2007年08月12日

WGP#6vsブラジル~柳本監督とギマラエス監督の差 防戦一方一同呆然~




ブラジル3-0日本 (25-15 25-19 25-13)

スタメン

高橋 庄司 木村
高橋 荒木 竹下  L=佐野

アタック決定率(日本)
荒木 63%
庄司 35%
栗原 31%
木村 25%
高橋 25%

ブロックポイント
高橋 1

アタック決定率(ブラジル)
カロリネ 71%
ファビアナ 67%
パウラ 58%
シェイラ 52%

ブロックポイント
パウラ 5
シェイラ 3
カロリネ 3
エリカ 2
ファビアナ 2

ブラジルがすごいのか、日本が脆いのか。どちらもあると私は思う。

ブラジルは、的を絞らせない(ブロッカーに)攻撃は妙技である。さらにそのアタックは打点は高く、コースも考えられていて、速さもある。ディフェンス(レシーブとブロックをあわせた意味で)もよく、世界最高峰のプレーヤーの集団であることに異論はないであろう。

今日、実は日本のほうがサーブカットの返球率が5%ほど高かったことをご存知だろうか。日本が58%、ブラジルが53%である。Aカット(大まかに言えばセッターにベストな形でもどるレシーブ)は日本のほうが多いのに日本はまったく攻撃をさせてもらえない。逆にブラジルはBカット以下の乱れたサーブカットからでも自在に攻撃を組み立てている(これはキューバやロシア、中国などにも言えることであるが)。しかし、ブラジルが真の意味ですごいのはBキャッチ以下からでもある程度コンビを使ってくることである。これはセッターとアタッカーが素晴らしい技術を持っているからに他ならない。
日本はBキャッチ以下だとレフトに振るか栗原に振るかの2択しかない(栗原が前衛レフトなら十中八九栗原・・・)。Cキャッチはまだしも、Bキャッチぐらいならどうにかセンターを絡めてコンビに持っていけるようなバレーを展開しないとオリンピックは厳しい。だから、日本の課題の一つはBキャッチからのコンビバレーである。

しかし、日本はAキャッチの時でも攻撃が決まらないのである。特にこの2試合は・・・最大のその原因は高橋の動きに“キレ”がないことである。本来なら、前後左右にちょこまかと細かく動く小兵なのだが、どうも見るからに右足が重そうであり動きがいつもよりスローである。その高橋の動きの鈍さが顕著に現れるコンビプレーが、センターとばしての時間差で高橋が後ろから中に切れ込むあのコンビである。センターが跳んでクイックかと思ったら背後からスッと高橋が出てくるあのコンビだ。あれが極端に少ない。サーブカットをしてからでも出来る高橋ならではの妙技が今年は殆ど見られないのだ。日本がいい時は、あれが多くて、センターも活きているから真ん中の攻撃がよく決まっているのである。さらにそれに関連するのが“パイプ”と言われる中央からのバックアタックである。クイック・高橋の切れ込み・パイプとこの3点が今年の日本は異常に少ない(バックは栗原が打つが決定率が低いし速さを感じないからあえてパイプとは言わない)。その原因が高橋にあるのだ。

竹下も去年のようなトスの速さを感じない。去年世界バレーのポーランド戦をコートサイド間際で観たときは、もう少しサイドに平行に流すトスがスーッとアタッカーのところに来ていたと思ったが、今日、コートサードで見た感じではそれほどのノビを感じなかった。やっぱり遅いのだ。いい時はネットに平行にトスが来ているが今日は弧を描いていりようだった。そこもまた、日本の攻撃を遅くさせアタッカーがブロックの餌食になるのをプラスさせているように思う。流れも悪かった今日、板橋に代えてみるのも良かったのではないだろうか。
竹下のトスと高橋の不調が昨日今日の相手のブロック連発につながった原因だと私は思っている。今日だって15本決められた。高橋などのブロックアウトテクノロジーを使えば単調な攻撃であってもここまでキルブロックされることはないであろうと思うが。

板橋に代えてみるのも・・・と書いて思い出した。何故柳本監督は選手を代えないのかと。個人能力では遥かにブラジルの方が上なのだから日本は組織で闘わなくてならないはずだ。だったら、ベンチ入り12人を総動員してでも流れを変えに行くべきだったのではないだろうか。練習期間が短くて控え選手のコンビを完成させる時間がなかったのかもしれないが、やってみる価値は充分にあったと思う。竹下→板橋、荒木→先野、高橋→多治見、庄司→多治見、栗原→小山、思い切って一か八か大村を緊急的にレフトに再コンバート(こりゃ無理だ)・・・
ギマラエス監督は、阪神で言うJFKみたくセット終盤に「ソウザ・レナタ」を2枚代えで入れてくる。
幸運なことに控えセッターの板橋のサーブがいいのだから日本も竹下が前衛にきたセット終盤に「板橋・多治見」とか「板橋・大村」とか「板橋・小山」をやってみるべきなのではないか。ずーっと竹下のトスじゃ相手も目先が慣れてくるだろうし板橋をアクセント的に使うことによって竹下のよさが引き立つのではないだろうか。さらに日本が崩れやすい16点以降で前衛に攻撃3枚というローテが9つ続けば日本の弱点克服にもつながるのではないだろうか。16点以降をスムーズに戦う=次のセットをいい流れで迎えるなのだからやはり試す価値は大きいと思う。

他にも様々な要素が重なって今日の、ヒドスギル敗戦につながったのだと考えている。

大阪ラウンドまでにどれだけ立て直せるか。日本に課された宿題はお盆休み返上でやり遂げなければならなそうだ。

posted by 古都の侍 |23:39 | ワールドグランプリ2007 | コメント(3) | トラックバック(3)
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2007年08月12日

WGPオランダ戦補足


柳本監督曰く「オランダは日本と比べ、高さとパワーがあり、(プレースタイルが)オーソドックスなチームなので、力対力では崩すのが難しいと思っていた。対オランダを考え、コースを抑えるブロックに関してはセンターでは先野・大村が優れているので、思い切ってスタメンにして勝負に出た。」だそうだ。

Vリーグの記録などを調べるとわかるのだが、先野・大村はさほどブロックがいいセンターではない。コースを抑えるブロックならば適任者は多治見のはずなのだが・・・
結局昨日は多治見は出ず終い。間違いなく、今の12人の中でもっともブロックに長けているのは多治見であるのだが。

それから、様々な記事に「オランダの高さに屈した」と書いてあるが、それに+αとして言いたいのが、「日本の攻撃が遅いからつかまった」ということである。日本の攻撃がいつもよりも遅かったから、オランダのブロックが完成した時に打たざるを得なかった。特に荒木のワイドはいつもにもましてゆっくりだったように感じた。栗原や木村に対するトスもいつもよりかは遅かった。いつものペースで攻めることができていたら、アタッカーのスパイク決定率も上がり、勝っていたかもしれない。

posted by 古都の侍 |11:44 | ワールドグランプリ2007 | コメント(1) | トラックバック(1)
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