2007年08月19日

WGP#9vsロシア~せめてロシアを本気にさせて欲しかった! 最後まで疑問符の残る選手起用 この大会のまとめ~




ロシア3-1日本 (21-25 25-23 25-18 25-19)

スタメン

木村 庄司 栗原
高橋 荒木 竹下  L=佐野
  (杉山)

アタック決定率と本数
栗原 41% 18
木村 35% 8
高橋 35% 10
庄司 50% 9
荒木 40% 4
杉山 43% 3

ブロック決定本数
荒木 2
庄司 1

サービスエース
庄司 2
栗原 2
木村 1

サーブレシーブ成功率
木村 49%
高橋 48%
佐野 67%
チーム平均 51%


ガモワ、M・アクロワは出ない、ゴーディナはスタメンで出ない、サフローノワがレシーブで乱れても激しい動揺はしない・・・などなど、今日のロシアを見ていて思った事は、日本を食って掛かってるなということ。
1セット取られてからは少しはホンキになったが、目の色変えて100%マジモードかと言えばそうではない感じを見受けた。
特に3,4セット目は序盤にとっととリードを広げあとは貯金生活で25点までいく、サイドアウトが取れなくてもOKくらいの余裕を感じてしまった。
ここが世界のトップを登り詰めたチームとの「差」というものなのだろうか。

「高さに対する対応が・・・」と色々と言われているが、その殆どがアタッカーに向けられた注文なのである。
しかし、日本のような体格で世界に圧倒的に劣るチームがアタッカーだけの技術で世界の「壁」を打ち破れると思いますか?私はそうは思いません。確かに、半分強はアタッカーの技術に依るところが多いでしょう。例えば高橋のブロックを弾き飛ばして遠くに落とすような打ち方など。ですが、根本的にその前段階のポイント、つまり相手の「壁」に向かう前の問題の方が大事になってくるような気がする。
アタックを打つ前の段階は何か。「トス」だ。この大会は正直言って、竹下のトスが割れたり、アンテナまで伸びてこなかったり、状態が悪かった要に思う。また、Bキャッチ以下のときセンターを交えたコンビが使えないと言うのも難点であり、これはアタッカーとともに克服していかなければならない。
トスを打つ前は何かと言えば、サーブカットかディグである。
まず、サーブカットからの攻撃についてだが、Aキャッチが入れば大抵なんでもできるから、得点に非常になりやすい。が、B以下続きで久しぶりにAが来たからと言って安易にセンターを使うとそれを相手に読まれてそこをブロックされるという場面が見られる。これがまた厄介な課題だ。
日本は他国に比べればサーブカット返球率はいいが、それでも現状はBキャッチではなかなか点にならないのだから如何に攻撃が決まりやすいAを増やすかが更なる課題である。佐野のサーブカットを見ていると少々強引でもセッターに持っていこうとするようなキャッチが見て取れる。日本のキャッチは「佐野化」すれば大分よくなるのではないか。
ディグからの攻撃だが、昨日中田さんの解説にもあった通りディグからの攻撃のデータまでしっかりと取ってそれを選手が把握していると言うチームは殆どない。日本がラリー中にブロックでリバウンドをとってから、どうやって単発ではなくコンビにするか、選手を動かして複雑な攻撃をすることができるか、ラリー中のアタック決定率が上がれば、必然的に日本はもっと楽な試合運びが出来る。
そう、アタッカーの技術とディグが連動して行わなくてはならないことを一つ思い出した。今日みたいな「壁」が相手の時、アタッカーは相手ブロックに当ててリバウンドを取るべきなのだが、そのリバウンドを自分で取れるような形を取りたい。世界屈指のアタッカーというのはそういうプレーをしている人がいるわけである。残念なことに、日本は自分で取るどころかブロックでリバウンドをとってもフォローしてくれる人がいなくコートにポトリというシーンが後を絶たない。オランダ戦、ポーランド戦、ロシア戦。特にそれが目立ったような気がする。高橋がブロックに当てて戻ったボールを誰も取れない(取らないでお見合い)。そんなシーンがホントに多いのだ。そこもラリーがいまひとつつながらない、相手と差が広がる原因ではないか。

今日戦ったロシアの監督もイタリア人のカプラーラ監督である。データバレー先進国の人がチームを指揮しているわけだ。世界的に今はどこを見ても優秀なアナリストがいい情報を常にリアルタイムでベンチに上げているはずだ。日本もそのはず、である。そのはず・・・
しかし、木村がインタビューで答えるには「データは重視しないですね。だって、データどおりにいくとは限らないじゃないですか・・・」みたいなコメントを残している。若手がこう言っているということは指揮官がデータを蔑ろにしていることを証明しているということではないか。

昨日のポーランド戦後の選手のインタビューと監督のインタビューには温度差がある。それを見てみよう。(インタビューはスポーツナビより引用)

佐野:「1セット目は向こうのサーブにやられ、こちらのサーブも効果的ではなかった。2セット目は逆に日本のサーブが効果を生んだが、3セット目からポーランドのサーブカットが返り出してから思うようにやられた。(勝敗を分けたのは)ちょっとの差だと思う。簡単なミスや、向こうの思うようにブロックされてしまう場面が多いので、高さに勝てる安定感をつけないといけない。つないだボールが点になるところでならないことが多いので、絶対に得点にすると詰めていかなければいけないと思う。明日のロシア戦もまずはサーブで崩し、レシーブから攻撃につなげるのが大事だと思う。 」

庄司:「細かい部分など、もっと向上しなければならない部分があると感じた。連続失点の原因はいろいろあるが、ここで攻撃を切るという思いで、積極的にボールを呼んだり、今以上にやらなければならないと感じた。しっかりした体制とコンディションをつくれば勝てない相手ではない。」

柳本監督:「ポーランドの)ブロックの本数が22本に対してこちらは3本。それがすべて物語っている。高さのあるブロックをどう攻略して、効果を表さないようにするかがポイントだったが、連続失点でこちらのミスも重なり、こういう展開になってしまった。(ブロックの本数に差がついたことは)戦法的には間違っていないが、流れの偏りや、攻撃のパターンなどのクセをかなり研究されていると感じた。」

どこまでポジティブなんだい、柳本監督。戦法的に間違わなかったらこんな点差は開かないと思いますが・・・
で、柳本監督は「ブロックの本数の差が全てを物語っている」と言っているが、選手は「少しの差」とか「勝てない相手ではない」とか選手側は勝てる相手だと思っているようだ。それに引き換え柳本監督だけは実力の差を痛感している。これはデータが選手にいきわたってないからやられた感を得てないと言うことではないか。監督と選手に溝を感じる。
ただ、佐野は「高さに勝てる安定感を身に着けなければならない」とコメントを残し、日本の課題を理解している。庄司も「細かい部分の修正」を口にしており自分が何をすべきがが解っている。その分だけまだ救われる。


今日の試合はこの大敗の悪いところの総仕上げではなかっただろうか。

栗原を無理して使い、流れが悪くなっても選手を代えようとしない采配。
ブロックでリバウンドをとってもフォローしてくれる人がいない。
ブロックでワンタッチがなかなか取れない。

これ以上はまた補足で書こうと思います。ひとまずこの辺で・・・

posted by 古都の侍 |21:42 | ワールドグランプリ2007 | コメント(0) | トラックバック(1)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年08月19日

ニエムチェク監督からボニッタ監督へ



昨年の途中まではニエムチェク監督がポーランドを指揮していた。長らく低迷していたチームをヨーロッパ大会で優勝に導くなどポーランド女子バレーの復活を見事に果たしたわけだ。
その復活を果たした原因はスコブロニスカやシフィエニエビッチをきちっと主軸に育て、それ以外の選手もメキメキと力をつけさせることができた体と思っている。

昨年の途中、ゴタゴタが生じて当時のヘッドコーチに監督の座を譲り渡したが、その功績は大きかった。

世界バレー後、ポーランドバレー協会は監督の後任人選をし、「二エムチェク元監督再任」、「8歳までポーランドにいたオランダ人監督アビダル・セリンジャー」、「イタリア監督マルコ・ボニッタ」の3氏を出した。

そして、昨日観て皆さんのわかりだと思うが元イタリア監督のマルコ・ボニッタ氏が監督に就任した(今年5月)。

マルコ・ボニッタ監督はそれまで「個」のあつまりでまとまりが感じられにくかったチームをデータという武器で束ねようとしている。
事実、昨日の戦いでもわかるとおり、マルコ・ボニッタ氏が注入したイズムが浸透し戦術面で飛躍した。それが今年の快進撃の源であろう。

この監督交代劇を日本で考えてみる。

柳本監督は低迷していた日本をW杯前に就任して建て直し、OQTで素晴らしい成績を残してアテネオリンピック出場権を勝ち取った。
そこまでの飛躍のスピードは速かった。しかし、2006年以降はその爆発的飛躍のスピードが停滞気味である。ちょうど、この停滞が去年のポーランドとかぶる気がする。

ポーランドは監督を交代するということでまた飛躍のスピードが上がり始めた。まだたった8試合で評価するのは時期尚早であるかもしれないが、チーム躍進の起爆剤になる可能性は高い。

だからといって日本がこの時期に監督交代、というわけにはいかないでしょう。一つ、北京五輪後が目安ではないかと思う。

兎に角、何が言いたいかといえば、日本女子がさらに発展するならば何某かの起爆剤、カンフル剤が必要だ、ということである。

posted by 古都の侍 |14:28 | その他バレーボール | コメント(1) | トラックバック(1)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加