フシ穴の眼 〜スポーツ編〜

PFPはミステリー

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PFPは脳内ランキングです。それゆえ、いくらでも自由な解釈が許されます…というか、例えばパッキャオが今なお1位だ!と叫ぶ人がいれば、それはその人のPFPです。

非常に鋭い指摘をいただきました。私がわかりにくい言葉を下手くそな文章でいくら並べて「PFPは脳内ランキング」と書いても、このご指摘がPFPが何なんのかを端的に表してくれています。

■■■リングマガジンのHPから↓ http://www.ringtv.com/ratings/ PFPだと、1位ロマゴン、10位井上尚弥階級別(ジュニアバンタム)だと、1位井上尚弥、2位ロマゴン??意味不明ですね。察するに、ロマゴンがPFP1位になったのはフライ級時代。それならPFP1位だけど、上のクラスではRFP1位として認められていない、って感じなんですかね。■■■

PFPのネジレは珍しくありません。

「PFPは階級(体重)を無視したランキング」だからロマゴンは1位で、デオンティ・ワイルダーは10位にもカスらないのです。一方で80年代以降、承認団体と階級が無意味に増殖される中で、WBAや WBCなどアルファベット団体のランキングはより自分たちが囲い込む選手に偏り、世界のボクシングファンは承認団体のランキングを信じられず無視するようになりました。この流れの中で有力メディア、リング誌やESPNの階級ランキングが利己的なアルファベット団体のランキングよりも遥かに説得力を持つようになります。

しかし、ランキングの宿命として「規定の期間に試合を行わなかった」「引退を発表した」ということがない限り、ランキングが落ちることはまずありません。もしロマゴンがシーサケットに勝ってPFP1位のままで、バンタム級に転向してもリング誌バンタム級王者の山中慎介からタイトル奪取となるかといえば、そうはなりません。

スポーツ、とりわけボクシングで「もし」の話をすることほど無意味なことはありませんが、ジュニアバンタム2位のロマゴンがあの判定をものにして(私はロマゴンが2ポイント勝ってたと思いました)、ジュニアバンタム1位の井上と戦うとなればオッズも予想も井上に大きく傾いても不思議じゃなかったでしょう。それでも「PFPランキング」はロマゴンが1位で上なんです。このケースではリング誌のチャンピオンシップが発生しますから、勝った選手があのトリコロールのお洒落なベルトを巻くことができます。

PFPが典型ですが、人が脳内で決めてしまったランキングはリングの上では何の意味も持ちません。

ボクシング界の嫌な矛盾が集約される話になってしまいますが、有名なエピソードでは文句無しのPFP1位(リング誌年間もESPNも満場一致)のマニー・パッキャオがリッキー・ハットンと戦った時、ハットンはリング誌のジュニアウエルター級王者で、パッキャオはその階級の10位にも入っていませんでした。それでもオッズは2−1でパッキャオ有利、試合結果もご存知の通り、オッズ以上に明白でした。

PFPを論議するのはボクシングオタクにとって楽しい時間です。といっても、結局はサッカーやテニスのように強力な統括団体のもとで「最強」を明白に決めるスポーツでないからこその、ひねくれた愉悦ですね。

とにかく、ボクシングは胡散臭い。階級は17もあるし、王者は主要4団体だけでもそれそれ二人は抱える、ネズミ講のようです。一般紙に取り上げられるスポーツでこんなに怪しいものはない!それなのに、とんでもない歴史があって、五輪でも人気種目。アメリカや日本では斜陽だけど、発展途上国では超メジャースポーツ。

だから好きというわけじゃないし、ずっと前から好きでしたが、いや、やっぱり大好きです。

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出張が多い仕事柄、移動の合間に書き込ませていただいています。

新幹線の車窓に流れる日本の郷愁あふれる街の風景や、夜の航空機から暗い雲間の隙間に現れるきっと訪れることのない知らない街の光に、えもしれぬ感傷に耽りながら大好きなスポーツの試合を独断と偏見で書き綴るのは、最高にリラックス出来る贅沢な時間です。

健康診断のたびに「運動せねば」「酒は控えねば」と自戒しつつもまた翌年の診断を迎える怠惰な中年ですが、アスリートの美しい躍動に、歓喜と感謝と精一杯の拍手を送っていきたいと思います。
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