フシ穴の眼 〜スポーツ編〜

月別アーカイブ :2017年03月

MONEY(銭ゲバ)対The Notorious(悪漢)〜異種格闘技戦を考える〜

元PFPキング、フロイド・メイウエザーとUFCライト級王者のコナー・マクレガーの〝異種格闘技戦〟が大きな話題を呼んでいます。 対決はボクシングルールで行うことで両者の意思は一致していますから、正確には「アリ猪木」のような異種格闘技戦ではなく、MMA選手によるボクシングへの〝道場破り〟というのが正しい表現でしょう。 もしこの試合が実現するとなると、メイウエザーが要求している「ファイトマネー1億ドル......続きを読む»

戦後記:リナレスvsクローラ〜見せろ!Bサイドの矜持=夢の続き

リナレス、完勝でした。 早速、WBC正規王者のマイキー・ガルシアがコメントを出しています。 「おめでとう、ホルヘ・リナレス。素晴らしい勝利だった。技術、柔軟性、コンビネーション、そしてパワーも本当に凄かった。すぐに統一戦を戦いたい。どこもカットしていないし、怪我もしてないだろうから、この夏にでもやろうじゃないか」。 いいですね。マイキー、やる気満々です。 トップランクとの契約問題がこじれにこじ......続きを読む»

リナレスvsクローラ〜見せろ!Bサイドの矜持〜

プロボクシングは公平なスポーツではありません。 AサイドとBサイドが厳然として存在します。二つを隔てる基準はやはりお金です。つまり人気です。より人気があるボクサーが興行をリードしするのです。Aサイドのボクサーは自分の土俵で戦えるのです。ホームで試合を開催し、ルールの範囲内で自分のスタイルに有利なグローブ、リングの大きさ、マットの硬さ、ロープの緩み等を設定できるのです。 スーパーバンタム級以下のク......続きを読む»

ヘビー級に恵みの穀雨は降るのか?②

1ヶ月後に迫ったアンソニー・ジョシュアvsウラジミール・クリチコ。この一戦がボクシングの中心を再びヘビー級に引き戻す導火線となるのか? 今でこそヘビー級は、17階級の一つでしかありませんが、80年代まではその存在は圧倒的でした。ボクシングとはすなわちヘビー級であり、ヘビー級こそがボクシングだったのです。その歴史を紐解くと、スポーツの枠を超えた社会的な存在ですらありました。ヘビー級の歴史を振り返るに......続きを読む»

ヘビー級に恵みの穀雨は降るのか?①

ボクシング界の中心がヘビー級から離れてから幾星霜。 パウンドフォーパウンドも複数階級制覇もマネーvsパックマンも、ヘビー級とは無縁ですが、それらはある意味で詭弁でしかありません。パウンドフォーパウンドはヘビー級に勝てないボクサーの言い訳ですし、無差別級にとって複数階級制覇など必要ありません。メイウエザーとパッキャオは法外な報酬を手にしましたが、二人は大きな商売に成功した優秀なビジネスマンでしかなく......続きを読む»

頑張れ!日本代表!

ドジャースタジアムにそぼ降る雨を、アメリカの涙雨にしてやりましょう。 WBCの選手ほど割に合わない商売は滅多にないと思います。選手の報酬は200万円余りで、優勝で約400万円が加算、さらに優勝賞金(たった270万ドル、約3億円)の分配がありますが、山田哲人や坂本勇人の年俸は3億5000万円です。NPBシーズンでの故障やピークを早めたことでの不調で成績下降、来期減俸となるリスクを考えると経済的な魅力......続きを読む»

ロマゴン敗北で考える〜複数階級制覇〜③

マニー・パッキャオが8階級制覇したスパンは108ポンド(50.80kg)から154ポンド(69.85kg)までの46ポンド(19.05kg)。現在の17階級の47%を占めます。 これに匹敵する、あるいは凌駕するボクサーは、長いボクシングの歴史を紐解いても存在しないのか?少なくともパッキャオが誰も寄せ付けない複数階級制覇王者とは言い切れません。 【しかしマルガリートとの体格差はやばかったですね】 ......続きを読む»

ロマゴン敗北で考える〜複数階級制覇〜②

ロマゴンとシーサケット、どちらがクオリティの高いボクサーかは言うまでもないことでしょう。ロマゴンはシーサケットではなく階級の壁に敗れたと言えます。また、同じ興行でリングに上がったミドル級一筋のGGGもIBFの当日計量をパスして80キロ以上に膨らんだジェイコブスに12ラウンド手を焼きました。複数階級制覇に挑んだわけではありませんが、GGGもまたある意味で〝階級〟の壁にぶち当たったと言えるかもしれません......続きを読む»

ロマゴン敗北で考える〜複数階級制覇〜①

ローマン・ゴンザレスがシーサケット・ソールンビサイに接戦の末の判定とはいえ敗北。これをPFP1位が破れた衝撃的な試合と捉えている人は少ないのではないでしょうか。4階級制覇を達成した前戦もカルロス・クアドラス相手にやはり手こずりました。今回の試合は「ロマゴンがジュニアバンタムに適応できるのか」の二次試験の意味合いもありましたが、その合否の結果は明らかでした。 フライ級までのスタイルのままでは、シーサ......続きを読む»

絶対的な真実=PFPは妄想

パウンドフォーパウンド。 階級制のボクシング競技で「階級を無視して一番優れたボクサーは誰か」という、妄想ランキングです。 著名な歴史家や解説者、ESPNや英国BBCの見解ですら妄想です。 PFPはアメリカで最もボクシングのステイタスが高かった1950年代、とはいえその注目度がヘビー級に偏重していた時代に、 ボクシングの歴史を革新する技術を披露した偉大なシュガー・レイ・ロビンソンこそが「歴史・階......続きを読む»

PFPはミステリー

PFPは脳内ランキングです。それゆえ、いくらでも自由な解釈が許されます…というか、例えばパッキャオが今なお1位だ!と叫ぶ人がいれば、それはその人のPFPです。 非常に鋭い指摘をいただきました。私がわかりにくい言葉を下手くそな文章でいくら並べて「PFPは脳内ランキング」と書いても、このご指摘がPFPが何なんのかを端的に表してくれています。 ■■■リングマガジンのHPから↓ http://www.r......続きを読む»

ロマゴン陥落で考える〜パウンドフォーパウンドとは何か?テディ・アトラスの抗弁〜

マジソンスクエアガーデンで行われたダブル世界戦。リング誌、ESPNが共に認めるパウンドフォーパウンド(PFP)1位のローマン・ゴンザレスがまさかの敗北。さらに無敵の快進撃を続けるリング誌4位、 ESPN2位のゲンナディ・ゴロフキン(GGG)が連続KOの世界記録更新を阻まれる小差判定勝ちと、大方の予想を裏切る結果となりました。 この結果を受けてPFPランキングに変動があるでしょう。まず、ロマゴンの1......続きを読む»

大番狂わせのドミノ〜大揺れのMSGと当日計量の重要性〜

マディソンスクエアガーデンで大番狂わせが続きました。 まずはアマ・プロ通じて敗北を知らないローマン・ゴンザレス(ニカラグア)が、伏兵シーサケット・ソールビンサイ(タイ)にまさかの判定負け。パウンドフォーパウンド(PFP:階級を無視した仮想対決で最強を決める脳内ランキング)でリング誌やESPNなど主要メディアがこぞってNo.1に推していたロマゴンの陥落は、その対決を熱望していた井上尚弥が最もショック......続きを読む»

ダニエルは2度、奇跡を起こせるか?

勝負の分かれ目で、人間力は意味があるのか? 将棋、囲碁の世界では大勝負になればなるほど、土壇場になればなるほど、それまでに培ってきた人生経験、人間力が最後に勝敗を決する、そういうことがよく言われます。芸能の世界でも大きな病気を乗り越えたり大失恋を体験した歌手の声には艶が出るなんて言うのも同じことかもしれません。 人生で蹉跌を舐めた人間はスポーツや将棋の世界でも、大一番で力を発揮する。夢のある話で......続きを読む»

ヘビー級ブルース 〜アンソニー?デオンティ?誰が覇権を取り戻すのか〜

1867年にグローブを付けて戦うクイーンズベリー・ルールが発表されてから150年、1886年に最初の階級であるミドル級の世界タイトルマッチが行われてから130年。どちらを近代ボクシングの歴史にするにしても、原始、ボクシングはヘビー級(無差別級)しか存在せず、階級制が広がった近代ボクシングでも100年以上に渡ってボクシングとはヘビー級のことでした。 無差別級、ヘビー級から産声をあげた長い歴史の末に現......続きを読む»

マラソン日本は復活するか?〜血と生いたちと環境〜②

血と生い立ちと環境。 この3つが人柄を決める3つの要素だと、明石家さんまが大昔、よく話してました。コントやギャグの舞台ではなく、受験勉強の合間に聞いていた深夜ラジオでした。 アスリートの実力を決めるのもこの3つの要素と言えます。「血」は遺伝子、「生い立ち」はどういう育ち方をしたか、「環境」は練習内容。ケニアとエチオピアのトップランナーはほぼ例外なく弱肉強食のプロフェッショナルの「環境」で過酷な練......続きを読む»

マラソン日本は復活するか?〜血と生いたちと環境〜①

先週のびわ湖毎日マラソンで、今シーズンの主要なマラソンレースが終わりました。予想通りの結果を低調というのが正しい評価かどうかはわかりませんが、今の男子マラソンは停滞を通り越して後退していると言われても仕方がない状況です。 世界のマラソンがエチオピアとケニアの2強に偏重し、2時間斬りに迫る高速化に突き進む中で、後退していては勝負になるわけがありません。実際、レベルの高い国際的な大会での日本人選手はス......続きを読む»

パックマンはどこへ行くのか

マニー・パッキャオの次戦が誰とどこで戦うのか大揺れに揺れています。 当初、トップランク(TR)のボブ・アラムから発表されたのは豪州のブリスベーンで地元のジェフ・ホーンと初防衛戦を行うというものでした。「ジェフ・フェネックとアズマー・ネルソンの対決よりも大きなイベントになる。パッキャオの名前はこの二人よりもはるかにでかい」と、1992年にメルボルンに3万7000人を集めた剛腕対決を凌ぐ関心を呼ぶとホ......続きを読む»

ガラパゴスの星②

ボクシングの世界王者のステイタスは時代とともに低下、今では数だけなら過去最高の王者を抱えながら、その名前は一般の人にはほとんど知られていないのが現状です。60年代、ファイティング原田の名前は長嶋茂雄を凌駕する重さを持っていました。巨人大鵬卵焼きの時代のテレビ視聴率で原田は巨人戦をはるかに上回る数字を叩き出していたのですから、それも当然でした。この傾向は具志堅用高の70年代まで何とか続きますが、世界戦......続きを読む»

ガラパゴスの星①

山中慎介の強打はこの小さな島に閉じ込めておくのはもったいないですが、海外進出は現実的ではありません。 【リング誌の2016年年間PFPで山中は9位、井上も11位】 今回の対戦相手が世界ランカーにふさわしい実力の持ち主かどうかは別にして、山中がこの階級で最強のパンチャーであることに疑う余地はありません。山中もファンもビッグネームとの大試合をベガスでと熱望していますが、実現の道は険しいと言わざるを......続きを読む»

ボクサーは嘘をつく

ボクサーは嘘をつく。 リング誌に「Best I’ve faced(過去最強の相手)」というコーナーがあり、主に引退した選手が自身のキャリアを振り返り、パンチ力やスピード、ボクシング技術など10項目に渡って最強の対戦相手を挙げています。数々の強敵と激戦を繰り広げたシュガー・レイ・レナードが難なく圧勝したフロイド・メイウエザー(マネーのお父さんですね)を「ショルダーブロックを完成させていた」と絶賛、最......続きを読む»

最終予想〜ウエルター級統一戦〜

いよいよ日本時間の週末に決戦が迫りました。 サーマンとガルシアの戦力比較を海外のビッグマッチ風に20項目でやってみました。左からPacman(パッキャオ)、Money(メイウェザー)、One Time(サーマン)、Swift(ガルシア)、The Special One(ケリー・パブリック、King Khan(アミール・カーン)です。パッキャオとメイウエザーは2015年の対決直前のリング誌のスコアで......続きを読む»

ブロガープロフィール

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出張が多い仕事柄、移動の合間に書き込ませていただいています。

新幹線の車窓に流れる日本の郷愁あふれる街の風景や、夜の航空機から暗い雲間の隙間に現れるきっと訪れることのない知らない街の光に、えもしれぬ感傷に耽りながら大好きなスポーツの試合を独断と偏見で書き綴るのは、最高にリラックス出来る贅沢な時間です。

健康診断のたびに「運動せねば」「酒は控えねば」と自戒しつつもまた翌年の診断を迎える怠惰な中年ですが、アスリートの美しい躍動に、歓喜と感謝と精一杯の拍手を送っていきたいと思います。
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(12月12日現在)

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