フシ穴の眼 〜スポーツ編〜

カネロvsGGG〜最後に生き残るのは…村田諒太である〜③

このエントリーをはてなブックマークに追加

ゲンナディ・ゴロフキン、カネロ・アルバレス、共にリミット一杯の160ポンドで前日計量をクリア。

試合開始のゴングまで、次に注目すべきは、当日計量です。今回、賭けられているWBAスーパー、WBC、IBF、IBO(ゴロフキン)と、リング誌(カネロ)の6つの団体とメディアで、当日計量で規定(前日から10ポンド以上の増量を禁止)を設けているのはIBFだけです。

GGGはいつものように10ポンドラインのギリギリまで戻して来るでしょう。問題は、カネロです。

GGGを避け続けてきたカネロ陣営が、この待望の一戦に応じた大きな理由の一つが、3月のダニエル・ジェイコブス戦で35歳のカザフスタン人に明らかな劣化の兆候と、弱点を見出したからです。

特に、当日計量で180ポンド(81.6kg)を超えてリングに上がったジェイコブスに、体格負けしたGGGの姿は印象的でした。ミドル級の戦いですが、現実のリング上で繰り広げられていたのは、スーパーミドル級のGGGと、クルーザー級のジェイコブスというハンディキャップマッチでした。

18連続KO防衛の世界記録更新が期待されたGGGでも、〝仮想・階級の壁〟には阻まれてしまった格好です。

この試合でもIBFタイトルが賭けられていましたが、ジェイコブスは意図的に当日計量をパスします。この時点でIBFのベルトはGGG勝利なら防衛、ジェイコブス勝利なら空位となりました。

さて、カネロもIBFタイトルを無視して、このジェイコブス戦法を使うかどうか、です。

二人は、リミット一杯(160ポンド)で計量を終えましたが、身長では179㎝のGGGが4㎝ライバルを上回る一方、骨格、体格はカネロが勝っていました。両者の筋肉のライン、肌の枯れと絞り具合からも、カネロの方が減量幅が大きかったように思えます。

カネロもアルファベットタイトルには全く興味は無いでしょうから、ジェイコブス戦法を選ぶかどうかは、明日の戦術プランのよるでしょう。ミドル級にめぼしい相手がいなくなっても、この階級にこだわったGGG陣営は、階級の壁を恐れているから、とも言われ続けていました。

GGGでなくても、明らかに体格の違う相手と戦うストレスは相当なものです。先週、ローマン・ゴンザレスをKOしたシーサケット・ソールンビサイも、リング上では3階級近く上のボクサーに見えました。

相手の嫌がることをする、それを優先するなら、世界で最も保護されてきたメキシカンは、10ポンド以上増量するアドバンテージを選ぶでしょう。

しかし、自分のベストを発揮することを選ぶなら、スピードが殺される増量は避けるはずです。

階級制の根本にあるのは公平・平等ですが、ボクサーの健康を最優先して生まれた前日計量が、胃袋が強く増量に適応できる体質のボクサーを有利にし、もう一方のボクサーの健康を危険に晒すという皮肉な結果をもたらしている現状は、もっと憂慮、避難されるべきです。

ボクシングは胃袋の強さや、リバウンドを争う競技ではありません。カネロには、10ポンド以内の増量に抑えてリングインして欲しいところです。



1ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
世界のミドル級
世界に挑む日本人
ビッグファイト/メガファイト
パウンド・フォー・パウンド
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

カネロvsGGG〜最後に生き残るのは…村田諒太である〜③

ダニエル・ジェイコブスは計量拒否したのち、ありえない増量を施したのだから
体のサイズがゴロフキンより大きいのは当たり前なんじゃ..
それに連続KOも、あの体格差で倒しきれなかったゴロフキンに非はないし、連続KOタイ記録は誇っていいと思う
逆に意地でも判定に持ち込むために、計量拒否したのには強い憤りを感じたよ
ボクサー失格

カネロvsGGG〜最後に生き残るのは…村田諒太である〜③

先月から!そうなんですね。

勉強不足でした。
早速のご指摘、まことにありがとうございます。

「カネロvsGGG〜最後に生き残るのは…村田諒太である〜③」へのコメント

別の方も仰ってますが統一戦では当日計量はなくなりましたね。なのでこのルールはむしろチャンピオンの負担を軽減してくれると思います

カネロvsGGG〜最後に生き残るのは…村田諒太である〜③

IBFは先月から計量を他団体との統一戦に限り行わない方針を決定しています。
http://boxingnews.jp/news/50631/

こんな記事も読みたい

画像庫御開帳(その他イベント編7)【後楽園ホールの通路をジャックせよ!】

カネロvsGGG〜最後に生き残るのは…村田諒太である〜②【フシ穴の眼 〜スポーツ編〜】

照ノ富士の大関陥落を、希望に満ちていると思う理由。【幕下相撲の知られざる世界】

ブロガープロフィール

profile-icontanutan

出張が多い仕事柄、移動の合間に書き込ませていただいています。

新幹線の車窓に流れる日本の郷愁あふれる街の風景や、夜の航空機から暗い雲間の隙間に現れるきっと訪れることのない知らない街の光に、えもしれぬ感傷に耽りながら大好きなスポーツの試合を独断と偏見で書き綴るのは、最高にリラックス出来る贅沢な時間です。

健康診断のたびに「運動せねば」「酒は控えねば」と自戒しつつもまた翌年の診断を迎える怠惰な中年ですが、アスリートの美しい躍動に、歓喜と感謝と精一杯の拍手を送っていきたいと思います。
  • 昨日のページビュー:0
  • 累計のページビュー:1450194

(10月21日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 山中は戦った、そして敗れた。「セコンドを心配させた」の真意は?
  2. ミゲール・コットとは何者か?
  3. いったい誰がロマチェンコに勝てるというのか?
  4. 具志堅用高は本当に強かったのか。13連続防衛は本当に偉大なのか。③
  5. 膠着、ミドル級。あからさまな不当判定、ボクシング界は腐っている。
  6. 日本ボクシング史上最大の番狂わせ!木村がゾウをTKO!
  7. 具志堅用高は本当に強かったのか。13連続防衛は本当に偉大なのか。②
  8. VIVA MEXICO! メキシコ史上最強は誰か!?
  9. ミゲール・アンヘル・コットは日本人が戦った最大の名前なのか?
  10. 日本人の身体能力は黒人に劣るのか?①

月別アーカイブ

2017
10
09
08
07
06
05
04
03
02

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年10月21日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss