2008年08月10日

スタメンで負けた植田JAPAN~北京五輪男子予選ラウンド第1戦~vsイタリア



日本1-3イタリア(19-25 18-25 25-23 17-25)


実力はどう考えてもイタリアの方が上。だったら日本はどうするかと言うと、アグレッシブに攻め立てるしかないのである。守勢になってはならないのだ。
残念ながら今日の日本は、攻撃的なバレーを展開することが出来なかった。だが、荻野を除いて残りの11人が五輪初出場と言うことであり、いささかの同情の余地はある。これを糧にあさっての試合からはアグレッシブなバレーを見せてくれればいいのだ。
最悪5連敗でもいい・・・全力でぶつかって、それで大きなものを得てくれればそれでマルなのだ。決勝ラウンドに出たらハナマル、メダルなんか取ったら、それはもうエライことだ。だからこそ、今日の敗戦をきちんと意味のあるものにしてもらいたい。


イタリアは一日の長を見せた。それがスタメンである。


【日本】

石島 山本 松本
山村 朝長 越川 L=津曲

【イタリア】

マストランジェロ チゾーラ    フェイ
 ベルミリオ   パパローニ  ビラレッリ  L=コーサノ


比較したいのが、直前のOQTの時のスタメン


【OQTの時のイタリアのスタメン】

ビラレッリ マルティーノ ベルミリオ
 フェイ   ズラタノフ  マストランジェロ  L=マニア


【イタリアのスタメンここがポイント】

(1)ビラレッリのサーブでスタート・・・ビラレッリとは、私がサインをいただいた選手・・・じゃなくて、5.31のアノ試合のとき、24-17から怒涛の同点劇を見せたときのサーバーこそがビラレッリなのだ。スーパーエースのフェイがバックに来るローテーションが相当多くなると言うハンディを負ってでも、ビラレッリを第1サーバーにしてきたイタリア。データバレーである。

(2)エース対角・・・OQTでは「マルティーノ(若手)・ズラタノフ(サーブカットで乱された)」だったが、今回は「チゾーラ(ベテランでキャプテン)・パパローニ(中堅)」という陣容にしてきた。ズラタノフは攻撃力の非常に高い選手だが、OQTの日本戦ではサーブカットを崩された。マルティーノはいい選手だが、若い。そういうことを踏まえて今回は、キャプテンでベテランのチゾーラと、安定感のあるパパローニを起用。大崩れしないメンバーになったため、攻撃での破壊力はなくなったものの攻撃の多様性が出た。さらに言うと、彼らが安定することでフェイのオールマイティーな攻撃性がさらに活かされると言う結果となった。フェイはOQTでもなかなかの活躍をしており、彼の威力を増徴させる布陣となったという点も見逃せない。


このように、イタリアが大崩れしないような、なおかつフェイのバックにいる時間が増えてでもビラレッリのサーブを尊重させた、というスタメンはさすがイタリアというもの。


せっかくなので、イタリアここがすごいと言うのをさらにもう少しだけ見てみよう。

【イタリアのここがスゴイっ!】

(1)_フェイそのもの・・・彼の場合、スーパーエースと言うポジションに入っているもののその役割は「何でも屋」といった方が的確かもしれない。むしろ、イタリアチームでのスーパーエース的役割は控えにいるガヴォットが担っているだろう。つまり、フェイが入っているときとガヴォットが入っているときではチームが全く違うのだ。
フェイは右打ちの選手で、非常に器用。サーブレシーブ以外は何でもすると思えばいいと思う。今日も見られたのが、崩れたところでのBクイック!!「セッター上げるところないな~、これはチャンスボールが返ってくるかも・・・」なんて打算を私がしているところでズドーンとBクイックをラリー中に仕掛けるのだから器用だ。それだけではない、高くて打ち下ろすようなオープンスパイクは少なく、平行か或いは低い鋭いのを打つのが得意な選手である。目下、世界的に見てそういう打球を得意とするスーパーエースの選手は少ない。低空バックアタックなどは、豪快なバックアタックとは一味も二味も異なるものがあり、感嘆するばかりだ。
あえて国内でそういう似たような選手を上げろといわれたら、「パナソニックの今井」がもっとも彼に近い動きをする選手だろう。
今日もフェイを止められなかった。低い攻撃なのにブロックできないのは何故だろう・・・なんてレヴェルの問題では彼のスパイクは解決できない。

(2)ベルミリオのトスワーク・・・日本はああいうセンターを生かすトスワークがしたいのだ。効果的にセンターを使ってくる。連続失点を切る時にクイックを選択するあたりは流石である。


などなど、他にもたくさんあるのだが割愛。


さて、日本はどうなのか。

ある程度善戦はしたものの地力の差を見せ付けられたと言うことだろう。初の五輪と言う選手が11人。そんな中で、途中でコートに入った清水の活躍は見事であった。
安全策をとったのだろう朝長のスタメン。宇佐美のボールへの対応が間に合わなかったのか、或いは「信頼度」の問題か・・・今日見た上ではやはり宇佐美のリリーフは無理。なので、今後は宇佐美をスタメンがいいだろう。それでダメなら第1セットの1回目のテクニカルタイムアウト後にでも朝長に代えてしまえばいい。彼の自慢のインサイドワークも、トスの安定感も今日はなかったが引きずるタイプではないので、次戦までには立ち直っているだろう。


公式データ

↑有効リバウンドを日本が結構取れているのはいい点である。
今日は判定員の評価が厳しいために、サーブレシーブの数字が極端に低くなっている。明確な基準値がないために判断する人によって数字が全く違ってきてしまうのが、難点である。


出場選手


時間がないために手抜き記事ですみません。


posted by 古都の侍 |22:07 | 北京オリンピック【バレーボール(男子)】 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年08月10日

植田JAPANはメダルを獲得できるか【解答編】



植田JAPANはメダルを獲得できるか【解答編】



植田JAPANはメダル獲得できるか【アンケート】←こちらの企画ではまだ、皆様のアンケート結果を受け付けております。


さて、植田JAPANはメダルを取れるかどうか。また、メダル獲得国はどこかを女子に続いて予想してみよう。


Q1 あなたは植田JAPANがメダルを取れると思いますか(YES or NO―――その理由―――)

A NO(感情論だけで言うならば「YES」だが、冷静に見れば「NO」という予想をせざるを得ないのが現実。
しかーーーし、女子に比べればはるかにメダルを獲得する確率は高い。随所に見られる世界と対等に戦えているプレー、サーブのよさはいい兆し。
ただ、決勝Rに進んだとしてもロシアやアメリカに勝てるかどうかと問われれば、勝てないだろうとしか答えようがない。)


Q2 あなたが思う上位3カ国予想(金メダル=○○○ 銀メダル=△△△ 銅メダル=×××―――予想の理由―――)

A 金メダル=アメリカ 銀メダル=ロシア 銅メダル=ポーランド

(非常に拮抗している男子の勢力図。まずは、消去法でいくつかのチームを表彰台から消した。
ブラジルは母国開催のWL決勝で優勝できなかったことにあらわれるように、今ひとつ乗り切らなさを感じる。高速バレーは健在のものの、今回の大会を抜け出すだけのプラスアルファをあまり感じられない。イタリアはバレー王国復活の兆しがあるものの、スーパーエース(点取り屋)の部分で期待値が低い。エースどうしの打ち合いになった時などを考えてメダル争いから除外した。ブルガリアは悩んだ。と言うのも、ポーランドを銅メダルにするか、ブルガリアを銅メダルにするかでかなり悩んだのだ。どちらのチームもダークホース的な存在であり、このどちらかが銅メダルになるなと思ったからである。ただ、ブルガリアは昨秋のWCの時のチーム(メンバー)の方がいいように思え、そのために表彰台から外した。セルビアは決勝Rに進んだ後で「どうかな」と思うところがあり、外した。
さて、金メダル予想はアメリカ。仕上がり具合が早すぎるという声も聞かれるが(事実そうなのだが)、ベテランを中心にいいチームに仕上がっていることが金メダルとした理由だ。
銀メダル予想のロシアは、金メダルにしようかと思ったがここぞと言うときの力とアメリカとの決勝戦を脳内シュミレーションした時にアメリカが勝ったのでロシアを銀メダルにした。確かにサーブもいいし、高さは充分であるから金に近いのだが、今回のロシアチームをみると爆発力よりも脆さを感じてしまう。
銅メダル予想はポーランド。先ほど言ったようにこのチームはダークホース。決勝Rで、アッと言うような試合を見せる気配がある。)


このような予想をしてみた。当たるかどうかは・・・


posted by 古都の侍 |20:04 | 北京オリンピック【バレーボール(男子)】 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年08月10日

柳本采配で負け・内容で互角・荒木は勝ち~北京五輪女子予選ラウンド第1戦~vsアメリカ




第3セットが全てだと思う。そう、ある程度の点数のリードがありながらも、それを追いつかれ逆転される結末。
日本の動きは今日はいいほうだった。選手が頑張っているのに、それをさらにプラスに転じさせるような采配が取れていれば金星確実な試合だったと思う。

逆に言えば、郎平監督は当たり前の采配を当たり前のようにしてきたから、アメリカは逃げ切れたのだと思う。

「采配の差」をキーポイントに今日の試合を振り返ってみよう。


日本1-3アメリカ(20-25 25-20 19-25 21-25)


【日本】

高橋 木村 杉山
荒木 栗原 竹下 L=佐野

第2セット・・・大村ワンブロ


【アメリカ】

ハニーフ スコット ウィロビー
トム    バウン  オーモアサントス  L=デイビス

第2セット・・・ハニーフ・オーモアサントス→バーグ・グラース(2枚替え)
第3セット・・・ハニーフ・オーモアサントス→バーグ・ウィロビー(2枚替え)
第2,4セット・・・ピンチレシーバー・シコラ
第4セット・・・スタートセッター・バーグ
第4セット・・・ハニーフ・バーグ→オーモアサントス・ウィロビー(2枚替え)


アメリカは決して状態がいいとはいえない中での試合だったのだろう。ミスも多く、ペースを掴みきれないまま試合を終えていた。が、20点以降の点数の重ね方は日本とはレヴェルが違う。采配ともかかわってくるのだが、采配を抜きにして考えてもやはり「勝ちきる力」が養えているのが充分伝わるような20点以降の内容であった。
第3セットは7連続得点、第4セットは4連続得点でフィニッシュしているアメリカ。タイムアウトこそ取るものの、それ以外のアクションを取らないのがやはり拙い。例えば、狩野を投入するとか多治見を投入するとか、櫻井を投入するとか・・・残念ながら、メンバー選考の段階でメンバーチェンジできる枚数が少ないことは解っているのだが(そもそもそれがマズイ)、それでも何とかベンチワークでやり繰りをして流れ(ムード)を変えねばならなかっただろう。
アメリカを例にしてみると解りやすいが、アメリカの場合は必勝パターンとしてセット終盤に2枚替えを行う。バレーではかなりオーソドックスな戦術であり、他の強豪国もよく使う手である。さらに、ディフェンス固めとしてのシコラの投入や、第4セットに前のセットでいい仕事をしたセッターのバーグをそのまま起用するなどという采配。一つひとつのこういう采配が、選手のパワーをさらに倍増させるのだ。効果的に選手を使えるこのような世界トップレヴェルでの采配と言うものが、今日の勝負の分かれ目だっただろう。
さらに言えば、この采配面での拙さはずっと前から指摘されており、それだけにさらに残念さが募るばかりである。厳しく指摘するならば、この4年間で選手は成長したが監督は成長していないということだ。


その他、竹下のトスがあまり伸びていないように見えた。それが、サイドアタッカー陣が打ち切れない場面が目立った要因の一つではないだろうか。いい時の竹下ならもっとトスがネットの端までグイーッと伸びていくのだが、今日のトスを見た限りでは今ひとつアンテナまで伸びていないのである。次戦までに修正できるのかどうか、ここは一つのポイントになるだろう。

テンシン体制のもう片方の高橋はやっぱり第3セットに「電池切れ」。正確には今日はまだいい方で、第3セットの途中までは辛うじて持っていたし、第4セットの一部分でもいい働きをしたのだが・・・しかし大きく見れば、第4セットに入ってからはバッタリと動けず機能不全。先のWGPでもよく見られていた高橋の第3セット以降の電池切れ現象。「狩野が呼ばれています」という実況の声だけ空しく響くばかりであった。もしも、狩野に代えていれば勝つ可能性は上がっていたと思うし、悪くともフルセットには持ち込めていたはずだ。
また、スタートローテーションで奇策を仕掛けることの多い郎平監督だが、今日はまともなスタートローテーションを取ってきた。そのために高橋の前には常にハニーフがおり、さらに身長の割にブロックの苦手なハニーフが高橋のタッチアウトを狙うスパイクを差ほど苦にしていなかったことは、ハニーフの成長であり、日本の今のレヴェルを露骨に表すものの一つだろう。

今日の象徴的なプレーが第3セットの20点前のところの勝負のポイントで、「荒木囮の高橋がライトから中へ切り込んでのスパイク」をシャットアウトされたこと。世界的主流がタテの動きの中で、横の動きで勝負をしている柳本JAPANにとってまさにこれは、大いなる痛手。わざわざ、直近の大会でこういうコンビプレーを封印してデータを取られないようにしていたのにもかかわらず、この1本を完全に読まれているという結末。竹下のトスが読まれているということもあるし、高いだけでなく“滞空力”のあるブロックには少々の時間差は通用しないということの証明ではなかったか。
このプレーを契機に日本は急坂を下るように転落。アメリカはそのまま7連続得点でセットを取った。このプレーは第3セットの分岐点だっただろう。

荒木、杉山が打ちに打って流れを作った第3セットの序盤。ああいうセンターを中心にしたバレースタイルを今後も見せられれば、日本はベネズエラとポーランドには勝てるだろう。

随所に見られた、ブロックフォローで動かない足や、チャンスボールを確実に1回で決められないアタック、こういうプレーでリズムを作りきれなかったのも残念なところである。


公式データ


打数 アタック決定率 効果率

木村 32 41% 25%
高橋 31 29% 16%
栗原 36 28% 2%
荒木 19 47% 32%
杉山 17 47% 47%

チーム平均 136 26% 20%

この大会の直前にFIVBの公式HPがリニューアルされ、発表される公式データも一部変わった。これまでは、アタック決定率が公示されていたが、今回よりアタック効果率が出るようになった。
それはさておき、やはりサイドアタッカーの不調が気になる。試合を見ていて「思いっきり打ち込んだスパイクが少ない!」と感じた方が多いのではないだろうか。竹下のトスが伸びてないことは先ほど指摘したが、それだけでなくサイドアタッカーの不調もなければここまでの数字は出ないだろう。センターがまぁまぁよくやっていただけに、サイドアタッカーの復調が待たれる。


キルブロック総数

荒木 4
杉山 3
木村 2
竹下 1

計 10本(総タッチ数55・有効リバウンド33→ブロックシステムと言う観点で見たとき、この試合の日本は過去4年間の試合の中でベスト3に入るほどのいい出来ばえ)


第1セットはすき放題やりたい放題決められていたセンターのブロード。第2セット以後は、それなりに押さえ込んだものの要所ではブロードなりクイックなりのセンター攻撃を決めさせてしまった。しかし、サイドアタッカーに対してはそれなりのブロックが出来たことはプラスの材料。
強いて課題を挙げるなら、フェイントへの対応だろう。ローガン・トムを筆頭に何本か軟攻を決められてしまったのは痛手だった。


サービスエース

荒木 1
高橋 1

サーブに関しては全体的に走っていなかった。特に栗原のサーブがイマイチウェートが乗っていなかったのが気になるところ。
新ボールではフローターサーブの伸びるのがとりにくい傾向が出ているので(まだサンプルが少ないために断言は出来ないが)、木村や竹下らのサーブがキーポイントになりそうだ。


サーブレシーブ成功率

佐野 21受 76%
木村 26受 54%
高橋 23受 52%
栗原 8受  50%

チーム平均 58%

乱れてしまう時間帯と、きっちり返る時間帯の差が大きすぎた。返らない時間帯をどうやってしのいで、修正していくかが今後の課題だろう。


勝てる試合を逃したのは非常に大きい。ましてや、接戦にもかかわらず後味が悪くなってしまったのは、今後に響かないか心配ではある。


posted by 古都の侍 |11:36 | 北京オリンピック【バレーボール(女子)】 | コメント(3) | トラックバック(0)
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