フシ穴の眼 〜スポーツ編〜

The Circus of The Century〜世紀の大サーカス〜

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ESPNマガジン8月21日号が、「格闘技特集」を組んでいます。

「3000-Hit Wonders Who will join this exclusive club next?」(3000本安打の金字塔。イチロー・スズキに続いて、この超一流の仲間入りをするのは誰だ?)と、我らがイチローの偉業にも触れられていますが、大半のページをMMAに割き、もちろんその中心はコナー・マクレガーvsフロイド・メイウェザーの〝異種格闘技戦〟です。

通常、ボクサーが異種格闘技のリングに上がるときは「カネに困って落ちぶれたボクサーがMMAに妥協したルール」が定番でした。

まぁ、メイウェザーは落ちぶれてはいませんが、カネには相当に困って、かなり追い込まれているようですね…。

しかし、今回は純粋にボクシングルール。2年前までPFP1位に君臨していたボクシング史上屈指のディフェンスマスターと、ボクシングの経験のないMMAの現役スターが戦うというのです。

そして、この試合が9月16日に行われるゲンナディ・ゴロフキンvsカネロ・アルバレスのミドル級決戦を大きく引き離して、The Event of the Year に輝くことは確定です。

もちろん、この試合にスポーツとしての価値はありません。もはや言い尽くされているように「下品な見世物」であり「劣悪なサーカス」です。

【「醜悪な言葉が飛び交う下劣な罵り合いが、今世紀最大の見世物の本質だ」。〜いやぁ、メイウェザーの200ドル札ばらまきパフォーマンスも、今回が過去最高の枚数だったそうです。】

純粋ボクシングルールになったのは、これはもちろん両者の立ち位置の差です。ボクシング界の傑出したビッグネームに対する、世界的にはボクシングよりも格下に見られるMMAのスター選手の下克上の怒情です。

ESPNマガジンでは、多くのメディア同様に、勝ち目が無い戦いに挑むマクレガーに肩入れした記事になっています。

「ダブリンから飛び出した狂気のファイターは、いまなお何もかもに抗い続けている。ついに、その狂気は、メイウェザーとボクシングの試合をするという次元にまで暴走した」。

誰ひとり実現するとは思わなかった世紀の大サーカス、最初のサイコロを投げたのはマクレガーでした。

とにかく有名になりたいマクレガーと、巨額の税金滞納で資産差し押さえの期限が迫るメイウェザー。両者の思惑は完全に一致します。

マクレガーが投げたサイコロは、メイウェザーが受け取り、二人は周囲を弄びながら、出来レースのスゴロクを、約20ヶ月でゴールしました。

「メイウェザーとボクシングの試合をやってやる」(2015年7月2日)→「マクレガーが下劣な言葉を吐いた時は、みんな面白がるのに、俺が同じことをしたら総攻撃だ。奴は守られた白人だ」(2015年12月30日)→「白人であることで得したことなんて一度も無いぜ。そんなセリフはに度と口にするな」(2016年1月8日)→英国The SUN が「両者がメガファイトの交渉テーブルに着いた」と報道するも、UFC代表のダナ・ホワイトは「三流新聞のデマだ」」と否定。(2016年3月6日)

→「この試合を成立させることが出来るかもしれない。マクレガーは雑魚じゃない」(2016年5月13日)→「本当のことを教えてやる。メイウェザーは俺を必要としている」(2016年5月22日)→ネバダ州体育協会がUFC202でマクレガーがボトルを投げつけた事件で罰金15万ドルを課し、ラスベガスでのメイウェザー戦は暗礁に乗り上げる。(2016年10月16日)→マクレガーがカリフォルニア州でプロボクシング免許を取得。(2016年11月30日)→ESPNの取材に応じたメイウェザーが「ホワイトは双方2500万ドルの報酬を提示したけど、そんなはした金でやってられるか!」(2017年1月13日)

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出張が多い仕事柄、移動の合間に書き込ませていただいています。

新幹線の車窓に流れる日本の郷愁あふれる街の風景や、夜の航空機から暗い雲間の隙間に現れるきっと訪れることのない知らない街の光に、えもしれぬ感傷に耽りながら大好きなスポーツの試合を独断と偏見で書き綴るのは、最高にリラックス出来る贅沢な時間です。

健康診断のたびに「運動せねば」「酒は控えねば」と自戒しつつもまた翌年の診断を迎える怠惰な中年ですが、アスリートの美しい躍動に、歓喜と感謝と精一杯の拍手を送っていきたいと思います。
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