フシ穴の眼 〜スポーツ編〜

ロマゴン完全陥落、井上尚弥はどこへ行くのか?①

このエントリーをはてなブックマークに追加

115ポンドに上げた2試合では平凡なファイターになってしまったローマン・ゴンザレス。

シーサケット・ソールンビサイとの初戦は、勝利を盗まれたと言っても良い内容でしたが、タイ人の体格を持て余し、階級の壁にもがいているのは明らかでした。

今回は、ロマゴン復権のために、異例の7日前計量で121ポンドのリミットを課すなど、階級の壁への対策、小細工もリング外では仕込まれていたのですが…。

試合開始からバッティングを気にして慎重に距離を取るロマゴン、しかし前回苦戦したのはバッティングが最大の原因ではありません。階級の壁です。

「121ポンド」の縛りも虚しく、リングに上がったシーサケットはこの日もロマゴンよりひと回り大きく見えました。

ジリジリと距離を詰めて、クロスレンジでのパンチ交換で優位に立って、詰将棋に持ち込むのがニカラグアが生んだ最高傑作の勝利の方程式でした。フライ級までは、後ろに下がる時間は非常に短かったロマゴンでしたが、今日はバックペダルを踏み続け、バッティングを警戒したとはいえ、自分の距離、クロスレンジからは程遠い戦いになってしまいました。

そして、その距離は、体格で上回り、射程距離でも優位に立つタイ人にとっては、まさにオーダーメイドの空間でした。

【完全にノックアウトされてキャンバスに堕ちたロマゴン。階級の壁に苦しんでいたとはいえ、かつてのPFP1位が痛烈に倒されたシーンは、衝撃的でした。まさかの結末に、恋人のソフィアさんが友人と手を握って、観客席から走り去ったシーンは、一見コミカルにも映りましたが、勝利を信じきっていたロマゴンが崩れ落ちる姿にパニックになり、行くあてもなく席を離れてしまったのでしょう。リング上で横たわるロマゴン以上に、悲痛さが伝わりました。ボクシングは、本当に残酷なスポーツです。】

ソールンビサイは「今回は4ヶ月も準備期間があった。2ヶ月しかなかった前回でも、体力では勝っているという手ごたえがあった。今日は間違いなくKO出来ると確信していた」と、衝撃的なKOにも落ち着いてコメントしていました。

もしかしたら、ロマゴン側は「前回苦戦したのはバッティングだけが原因」とでも思ってたかのような、無策な戦いぶりに見えました。もちろん、結果論です。私もロマゴンの僅差判定勝ちを予想していましたし。

ロマゴンは「全力でパンチを交換して、彼の方が少しだけ強かった。チャンピオンを祝福したい」。ロマゴンは、階級の壁を越えるためのモデルチェンジが出来きませんでしたが、裏を返すと、スタイルを変えずに、強豪相手に3階級も制覇したのです。彼のスタイルがあまりにも完成していたが故に、モデルチェンジ出来なかったのかもしれません。

K2プロモーションのトム・ラフラーは「相性が最悪の相手だった。それでもチョコラティテは、今なお115ポンドでソールンビサイを除けば最強だ」と意地を張りましたが、その言葉は虚しく響くだけです。

もちろん、シーサケットは強い、強いです。体格とパワーでロマゴンを圧倒し、スピードでも互角以上に渡り合いました。

SUPERFLY2は、シーサケットとファン・エストラーダの激突になる見通しですが、タイ人有利は揺るぎません。カルロス・クアドラスに負けたときから、相当な戦力アップを果たしているシーサケットは今や、井上と並ぶ階級最強候補です。

2ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
世界の軽量級
THE SUPER FLY
ビッグファイト/メガファイト
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

この記事にはまだコメントがありません

こんな記事も読みたい

観戦記1366 WBCクルーザー級王座決定戦 イルンガ・マカブvsトニー・ベリュー【人生マイペンライ】

三沢光晴氏の死から何も学んでいない DDTの責任は重大 事故の原因、改善策が棚上げ、都合の悪いところには一切触れていない 高山善廣の募金の目的が不透明【極上の“T-1二見激情”見参】

スーパーフライ級史上最強は誰だ?③〜ギャラクシーかダルチニアンか?【フシ穴の眼 〜スポーツ編〜】

ブロガープロフィール

profile-icontanutan

出張が多い仕事柄、移動の合間に書き込ませていただいています。

新幹線の車窓に流れる日本の郷愁あふれる街の風景や、夜の航空機から暗い雲間の隙間に現れるきっと訪れることのない知らない街の光に、えもしれぬ感傷に耽りながら大好きなスポーツの試合を独断と偏見で書き綴るのは、最高にリラックス出来る贅沢な時間です。

健康診断のたびに「運動せねば」「酒は控えねば」と自戒しつつもまた翌年の診断を迎える怠惰な中年ですが、アスリートの美しい躍動に、歓喜と感謝と精一杯の拍手を送っていきたいと思います。
  • 昨日のページビュー:0
  • 累計のページビュー:1547148

(11月23日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 山中は戦った、そして敗れた。「セコンドを心配させた」の真意は?
  2. ミゲール・コットとは何者か?
  3. いったい誰がロマチェンコに勝てるというのか?
  4. 具志堅用高は本当に強かったのか。13連続防衛は本当に偉大なのか。③
  5. 膠着、ミドル級。あからさまな不当判定、ボクシング界は腐っている。
  6. 具志堅用高は本当に強かったのか。13連続防衛は本当に偉大なのか。②
  7. 日本ボクシング史上最大の番狂わせ!木村がゾウをTKO!
  8. VIVA MEXICO! メキシコ史上最強は誰か!?
  9. ミゲール・アンヘル・コットは日本人が戦った最大の名前なのか?
  10. 日本人の身体能力は黒人に劣るのか?①

月別アーカイブ

2017
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年11月23日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss