フシ穴の眼 〜スポーツ編〜

マラソン日本は復活するか?〜血と生いたちと環境〜①

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先週のびわ湖毎日マラソンで、今シーズンの主要なマラソンレースが終わりました。予想通りの結果を低調というのが正しい評価かどうかはわかりませんが、今の男子マラソンは停滞を通り越して後退していると言われても仕方がない状況です。

世界のマラソンがエチオピアとケニアの2強に偏重し、2時間斬りに迫る高速化に突き進む中で、後退していては勝負になるわけがありません。実際、レベルの高い国際的な大会での日本人選手はスタートから勝負に参加することを諦めた惨めなレースを強いられています。アフリカの2大国の選手は「オギャーと産まれた時からものが違う」(小出義雄)から、「同じことをやっていては絶対に勝てない」(原晋)のは明らかです。

日本が世界のマラソンが仕掛けた“スパート”にどんどん離されていく中で、不思議な現象が起きています。箱根駅伝の人気沸騰です。この1年で振り返っても、箱根の視聴率はサッカー・クラブワールドカップの決勝に進んだ鹿島アントラーズとレアル・マドリードとの一戦をも凌駕して、スポーツ中継でナンバーワンの数字を叩き出しました。

そして日本テレビが全国中継に乗り出す前の80年代から、箱根のレベルもその注目度に正比例して驚異的な上昇を見せました。

当時、関東の大学で長距離を走っていた鈍足ランナーから見るとその急成長はにわかに信じられないほどです。80年代の箱根はシード10校、予選会からの勝ち上がり5校の計15校で本戦が争われていました。現在はシード11校、予選勝ち上がり9校の20校まで枠は広げられています。本戦はご存知の通り距離やコースの変更などがあり、当時との単純比較は出来ませんが、予選は大井埠頭から昭和記念公園に場所は移りましたが、距離はほぼ平坦な20キロのコースで変わっていません。予選会は各大学から14人まで出場でき、その上位10人の総合タイムで競います。

昨年行われた予選会で最後の11校目の切符をもぎ取ったのは日本大学で10時間16分17秒。一人平均では1時間1分37秒です。これは80年代の予選会なら十分優勝できるタイムです。つまり、80年代の箱根予選でトップ10の選手を同じ大学として、そのまま現代の予選会で走らせても到底本戦には進めないということで、隔世の感があります。当時は、一人平均1時間6分で走れば予選通過、参加校枠が増える5回ごとの記念大会なら1時間7〜8分で走れば予選通過でしたから、東京大学や慶応大学は、ここを狙って戦力を整え記念大会枠をほぼ毎回掴み取っていました。

1時間12分と1時間7分なら、個人ではなく駅伝チームとして考えると決して小さな差ではないとはいえ、既存の陸上部、長距離ブロックチームの枠組みの中でもいくらでも詰めようがあります。しかし、これが1時間6分と1時間1分になると同じ5分差でも、もはやまともな発想ではどうこうできる差ではありません。

私は鈍足でしたが、それでも箱根予選は100位前後で、私よりも遅いランナーも数えるほどでしたが箱根を走るのを正月のコタツの中で情けなく眺めていました。今も昔も箱根予選は約50校、650人が走りますが、当時の私が今の予選会を走れば400位台、私より遅いランナーが箱根を走るなんてことは絶対に起こりえません。

【関東インカレ1987のパンフレッットから:1部1万メートル】

この30年で、関東大学長距離のレベルが飛躍的に伸びたもう一つの指標に関東インカレの標準記録があります。1987年当時の1万メートルの標準記録は1部で29分47秒、2部で31分55秒でした。しっかし、瀬古利彦の27分台というのはこれは今見てもしびれますね。

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