からのセンタリングを信じPA内にトップスピードで侵入してくる。 前節磐田戦の新潟ディフェンス陣は、2人目の選手の動きを捕まえ切れず得点を許した。 確かに隙を与えれば、ボールホルダーの選手も果敢にゴールを狙ってくる。 しかし彼らに気を取られ過ぎると2人目、3人目の選手を見失い決定的な仕事をさせることになるだろう。 対策としては、ディフェンスラインを上げて、ロングフィードの出し手であるロドリゴ選手や山本康裕選手に自由にフィードをさせないことが第一の対策である。 もしロングフィードをされFWの選手にキープされたとしても、ボールウォッチャーにならずにゴール前のマークを徹底することが求められる。 例えば、大宮の左サイドに流れたイグノ選手をマークするために、波戸・マト選手が釣られてしまい、イグノ選手のセンタリングを前田選手やジウシーニョ選手に得点をされることがないように願いたい。 【対戦相手磐田の気になる選手】 前田遼一選手 今シーズンは怪我もなくコンスタントに得点を重ねている。 本人の代表へのモチベーションは別として、怪我がなければ日本代表のCFは前田選手だと思っている。 大宮は、彼の質の高いプレーと精度の高いシュートに注意をしなければならない。 ジウシーニョ選手 ジウシーニョ選手とマッチアップする土岐田選手が、ジウシーニョ選手に対応できるか非常に不安である。 左サイドから縦に抜かれれば決定的なセンタリングを、切り返されれば強烈なシュートを打たれてしまう。 ジウシーニョ選手を抑えることができれば大宮の勝機はぐんと高まるが、そう簡単にはいかないだろう。
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