フシ穴の眼 〜スポーツ編〜

この階級に日本人が覇権を打ち立てる可能性があるなんて、なんたる幸せ!(4)〝2017.10.22 両国から始まる日本ミドル級の新しい歴史〟①

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1995年に竹原慎二が見せた奇跡から22年、村田諒太が演じるのは奇跡ではありません。

竹原にはゴールでしたが、(王者になったとしても)村田にはスタートです。

叩き上げの竹原と、五輪金・アマチュアエリートの村田。両者のボクサーとしての共通点はほとんど見当たりませんが、ミドル級を取り巻く環境は良く似ています。

マービン・ハグラーという重しが取り除かれ、タイトルが散逸した時代にWBAピースを拾った竹原。

ゲンナディ・ゴロフキンが明白な劣化を見せ、決定力を持つボクサーが見当たらない現在、やはりWBAピースを狙う村田。

竹原同様に、村田にも幸運な環境が出来上がりつつあります。

ESPNのミドル級ランキングで8位につける村田よりも世界評価が上のボクサーは、ゴロフキン、カネロ・アルバレス、ダニエル・ジェイコブス、デビッド・レミュー、ビリー・ジョー・サンダース、セルゲイ・デレビャンチェンコ、アンディ・リー、ジャーマル・チャーロの7人です。

現時点で、村田が間違いなく不利予想を立てられる相手は、ゴロフキン、カネロ、ジェイコブス、チャーロの4人でしょう。

レミューが4度倒しながらも反撃を許し、苦戦したアッサン・エンダムを、村田が圧倒するようなことがあると、現時点のミドル級の世界地図は修正されます。

注目の10月22日、両国国技館。ESPNでも全米9000万世帯、世界200ヶ国に生中継されますが、米国では早朝午前7時からオンエア。村田とエンダムの知名度から考えても、視聴者数は期待できそうにもありませんが、世界中のボクシングファンに生の村田を披露する大きなチャンスであることに変わりはありません。

【村田vsエンダムは、今年7月のマニー・パッキャオvsジェフ・ホーンからスタートしたトップランクとESPNが組んだボクシングシリーズとして全米生中継されます。すでに、ワシル・ロマチェンコvsミゲール・マリアガ、テレンス・クロフォードvsジュリウス・インドンゴなどの好カードを放送、年末にはロマチェンコvsギレルモ・リゴンドーの〝史上最高の技術戦〟もセットされています。】

初戦以上に、村田有利の予想は揺るぎませんが、エンダムというのは誰もトドメを刺せないゾンビみたいなファイターですからね。もちろん、そのエンダムを最も追い詰めたのは村田ですが、カメルーン人の不屈の精神と肉体は侮れません。

ミドル級で最も防御が堅いと評価される村田に対してエンダムが序盤から仕掛けるとは考えられませんから、試合展開は村田の重圧にエンダムが下がるという、初戦と同じ展開になるでしょう。村田がどこまで手数を増やせるか、チャンスを迎えた時に一気に詰められるか、が焦点です。

「エンダムはパンチはない」と言われていますが、ピーター・クイリンもレミューも反撃を許して、倒しきれませんでした。村田にしても、あれだけ強烈なダウンを奪いながら仕留めることは出来ませんでした。

思い切って踏み込めない怖さがあるんでしょう。そして、トップ選手が詰めの攻撃を躊躇せざるをえないと感じる〝悪寒〟は、気のせいではありません。手負いのエンダムに不用意に襲いかかるのは危険すぎます。

【今回は、ウィニングからエバーラストのグローブに代えてリングに上がるといいます。三浦隆司、亀海喜寛も愛用している伝統のブランドが、村田のパンチ力を増幅してくれるといいのですが。】

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出張が多い仕事柄、移動の合間に書き込ませていただいています。

新幹線の車窓に流れる日本の郷愁あふれる街の風景や、夜の航空機から暗い雲間の隙間に現れるきっと訪れることのない知らない街の光に、えもしれぬ感傷に耽りながら大好きなスポーツの試合を独断と偏見で書き綴るのは、最高にリラックス出来る贅沢な時間です。

健康診断のたびに「運動せねば」「酒は控えねば」と自戒しつつもまた翌年の診断を迎える怠惰な中年ですが、アスリートの美しい躍動に、歓喜と感謝と精一杯の拍手を送っていきたいと思います。
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