2009年03月31日
マイアミマスターズ(ソニーエリクソン・オープン)は、ボトムハーフが3回戦(R32)を終了していよいよ4回戦R16です。以下の選手が対戦します。
Simon vs Tsonga
(過去の対戦成績:シモン1勝、ツォンガ0勝)
Simon
メディアに対して不服なのは、誰もシモンについて語っていないこと。テレビの放送のなかでも勝った選手のリストにも加えていなかったのはどういうこと?2回戦はヒューイット3-6, 6-4, 6-3 、3回戦はシュトラー3-6, 6-1, 6-1 とむずかしい相手に勝ったというのに。最近は負けが多いし、8位とはいえ地味なんでしょうか。インタービューもなし(記者会見はしているのでしょうが、ソニーエリクソン・オープンのサイトには掲載されず)。ですから最近のシモンの様子がわかりませんが、2試合とも第1セットを落としています。ツォンガのことを以前シモンは、「彼はどんなに負けていても自信満々だから、GSは優勝してもおかしくない」と語っていましたが、ツォンガの底力を知っているだけに、作戦男で知られるシモンの対ツォンガ作戦がみものです。
Djokovic vs Berdych
(過去の対戦成績:ジョコヴィッチ1勝、バーチッチ0勝)
Djokovic
ジョコヴィッチは2月ドバイで優勝したものの、デ杯ではフェレールとナダルにストレート負け。インディアンウェルズではロディックにあっさりとストレート負けしてしまったため、ジョコは大丈夫か?という疑問が持たれていました。しかしマイアミでは2回戦、3回戦を順調に勝ちこし、安定したパーフォーマンスをみせています。特に昨夜の3回戦の対マテュー戦では、サーヴの得点確率が1stサーヴが82%、2ndサーヴが79%とソリッドなサーヴィスゲームで快勝しました。ゲーム展開も得意のバックハンドのダウン·ザ·ラインが決まり、以前のように左右のサイドラインに振り分けるジョコテニスをみせてくれました。
今までは試合の準備が十分にできていなかったと述べていますが、これは新しいラケットに慣れることと、ジョコファミリーが中心となって5月2日から始まる、セルビア最初のATPトーナメント、セルビア・オープンが影響していたと思います。昨年ジョコファミリーがオランダのトーナメントのライセンスを買い取り、セルビアにもってくることに成功。ジョコのおじさんがトーナメント・ディレクターとなって、順々に準備が整っているようですが、ジョコヴィッチのリクルートが効いてワールドツアー250のスケールにしては、なかなかの大物選手が集まりました。という訳でジョコは5月まではどうもフォーカスがむずかしそうです。
セルビア・オープンに、ジョコヴィッチ、ステパネック、アンドレェ−ヴ、カーロヴィッチ、アメリカからはクェリーが参加します。
Federer vs Dent
(過去の対戦はなし)
Federer
初戦でキムを 6-3, 6-2で倒し、3回戦ではキーファーを6-4, 6-1で破ったフェデラーは快調な滑り出しでR16を迎えます。昨日の対キーファー戦では、フェデラーの1stサーヴが80%の割で成功。この試合ではサーヴ&ヴォレーやフォアの練習をしていたようなゆとりがありました。デントは2006年2月のロッテルダムで怪我をして以来、2年以上のブランクがあった元トップ20の選手です。絶滅寸前のサーヴ&ヴォレー選手のカムバックはテニス界にとっては嬉しいニュース。二人は今回が初めての対戦となりますが、いつも初対面の選手には手こずるフェデラー。アグレッシヴなデントにどう迫るか? 楽しみな対戦です。
フェデラーの赤ちゃんニュースですが、ミルカはテニス関係の仕事を一切やめるそうです。しかしツアーにはできるだけ一緒についてまわるようですが、産婦人科との定期的検査などいろいろ準備があり、トーナメント会場とスイスを往復するのでしょうか。くれぐれも体のコンディションに気をつけてほしいですね。
Roddick vs Monfils
(過去の対戦成績:ロディック2勝、モンフィス3勝)
Roddick
3回戦のツルスノフ戦の第1セットでは、ロディックの弱点が出てしまい苦戦となりました。肝心な時に決められないことと、試合がタイトになってくるとディフェンスになりがち。つまり大切なポイントで、ガッツのあるテニスができないのがロディックの弱点。ロディックは11ゲーム目(5-5)で、8回のデュースを重ね、5回のブレークチャンスを逃してしまいました。タイブレークでも11-9でシーソーゲーム。トータルで10回のブレークポイントをとりながら、得点に結びつけたのはたったの3回。このようなもったいない試合展開では、球をとりまくるモンフィスでは苦戦が予想されます。サーヴは悪くないのですから、ディフェンスのモンフィスに強気で対戦してほしいものです。
残念な二人
Nalbandian
マイアミマスターズ(ソニーエリクソン・オープン)は、シード選手ですでに初戦で敗退してしまったのは、ナルバンディアン、フィッシュ、メルツァーの3人。ナルバンディアンは、トロイッキとの対戦では、インディアンウェルズのナダル戦にみせたあの華麗なテニスの片鱗もなく、6-1, 6-3のストレートで負けてしまいました。1stサーヴが30%ではどうがんばっても勝ちようがありませんが、ブレークポイントも6回も得ながら一度もブレークできず、今年最悪の試合になってしまいました。
Safin
初戦を勝ち越して2回戦はモンフィスと対戦したサフィンですが、勝てた試合を放棄してしまいました。第3セットで5-2と勝利を目前にしたサフィンは、フォーカスを失って、モンフィスにあれよあれよと連続ブレークを許して、6-2, 6-7(5), 6-3で敗退してしまいました。引退を宣言して最後のサフィンらしい試合をみせてくれるはずだったのですが、やはり浮き沈みの激しい気性ではメンタルをコントロールするのがむずかしく、これも残念な試合となってしまいました。
by tennisnakama
posted by tennisnakama |00:35 |
テニスの話 |
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2009年03月27日
マイアミマスターズに再びトップクラスの選手が大集合しました。3月26日からすでに激しい戦いが始まっておりますが、シードプレーヤー(32選手)は今日の2回戦(Round 64)から初戦となります。フェデラーが出ますね。この大会に大なる期待をかけていますので、密着観戦をしていきたいと思います。28日からTennisTV.comで観戦できますので(多分観戦できるのは、StadiumとGrandstandの2コートだけだと思いますが)、今週末はゆっくりStreaming観戦といきましょう。
Simon vs Hewitt
今日27日の試合に、フェデラー、ジョコヴィッチ、ロディックが初戦で出場します。今日の試合で一番気になるのが、シモンとヒューイットです。昨日のテニスチャンネルで昨年のナダルvsシモンのマドリッドマスターズの再放送を観ましたが、あのときのシモンはすごかった。ナダルの足でも追いつけない、シモンのフォアのミサイルショットを堪能しました。ナダルがシモンのファオ側にワイドにふったときに、シモンがみせたラニングダウンザラインのウィナーはテニスの究極ともいえる技で観客を魅了しました。しかし最近のシモンは、フォアに自信がなくなったのか、あの華麗なショットが影をひそめてしまっています。ぜひヒューイット戦で、リズムを取り戻して、あのしびれるウィナーをみせてほしいと思います。
Nadalについて語る
さて、大会にそなえて記者会見で質問が多かったのは、ナダルについてです。特にサフィンがインディアンウェルズで「ナダルの技が進歩したことに驚いた」とコメントしたこともあって、ナダルについてトッププレーヤーたちに質問が集中しました。(コメントは記者会見を要約したものです)
posted by tennisnakama |23:38 |
ナダル |
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2009年03月27日
2008 ATP World Tour Awardsが発表されました。
http://WWW.ATPWORLDTOUR.COM/TENNIS/1/EN/AWARDS/2008WINNERS.ASP
この賞についての詳しい情報(投票の仕組みなど)を調べましたが、まだリサーチ段階です。分かっていることは、スポーツマンシップ賞はATPの選手が投票、選手の人気投票はファンがATPのサイトに投票。その二つのカテゴリーで、フェデラーが見事にダブルウィナーとなりました。
「二つの受賞を与えられて嬉しい。スポーツマンシップは僕にとって大切なことで、いつもコートではよきスポーツマンでありたいと努力してきましたので、他の選手の模範になれば幸いです。それに次の世代に少しでもインスピレーションとなれば嬉しい。」
それにしてもフェデラーの調子にかかわらず、ナダルを倒した根強いフェデラーの人気には驚かされます。
「6年続けてFavorite Playerに選ばれたことに感激しています。世界中のテニスファンからこのようなサポートを受けて、モチベーションがあがり頑張りたいと思います。」
ランキングでは2位になってしまったフェデラーですが、人気投票ではまだまだ王者の貫禄を示してくれました。この投票結果がフェデラーカムバックの最良のメディシンになってくれますように。
Player Of The Year: Nadal
これは誰もが予期していたナダルの受賞となりました。No.1ランキングだけでなく、オリンピックゴールド、ウィンブルドンとフレンチオープンの2タイトルの獲得など、2008年のナダルの快挙はセンセーションを呼びました。
Doubles Player Of The Year: Zimonjic & Nestor
ブライアン兄弟を押さえて、ジモンジックとネスターの新しいダブルスチームが栄誉に輝きました。ハンブルグ、ロンドン、ウィンブルドン、トロントの4タイトルにフレンチオープンの準優勝の快挙。2008年度の最終ランキングは、ジモンジックが1位、ネスターが2位で不滅のブライアン兄弟の壁が崩れ去りましたが、今年はめでたく1位にカムバックしています。
Stefan Edberg Sportsmanship Award: Federer
5回連続してスポーツマンシップ賞をとったエドバーグを記念してこの名がつきましたが、フェデラーはこれで4年連続受賞となりました。もしフェデラーがエドバーグをこして6度目の受賞をすれば、Roger Federer Sportsmanship Awardと名付けてほしいですね。今のテニスファンの中でどれほどの人たちがエドバーグを覚えているのか疑問ですので、この大切な賞はアップデートする必要があると思います。チームスポーツと違って、テニスはスポーツマンシップが重視される貴重なスポーツ。Winning is everythingの風潮のプロスポーツの中で、絶滅寸前のスポーツマンシップのスピリットの救世主、フェデラーの貢献は計り知れないものがあります。
ナダルもスポーツマンシップに溢れた選手といえますが、ときどきウォーニング(サーヴに時間がかかりすぎ)を受けるのが玉にきず。これさえなくなればフェデラーの後継者となること間違いなし。
Most Improved: Tsonga
右膝の手術で3ヶ月のブランクがありながら、ランキングを43位から6位へアップさせた実力が買われたもの。オーストラリアン・オープンでは決勝進出、9月のバンコック優勝、10月のパリマスターズ優勝と大活躍の2008年でした。
Newcomer of the Year: Nishikori
ランキングが281位から63位へジャイアンツジャンプ。しかもトップ100入りを果たした最年少選手として評価されたもの。この輝かしい栄誉が圭君のモチベーションとなっていることは疑いもありません。プレッシャーとならず元気な圭君のカムバックを期待しましょう。
Comeback Player of the Year: Schuettler
2007年の155位から30位へ。シュトラーの過去最高のランキング5位(2004年)には及びませんが、もうすぐ33歳になるテニス高齢者のカムバックは、おおくの中堅選手にインスピレーションを与えました。テニスの若年化が進むなか、30歳以上の選手にこの賞が与えられたことは嬉しい限りです。
シュトラーは膝の怪我とフェデラーのかかったモノの後遺症で3年以上のスランプが続きました。引退の噂を吹っ飛ばす、すばらしいカムバックです。
Arthur Ashe Humanitarian Of The Year: Blake
福祉事業や世界平和への貢献度が最も高かった選手に与えられる栄誉です。
ブレイクは父を胃ガンで亡くして、ガンの研究に役立つよう Thomas Blake Sr. Memorial Research Fundを設立しました。1億円のゴールを設定してその基金をニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリング・ガンセンターに寄付することになりました。
Fans' Favourite: Federer
ATPWorldTour.comで行われた人気投票で6年連続1位にフェデラーが輝きました。
フェデラーは26.6%、 ナダル22.8% 、 ジョコヴィッチ7.8% 、 ゴンザレス6.2%
ホットなスーパースターのナダルを引き離しての堂々1位です。マレーの人気ランキングは分かりませんが、それにしても3位のジョコヴィッチと4位のマレーにもう少し人気を上げてもらわねば。
余談ですが、中国の最大新聞のオンライン、sina.comが行った2008年の人気投票で1位になったのは、なんとロディックです。Why? 彼は昨年の北京のチャイナオープンで優勝していますが、これだけが原因ではなさそう。ロディックは中国の大地震で壊滅してしまったテニスコートを再建するために、中国テニス協会に500万円も寄付しているのです。このような人道的貢献が評価された結果だと思いますが、ロディックは偉い!(アメリカにおいても、彼はいろんな慈善事業のためにエグジビションに出ています。)
by tennisnakama
posted by tennisnakama |00:10 |
テニスの話 |
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2009年03月25日
インディアンウェルズが終わったと思ったら、もうすでにマイアミマスターズが始まってしまいました。
圭君はマイアミだけでなく次のデ杯も欠場となりそうです。6週間の治療とは、無理がたたりました。シャラポヴァもまたマイアミに欠場です。圭君もくれぐれも怪我を軽視しないで、デ杯はやめて、フレンチに間に合わなくてもゆっくり治療に専念してほしいと思います。
圭君の欠場となってしまった寂しいマイアミに、インドの星、16歳のユキ・バンブリ君 Yuki Bhambri がWCで出場です。ユキ君は日本人との混血ではありませんが、ユキの名前は日本語からとったそうです。彼は圭君と同じボレテリでトレーニングを積み、今年はオーストラリアン・オープンのジュニアで堂々優勝しました。もちろん世界ジュニアNo.1です。今日ユキ君が73位のユンケイラと対戦します。圭君の分もがんばって! Go Yuki!
さて、やっと春がニューヨークにもやって来ました!
我が家から歩いて5分でセントラルパーク。10分でハドソンリヴァー・パーク。すばらしい公園に恵まれた環境にありながら、散歩の苦手な私は公園を利用しておりません。
もったいない!
公園の利用方法には、歩く(嫌い)、走る(手術した両膝がもたない)、サイクリング(昔やったため興味が薄れている)、ローラーブレード(誰もやっていないので捨ててしまった)、あと残るはスケートボード。
ミドルエイジ人間のスケボー挑戦に、
「スケボーなんて年甲斐もなく」これは多分日本の反応。
「Wow! That's cool!」これはニューヨークの反応。
続きはここをクリック
posted by tennisnakama |22:04 |
アメリカの話 |
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2009年03月25日
(お詫び)
外出までに早くアップしようとして大失敗です。『王者になったナダル』の記事に、マイアミ大会の記事『トップ4の準決勝への道』を掲載してしまいました。この二つがこんがらがってしまって申し訳ありませんでした。以下の記事は『王者になったナダル』です。これよりも新しい記事『トップ4の準決勝への道のり』は、順序が逆になってしまいましたが、この記事の前に掲載しています。
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王者になったナダル
さて、2009年のインディアン・ウェルズの決勝は、マレーに6-1, 6-2でナダルの完勝に終わりました。
強風が斜め横から吹き荒れるセンターコートでの戦いは、まさにメンタルゲームに始まりメンタルゲームで終ったといえます。風でボールがアウトになろうと、ゴミがコートに舞い上がろうと、集中力を崩さなかったナダルは実に見事でした。
(決勝戦)
ナダルのサーヴから第1ゲームがはじまりましたが、両選手とも強風のためか慎重なラリーです。試し打ちのような感じでミスのない堅実なウォームアップのサーヴィスゲームをナダルがホールドしました。しかし第2ゲームに入ると突如ナダルのギアがアップし始めます。
先制攻撃をかけるがごとく、ナダルがウィナーを狙いましたがアウト。しかしこれにもめげず、ナダルは2度目のウィナーに挑戦。フォアのダウンザラインが見事に成功しました。
第1セットを決定したのは、第4ゲームだと思います。マレーが最初にブレークされたゲームです。ナダルはネットダッシュなどペースを変えながら、マレーの執拗なディフェンスの壁を破ろうとします。
長いラリーが続きました。しかし風の向きや強さの関係で、ウィナー狙いは50cmくらいラインの内側を狙った安全圏となります。しかしこれではマレーの俊足で追いつかれリターンされてしまいます。マレーのディフェンスの壁が厚く、ナダルがいらついてエラーとなることもありましたが、二人とも手堅くカウントはデュースに。
その時です。突然大きな紙がコートに舞い降りてきました。ゆっくりと観客席から舞い落ちる紙切れにマレーは集中力を失い、アンパイアーに「これは試合妨害なのだから、replayとするべきだ。」とクレームをつけましたが、アンパイアはこの紙切れを見なかったとして受け付けてくれません。このアンパイアの判定を不服にマレーはぶつぶつ文句を言い続けます。これでますますマレーは集中できない危ない状況に自分を陥れてしまいました。
それでもなんとかマレーは4回のデュースを辛抱強く繰り返したあと、ネットダッシュを試みます。しかしナダルのバックハンドのダウンザラインのパッシングショットがみごとに決まってブレークされてしまいました。
ここでナルバンディアン戦で5回のマッチポイントに耐えぬいて勝った、ナダルのウィニングレシピを思い出します。デュースではガッツのあるウィナーを狙うが、勝負を決定するポイントでは決して無理をせず自分の得意なショットで攻める。前にも書きましたが、ナダルの「ほどよいガッツと堅実さの微妙なコンビ」が今回も試合を決めるキーファクターになったように思います。
ブレークを許してしまったマレーは、ラケットを替えたり、怒鳴りちらしたり、ネットダッシュを試みたりと、様々な手をつかって挽回しようとしますが、時はすでに遅し。試合の流れは完全にナダルサイドとなり、第2セットもマレーがナダルの大河に打ち勝つことができず、ナダルの勝利に終わりました。
(ナダルのコメント)
「試合中はずっと足を動かし続けていたんだ。それがぼくがよいプレーができたキーだと思う。ラインすれすれは狙わなかった。今日のような日(風の強い)はできるだけコートの内側に入るようにしたんだ。結果的に悪いコンディションの受け入れ方が僕のほうがよかったのかも。アンディよりポジティヴだったのかもね。」
(マレーのコメント)
「ラファは悪いコンディションによく適応したと思う。球も僕よりもっとクリーンに打っていたし。打つときのポジションの入り方が僕よりよかった。だから彼がポイントのほとんどを得ることができたのだと思う。」
マレーとの試合では、ナダルは今までにないネットダッシュとロブをふんだんに使った立体的テニスを披露してくれました。 コートの前後左右を隅々まで球を追っかける二人のテニスは、マレーが完敗した試合であっても結構楽しませてくれる試合でした。実際ナダルのネットプレーにおける成功率は高く、11回のうち8回成功してポイントをとっています。一方マレーは10回のうち5回成功ですから、この調子でネットプレーをもっと増やせば、さらにナダルは強くなっていきますね。ますますフェデラーとの距離が離れていくようで、ため息が出てしまいます。
(Who is Nadal?)
裕福な家庭に生まれ、何の苦労もなくすくすくと育ってきたナダルに、あのような強靭な精神が培われてきたこと自体奇跡のような気がします。ナダルにはいろんな選択があったはず。テニスがだめならサッカー選手になりたかったと言っていますが、プロのアスリートにならなくても、家業を継いでビジネスマンになることもできます。アメリカのテニスの停滞は、あまりにもいろんなチョイスに恵まれていて、テニスにコミットする子供が少なくなってきていることが主な原因とよく言われますが、ナダルのケースを考えると、言い訳に聞こえてきます。
いくらコーチが優れていても、いくらサポート態勢が完璧でも、いくら肉体的な条件に恵まれていても、ナダルのような青年をつくりあげることは不可能なような気がします。あの不撓不屈の精神、あの燃えるような勝つことへの執念、あの不動の集中力は、周りがどんなにやっきとなって与えようとしても与えられない天性のものだからです。彼がこのまま膝や体の故障に悩まされることがなければ、世紀の偉大なアスリートとなることは間違いありません。
ナダルは現役の選手の中では、まだ自分はベストプレーヤーではない、ベストは13個の最高記録の保持者であるフェデラーだと言っています。いつも向上したい、もっと強くなりたいと望むナダルには、フェデラーの記録を破り、そしてサンプラスの記録を破って、そしてロッド・レイヴァー以降誰もが実現できなかった「年間グランドスラム」を獲得して初めて、自分がベストプレーヤーと呼ばれるにふさわしいと思っているのかもしれません。
(ここからはtennisnakamaの勝手な想像による独り言です)
「テニス史上最も偉大な選手になる」
ナダルは今まで一度もそのような野心を語ったことはありません。しかし彼の胸にだけ秘められた燃え続ける野望があるはずです。ジョコヴィッチが「世界一になってみせる」と豪語した後は、自分がかけたプレッシャーに負けてしまっています。フェデラーもしかり。「サンプラスを超す」ことをゴールにしてしまった彼も、大きな敵は実はナダルではなくて、プレッシャーをかける自分であることに気づいたはずです。
ナダルが賢明なのは、この危険な「自分」という怪物と上手に付き合ってきたこと。奢る心を持たず、いつも謙遜と感謝の気持ちを忘れない。
迷いのない心。ひたすら前人未到のゴールに向かってばく進を続けるナダルに、果たしてフェデラーが勝つことができるのか? 果たしてフェデラーはウィンブルドンでナダルに勝つことができるのか?
この質問の答えのカギはマイアミ大会が握っているような気がします。
by tennisnakama
posted by tennisnakama |05:45 |
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2009年03月24日
マイアミマスターズのドローが発表になっていますが、以下が予想される準決勝ベスト4です。
セクション1:Nadal
R64: ボレリ
R32: カーロヴィッチ
R16: ヴァヴリンカ
Q: デルポトロ
今のナダルは多分どんなドローであっても準決勝に残ると思いますが、ここで要注意は2m男のカーロヴィッチです。過去2試合ともナダルが勝っていますが勝ち方が問題。カーロヴィッチのサーヴがよければブレーク不可能でタイブレークとなります。ナダルは2試合とも1セットをタイブレークで落としています。2試合の合計6セットのうち、5セットがタイブレークでナダルが辛うじて勝っています。ナダル勝利のカギは、カーロヴィッチの2ndサーヴをいかにアタックするかにかかっていると思います。
セクション2:Djokovic
R64: コールシュライバー
R32: マテゥー
R16: バーディッチ or ブレイク
Q: ツォンガ or シモン
今のジョコヴィッチは調子のよいときと悪いときとの差がはげしく、はっきりいって予測できません。彼は昨年のUS Openですっかりケチをつけてしまってから(ロブレド戦であまりの多くのMTOメディカル・タイムアウトをとって批判を浴びる。)
、彼のメンタルは動揺し始めています。Quitter(困難に出会うと途中で投げ出す人)というあだ名がついてしまったことに対して、ジョコヴィッチは抗議をしていますが、彼の評判が下落していることも、彼のパーフォーマンスに与えている影響が大きいと思います。インディアンウェルズもあっさりロディックに3-6 2-6で敗退。特にコンディショニングに問題がありスタミナがないのが負けの大きな原因となっているようで、彼のスタミナ次第ということになるかと思います。
セクション3:Murray
R64: ジケル or モナコ
R32: フィッシュ
R16: ナルバンディアン
Q: べルダスコ or ゴンザレス
トップ4の中で最もタフなドローはマレーです。フィッシュ以降は毎回準決勝のようなむずかしさで同情します。
マレーはインディアンウェルズの決勝でナダルに完敗しものの、彼の自信はフェデラーを破りSky-high。しかし最も危ないのはナルバンディアン戦で、過去の対戦成績はマレーが2連敗しています。ナルバンディアンはインディアンウェルズで、(第3セット目はガス欠してしまいましたが)ナダルに迫るすばらしいテニスをみせてくれましたので油断は禁物。ナルバンディアンがフィットしていれば、大激戦になる可能性あり。しかしマレーはこのタフなドローで、準決勝にたどりつくまでにエネルギーを消費してしまいそうな気がします。
セクション4:Federer
R64: ロードラ
R32: キーファー
R16: ロブレド or アルマグロ
Q: ロディック or モンフィス
フェデラーの問題がメンタルのみであるとすれば、過去の対戦成績が大きく影響してきます。
ロードラ:
初めての対戦となります。彼はダブルスのエキスパートですので、trickyなショットが多くて楽しめそうです。
キーファー: フェデラーの11勝3敗。しかも2003年以来フェデラーは負けておりませんので、メンタルへの影響はなし。
ロブレド: フェデラーの8勝0敗
アルマグロ: フェデラーの5勝0敗
ロディック: フェデラーの16勝2敗 しかし昨年のマイアミでは7-6(4) 4-6 6-3でロディックが勝っています。最近のロディックはスライスをうまく使い、ディフェンスが進歩しましたので油断できません。
モンフィス:フェデラーの4勝0敗
モンフィスはアップダウンの激しい予測しにくい選手。インディアンウェルズも初戦でイズナーにまけてしまっていますので、問題ないと思います。
トップ4のなかで、最もイージーなドローはフェデラー。これでナダルとの決勝の可能性が高くなってきました。ぜがひでもナダルまでたどり着き、ここでナダルを倒さなければなりません。(ナダルファンの方にお詫びします)ここで負けてしまうと、ウィンブルドンが危ない! 昨年の手に汗にぎる死闘のウィンブルドンの再現に向かって、私は大声で(ほぼ絶叫に近い)Go Roger!
by tennisnakama
posted by tennisnakama |09:12 |
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2009年03月23日
インディアンウェルズの準決勝でフェデラーがアンディー・マレーに敗退しました。3-6, 6-4, 1-6の敗北の結果は、フェデラーの今後に暗い影を残すことになったと思います。
それにしても不思議な試合でした。あれほどメンタルのフェデラーと言われた彼でしたが、肝心のメンタルはロッカールームに忘れてきたような試合となりました。この準決勝で、フェデラーは、やってはいけないテニスのお手本を示してくれました。一体どうしちゃったのでしょう。赤ちゃん誕生の新しい出来事で、フォーカスがどこかに飛んで行ってしまったのでしょうか。
過去8試合のうち、マレーに6試合も負けてしまったフェデラーは、昨日の試合を振り返って以下のように述べています。
「今日の試合はエラーが多すぎた。第1セットで何とかよいプレーをしたかったが出来なかった。」
「今日はリズムがとれなかった。第3セットが特にそうだ。第3セットのアンディーはすばらしいテニスだった。僕はミスが多すぎた。」
「過去の負けた続けた3試合では、試合が進むにつれてアンディーはだんだん強くなってくるテニスだったが、今日のテニスは違っていた。僕は第2セットでよいプレーをできたので、このまま勝てるテニスを続けていこうとして、ショッキングな3セット目になってしまった。」
「今日の試合は、僕もアンディーも多くのアップ&ダウンがあった。結果的はよいプレーをした選手が勝った試合だった。」
フェデラーが言うように、マレーも何かぎくしゃくした浮き沈みのあるパーフォーマンスでした。
しかしフェデラーとの差は、ブレークポイントの取り方です。フェデラーは10回もブレークポイントをとりながら8回もブレークチャンスを逃しています。マレーは6回のうち逃したのは1回のみ。「ここぞという時にみせる集中力」はフェデラーの看板だったはず?
マレー戦の敗因は、フェデラーも言っているように、一言で言ってエラー(unforced error)が多すぎたことです。
マレーのエラーの19に比べて、フェデラーのエラーの数は何と46もあります。これは27ポイントもマレーにプレゼントしていることになります。特に第3セットの後半は、やけくそのようなところもみられ、全く冷静なフェデラーが観られませんでした。
今までメンタルのフェデラーと言われたフェデラーの姿はありません。リズムにのれないときはすぐにイライラしてフォーカスがプッツンです。昔の粘りもなくなりました。
フェデラーにぜひがんばってほしいと、今まで打倒ナダルの作戦記事を書いてきましたが、ナダル作戦の以前の根本的問題があるような気がしてきました。
フェデラーは本当に勝ちたいのか?
燃えるような「勝つ」ことへの執念があるのか?
この私の疑問は以下のフェデラーの「やってはいけないテニス」でお分かりいただけると思います。
絶好のブレークチャンスを逃してしまう
第1セット4ゲーム目(フェデラーvsマレー:2-1)でマレーのサーヴィスゲームの時です。フェデラーは早くも40-0と3ポイントブレークチャンスを迎えます。以下のように5回のフェデラーのエラーの連続で、このゴールデン・ブレークチャンスを失ってしまいました。(unforced errorは長い言葉ですので、ここではエラーとします)
40-0 Fのエラー
40-15 Fのパッシングショットのエラー
40-30 長いラリーのあと、Fのバックハンドのエラー
40-40 Fのバックハンドがネットする
40-Ad Fのファオがアウト
簡単にブレークされてしまう
続いて5ゲーム目(フェデラーvsマレー:2-2)、フェデラーはエラーに続くエラーで、15-40で簡単にブレークされてしまいました。
失った流れを取り戻せない
第2セットはフェデラーらしい試合展開で、アグレッシヴなショットメイキングでマレーをディフェンシヴにとどめます。フェデラーはネットダッシュを積極的に繰り返して16回のうち12回成功。(マレーは3回のうち1回のみ。)ウィナーを決めたときは、フェデラーは拳を握りながらカモーンと叫び、熱がこもってきました。上がり調子で6-4で第2セットを勝ち取りました。このままいけば第3セットはフェデラー優勢で勝利です。しかしマレーの転倒で勝利の流れを失った後は、流れをとりもどすことができず、あせりまくってエラーの連続で第3セットを失ってしまいました。
対戦相手の怪我に動揺してしまう(?)
第2セットまでは、ちぐはぐなテニスをしていた両選手でしたが、第3セットに入るとスコアもタイトな接戦となり、両選手ともサーヴィスゲームをホールドしていきます。4ゲーム目(フェデラーvsマレー:1-2)、フェデラーのサーヴィスゲームのときです。 マレーが逆方向に走ろうとして足をくじいたようなモーションで転倒しました。一瞬ドキッとする転び方でしたので、フェデラーはネットにかけよって心配そうにマレーの様子を伺います。しかしマレーはメディカル・タイムアウトをとらないで試合を続行しました。
そこから不思議なことがフェデラーに起こりました。
マレーの足の怪我が頭から離れないのか、フェデラーのフォーカスがプッツンになってしまったのです。考えられないようなイージーミスの連続で、フェデラーは15-40で簡単にブレークされてしまったのです。
このフェデラーの急激な変化は Déjà vuでした。昨年のナダルとの死闘のハンブルグの決勝がダブってきます。第1セットでフェデラーは5-2とセット獲得を目前にしたときです。ナダルはメディカル・タイムアウトをとりました。ナダルの足にマメができていることは今までの試合で紹介されていましたので、トニーコーチも心配でナダルにリタイアせよというサインを送っています。このタイムアウトのすぐ後にフェデラーのテニスがガラッと変わってしまったのです。しかもナダルは故障があるなど全く想像もさせない快適なフットワークでフェデラーを攻めていきます。一度フォーカスを失ったフェデラーはナダルの流れを変えることが出来ず優勝を逃してしまいました。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
以上のように、フェデラーにとって情けない試合となってしまいましたが、フェデラーにはぜひ14個のGSタイトルを獲得してもらうために、応援しつづけようと思います。
そこでぜひとも以下の二点を強調したいと思います。
気持ちの切り替えることの大切さ
勝負の世界は「勝つ」か「負ける」かのどちらかです。前のセットを完勝したとしても、タイになれば試合を決定する第3セットのみがカウントされます。過去のセットは存在しないのです。ナダルとの全豪の決勝でも、このdeciding setの第5セットで、フェデラーがもろく崩れさってしまいました。フェデラーの頭の中はいろんな情報が混じりすぎているような気がします。長い試合の中では必ずups & downsがつきものです。でもそれに引きずられてしまってはなりません。毎回頭と気持ちを真っ白にして、ゼロからスタートする気持ちの切り替えができるかどうか? 考えすぎるフェデラー、こだわりすぎるフェデラーから卒業です。
最後まで粘る気持ちの強さ
最後の粘りに必要なのは、ナダルのように「最後まで自分を信じ続けられる自信」です。それが負け続けている相手にはなかなか持てず、苦手意識が先走って勝てる試合でもまた負けてしまうフェデラー。
フェデラーの傷が深まらないうちに、まずはマイアミでナダルに勝つことが先決問題。自分を信じられるテニスができて初めてGS14個が達成です。
最近「ナダルを倒す」記事が増えて、ナダルファンには申し訳ないと思っています。私はナダルのファンですし、もちろん彼には勝ってほしいと思いますが、フェデラーには引退まであと数年しか残されていません。ですから今のうちに早く14個をとって、後はゆっくりナダルの応援をしたいと願っているのです。このへんの微妙なファン心理をご理解お願いします。
by tennisnakama
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フェデラー |
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2009年03月20日
インディアンウェルズもいよいよ終盤戦を迎え、フェデラーとマレーが準決勝に進出を決めました。
今晩のナダルvsデルポトロとジョコヴィッチvsロディックの準決勝も、予断を許さない試合となりそうで、あまりの贅沢な盛り沢山の試合の数々に疲れが出ているテニスファンの皆様に、ここで楽しい、そしてちょっとセクシーな話題を提供したいと思います。
アメリカの人気のスポーツ雑誌、スポーツ・イラストレイティッドSports Illustrated は、日本では「スポイラ」「SI」「SI誌」などとも呼ばれてその存在も知られていますが、毎年水着特集号を発表して大人気を呼んでいます。その水着特集に今年からテニスプレーヤー3人が仲間入りをすることになりました。その3選手とは、ハンチュコヴァ、キリレンコ、ゴロヴァン。本職のモデルさんとは一味違った清楚なセクシーさが好評です。
テニスは特殊なスポーツとなりつつあり、アメリカでは完全にマイナーなスポーツとなってしまいました。テニスのファン層を広げるためにも、選手たちの存在をPRする必要があり、この SI誌の新しい試みは嬉しい限りです。
美の定義は時代とともに変化してきています。一昔前まではあのふくよかなマリリン・モンローが女神とあがめられ、彼女のような体に女性が憧れたものです(日本では好みが違うようですが)。今は? たぶん彼女の胸以外はNo thank you。現代の女性の美は贅肉のない、トーンアップされた肉体です。SI誌の読者はほとんどが男性ですので、新しい女性の美しさをアピールする上でも、このテニス選手の水着特集は歓迎したいと思います。
長い前置きはこのくらいにして、この3人のビデオとフォトをお楽しみください。
そしてロディックのフィアンセ、スーパーモデルのブルックリン・デッカーの超セクシーなビデオもお忘れなく。
ハンチュコヴァの水着
キリレンコの水着
ゴロヴァンの水着
ロディックのフィアンセ、ブルックリンのダイナマイトな水着
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posted by tennisnakama |23:07 |
テニス選手 |
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2009年03月20日
(前の記事:「ナダルvsナルバンディアンを観る」の続きです)
「ナダルに果たして勝つことができるのか?」 このテーマは14のGSタイトルを獲得するために、フェデラーが超えなくてはならない第1テーマです。
インディアンウェルズの対ナルバンディアン戦は、ナダルの打倒のヒントを与えてくれた意味で、とても興味ぶかい試合となりました。ナダルは進化しているとはいえ、まだまだ昔のプレースタイルをひきずっているところがあります。ナルバンディアンが第1・第2セットでみせたようなプレーをすれば、ひょっとしてナダルを破ることができるかもしれません。以下がナルバンディアンが見せた打倒ナダルのウィニングレシピです。
(ナダルファンの皆さん、気分を害しないでください。これはナダルが勝ち続けていくためには、彼が調整していかなければならない点とお考えください。)
(1)ナダルに時間の余裕を与えないon-the-rise(ライジング)のショット
ナダルを最も苦しめたのは、ナルバンディアンの on-the-riseのショットです。ナダルに勝っているナルバンディアン、ダヴィデンコ、ブレイクなどの選手は、すべてベースライン近くでon-the-riseを得意とする選手です。ナダルの足でも追いつけないこの on-the-rise で左右のワイドにナダルを振れば、ナダルのカウンターショットが浮いてきます。そこでネットダッシュによってヴォレーで決めます。
(2)フォアハンドとバックハンドのダウンザライン
ナダルの基本はクロスです。ですからラリーの最中は、立ってるポジションがどうしてもクロスよりになり、逆サイドがより空いています。そこをナルバンディアンはうまく両サイドのダウンザラインを使ってポイントを稼ぎました。しかしこのダウンザラインはあくまでも on-the-rise で打ち込まなければナダルからカウンターされてしまいます。
(3)ワイドに切れるサーヴとアングルショット
いくらナダルが超人的な脚力をもってしても、ワイドに極端に切れるサーヴやショットは、手が届きません。届いたとしても球が浮いてきます。ナルバンディアンがさかんに使ったのが、バックハンドのアングルクロス。(ナダルはフォアハンドでよく使うショットです。)デュースコートのワイドなサーヴはナダルのバックハンドになり、角度をつければサーヴィスウィナーとなります。
(4)ショートボールを叩く
ナダルは、スピンがかかりすぎたショートボールをよく打つことがあります。このショートボールを逃さず、ベースラインから一歩中に入ってコーナーに叩きます。これもナダルに時間を与えないショットとして有効です。
(5)ディープショットを打つ
ナダルをベースラインの3mにとどめておくには、ディープショットが不可欠です。特にナダルの苦手なのが、体の正面に打ち込まれるディープなボディショットです。体格がでかいのでジャムってしまいます。
(6)ネットダッシュでラリーを短縮
いくらナダルがパッシングショットの達人であってもネットダッシュされるとプレッシャーになります。また不意をつくといった効果もあります。このネットダッシュでナルバンディアンは重要なポイントをいくつか獲得しました。ラリーを続ければナダルにリズムを与えてしまいますので、できるだけ早くゲームを終わらせることがキーファクターとなります。
とりあえずこの6点がナルバンディアンが与えてくれた打倒ナダルのヒントでした。もしフェデラーvsナダルの決勝戦となれば、フェデラーがどのような打倒ナダル作戦を繰り広げるか楽しみですね。
by tennisnakama
posted by tennisnakama |08:02 |
ナダル |
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2009年03月20日
インディアンウェルズでは2試合とも、ベストコンディションで進撃を続けるナルバンディアンは、私たちの持つような中サイズのテニスバッグを持った身軽な格好でコートに現れました。ダークブルーの上下のウェアで少しほっそりとして見えます。減量に成功したのでしょうか、以前よりフィットしているようです。 新しいコーチをつけてから(モヤのコーチ:ルイス・ロボ)調子がよいナルバンディアンは、手強い相手となりそうな嫌な予感がします。
ナダルはオレンジのジャケットに大きなバッグ二つ。ブルーと白のシャツに白パンツ。いつものように、まずはチューブ入りのエネルギー源をとり、二本のウォーターボトルを例の場所に置き準備完了です。
ナダルがコイントスに勝ってレシーヴを選びました。
ニューヨークは夜中の2時。前から気になっていた二つの質問の答えを見いだすために、今日はたとえ試合が夜明けまで続こうと頑張って観ようと決心しました。
まずはナダルのこの2年間の進化です。
2年前にナルバンディアンに完敗しているナダルは、どのような進化をとげているのか? ナダルの弱点は何か?
次に世界最強の実力がありながら、なぜナルバンディアンが今だにGSのタイトルがとれないのか?
第1セットが始まりました。
ナルバンディアンのサーヴです。二人とも最初は様子を伺うペースを落としたラリーを続けます。ナダルは対ナルバンディアン作戦として「ラリーを長くつづけたい」と言っていましたが、早く決められてしまわないように、ラリーにもっていくという意味だったと思いますが、果たしてこの作戦がナルバンディアンに通じるかどうか?
2ゲーム目はナダルのサーヴィスゲームです。ナルバンディアンはベースラインから下がらず、オン・ザ・ライズon-the-rise(球がバウンスしたすぐ後に打つ)でカウンターショットを打ってきます。ナルバンディアンのフォアのクロスがナダルの左コーナーを突いてウィナーが決まりました。ナルバンディアンはいつものようにクリーンな当たりのショットメイキングをしています。どうしてあのような美しい澄んだ打球音で打てるのか。一方ナダルは緊張しているのか、いつもの悪い癖が出て、スピンのかかりすぎたショートボールを打っています。彼の打球音は擦った雑音の混じった音がしています。
悪い予感がすでに2ゲーム目で的中。15-40でナダルが早くもブレークされてしまいました。
ナダルはベースラインからかなり下がって打っています。ウーム。いけません!これって完全に昔のディフェンスのモードです。ナルバンディアンのショットが深くなかなかベースラインに来ることがむずかしいのでしょうが、それにしてもナルバンディアンの思う壷といった試合展開になっています
ナダルは片手バックハンドのスライスと、フォアのルーピーボール(ループボールに近い山なりのボール)をふんだんに使っています。ナルバンディアンの見事なサイドライン近くのショットメイキングでコートの外に追いやられるナダルが、ポジションに戻るにはこの二つのショットが有効なのですが、あくまでもつなぎのディフェンスのテニスです。
それぞれサーヴィスゲームをキープして5ゲーム目に入りました(ナダルvsナルバンディアン:1-3) しかしナルバンディアンのミスも手伝って、ナダルはやっとブレークしなおしました。
二人とも豪快なサーヴで決めていくテニスではなく、リターンでブレークしていくテニスですので、いつひっくり返るか分からないスリルが二人の試合にはあります。しかしナルバンディアンはますます好調で、見事なバックハンドが左右のサイドラインに落ち、ウィナーを決めていくテニスは魅力的です。
まさに危惧された「ナルバンディアンのコントロール」の下で 走り回るのはナダル。ナルバンディアンはナダルのパターンを知っているので、ナダルほど走っておりませんが、フットワークがよく、落ち着いたテニスをしています。彼はラケットの準備が早いので、オン・ザ・ライズの球があれほど正確に打てるのですね。
ナダルのブレークでスコアは元のイーヴンに戻りましたが、どうみてもナダルが劣勢です。8ゲーム目は、「やっちゃいかん」テニスの連続でナダルがブレークされてしまいました。このゲームの展開はナダルの弱点を露呈したゲームでした。以下は私のメモです。
(ナダルvsナルバンディアン:ナダルのサーヴ)
0-0
ナルはナダルのショートボールにネットダッシュしてヴォレーで決める。
0-15
ナダルのポジションがまた3m奥に下がってしまった。完全にディフェンスの悪いパターン。
15-30
ナダルが思い切りの悪いショットが多く、ナルにチャンスを与える。ナルはフォアのダウンザラインのウィナー
15-40(ブレークポイント)
ナルがミス
30-40
ナダルのサーヴィスウィナー
40-40
ナダルのショートボールをナルがフォアで叩く
40-アド(ブレークポイント)
2ndサーヴをナルがバックハンドのクロスリターンでナダルのエラーをさそう。ナダルがブレークされる。
このように何となく煮え切らないナダルのパーフォーマンスで、第1セットは3-6でナルバンディアンが勝ち取りました。
第1セットが終わるとナダルはトレーナーを呼びました。右足の靴をナダルが脱いで、テーピングのやり直しをトレーナーにしてもらっています。足の裏にマメができているのかも知れません。あれでは走るのは痛いでしょうね。
第2セットに入ってから、ナダルは気持ちの切り替えができたのでしょうか。1ゲーム目からナルバンディアンを左右に走らせ、速攻でウィナーを連打。40-0でナルバンディアンにメッセージを送りました。このアグレッシヴなナダルの変化に戸惑ったのか、ナルバンディアンのテニスが安全圏を狙う守りのテニスへ。
この変化は面白いと思います。テニスはまさにメンタル。攻めるか、攻められるかの戦いの中で試合が変化していきます。
4ゲーム目は、ナダルは40-15と3ポイントのブレークポイントをとりながら、6回もデュースを繰り返し、果てはブレークできなかった残念なゲームとなりました。なぜ、ブレークできなかったのか? ナルが何度もネットダッシュしてアグレッシヴなテニスを展開し始めたからです。ナダルは攻撃的になったとはいえ、ネットダッシュはナルバンディアンの球がショートでない限り前に出てきません。ナダルはネットプレーに格段の進歩をみせているのですから、もっとネットダッシュしてナルバンディアンを揺さぶる必要があったと思います。
さて辛うじてサーヴィスゲームをキープしたナルバンディアンが、彼のテニスの本領を発揮したのは5ゲーム目、2-2でナダルのサーヴィスゲームです。ナダルは作戦通り、長いラリーによってリズムをつかみ、アグレッシヴなショットを打ち込んできます。しかしナルバンディアンは、ネットダッシュ、ロブ、などいろいろショットを混ぜながら、ナダルの攻撃を中和。特にブレークポイントでは、ネットのナダルにロブを何度が打ってブレークに成功。実にうまいテニスです。
この試合のハイライトは何と言ってもナダルが4回のマッチポイントを免れた第9ゲームです。
ナルバンディアンは勝利を目の前に少し固くなってきました。ダブルフォルトを合計8回もしています。ここでナダルがすごいのは、デュースでは守りに入ったナルバンディアンに、ネットダッシュ、サイドライン上のワイドのウィナーなどのアグレッシヴなショットで攻撃し始めました。しかしマッチポイントではミスをしません。そしてマッチポイント#4でサーヴィスウィナーを取りました。このガッツのよさと堅実さの見事なコンビネーションは、ナダルのメンタルの財産だと思います。そのフォーカスを切らさない強靭なメンタルによって、パニックに陥ることなく、危機を突破することができたのだと思います。
第3セットではナルバンディアンの弱点が露呈しました。彼のメンタルがいつも問題にされますが、これは彼のフィットネス次第ではないかという気がしてきました。ナダルと第3セットをこなすには、相当なコンディショニングが必要です。ナダルの強烈なトップスピンを対等に打つには、相当なエネルギーを使い果たし、たいていの選手はナダルにスタミナ負けをしてしまうのだそうです。ナルバンディアンも3セット目は完全にガス欠状態。フォーカスも途切れて無惨なベーグルになってしまいました。
結局フォーカスとフィットネスが上回ったナダルが、3-6, 7-6, 6-0でナルバンディアンを倒してQFに進むことになりました。
ナルバンディアンがGSのタイトルをとるためには、まずロディックのように身軽になり、相当なコンディショニングをすることが不可欠条件ではないかと思います。マレーが強くなったのはまさに彼の体力つくりの努力の賜物であって、ナルバンディアンも悲願のタイトル獲得のためにがんばってほしいものです。
by tennisnakama
posted by tennisnakama |07:57 |
ナダル |
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