フシ穴の眼 〜スポーツ編〜

ミゲール・コットとは何者か?

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日本では、その階級で穴王者と見られる名ばかり世界王者や、マニアでもよく知らない挑戦者を連れてきて安易な世界タイトルマッチが繰り返されています。階級最強と見られる王者や、ボクシングファンが認める強豪選手は、せっかく育てたジムの秘蔵っ子と戦わすには危険すぎます。ボクシングの場合、惨敗したら「いい経験をした」では済みません。心身ともにキャリアに重大な影響を与える可能性もあります。

仕方がありません。そういう部分も大いにあります。自分が大手ジムの経営者で「有望なホープを階級最強王者に挑戦させるか?」と聞かれて、「ファンのためにそうする!」と言い切れる人は、もしいるとしたら大嘘つきです。

そして何より、有名選手はおいそれと日本には来てくれません。長谷川穂積と統一戦を戦ったフェルナンド・モンティエルは当時、誰もが認める階級最弱王者でしたが(過小評価されていた部分は大きく、逆に過大評価の長谷川は大きなツケを払わされてしまいます)、それでも交渉は難航、そんなモンティエルの条件ですら、どんどん釣り上げられていきました。

軽量級でも日本人がビッグネームと戦うのはレアケースなのに、中量級となるともう夢の世界です。

8月26日に亀海喜寛が拳を交えるミゲール・コットなんて、フロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオ、昔ならシュガー・レイ・レナードやトーマス・ハーンズと同じ世界の住人です。日本人が戦うなんて妄想するのもおこがましい存在でした。

昨年の暮れあたりからコットの対戦相手として名前が浮上していましたが、いやぁ、まさかまさかの展開です。

今夜はミゲール・コットについてです。

私自身は、いつも無表情でトラッシュトークも控えめで、リング外ではファンサービスのかけらも見せない無愛想なコットは今ひとつ好きになれなかったのですが、ファンの方も多いと思います。ファンになる気持ちもよーくわかる、今時珍しい、本当にプロボクサーらしいプロボクサーなんです…あれ?好きなのかもしれません、私も。

1980年10月29日生まれですから、36歳。いつキャリアの幕を引いてもおかしくない年齢です。2学年上のパッキャオとは真逆で、キャリア後半になってから激闘型になったことからもダメージは相当蓄積されているはずです。 【素晴らしいキャリアを走り続けているコットですが、トレーナーに恵まれているとは言えません。現在、コーナーについているのはフレディ・ローチ。「攻撃偏重」と言われ、コットのとっては良くないと見る専門家も少なくありません。今の所、メイウェザーとカネロに判定負けした以外は結果が出てるとはいえ…。=リング誌2015年12月号から】

ボクシングを始めたのは11歳のとき。アマチュアでは125勝23敗と優秀な成績を収めていますが、世界的なタイトルは取れてないんです。1993年(当時13歳)にあのイバン・カルデロンに負けてるのは有名ですね。

2000年にはプエルトリコ代表としてシドニー五輪に挑みましたが、無念の1回戦負け。このときの相手がウズベキスタンのムハンマド・アブデュラエフで、勝ち上がって金メダルを獲得しました。このアブデュラエフとは、コットがWBOジュニアウェルター級王者として三度目の防衛戦で〝再戦〟、9ラウンドTKOで退けています。アマチュア実績には目を見張るものがなかったものの、若い頃からコットは「プロ向き」と言われていましたが、それを証明する一戦でした。

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世界に挑む日本人
ビッグファイト/メガファイト
ミゲール・コット
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出張が多い仕事柄、移動の合間に書き込ませていただいています。

新幹線の車窓に流れる日本の郷愁あふれる街の風景や、夜の航空機から暗い雲間の隙間に現れるきっと訪れることのない知らない街の光に、えもしれぬ感傷に耽りながら大好きなスポーツの試合を独断と偏見で書き綴るのは、最高にリラックス出来る贅沢な時間です。

健康診断のたびに「運動せねば」「酒は控えねば」と自戒しつつもまた翌年の診断を迎える怠惰な中年ですが、アスリートの美しい躍動に、歓喜と感謝と精一杯の拍手を送っていきたいと思います。
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