フシ穴の眼 〜スポーツ編〜

【オッズと予想】村田諒太vsアッサン・エンダム④

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今日はオッズと予想の話です。

さぁ、村田諒太vsアッサン・エンダム。もう、今週末です!待った無しです!

bet-at-home.comのオッズはエンダム勝利が2.25倍、村田勝利が1.62倍。WOWOWなどでよく使われる日本風にアレンジすると、アバウト5-2で村田が大きく有利というところでしょうか。ドローが24.00倍とやや低い数字になっていることからも、試合は判定までもつれ込むと見られています。

村田有利のオッズが出ることは予想通りとはいえ、日本のファンから見ると「そんな簡単な相手じゃないだろう」というのが実感でしょう。嬉しいんだけど、本当にそう思ってくれてるの?ってところです。

五輪金メダルの威光と、電通―フジテレビ、トップランクー帝拳という圧倒的なバックアップ体制も加味されたオッズ、地元判定の匂いをはっきり嗅ぎ取った上での数字であることは十分に理解しているつもりですが、いざいろんなブッカーが「村田有利」と打ち出してくると戸惑いを隠せません。

これも、シュガー・レイ・レナードや、オスカー・デラホーヤを授かったことのない国のボクシングファンが初めて体験する心地良い動揺、戸惑いなのかもしれません。

当たり前ですが、世界中の専門家もファンも、ブッカーも、村田がプロでは何一つ証明しないまま、ミドル級屈指の強豪と激突することを知っています。

それでも、プロフェッショナルの賭け屋が「村田有利」とオッズを叩いているのです。

【シュガー・レイ・レナード。五輪の金メダリストからスターダムに駆け上がった典型です。「村田とレナードを比べるか?気は確かか?」。そう思うのが当然です。レナードもベニテスに勝つまでは「よくも『シュガー・レイ』なんて厚かましい名前を名乗って恥ずかしくないのか」、そう揶揄され続けました。】

レナードがウィルフレド・ベニテスのウェルター級王座に挑戦するとき、5−1でレナードを支持するオッズに専門家は首を傾げました。「人気はここまでオッズを動かすのか」と。実際に、一方的なオッズに反して専門家予想は真っ二つに割れました。

ベニテスのディフェンスをレナードが突き破ることが出来るわけがない…そう言われると、誰も反論できないほどの技術を、プエルトリコの天才は確かに持っていました。

金メダルを取ったプライドは過小評価され過ぎ、レナードは相手が強ければ強いほどその真価を発揮する…モントリオールの輝きを目の当たりにしたファンにはレナードが躓くなんて想像も出来なかったでしょう。

金メダリストが必ずプロでも通用するとは限りません。しかし、本物の野獣にとって「温室」は「檻」とイコールです。何も知らないメディアやファンの凡庸な目には「温室」に見えたそれは、実は猛獣を解き放つまでの刹那のゲートなのかもしれないのです。

エンダムにとっては、相手は五輪の金メダリスト。しかも、その金メダリストの地元に引っ張り込まれたのです。昨年のリオ五輪にも出場したエンダムの、五輪への憧憬は私たちの想像をはるかに上回るものでしょう。そのメダルの価値、重みは、もしかしたらアフリカ大陸の辺境からやって来た天衣無縫のエンダムこそが、最もよく理解しているのかもしれません。

エンダムの立場からすると「倒さなければ勝てない」と考えるのが自然です。前戦でESPNの年間最高KO賞に輝く22秒の秒殺劇を演出したものの、決してエンジンのかかりが早い方ではないエンダムですが、1ラウンドから一気に攻め込んでくることも考えられます。

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出張が多い仕事柄、移動の合間に書き込ませていただいています。

新幹線の車窓に流れる日本の郷愁あふれる街の風景や、夜の航空機から暗い雲間の隙間に現れるきっと訪れることのない知らない街の光に、えもしれぬ感傷に耽りながら大好きなスポーツの試合を独断と偏見で書き綴るのは、最高にリラックス出来る贅沢な時間です。

健康診断のたびに「運動せねば」「酒は控えねば」と自戒しつつもまた翌年の診断を迎える怠惰な中年ですが、アスリートの美しい躍動に、歓喜と感謝と精一杯の拍手を送っていきたいと思います。
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