2008年04月15日

フリークライミング日本選手権 トレーナー日誌(前編)

先日、4月12日(土)、13日(日)、

フリークライミング日本選手権2008 MAMMUT CUP
が行なわれ、

今回、13日(日)の準決勝から

プロフリークライマー、伊東秀和選手のトレーナーとして参加してきました。

フリークライミング日本選手権2008伊東選手



・・・

今大会は、
アジアカップの日本代表の選考会も兼ねている大会。

伊東選手にとっては、
しっかり取っておきたい大会になります。

私のできることは、
体調面で最大限、彼の可能性を引き上げること。

また、

心理面も大きな作用をします。

イメージトレーニングのサポートもありますし、
実際に大会でケアをすることは、
選手にとって大きな安心になります。

その役目をしっかりすることが、
私の今大会のテーマでした。


フリークライミングの大会は、
通常、選手は登るルートを見ることはできません。

直前に設けられたオブザベーションの時だけ。

そのため、

私も、もちろん会場には入れません。
施設に着くと、直に選手のウォーミングアップ会場へ。

伊東さんの朝の調子を伺いに行きました。

体調は良いようです。

すこし指の関節に曲げづらさを感じるようなので、しっかり整え・・・
その後は全身の状態を確認。

筋肉って一つで捉えても意味はないんですよ。

例えば、

足を前に出すためには、
足を前に出す直接的な筋だけでなく、
関節を安定させてスムーズに動かすための筋もあります。

また足を前に出すためには、
体幹の安定も不可欠。

それらの筋骨格の複合メカニズムを状態を把握する必要があります。

その調整をしておかないと、
よく大会当日、

「何か今日は動きがしっくり来ない・・・」
「力が入りづらい・・・」
「ふあふあした感じで、地に足がつかない・・・」

となり、本人も動揺し、ますます崩れ、
本来の実力が出し切れなくなるわけです。


この筋骨格の複合メカニズムは、
統制しているのは脳・神経系になりますので、
とても心理的要素が大きな影響を及ぼします。

大会になると実力が出せないアスリートは、
心と身体の関係性から複合的な調整が必要でしょう。


今回、

伊東選手の筋骨格の複合メカニズムの調整をしてみると、
やはり大会と言うのは、意識しない選手はいません。

心理的要素により、アンバランスが生じていたので、
さっそく、その場で調整。

あとは、
カラダの血行と筋の活性度を上げる目的で、
すこし筋への緩和操作も加えて、準備完了。

伊東選手は、ウォーミングアップを始めました。


良い状態でウォーミングアップが終わったあたりで、
選手はオブザベーションのため会場へ。

6分間でルートの確認。

瞬時に、フォールドの形状から取り付けてある向きを把握し、
登るイメージを頭の中で組み立てます。


一般人からすると、
あの壁を登ることですでに超人の域に入っているのに、

あの数分間のオブザベーションで、
登るルートを全部覚え、登るイメージを作ってしまう。

毎回、トップアスリートの超人ぶりには感動します。


アスリートがウォーミングアップ会場に戻ってくると、
さっそく今度は、イメージトレーニングによる身体調整。

カラダは、とても心理面と密接に繋がっているので、
うまくイメージができていないと、カラダの緊張ですぐに分かります。

逆に

頭で描いた登るイメージを一通り、カラダを使って確認することで、
頭のイメージとカラダがうまく繋がっていないところがすぐ分かります。

そこを確認して、

そのマイナスイメージをしっかり認識し、心と身体の関係性を調整し、
プラスに転化していく。

大会直前のイメージでここが一番大事なところ。

通常、
プラスのイメージトレーニングは広くアスリートの間で行なわれています。

しかし、

プラスだけのイメージで終わっていると、
不測の事態に陥った時、
そのマイナスをプラスに転化するイメージも持っていないと、
一気に崩れてしまう。

マイナスを見ないのではなく、
マイナスをしっかり認識してプラスに転化する!

それをしているアスリートは、
ピンチでも崩れないんですよ。

つづく。


山中英司

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